タバスコ余らせてんじゃねえよ
最悪のアニメレビューによる最悪のアニメベストええーっと20いくつかくらいのランキングネタです。年も終わるしベッタベタな企画で締めてしまいましょう。とかいって、今年のアニメでなく今年僕が観たアニメも含まれます。全然アニメオブジイヤーではありませんね。
15・世界征服 謀略のズヴィズダー
京都アニメーションの現在は?::ウィッチクラフトワークス中二病でも恋がしたい!戀世界征服~謀略のズヴィズダー~のモードレビュー - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
そうハーレム…髪の毛原色分け…意味のない設定…まったりした萌え…そうしたラノベアニメゲームに蔓延するポイントを抑える保守的なデザイン…テレビの企画では「迷ったら犬か子供をネタにしろ」「とりあえずクイズにしろ」というのがあったとかなんとか聞きますが、とりあえずアニメに置いての犬・子供・クイズはこんなポイントではないでしょうか。
そういう市場にあわせたコンサバティブなところでのアニメデザインのなかで今思えばすごく切れ味があったのは岡村天斎の本作じゃないでしょうか。
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14・Wake Up, Girls!
「Wake Up, Girls! 」山本寛監督はじめ、アニメに絶望して反抗することで生まれる作家性の感想 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
ボロックソ書いておきながら、ラブライブはともかくとして、ろこどるとかちらちら見た後から振り返ってみたらなんかあれは悪くなかったんではないかという気が後からしてくるという妙な感覚がありました。
山本寛監督が本質的に抱え続けている作家性は、すなわち大学の映研のような感覚を不惑の年にして未だ持ち続けていることです。手持ちカメラやチープさの中に生の映像があると信じてるタイプであるとか、にもかかわらずリアリズムの追及は部室内部程度だったり小津安二郎やらヌーヴェルバーグをやたらに持ち上げる旧型のシネフィルを気取りながら実際はアイドルに熱心というオチなどなど、いや一言で言ってしまうと童貞感を貫き続けてることです。これは褒めています。
13・selector infected WIXOSS
selector infected WIXOSS どうにもならない青春の光と影の日常にケリをつける役割が、カードゲームかよ! - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
カードゲームのプロモアニメに見せかけて、実際は京アニシャフトのビッグヒット作品「けいおん」とか「まどマギ」のエッセンスを上手くデザインしています。しかもこれがビッグヒット二つのパクリってのとも違って、意外にキッついとこ突こうとしてる出来と思われます。
ここで描かれるカードゲームってのがなにかガキのSNSとかコミュニケーションツールだとして、そこんとこのコミュニティで10代高校生なんていうキッつい歳のなかで対人関係や上下関係、承認欲求みたいなとこのどうしようもなさが描かれてると見ます。友達関係で仲良くしてるかに見えても次の瞬間にはわかりあえなくなっていくとか。
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12・マクロスフロンティア
今初めて見たら「アイドルがロボットとアーティストを駆逐する」未来を予言していてしみじみな「マクロスフロンティア」レビュー - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
今頃になって観た2008年の傑作。ロボットネタ&アイドルネタの二つて今年の2014年には各所で数多くばら撒かれてたんだけども、そんな状況を色々予言するかのようなガジェットに満ち満ちているのがよいです。作中何よりも優れたデザインの為されたアーティストはアイドルに負けるし、主要ロボットに乗るパイロットの面々はダサい。PVみたいにドッグファイトが展開される。などなど。
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11・ラブライブ2期
アイドルがオタクもサブカルもマスもコアもオシャレもダサいの境界をぶち壊してる。なんて視点の「アイマス」「ラブライブ」レビュー - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
ラブライブ2期のミュージカルフロムカオス - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
ラブライブの絵柄の変化の流れでわかるアニメキャラクターデザイン7つの傾向と、絵柄のトレンドの変化や関係 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
振り返ったらこのブログ、ラブライブ異様に取り上げててイカレてますね。
高校生の女の子部活ネタ日常ネタ・オタクもサブカルも垣根を超えてやたら鳥沙汰される現在のアイドルネタ・ロボットネタでメディアミックス展開の老舗のはずのサンライズが今アイドルネタのメディアミックス力の方に寄ってる・2D動画と3DCGモデルのミックスによるキッズアニメなどもやってるダンスシーン演出・そもそもの音楽の映像のシンクロというアニメのエンターテインの王道……などなどなど、現行のアニメのトレンドをX軸Y軸のあの十字グラフみたいなので配置するとしたら、この作品がど真ん中にあるのではないでしょうか。
ラブライブ! School idol diary ~μ'sのクリスマス~
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10・シドニアの騎士
弐瓶勉の転換点の作品「シドニアの騎士」の作家性はロボットアニメ最悪時代には効く - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
セルルック3DCG作品がいよいよ各所で登場し始め、エヴァのスタジオカラーの短編であるとか「楽園追放」など2D動画ならではのウソの部分までトレースしてるレベルまで研鑽が進みつつあります。
今商業アニメーションで稼働してる中ではSF系統の作品がもっとも今の段階のテクノロジーのレベルの冷たい不気味の谷が、作品世界のムードと一致を見せた作品。
9・ノーゲーム・ノーライフ&ハナヤマタ
ハナヤマタを観ていよいよこのブログも逆説的に「実は京都アニメーション信者」という決意を固めなくもない - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
ノーゲーム・ノーライフのネット廃人特有の全能感による禍々しい世界観 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
あとで気付いた体たらくですがマッドハウスのいしづかあきこ監督作品二つだったんですね。パッと見、典型的なラノベや4コマまったり萌え漫画のフォームなんですが、紫を基調とした色彩設計による幻想や酩酊を見せる演出が意外に良かったりします。この監督はこの後突出した何かの作品に関わるかもわかりません。
8・プロメテウスガーデン
生々しい日常アニメファン必見!おすすめのSHIROBAKOランキング・ベスト10! - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
クレイアニメのフォームながら、そこにあるのは作家性であるだとか文脈や手法どうこうといった生易しいものではない狂気です。24コマフルにグロテスクに変貌していくアニメートを詰め込んだそれは、偏執狂的なそれです。
7・キルラキル
スペース☆ダンディキルラキルノブナガン・ザ・フールZ/X弱虫ペダルダイヤのApupa・ガキの似非の戦争のモードレビュー - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
トリガー・今石洋之&中島かずきタッグ作品。昭和の省力アニメの味ってものを今のテクノロジーで再評価再デザインってことを行ってる意味で、これもまた一歩上の位置からアニメをデザインしてるんじゃないでしょうか。
グレンラガンよりもコンセプチュアルや作画枚数みたいな面で見ごたえに差はあるんですが、でも逆に様々なレベルでのリミテッドアニメというのに忠実です。日本のTVアニメのリソース限られまくり環境の中でこそ生まれた表現に忠実だし、さらに今石監督のフィルモグラフィも遡れば「パンティ&ストッキング」でアメリカのハンナ・バーベラ的な省力にデザインも行っており、日米のリミテッドアニメデザインということをもの凄く突き詰めていると見ます。ということでリミテッドぶりの結集ということで、キルラキルが今石監督の最高傑作でいいんじゃないでしょうか。
6・When the Day Breaks
カナダのアニメーションデュオ、ウェンディ・ティルビー&アマンダ・フォービスのデザイン - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
カナダのNFB(National Film Board of Canada)という、アートアニメーションにとってはかなり重要な機関にて高い評価を得たアニメーション作品。実写映像を元にして絵を描く、ファンタジックそして諧謔的かもわからない日常のアニメートは鮮やかである。
5・ピンポン
ピンポン 連載当時の松本大洋と湯浅政明の描線のシンクロ - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
松本大洋のムードや窪塚洋介主演の実写映画の文脈まで上手く消化したうえでのアニメ化と、湯浅政明の独自性と器用さが混ざり合ってるのももちろんですが、個人的に日本式の省力型リミテッドアニメの特性を今石洋之監督とともに最も上手くデザインしている一人ではないかと思います。
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4・NIMO/ニモ
「アニメ 永遠のおすすめ名作」…になるはずだった野心作「NIMO/ニモ」 宮崎駿、ディズニーと関係者が世界アニメ重要人物史という脅威 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
1980年代の日本のアニメのテクノロジーというのは歴史的に凄まじい、と痛感させられるテレコムアニメーションの設立最終目的となった日米のアニメーションのコンテクストが幾重にも交錯した異次元の作品。80年代は「風の谷のナウシカ」や「AKIRA」などが屹立していた中、本作が加わることでおそらく一つの頂点に達していたと思われます。
3・水江未来作品
細胞のイメージ・無機質なイメージが音と映像とともに蠢く、水江未来のアニメーション - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
現在抽象アニメーションの世界で細胞というモチーフ(これは広義には具象にあたるが)や無機質な幾何学の連動といった、ノーマン・マクラレンやオスカー・フィッシンガーといった抽象・実験アニメーション史的にも鋭い意味を持つだろう水江未来作品。多くの抽象作品が音楽と映像とのアマルガムを目指すように、トクマルシューゴやパスカルズといった音楽家やバンドとのシンクロを行うアニメートも印象深い。
2014年には最新作「WONDER」がアヌシー国際アニメーション映画祭にてエミール・レイノー賞(賞の由来はこちらから)を受賞。その他にGLAYのツアーのオフィシャルキャラクターデザインも担当するなど幅広い。日本のインデペンデントアニメ界隈では現在代表的な一人ではないでしょうか。
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2・言の葉の庭
新海誠の雨と雪のモード「言の葉の庭」 14-21歳のガキのモードの究極 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
日本アニメシーンの各種のクリエイティビティの純度の高い部分で出来てると見ます。
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1・二度と目覚めぬ子守歌
日本アニメの常識を粉々に破壊した伝説のアンダーグラウンドアニメ作家・原田浩 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
日本のアニメーション監督で60-70年代アングラ演劇にインスピレーションを得るタイプは少なくなく存在するのですが、原田浩はその中でも最もラディカルにそれを表現にしてると思います。「二度と~」はもの凄く原体験的で凄まじい。原田浩のアニメーション作品はそもそもの映像のパッケージングを超えて、映画の興行形態すらも問いかけるような行動を行っていることが衝撃でした。
最悪のアニメレビュー1年目に幕を引きつつ
いかがでしたでしょうか?日本のUHFアニメ中心をざーっと思い返すに「ピンポン」湯浅政明&「キルラキル」今石洋之の二人が日本の商業アニメーションの構造を最も理解し、その特性やテンポを踏まえた上で一歩上のレイヤーでデザインしてると思うんですがどうでしょうか。
すなわちすげえ技術力を持っていることを前提として、日本TVアニメのカツカツの金と時間のリソース上、作画枚数を削って演出とテンポに特化していく方法。日本アニメの金のない省力の部分を、今の高いデザイン能力で洒落たものとしてアップデートさせてる意味でいいってことです。
糞マジメに初めてまともにアニメ眺めてみる・じゃあついでだから映画などと比べればその販路も公開規模も限定的になりがちなアート・インディペンデントアニメ界も観よう、というかそもそものアニメーション史も振り返ってみるかで色々やってみましたが、嫌がらせのクズブログになるついでにもうひとつこのジャンルならではの何かが見えてよかったです。
通常のアニメがもの凄く実写映画を表現的に指向しがち(だった)な一方で、実はアニメーションは実写よりも歴史的に早くに生まれてたり、実写映画よりも実は遥かにそもそもの映像メディアのもつ時間という特性に自覚的なんじゃねえかなとか勝手に観たりと興味深く…いいやもう文章長くなり過ぎだ!13000文字オーバーとかどうかしているぜ!来年からひとエントリ5文字でまとめよう。よーしこれでいい!
このアニメオブジイヤーのことは忘れましょう。だがしかし嫌がらせと嫌がらせはそのままに、来年にお会いしましょう。