17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

インディペンデントアニメ

「京アニ製作のワン・ビン監督(中国の暗黒の現実を撮る映画監督)」の緊張感を持つ作家、リュウ・ジアン

今月から渋谷のシアター・フォーラムで始まっている「長編アニメーションの新しい景色」でいくつか見てきました。世界各国のアニメーションが揃う中、欧米のセレクトがもちろんなんですがぼくはアジア各国の作家が気になってます。昨年「新感染 ファイナル・…

TOKYO ANIMA!2016 思わず今年観たなかでベストクラスの作品を見つける

今年もTOKYO ANIMA!を見に新国立美術館に行ってきました。整理券を貰って並んでいると、なんと水江未来氏が会場整理をされており、ちょっと緊張したのでした。 あらためてなんですけども、アート・インディペンデントアニメーションは可能な限り大きいスクリ…

山村浩二が選んだ2015年のアニメのベストを観に行きましたよ

日本のインデペンデントアニメ―ションの代表的な作家である山村浩二が運営しているAu Praxinoscopeにて、氏が選んだ2015年のベスト5を自由が丘まで観に行ってきました。

シシヤマザキがYUKIの世界に殴り込みかよ!ところが別に違和感ない「好きってなんだろう…涙」

www.youtube.com PV 好きってなんだろう…涙 視聴フル 元ジュディマリのYUKI…とかいう解説も不要でしょうか?その新作PVアニメーションを担当したのがあの気鋭のアニメーション作家ということで観ました。YUKIファンはアニメーションして踊りまくるYUKIと別の…

ハルヒとかいるのかよ!日本短編アニメーション上映会「TOKYO ANIMA!2015」

TOKYO ANIMA!2015 視聴フル 会場:国立新美術館 4月25・26日に開催されたいまの日本の抽象アニメーション作家の代表のひとり・水江未来らをはじめ有力な作家たちの新作を上映する企画「TOKYO ANIMA!2015」にひそやかに行ってきました。 公式サ…

このデジタルアニメ作家の映像はフィルムの記憶を持たない デヴィット・オライリー

現在のデジタルアニメーションの雄・デヴィット・オライリーのアニメーションを観て痛感させられるのは、まるでフィルムの記憶から切り離された面白さと美しさ、そして洗練され意識されなくなっているデジタルの歪さに自覚的なことだ。それはたどたどしかっ…

アニメは実写映画以上に"時"を自覚する 山村浩二「マイブリッジの糸」レビュー

マイブリッジの糸 監督:山村浩二 2012年作 アニメーションはその評価軸の基準を、どうしても実写映画などの評価軸に預けがちになる。だが、厳密にはやはり実写映画の評価軸ではこのジャンルそのものの特性を回収することはできないのではないかと思う。…

世界最大のアートアニメの殿堂「NFB」!なんと公式で無料公開してる名作10選

世界にてアニメーション表現の歴史や技術を研究している人間も大学も数多く存在する。だが国家に支援された公式の機関として、アニメーションに関わる最大の場所がある。それがカナダのNFB(The National Film Board of Canada)だ。カナダ政府より助成され…

日本の巨匠が運営するアニメ・ストアに行く

ひっそり注目のアニメーション作家の原画展がやってるというのでいつか行こうと思ってたアニメストア「Au Praxinoscope」へと行ってきました。 プラクシノスコープと初期のアニメーションの機械の名を冠するここは、「バベルの本」「頭山」「マイブリッジの…

セックスと戦争が悦楽で繋がることを、遠くから見つめるアニメーション”Pleasures of War”

あけましておめでとうございます。 新年一発目は当ブログのタイトルの語句の要素が全面に含まれたアートアニメーション・「Pleasures of War」です。戦争の喜びと題された、Ruth Lingfordによるこの作品はその喜びに何をアナロジャイズしているのでしょうか?

魔法少女まどか☆マギカに通ずるアートアニメーション5選

少々が時期がはずれておりますが、「まどか☆マギカ」は近年では特筆される評価を得ていた作品でした。そこは「監督、脚本、音楽すべてのバランスが取れた」といった評価が最も簡単なところだと思われますが、意外にあれは類型的なアニメのフォームに乗っ取っ…

日本アニメの常識を粉々に破壊した伝説のアンダーグラウンドアニメ作家・原田浩

「企業のアニメでは(深い)人間描写やいじめの問題が表現できない。これからは自主制作しかない」 「管理社会で欲望を表現することが疎んじられて、苦しんでいる人がたくさんいる。だまされたり、暴力的に虐げられたりしている。映画作りは内面の解放でもあ…

絵画が情感を持ち、動き始める アレクサンドル・ペトロフ

アレクサンドル・ペトロフのアニメーション、それは近代絵画のモチーフや手法、そして鑑賞した時の感覚がそのままアニメーションに昇華されているかのようです。 美術史の中でも特に日本でもなじみが深い(また美術や芸術の世間の解釈で自らの表現をとかいう…

ビル・プリントン”Bill Plympton”  シニカルなデッサンが連なるアニメート

Idiot and Angels (2008)トレイラー 鉛筆画やコンテ画、油彩画や水彩画はその画具ごとの描写の勢い・生きた線の手触りを生かす。絵画やデッサンとして一枚の絵で完結することでそれを伝える。だがインデペンデント・アートアニメ界隈ではそうした描写…

実験的にして根源。映像研究と音楽のアマルガムを生む作家ノーマン・マクラレン

Synchromy 視聴フル 前回に続いての National Film Board of Canada (以下NFB)系統の作家だけど、今回はその中でも世界アニメーション史、いや映像表現史的にも特異でありながら根源的な仕事を為してきた作家ノーマン・マクラレンを取り上げてみる。 今の…

カナダのアニメーションデュオ、ウェンディ・ティルビー&アマンダ・フォービスのデザイン

When the Day Breaks 視聴フル カナダに National Film Board of Canada (以下NFB)という同国でのアカデミー賞であり、デジタルフィルムのディストリビューターとなっている機関がある。そこではyoutubeの公式チャンネルにて短編のフィルムやアニメーショ…

弐瓶勉&90年代CGディストピアを濃厚に想起させる「JUNK HEAD1」

個人製作のストップモーションアニメの中で、その世界観やヴィジュアルやアニメートの高さが顕著な本作「JUNK HEAD1」。 痛烈に思い出されるのはまだまだCGアニメーションも普及していないころの、ちょっとしたディストピアなCGアニメーションを使った作品…

細胞のイメージ・無機質なイメージが音と映像とともに蠢く、水江未来のアニメーション

商業アニメとなるともう佃煮のように毎度毎度Twitterからこのはてなブログ界隈に至るまで膨大に毎週感想が書き込まれるのだけど、そのラインからちょっと離れたところにあるアニメになるとそれはもうびっくりするぐらいに敷居が高くなる・注目度が限定的にな…