17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード 葛西祝によるアニメーションについてのテキスト 2022-08-21T18:04:52+09:00 EAbase887 Hatena::Blog hatenablog://blog/12921228815716991280 ただちに連載再開すべき、現代を予見した不条理マンガ『第三世界の長井』【これアニメ化しないんだ?】 hatenablog://entry/4207112889901140071 2022-08-21T18:04:52+09:00 2022-08-21T18:04:52+09:00 【「これアニメ化しないんだ?」とは商業上の理由で30代から50代に向け、80年代や90年代の作品がアニメ化され続けるもどかしさに対する、ささやかな抵抗のシリーズです】 いつから現実にコントのようなものが侵食し、みんな受け入れてしまっているのでしょうか? たとえば先日の参院選選挙がそうです。選挙の争点として前首相の暗殺など様々なイシューがありましたが、憂鬱になったのはシンプルに新興の政党やその候補者たちです。NHK党は言うまでもなく、スマイル党や核融合党といった政党が並ぶ姿は壮観であり、「誰が存在を許したのか」という虚しさばかりが漂っていました。 コメディなら笑わせる意図があるのでしょうが(僕は… <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20220721/20220721203013.png" width="563" height="534" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <p><strong style="font-weight: bold; color: #454545; font-family: 'Helvetica Neue', Helvetica, Arial, 'Hiragino Kaku Gothic Pro', Meiryo, 'MS PGothic', sans-serif; font-size: 15.2px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; background-color: #ffffff;"><span style="color: #ff0000; font-size: 12.16px;">【「これアニメ化しないんだ?」とは商業上の理由で30代から50代に向け、80年代や90年代の作品がアニメ化され続けるもどかしさに対する、ささやかな抵抗のシリーズです】</span></strong></p> <p>いつから現実にコントのようなものが侵食し、みんな受け入れてしまっているのでしょうか?</p> <p>たとえば先日の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B2%B1%A1%C1%AA">参院選</a>選挙がそうです。選挙の争点として前首相の暗殺など様々なイシューがありましたが、憂鬱になったのはシンプルに新興の政党やその候補者たちです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/NHK">NHK</a>党は言うまでもなく、スマイル党や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%CB%CD%BB%B9%E7">核融合</a>党といった政党が並ぶ姿は壮観であり、「誰が存在を許したのか」という虚しさばかりが漂っていました。</p> <p>コメディなら笑わせる意図があるのでしょうが(僕は笑いませんが)、残念ながら現実です。誰も排斥せず見ないようにしているうちに存在を許されたらしい(僕は許していませんが)。</p> <p>そのあいだに異様な現実が構築されていく。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Youtube">Youtube</a>での芸能界の内幕語りで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CE%CC%BE%C5%D9">知名度</a>を広めた東谷義和氏が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/NHK">NHK</a>党から出馬し、<a href="https://www.asahi.com/articles/ASQ7D5FSQQ7CUHBI011.html">当選を果たし</a>、例のカタカナの芸名で国会の活動を認められたことを、私たちは現実として捉えなければならないのです。現与党が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%FD%B0%EC%B6%B5%B2%F1">統一教会</a>との関連が明らかにもかかわらず、メディアにて「知らないと強弁していればそのうちにこの問題は沈下するであろう」という姿をさらすのを現実として直視しなくてはならないのです。</p> <p>そんないま『<a href="https://gekkansunday.net/work/480/">第三世界の長井</a>』を読み返すと、初読のときよりスッと内容が入る。「この漫画は異常な事態を検証もせず、放置した末の現実感がなにかを描いていたんじゃないか」そう思いました。しかも作品が題材としたものまで含めると、あまりに予見的でゾッとします。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E3%A5%B0%A5%DE%A5%F3%A5%AC">ギャグマンガ</a>家・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CA%A4%AC%A4%A4%A4%B1%A4%F3">ながいけん</a>による本作は、笑いを描いているようでまったく笑えないリアリズムを描いている。2009年に連載が開始されてから長期に渡る執筆のなかで、現実が異様なかたちで侵食されてゆく様を自覚的に描いていると思います。</p> <p>現在は打ち切りにより中断されているのですが、いまこそ再開すべき作品でしょう。おそらく本作をよく知る方も、いま読んだほうが理解できる作品でしょう。</p> <h3 id="Eアンカーと呼ばれる設定が次々と現実を崩してゆく">Eアンカーと呼ばれる“設定”が次々と現実を崩してゆく</h3> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20220820/20220820232939.png" width="552" height="367" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <p><br />キャップの青年がレターを受け取ると、なにやら「Eアンカー」と呼ばれるアニメや漫画みたいな設定がずらずらと書いてある。そんなウソみたいな設定が、現実になっているらしい。その代表的な存在が、通常の絵柄とまったく違う「長井」でした。Eアンカーの設定によれば、どうやら長井は博士とともに宇宙人と戦っているらしい。</p> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20220820/20220820232909.png" width="560" height="179" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <p>キャップの青年が長井と関わるあいだ、定期的に漫画家<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%EA%A5%BF%A5%A4%A5%B7">モリタイシ</a>氏や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%F3%A5%C8%A5%F3%A5%B7%A5%AF">アントンシク</a>氏が考えたEアンカーが追加され、現実世界に奇妙な設定が反映。非現実的な事態が次々と発生します。</p> <p>コスプレした男が白昼から街を襲撃したり、ヘリコプターが突如落下してビルに衝突するような異様な事件が立て続けに発生。周囲の人々は最初は疑問に思うのですが、恐ろしいことにEアンカーの異様な設定を受け入れていくのです。</p> <p>事態の異様さをただ一人知るキャップの青年はこわれゆく現実について諦観。ところがキャップの青年にも秘密があり、どうやら現実に関与する神のような力があると関係者は語ります。たしかに急にワープらしき移動をしたり、空中を飛んでみたりもする。しかしそんな彼も崩れていく目の前の状況には何もできないまま。果たして現実の認識とはなんなのか? 膨大な設定をスパゲティコードのように追加された“長井”の行く末とは?</p> <h3 id="ここまでの本作の受容">ここまでの本作の受容</h3> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E8%BB%B0%C0%A4%B3%A6%A4%CE%C4%B9%B0%E6">第三世界の長井</a>』はやはり前作の『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C0%C0%BB%A5%E2%A5%C6%A5%E2%A5%C6%B2%A6%B9%F1">神聖モテモテ王国</a>』のイメージが強かったのもあり、本作の受容に関してはどうも錯綜しているようです。</p> <p>たとえばライターの後川永氏は「この作品ではとにかくひたすら、既存の枠組みを疑い、撹乱することだけが試みられている。率直なことをいえば、その試みは今のところ、ことエンターテインメントとしても、思考実験としても、どうにも成功しているようには思えない」と<a href="https://konomanga.jp/guide/129800-2">辛辣な評価を下しています</a>。</p> <p>一方で、凝ったアニメやゲームによくある“現実と虚構の対立”や “膨大な裏の設定によって構築される作品世界”といった作品の性質ゆえに、考察サイトやテキストがいくつか存在しております。</p> <p>ゲームなどさまざまなカルチャーのサイト「<a href="http://bring.under.jp/">鉄の靴</a>」の<a href="https://twitter.com/Inji">杉浦印字</a>氏は本作に特化した<a href="http://aitoheiwa.sakura.ne.jp/3n/">大型の考察サイト</a>を構築。「情報の大半あるいは全てが読者を楽しませる(あるいは混乱させる)ためのフェイクであり、このページで行なう思考実験すべてが無意味」と自覚しながらも、Eアンカーの設定とはどこまで機能しているのか、各登場人物はなんなのかを検証。</p> <p>単行本3巻までの状況を整理するほか、作中で登場する街が東京の都下である田無を舞台にしているなどの情報もまとめており、当時の杉浦氏がどうしても考察を止められなくなるようなフックが本作にあったということでしょう。</p> <h3 id="社会を調停することを失った世界観">社会を調停することを失った世界観</h3> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20220821/20220821133056.png" width="370" height="416" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <p>ただ僕自身はいずれの立場でもありません。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AE%A5%E3%A5%B0%A5%DE%A5%F3%A5%AC">ギャグマンガ</a>としての受容し辛さも、現実と虚構という(もはや意味をなさないといっていい)視点も、曲折した世界観から何らかの筋道を考察することも、いま本作を評する意味で興味はない。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%BF%A5%D5%A5%A3%A5%AF%A5%B7%A5%E7%A5%F3">メタフィクション</a>という読みさえ本作のもつ豊饒さからもっとも遠ざかる行為と感じている。</p> <p>僕が本作でもっとも注目しているのが、そもそも現実……いや、社会と言い換えてもいい。それを成立させる検証や修正の機能を失った光景のリアリティです。たぶん言葉にできていないだけで、多くの人もそれを薄々と感じているでしょう。</p> <p>読み返していても市井の人々が崩れた現実をそのまま放置して、受容してしまうシーンがとても怖いんですね。しかも “神のような立場で俯瞰して状況を見ている”主人公がそれに気づいていながら、実質何もできずに翻弄されるのも嫌なリアリティがある。</p> <p>この漫画のすごいところは「現実に異常なことが起こりました、だから主人公たちが原因を追究して潰した結果、現実は元通りになりました」という流れを期待できないところですよ。普通の作劇ならそれで終わる。でも本作の異質さは何か異常な事態が進行しているし、それを認知できているのに何もできないことなんです。</p> <p>こうした意味で、先行の評価や考察でゆいいつ重要だと考えるのが、「本作のEアンカーという発想は、あれは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/2%A4%C1%A4%E3%A4%F3%A4%CD%A4%EB">2ちゃんねる</a>の安価スレから来たのではないか」ということです。連載時には安っぽい発想だったと思うんですが、これも時を経た現在、予見的で、リアルな痛みをもって読めてしまう。</p> <p><iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/270F8s5TEKY?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen="" title="A Reporter’s Footage from Inside the Capitol Siege | The New Yorker"></iframe></p> <p>というのも、同<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%C7%BC%A8">掲示</a>板から派生し、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%D1%B8%EC%B7%F7">英語圏</a>にて発展した<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/4chan">4chan</a>・8chanにて、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%A2%CB%C5%CF%C0">陰謀論</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%E9%A5%B9%A5%BF">クラスタ</a>ーとして名高いQアノンが醸成されてしまったことなどを振り返ればわかりやすいかもしれません。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A5%EF%A5%A4%A5%C8%A5%CF%A5%A6%A5%B9">ホワイトハウス</a>襲撃事件などはある種の現実が崩れ去る光景として端的かと思われます。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カ大統領選を不正選挙だとして、さまざまな<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%E9%A5%B9%A5%BF">クラスタ</a>ーが議会に結集し、扇動するなかにQアノンの信奉者がいた。ディープステートなんているわけないだろ……カバールが世界を裏側から動かすとかないだろ……現実の複雑な事象を読み解くことから目を背けるなよ。そんな調停を考えた言葉も “裏の設定”に乗せられた群衆には無力でした。</p> <p>Qアノンは日本<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%D9%C9%F4">支部</a>でも神真都Qが存在。現在、新型コロナウィルスの蔓延が続く中で反ワクチンの活動を行っている中で<a href="https://www.daily.co.jp/gossip/2022/04/21/0015236757.shtml">幹部である俳優が逮捕される</a>など、大元と変わらず異様な事態を引き起こしているわけですが、私たちはネットで通用しない正論を吐くほかないわけです。</p> <p>僕は冒頭で書いたように、危機的な状況にもかかわらず屑みたいなYoutuberを議会に送り込んでしまう現実のほか、Qアノンに代表される(いわゆる “ハックした”という<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%E9%A5%F3%A5%B0">スラング</a>で語られるだろう)異様な事象が目に見えているのに検証して排除できない。現実の社会を安定たらしめる行動や機能がせき止められているうちに、慣らされ、徐々に自分の価値基準も壊れていく感覚は本作でもある意味で描かれており、主人公は静かに追い詰められていくんですね。</p> <p><img src="https://www.sankei.com/resizer/WWtmEfvehQap1ETTPirVwv1A5oQ=/730x0/smart/filters:quality(50)/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/GBL5TNT67FPP3OTNOBGFBLDUUE.jpg" alt="浪速風】オウムに破防法を適用すべきだった 教祖ら7人死刑執行も残る懸念 - 産経ニュース" /></p> <p>本作のギャグの存在はすべて元の現実での調停機能が壊れている状態を表すものであり、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C0%C0%BB%A5%E2%A5%C6%A5%E2%A5%C6%B2%A6%B9%F1">神聖モテモテ王国</a>』みたいにおとなしく笑えるか滑っているかを判定するものではありません。カルト宗教の教祖が選挙に出馬したときの取り巻きが教祖を模した被り物をしながらオリジナルの歌を流す光景を、コントではなく現実に、本気で行っているのを見ることに近いです。</p> <h3 id="崩れ去る現実の物語に続きはあるのか">崩れ去る現実の物語に続きはあるのか?</h3> <blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" data-lang="ja"> <p dir="ltr" lang="zxx"><a href="https://t.co/y2dx847ywN">pic.twitter.com/y2dx847ywN</a></p> — <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E8%BB%B0%C0%A4%B3%A6%A4%CE%C4%B9%B0%E6">第三世界の長井</a>【公式】 (@daisansek) <a href="https://twitter.com/daisansek/status/1332163658181316615?ref_src=twsrc%5Etfw">2020年11月27日</a></blockquote> <p> <script async="" src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> </p> <p> </p> <p>連載が中断してから続報はなかったようですが、2020年になんと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Twitter">Twitter</a>にて<a href="https://twitter.com/daisansek">本作の公式アカウントが登場</a>。断片的に続きがアップされておりますが、開設から約5か月後に再び沈黙してしまっています。</p> <p>公式<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Twitter">Twitter</a>では「<a href="https://twitter.com/daisansek/status/1287681881257852928">5巻分は描いたけどこれをどうすべきかわからないし面倒なので、とりあえず6巻目に入ってる。(ながい)</a>」と2年前に発言しています。今回のテキストを書くにあたって、続刊や連載再開に関してDMで問い合わせてみましたが返信はなし。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AE%B3%D8%B4%DB">小学館</a>に問い合わせたところ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B2%A5%C3%A5%B5%A5%F3">ゲッサン</a>編集部からは「続刊に関しましては、現在、発売の予定はございません。今後、発売するということになりました場合は、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B2%A5%C3%A5%B5%A5%F3">ゲッサン</a>本誌、またはWEBサイトや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SNS">SNS</a>等で発表させていただきます」と回答をいただきました。出版は未定のようです。</p> <p><span style="color: #454545; font-family: 'Helvetica Neue', Helvetica, Arial, 'Hiragino Kaku Gothic Pro', Meiryo, 'MS PGothic', sans-serif; font-size: 15.2px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">日々、忘れられるためのアニメが生まれ出ていますが、既存の企画ではないところへ培った技術やモードが引き継がれることを祈り、次回にお会いしましょう。</span></p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00KRDJWKE?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" class="hatena-asin-detail-image-link" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51m+2yM5VTL._SL500_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="第三世界の長井(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)" title="第三世界の長井(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00KRDJWKE?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" target="_blank" rel="noopener">第三世界の長井(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CA%A4%AC%A4%A4%A4%B1%A4%F3" class="keyword">ながいけん</a></li> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AE%B3%D8%B4%DB">小学館</a></li> </ul> <a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00KRDJWKE?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" class="asin-detail-buy" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p><a data-ofuse-widget-button="" href="https://ofuse.me/o?uid=31974" data-ofuse-id="31974" data-ofuse-size="large" data-ofuse-color="middle-yellow">OFUSEで応援を送る</a></p> <p> <script async="" src="https://ofuse.me/assets/platform/widget.js" charset="utf-8"></script> </p> <p> </p> EAbase887 【これアニメ化しないんだ?】木嶋佳苗や宅間守と結婚する心理の漫画『夏目アラタの結婚』 hatenablog://entry/13574176438075735989 2022-03-24T04:47:45+09:00 2022-03-24T05:00:06+09:00 【「これアニメ化しないんだ?」とは80年代や90年代の作品がアニメ化され続けるもどかしさに対する、ささやかな抵抗のシリーズです】 ニュースで不気味な殺人事件を目にしたときの冷ややかな感覚は、誰でも身に覚えがあるでしょう。 ぞっとする感覚が深く刻まれるのは、なにも続報で犯人の背景が明らかになることだけじゃありません。特に「獄中結婚した」って続報は、楔のように不気味な感覚を刻みこみます*1。 殺人を犯し、収監されているはずの彼らと結婚を選んだ人間がいる。私たちは残酷な事件を知ったとき「なんてひどい」って思うのと同時に、事件の不条理さを自分たちが生きている現実から遮断するはずです。犯人が刑務所に送り… <p><img src="https://shop.r10s.jp/book/cabinet/2383/9784098612383_1_3.jpg" alt="楽天ブックス: 夏目アラタの結婚(7) - 乃木坂 太郎 - 9784098612383 : 本" width="337" /></p> <p><strong style="font-weight: bold; color: #454545; font-family: 'Helvetica Neue', Helvetica, Arial, 'Hiragino Kaku Gothic Pro', Meiryo, 'MS PGothic', sans-serif; font-size: 15.2px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial;"><span style="color: #ff0000; font-size: 12.16px;">【「これアニメ化しないんだ?」とは80年代や90年代の作品がアニメ化され続けるもどかしさに対する、ささやかな抵抗のシリーズです】</span></strong></p> <p>ニュースで不気味な殺人事件を目にしたときの冷ややかな感覚は、誰でも身に覚えがあるでしょう。</p> <p>ぞっとする感覚が深く刻まれるのは、なにも続報で犯人の背景が明らかになることだけじゃありません。特に「獄中結婚した」って続報は、楔のように不気味な感覚を刻みこみます<a href="#f-9ddd6530" name="fn-9ddd6530" title="本テキストでは「収監されている人間同士の結婚」のケースは別にしております。ちょっと歯がゆいかもしれませんがご了承ください">*1</a>。</p> <p>殺人を犯し、収監されているはずの彼らと結婚を選んだ人間がいる。私たちは残酷な事件を知ったとき「なんてひどい」って思うのと同時に、事件の不条理さを自分たちが生きている現実から遮断するはずです。犯人が刑務所に送り込まれ、日常から隔離されるのと同様に。</p> <p>だけど結婚って選択は違いますよね。日常生活を送る誰かが、隔離された犯罪者と婚姻を結んだってニュースから、遮断したはずの不条理が隣り合わせにあることを突きつけられる。陰惨な殺人を犯した<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%DA%C5%E8%B2%C2%C9%C4">木嶋佳苗</a>や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%F0%B4%D6%BC%E9">宅間守</a>と誰かが結婚したという報道を通し、「なぜそんなことができるんだ?」と思い、理解できないものが自分たちの現実と地続きにあるのだと気づかされる。</p> <p>『夏目アラタの結婚』(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AE%B3%D8%B4%DB">小学館</a>・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C3%A5%AF%A5%B3%A5%DF%A5%C3%A5%AF">ビックコミック</a><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DA%A5%EA%A5%AA%A1%BC%A5%EB">スペリオール</a>連載 <a href="https://bigcomicbros.net/work/6445/">公式サイト・第1話公開中</a>)はまさしく犯罪者との結婚というストーリーを通して、観客を不条理と隣り合わせに引き込む漫画でしょう。</p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%E5%CE%B6">医龍</a>』や『幽霊塔』の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%B5%CC%DA%BA%E4%C2%C0%CF%BA">乃木坂太郎</a>さんが描く本作は、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%EB%DF%EB%E2">諧謔</a>的な描写やミステリーの進行、犯罪者のヒロインの描写などエンターテインメントの味付けを欠かしておりません。</p> <p>リアルな獄中結婚を描く意図はないでしょう。ですが、読者を犯罪者という不条理に向かい合わせ「絶対に耐えられない」「いや、もしかしたら理解できるかも」という境界線の上に立たせようとしていることは、確かなのです。</p> <h4>周到な殺人犯と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%DC%BF%A8">接触</a>する描写</h4> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20220323/20220323211016.png" alt="f:id:EAbase887:20220323211016p:plain" width="464" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%F9%C6%B8%C1%EA%C3%CC%BD%EA">児童相談所</a>に勤務する主人公・夏目アラタは30代の独身として、仕事に日々を忙殺されていました。ある日、担当している児童から「父を殺した犯人に代わりに面会して欲しい」という依頼を受けます。</p> <p>犯人は品川真珠という女性。人体をばらばらに解体する凶悪な連続殺人犯として東京<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%B4%C3%D6%BD%EA">拘置所</a>へ収監されていました。児童の話によれば、切断された父親の生首だけが見つかっておらず、アラタには真珠にそのありかを聞いてほしいのだと言います。</p> <p>アラタは、数人の命を奪った品川真珠がどんな化け物なのかと構えながら面会に向かいます。ところが、透明なアクリル板ごしに現れたのはショートカットの可憐な女性でした。</p> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20220323/20220323211216.png" alt="f:id:EAbase887:20220323211216p:plain" width="471" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <p>本当に彼女は陰惨な殺人犯なのか……? そう思ったのもつかの間。真珠はあっという間にアラタが当初の面会人と違うことを見抜き、面会を切り上げようとします。このままでは生首の真相がわからない。アラタは引き留めるため、とっさにこう言いました。「俺と結婚しよーぜ!」</p> <p>『夏目アラタの結婚』は、真珠とアラタの面会や裁判を通して複数のジャンルを複合して描いて見せます。児童の父親の首はどこにあるのか? そもそも真珠は本当に犯人なのか? そんな伏線が散りばめられたミステリー。アラタと真珠の不気味なラブストーリー。そして様々な登場人物の結婚観を描く奇妙な夫婦物語。それらをシームレスに繋げているのが面白いところでしょう。</p> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20220323/20220323211939.png" alt="f:id:EAbase887:20220323211939p:plain" width="421" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <p>ですが、なによりも物語を追いかける核になっているのは、普通の人々が不条理な犯罪者に対して心理状態が揺らぐ感覚を描こうとしている点に他なりません。</p> <p>残酷な殺人を犯した人間に実際に会ってみれば、第一印象はまったく普通の人だった。だから、もしかしたら会話も合うのかもしれない。会話が通じるなら過去の残酷な犯罪について後悔してくれるのかもしれない。</p> <p>実際、本作でアラタや他の登場人物は真珠と会話を重ねる中で、「ちゃんと話が通じる子じゃないのかな」と思うようになる。ここは読んでいて、人は事件が陰惨であるほど共感できる部分を見つけて安心したがる心理を描いているように見えました。真珠を美少女として描いているのも、(少なくとも掲載紙の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DA%A5%EA%A5%AA%A1%BC%A5%EB">スペリオール</a>が想定している)読者が油断するように計算してるなと思います。</p> <p>ところが犯罪者と話しているうちに、 “もしかしたら分かり合えるのでは”という思いは崩れ去るのです。真珠は事件の真相にかかわる話題を切りこむと、ぼろぼろの歯をのぞかせ、表情を歪ませて嘘か本当かわからないことを言う。そこで「やはり理解できない何かがある」と冷ややかな感覚に引き戻されるわけです。</p> <p>アラタは真珠のコミュニケーションするなかで、「もしかしたら理解できるかもしれない」「やはり無理かもしれない」境界線をぐらぐらと行き来しながら事件の真相や獄中の夫婦という関係を掘り下げることになる……という、独特のグルーブを持った物語が展開されていきます。</p> <p>木島佳苗や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%F0%B4%D6%BC%E9">宅間守</a>といった犯罪者と誰かが結婚した理由はわかりません。しかし本作で戯画的に描かれている、人々が巨大な不条理に対してなんとか安心したがる心理を見るに、「もしかしたら彼らと結婚する選択は、確かにありえることなのかもしれない」と感じられるあたりが怖いですね。たぶんそれは、乃木坂さんが取材を重ねたなかで見いだしたものなのでしょう。</p> <p>現在も<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DA%A5%EA%A5%AA%A1%BC%A5%EB">スペリオール</a>にて連載中。構図として、連載を追うのは裁判の傍聴席で事態を追うのにも似ているように出来てるのもよいです。物語は佳境に入っている模様です。</p> <h4>アニメ化は誰がやったら面白いか</h4> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%BD%CA%AA%B8%EC">化物語</a>』や『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%E2%CB%A1%BE%AF%BD%F7%A4%DE%A4%C9%A4%AB%A1%F9%A5%DE%A5%AE%A5%AB">魔法少女まどか☆マギカ</a>』のシャフト・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B7%CB%BC%BE%BC%C7%B7">新房昭之</a>さんが手掛けたらあうんじゃないかなと思います。</p> <p>本作は面会や裁判所のような静かな会話シーンが多いです。ゆえにドラマ化のほうがイメージされやすいですが、静的なシーンの会話劇をグラフィカルな表現で持たせてきたシャフトによるアニメも合うんじゃないかなと思いますね。</p> <p>とりわけ大真面目で深刻すぎるのと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%EB%DF%EB%E2">諧謔</a>的なシーンが入り混じるスタイルは、シャフトが手掛けてきたミニマルな演出やアートスタイルと親和するんじゃないでしょうか。本作の各巻の表紙ってアラタも真珠もめちゃくちゃな服装やってますからね。<iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fnote.com%2Feabase887%2Fn%2Fn89b14f55daac" title="恐ろしい再解釈となったアニメ版『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』|“EAB’s Pay Wall” ジャンル複合ライティング・葛西祝のnote|note" class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p>以前、僕はシャフトの作った『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%C7%A4%C1%BE%E5%A4%B2%B2%D6%B2%D0%A1%A2%B2%BC%A4%AB%A4%E9%B8%AB%A4%EB%A4%AB%A1%A9%B2%A3%A4%AB%A4%E9%B8%AB%A4%EB%A4%AB%A1%A9">打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?</a>』のレビューで、「どうしょうもなく危ういヒロインに淫らに引きずられる内容だ」ということを書いていました。なので品川真珠というキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターをシャフトが扱うとき、不気味に観客を引き込む描写をやれるんじゃないかと興味深く見てしまうのですね。</p> <p>ところで30代の独身男性が主人公というアニメってありえるんでしょうか? ネットフリックスやFODにやってもらえないかと考えるべきでしょうか? また忘れられるためのアニメが生まれ出ます。培った技術やモードが引き継がれるのを眺め、次回にお会いしましょう。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B081F7BPKS?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" class="hatena-asin-detail-image-link" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51HFeXI5Q-L._SL500_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="夏目アラタの結婚(1) (ビッグコミックス)" title="夏目アラタの結婚(1) (ビッグコミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B081F7BPKS?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" target="_blank" rel="noopener">夏目アラタの結婚(1) (ビッグコミックス)</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%B5%CC%DA%BA%E4%C2%C0%CF%BA" class="keyword">乃木坂太郎</a></li> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AE%B3%D8%B4%DB">小学館</a></li> </ul> <a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B081F7BPKS?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" class="asin-detail-buy" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p><div class="footnote"> <p class="footnote"><a href="#fn-9ddd6530" name="f-9ddd6530" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">本テキストでは「収監されている人間同士の結婚」のケースは別にしております。ちょっと歯がゆいかもしれませんがご了承ください</span></p> </div> EAbase887 【これアニメ化しないんだ?】 『ホムンクルス』『殺し屋1』の山本英夫と『覚悟のススメ』『シグルイ』の山口貴由作品 hatenablog://entry/13574176438071386590 2022-03-19T02:15:01+09:00 2022-03-19T02:15:01+09:00 【「これアニメ化しないんだ?」とは80年代や90年代の作品がアニメ化され続けるもどかしさに対する、ささやかな抵抗のシリーズです】 社会の提示する価値観が、心や身体にフィットすることのない違和感。その前提から発生するグロテスクな暴力や自己破壊。自らの身体と精神が確かだと感じられない物語……。 ここのところ『殺し屋1』、『ホムンクルス』の山本英夫と『覚悟のススメ』、『シグルイ』の山口貴由たちの作品群ばかり読んでいます。 僕は好きな作品を読みながら、よくネットで批評も読むのですが、驚くのはふたりを比較した論考が見当たらないことでした。わずかに『殺し屋1』が『シグルイ』に影響している、という評が見られ… <p><strong><span style="color: #ff0000; font-size: 80%;">【「これアニメ化しないんだ?」とは80年代や90年代の作品がアニメ化され続けるもどかしさに対する、ささやかな抵抗のシリーズです】</span></strong></p> <p>社会の提示する価値観が、心や身体にフィットすることのない違和感。その前提から発生するグロテスクな暴力や自己破壊。自らの身体と精神が確かだと感じられない物語……。</p> <p>ここのところ『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%A6%A4%B7%B2%B01">殺し屋1</a>』、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A5%E0%A5%F3%A5%AF%A5%EB%A5%B9">ホムンクルス</a>』の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%CB%DC%B1%D1%C9%D7">山本英夫</a>と『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%D0%B8%E7%A4%CE%A5%B9%A5%B9%A5%E1">覚悟のススメ</a>』、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%B0%A5%EB%A5%A4">シグルイ</a>』の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%B8%FD%B5%AE%CD%B3">山口貴由</a>たちの作品群ばかり読んでいます。</p> <p>僕は好きな作品を読みながら、よくネットで批評も読むのですが、驚くのはふたりを比較した論考が見当たらないことでした。わずかに『殺し屋1』が『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%B0%A5%EB%A5%A4">シグルイ</a>』に影響している、という評が見られるくらいで、表立って言及されたものは見つかりません。</p> <p>一見、ふたりが描くモチーフは “現代の暗部”に “特撮や時代劇、SF”と分かれ、作風は重なり合わないように思えます。ですが30年以上に及ぶ漫画家のキャリアで、描き続けている本質は近いのではないでしょうか?</p> <p>いわゆる作家としての一貫性が近い。グロテスクな描写の奥で、社会と自己が折り合わない今日的な感覚を掘り下げている。一度は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/OVA">OVA</a>や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WOWOW">WOWOW</a>などでアニメ化を実現している両者の共通点を振り返り、「いま、これアニメ化しないんだ?」と思うふたりの作品について語っていきましょう。</p> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20220310/20220310235029.png" alt="f:id:EAbase887:20220310235029p:plain" width="1200" height="675" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <p>ふたりとも名前が縦書きでシンメトリー。ふたりとも格闘技趣味や経験がある。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%C4%B3%C0%B7%C3%B2%F0">板垣恵介</a>に敬意を持たれている。ささいな共通点も多いのですが、まずは代表作からテーマが繋がるところを上げたほうがいいでしょう。</p> <p>たとえば2003年の同時期に連載を開始した、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%CB%DC%B1%D1%C9%D7">山本英夫</a>の『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A5%E0%A5%F3%A5%AF%A5%EB%A5%B9">ホムンクルス</a>』と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%B8%FD%B5%AE%CD%B3">山口貴由</a>の『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%B0%A5%EB%A5%A4">シグルイ</a>』は、まったく似ていないように思えるでしょう。ホームレスになる現代劇と天下泰平の時代劇。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A5%EC%A5%D1%A5%CD%A1%BC%A5%B7%A5%E7%A5%F3">トレパネーション</a>による人体改造と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%D9%B2%CF">駿河</a>城御前試合の決闘。両者は遠く見えます。</p> <p>もう少し読み進めてみましょう。頭蓋骨に穴をあけたり、腹部を切り裂き、内臓を露出させたりする登場人物たちが立つ場所には、彼らの精神を削ってゆく社会の存在がある。グロテスクな表現が発露する背景には、社会と個人の価値の深刻なずれがある。</p> <p>なので描く時代こそ違っていても、現代的な手触りがあるのです。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A5%E0%A5%F3%A5%AF%A5%EB%A5%B9">ホムンクルス</a>』の名越が地位を捨て、ホームレスに身をやつし、穿頭するに至ったのは、表面上の社会的成功が自分自身をなにも定義していなかったからですし、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%B0%A5%EB%A5%A4">シグルイ</a>』にて藤木と伊良子の闘いを遠くまで俯瞰してみれば、何度も評されているように<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C9%F5%B7%FA%BC%D2%B2%F1">封建社会</a>で自らを殺すことが背景にある。</p> <p>両者は過激な描写を重ねる、異常な人体改造や残酷な時代劇にも関わらず、今日の物語と感じられる。それは社会背景のなかで自己像が軋むことが前提にあるからだと考えています。普通の日常とあまりに遠い描写が続きますが、読み進めるうちに、実はこの感覚は背<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%E6%B9%E7">中合</a>わせにあるのだと気づいてゆくのですね。</p> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20220313/20220313054348.png" alt="f:id:EAbase887:20220313054348p:plain" width="1200" height="675" loading="lazy" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <p>ふたりの “社会でよいとされる価値”への疑いも近いです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%CB%DC%B1%D1%C9%D7">山本英夫</a>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CE%A4%BE%A4%AD%B2%B0">のぞき屋</a>』、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B7%A4%CE%A4%BE%A4%AD%B2%B0">新のぞき屋</a>』は人々の表向きの姿をピーピングによって陰湿な精神を暴き立てる物語ですし、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%D0%B8%E7%A4%CE%A5%B9%A5%B9%A5%E1">覚悟のススメ</a>』の戦術鬼たち(どうも日本のロックミュージシャンがモデルだとか)や『悟空道』のはじめに現れる敵は “自由、平等、博愛”を口にし、主人公たちにすべて頭を叩き割られます。</p> <p>また、とても男性的なモチーフを取り上げながら、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A5%A7%A5%F3%A5%C0%A1%BC">ジェンダー</a>アイデンティテイが揺らぐ展開も似てると思いますね。</p> <p>山本作品で『殺し屋1』のイチと垣原が、痛みや絶望を持って惹かれ合うまでの展開や、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A5%E0%A5%F3%A5%AF%A5%EB%A5%B9">ホムンクルス</a>』で自らの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A5%A7%A5%F3%A5%C0%A1%BC">ジェンダー</a>を捉えあぐねている大学生・伊藤のほか、さかのぼれば『おカマ白書』の段階から(当時のゲイセクシュアルの荒い認識がありながらも)自己像の揺らぎとして女装も描かれてきました。山口作品で『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%D0%B8%E7%A4%CE%A5%B9%A5%B9%A5%E1">覚悟のススメ</a>』で男性から女性の肉体へ変わる最大の敵・散との闘いから『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%B0%A5%EB%A5%A4">シグルイ</a>』の鍛え上げた肉体を艶めかしく描写する手付きがあります。</p> <p>ふたりとも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D8%A5%C6%A5%ED%A5%BB%A5%AF%A5%B7%A5%E3%A5%EB">ヘテロセクシャル</a>なんでしょうけど、作中で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A5%A7%A5%F3%A5%C0%A1%BC">ジェンダー</a>アイデンティテイが揺らぐ描写は、ここまでに書いたように社会と自己の相容れなさを描くことの延長として選んでいるのではないでしょうか。</p> <p>現在もふたりの作家性はいまだに掘り下げれられている最中だと思いますね。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%CB%DC%B1%D1%C9%D7">山本英夫</a>作品は、余命わずかの男が魂を動物に移し替えていく短編『さよなら身体』から、肉体から意識が電気信号として乖離してしまう『HIKARI-MAN』など、自分の意識と肉体が一致しない人間を描くようになっています。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%B8%FD%B5%AE%CD%B3">山口貴由</a>作品は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DA%A5%EA%A5%AA%A1%BC%A5%EB">スペリオール</a>でスタートした最新作『劇光仮面』は、特撮を題材にしながらもアイデンティテイが空虚だという主人公が、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E8%C6%F3%BC%A1%C0%A4%B3%A6%C2%E7%C0%EF">第二次世界大戦</a>時の記憶を引き継ぐ特撮美術を通して “正義の味方”になろうとするサイコホラーじみた手触りを見せています。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%D0%B8%E7%A4%CE%A5%B9%A5%B9%A5%E1">覚悟のススメ</a>』で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%C6%FC%CB%DC%C4%EB%B9%F1%CE%A6%B7%B3">大日本帝国陸軍</a>・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/731%C9%F4%C2%E2">731部隊</a>をモデルとした敵が最大の悪でありながら主人公の戦闘技術の源泉でもある、という物語の構図を引き継ぐ形のように(今のところは)見えています。</p> <h4>アニメ化はこのクリエイターがやったらいいんじゃない</h4> <p><strong>『A KITE』や『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/MEZZO%20FORTE">MEZZO FORTE</a>』の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%DF%C4%C5%C2%D9%BF%C3">梅津泰臣</a></strong>さんはどうでしょう。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%CB%DC%B1%D1%C9%D7">山本英夫</a>と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%B8%FD%B5%AE%CD%B3">山口貴由</a>作品の中核には、間違いなく肉体の描写があると思います。しかも、主人公が自身の肉体と精神の同一性について揺らいでいる不安定な状態でもある。</p> <p>アニメーターは多様な動きを描く一方、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%CC%C5%CD%A4%CE%B7%FD">北斗の拳</a>』や『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BB%A5%DE%A5%C3%A5%B9%A5%EB">聖マッスル</a>』みたいに数多くの漫画家が描くような、鍛え上げた強烈な肉体の誇示を描く描き手が少ないように思えます。</p> <p>ただ理由もわかっていて、漫画は止まったページの中で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D1%A5%AF">インパク</a>トを与えるために肉体への描写を強められるけど、アニメはもちろん動かすことが基本なので、アニメーター単体のテーマに強力な肉体そのものに注視することは少ないのではないでしょうか。(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%C4%B3%C0%B7%C3%B2%F0">板垣恵介</a>が肉体を描くとき、“動ける肉体”ではなく、止まって強靭な肉体を見せる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%C7%A5%A3%A5%D3%A5%EB%A5%C7%A5%A3%A5%F3%A5%B0">ボディビルディング</a>を参照したのも、そうした帰結でしょう)</p> <p>そんななか、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%DF%C4%C5%C2%D9%BF%C3">梅津泰臣</a>さんはどこか肉体と自己像の曖昧な感覚がアニメートに現れているようにも思える希少な作家ではないかな、と思えるのでした。ただ男性を描くモチベーションは薄そうで、すでに高齢になっているため山本・山口作品をアニメで描いてほしいという望みは叶わないでしょうか……。</p> <h4>余談・漫画やアニメで強靭な肉体を描くことは、どこまで絵として解釈されるのか?</h4> <p>ちなみに、がっちりアカデミックな修練を積んだ漫画家さんって、アクションある漫画でもあんまり肉体を誇示する絵って描かないなーと思います。この前『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%B5%B8%C2%A4%CE%BD%BB%BF%CD">無限の住人</a>』を見たら、男性陣はみんな身体は薄めなんですよ。</p> <p>たぶん鍛え上げられた身体というものが、実は漫画として記号的に表現しやすいものだからかもな、と考えています。肉体を強烈に描写した漫画って、絵として強いように見えるんですけど、実は記号に近いです。極論すれば<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%EA%C4%CD%BC%A3%C3%EE">手塚治虫</a>漫画から『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C9%A5%E9%A4%A8%A4%E2%A4%F3">ドラえもん</a>』みたいなものかもしれません。</p> <p>その記号によってなにを描くかと言うと、主人公の内面を表現してることも少なくないんですよ。意外と絵というより文芸としての意味に収斂されるかもしれません。それは今回の山本&山口漫画の裏のお話でもあります。</p> <p>ともあれ『殺し屋1』か『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%D0%B8%E7%A4%CE%A5%B9%A5%B9%A5%E1">覚悟のススメ</a>』、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%B0%A5%EB%A5%A4">シグルイ</a>』の再アニメ化くらいはありえそうな気もします。ただ実現したとき、肉体をアニメで描くことの誤差をどれだけ埋められるのでしょうか。</p> <p>また忘れられるためのアニメが生まれ出ます。培った技術やモードが引き継がれるのを眺め、次回にお会いしましょう。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B01LYYLBGZ?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" class="hatena-asin-detail-image-link" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/515sj1O5xqL._SL500_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="殺し屋1(イチ)1" title="殺し屋1(イチ)1" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B01LYYLBGZ?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" target="_blank" rel="noopener">殺し屋1(イチ)1</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%CB%DC%B1%D1%C9%D7" class="keyword">山本英夫</a></li> <li>電書バト</li> </ul> <a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B01LYYLBGZ?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" class="asin-detail-buy" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00D6D10HK?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" class="hatena-asin-detail-image-link" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51paLZ-ifXL._SL500_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="覚悟のススメ(1) (少年チャンピオン・コミックス)" title="覚悟のススメ(1) (少年チャンピオン・コミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00D6D10HK?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" target="_blank" rel="noopener">覚悟のススメ(1) (少年チャンピオン・コミックス)</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%B8%FD%B5%AE%CD%B3" class="keyword">山口貴由</a></li> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%A9%C5%C4%BD%F1%C5%B9">秋田書店</a></li> </ul> <a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00D6D10HK?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" class="asin-detail-buy" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00WW8IOOM?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" class="hatena-asin-detail-image-link" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51S9MFjmg9L._SL500_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="ホムンクルス(1) (ビッグコミックス)" title="ホムンクルス(1) (ビッグコミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00WW8IOOM?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" target="_blank" rel="noopener">ホムンクルス(1) (ビッグコミックス)</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%CB%DC%B1%D1%C9%D7" class="keyword">山本英夫</a></li> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AE%B3%D8%B4%DB">小学館</a></li> </ul> <a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00WW8IOOM?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" class="asin-detail-buy" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00F3833WG?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" class="hatena-asin-detail-image-link" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/61eh3c22aSL._SL500_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="シグルイ 1 (チャンピオンREDコミックス)" title="シグルイ 1 (チャンピオンREDコミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00F3833WG?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" target="_blank" rel="noopener">シグルイ 1 (チャンピオンREDコミックス)</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%B8%FD%B5%AE%CD%B3" class="keyword">山口貴由</a>,<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%EE%DB%EA%C8%CF%C9%D7" class="keyword">南條範夫</a></li> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%A9%C5%C4%BD%F1%C5%B9">秋田書店</a></li> </ul> <a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00F3833WG?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" class="asin-detail-buy" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00WW8J41E?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" class="hatena-asin-detail-image-link" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51ARvZa+84L._SL500_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="HIKARI-MAN(1) (ビッグコミックス)" title="HIKARI-MAN(1) (ビッグコミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00WW8J41E?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" target="_blank" rel="noopener">HIKARI-MAN(1) (ビッグコミックス)</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%CB%DC%B1%D1%C9%D7" class="keyword">山本英夫</a></li> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AE%B3%D8%B4%DB">小学館</a></li> </ul> <a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00WW8J41E?tag=eabase887-22&amp;linkCode=osi&amp;th=1&amp;psc=1" class="asin-detail-buy" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> EAbase887 『シン・エヴァンゲリオン』自分語りも庵野監督語りもすべて排除し、アニメートのみに特化したレビュー【有料】 hatenablog://entry/26006613702609248 2021-03-13T05:00:42+09:00 2021-03-13T13:47:30+09:00 堂々の完結編。現在、鑑賞した方のテキストがネット上に膨大にあふれています。だけど自分のところは違う形でまとめました。 レビューらしく、アニメート一点のみで評価するテキストにしています。not for meでもfor meでもなく、エヴァシリーズにかこつけて書き手自身のことを書くこともなく、ましてや無粋な監督自身の成長だとか、監督の人間関係をキャラクターに当てはめて解釈するといったことは一切行っていません。批判点も肯定点もどっちも入っています。 過去のエヴァンゲリオンや監督に関連した記事 <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20210313/20210313045532.png" alt="f:id:EAbase887:20210313045532p:plain" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <p>堂々の完結編。現在、鑑賞した方のテキストがネット上に膨大にあふれています。だけど自分のところは違う形でまとめました。</p> <p>レビューらしく、アニメート一点のみで評価するテキストにしています。not for meでもfor meでもなく、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F4%A5%A1">エヴァ</a>シリーズにかこつけて書き手自身のことを書くこともなく、ましてや無粋な監督自身の成長だとか、監督の人間関係をキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターに当てはめて解釈するといったことは一切行っていません。批判点も肯定点もどっちも入っています。</p> <p><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fnote.com%2Feabase887%2Fn%2Fnefde7fa40f2a" title="『シン・エヴァンゲリオン』自分語りも庵野監督語りもすべて排除し、アニメートのみに特化したレビュー|“EAB’s Pay Wall” ジャンル複合ライティング・葛西祝のnote|note" class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <h3>過去の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F4%A5%A1%A5%F3%A5%B2%A5%EA%A5%AA%A5%F3">エヴァンゲリオン</a>や監督に関連した記事</h3> <p><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fteenssexandwarmode.hatenablog.com%2Fentry%2F2014%2F09%2F05%2F184548" title="『新世紀エヴァンゲリオン』アナログの旧劇版からデジタル新劇版での変貌 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード" class="embed-card embed-blogcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://teenssexandwarmode.hatenablog.com/entry/2014/09/05/184548"> </a></cite></p> <p><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fteenssexandwarmode.hatenablog.com%2Fentry%2F2014%2F08%2F27%2F215215" title="決しておすすめしない、日本のアニメ監督の撮った実写映画ベスト5 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード" class="embed-card embed-blogcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fteenssexandwarmode.hatenablog.com%2Fentry%2F2015%2F04%2F27%2F173353" title="ヱヴァがずっと終わらないことを皮肉ってるアニメ「Kanón」 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード" class="embed-card embed-blogcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"></iframe><cite class="hatena-citation"><br /></cite></p> <p> </p> EAbase887 観ると気が遠くなるアニメ『天空侵犯』 。『MUSASHI -GUN道-』に近いNetflixオリジナルとはなんなのか…… hatenablog://entry/26006613697284305 2021-03-01T16:00:18+09:00 2021-03-02T11:19:32+09:00 『天空侵犯』 「NetflixオリジナルアニメとしてTwitterでプロモ広告を打つくらいだから、それなりに自信がある作品なのかな」そう思って観たものは虚無でした。 そこにあったのは絵の綺麗な『MUSASHI -GUN道-』でした。手描きと3Dが混ざることで奇妙な味わいとなった『エクスアーム』が話題になっていますが、本作の手触りはそれに匹敵するでしょう。しかし笑って観ていられるものでもなく、「Netflixオリジナルが日本アニメを救うとはなんだったのだろう」と気が遠くなってゆくのでした。 <p> <img src="https://www.crank-in.net/img/db/1428336_1200.jpg" alt="天空侵犯』アニメ化&2021年2月配信決定 白石晴香、青木志貴ら若手実力派が出演 /2020年10月27日 - アニメ - ニュース - クランクイン!" width="355" /></p> <p><strong>『天空侵犯』</strong></p> <p>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルアニメとして<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Twitter">Twitter</a>でプロモ広告を打つくらいだから、それなりに自信がある作品なのかな」そう思って観たものは虚無でした。</p> <p>そこにあったのは絵の綺麗な『<a href="https://www.youtube.com/results?search_query=MUSASHI+%E3%80%80GUN%E9%81%93">MUSASHI -GUN道-</a>』でした。手描きと3Dが混ざることで奇妙な味わいとなった『エクスアーム』が話題になっていますが、本作の手触りはそれに匹敵するでしょう。しかし笑って観ていられるものでもなく、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルが日本アニメを救うとはなんだったのだろう」と気が遠くなってゆくのでした。</p> <p> </p> <h3>原作はホラー風味。アニメ化、それを無視</h3> <p><iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/Cqhr0Nv2FBU?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"><br /></cite></p> <p>主人公・本城遊理は、突然学校から高層ビルへ飛ばされてしまい、そこで仮面を被った人間による殺人を目のあたりにします。人々が次々と仮面に殺されるか、あるいは仮面の能力により、自殺させられていました。</p> <p>遊理は壮絶な状況から、兄の理火(りか)に連絡を取るとするのですが、彼もまた高層ビルに飛ばされていました。この状況では地上には降りられず、ビルの上層階を接続する吊り橋でのみ移動できる、と伝えられ、遊理は、理火と合流するために動き始めようとするのですが……。</p> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20210301/20210301143355.png" alt="f:id:EAbase887:20210301143355p:plain" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" width="296" /></p> <p><span style="font-size: 80%;"><strong>原作の画風。マガジン的ながら、どちらかと言うと殺伐としたムードを表現しようと尽力している。</strong></span></p> <p>原作はマン<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%DC">ガボ</a>ックスに連載されていた漫画です。デスゲーム系で荒唐無稽な設定かつ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A5%DB">スマホ</a>で気軽に読めるようにしているため、絵の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D1%A5%AF">インパク</a>トと単純なシナリオで隙間時間にさっと読めるようにしているわけです。基本は仮面の人間とか、単行本の表紙を見るにホラーなんですよね。</p> <p>隙間に読むもの+絵の勢いがあれば、荒い設定にわざわざ「そんなわけないだろ」って思わせないからいいですよね。窓に身体を挟まれた女性とあれこれする広告えろ漫画にわざわざ「ありえない」という人はいない。「ビルの間につり橋が」という無茶もそれと同じで、隙間だから放置されているんです。</p> <p>しかし小さな画面で手軽に読みやすくしたずさんな世界観を、なんの考えもなしにアニメに興したとしたら……? そこにはホラーは無くなり、コントにしか見えない空間が広がっていました。</p> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20210301/20210301143033.png" alt="f:id:EAbase887:20210301143033p:plain" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" width="465" /></p> <p><span style="font-size: 80%;"><strong>何の批判性もなしにやったアニメ化。明らかにバカバカしく見えるビルのつり橋</strong></span></p> <p>椅子に深く座って、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>のアプリケーションを開き、モニターに映して雑な設定の世界観を観ると全然違うんですよね。説得力のない映像を前に疑問が止まらない。ねえどうやってビルに橋を架けてるの? だれが架けてたの? 大東建設? さすがに上の画像みたいな映像がずっと続くのを前に「そんなわけないだろ!」と思わず言ってしまいましたよ。</p> <p>そう、原作が勢いで疑問を差しはさまないようにしているのを、アニメがここまでホラーの絵作りも演出も放棄してしまっていることで、なにもかもバカバカしく見えるんです。</p> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20210301/20210301145959.jpg" alt="f:id:EAbase887:20210301145959j:plain" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" width="461" /></p> <p><span style="font-size: 80%;"><strong>アニメ化によって<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%FD%C5%C4%A4%B3%A4%A6%A4%B9%A4%B1">増田こうすけ</a>作品のようなリアリティレベルへ……</strong></span></p> <p>つり橋がこうなら後の展開も困惑します。アニメの予告だけならそれなりに見えるかもしれませんが、本編を観ると演出がところどころおかしいんですよ。えっ? 主人公極限状況にいつ適応したの? 躊躇なしに死体に火をつけてるのなんなの? 「わかった……仮面の男はピッチャー……だから鉄球をストレートで投げてこちらを殺しに来る……」これ真面目にみれるか?</p> <p>原作ではホラーらしい絵で担保していたデスゲームならではの緊張感が、アニメでは昼日中の中目黒で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%FD%C5%C4%A4%B3%A4%A6%A4%B9%A4%B1">増田こうすけ</a>漫画のコントくらいのムードになっているんですよ。すごい絵があれば勢いでごまかせる(そこそこの面白さでも大声とやけくそさで面白くなるおいでやす小田のように)ところ、勢いがなくなった瞬間すべてが滑稽になってしまうという。</p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%A4%A5%B8">カイジ</a>』のアニメ化って、やっぱりスタッフはそれなりに福本さんの絵や表現をどう映像に落とし込むかって、きっちり再解釈していたわけですよね。その過程を抜きに適当なアニメ化をすると、デスゲームは確実にコントにしか見えなくなる。 ホラーと笑いは背<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%E6%B9%E7">中合</a>わせにあるといいますが、ここまでの失笑に転じたものもなかなかない。</p> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20210301/20210301152152.jpg" alt="f:id:EAbase887:20210301152152j:plain" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" width="494" /></p> <p>地上50mで行われる長編<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%FD%C5%C4%A4%B3%A4%A6%A4%B9%A4%B1">増田こうすけ</a>コントと一度感じてしまうと、もうすべての要素がそう見えてきますからね。たとえば戦闘の音楽がプロレスラー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%B3%CC%EE%C0%B5%CD%CE">蝶野正洋</a>選手の入場曲「<a href="https://www.youtube.com/watch?v=zzPGrCLyol8">Crash</a>」に似ていて、主人公が闘うたびに蝶野選手が入場してくる脳内映像が浮かぶようになっています。</p> <h3><strong>オリジナルアニメとはなんだったのだろうか……</strong></h3> <p>かくして、原作の時点で凄く荒いデスゲームものが、適当なアニメ化によってすべてが失笑へと転じるようになっています。</p> <p>そんな再解釈のないアニメ化を、なぜ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルがやっているのか? という最大の疑問に繋がります。豪華な『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/MUSASHI%20-GUN%C6%BB-">MUSASHI -GUN道-</a>』の生まれ変わりを観ながら、数年前に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>に掛けられたアニメへの期待について思い出していました。</p> <p> “<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルアニメが日本のアニメを救う”か……。あの言葉や期待とはなんだったのだろうな……。80年代<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/OVA">OVA</a>に近いということは何度も書いてきましたし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>に期待されるような残酷描写や露悪的な描写も通常の深夜アニメがやっているみたいなことも書いてきました。</p> <p>しかしいま「本流から逸脱した自由」という文脈で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルを観ているひとは皆無のように思えます。</p> <p>本作を素直に笑うことはできないのは、これを日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>は軽く広告を打つ程度とはいえ自信を持って送り出すタイトルにしているということでした。閉塞する日本の商業アニメ界に風穴を開ける希望……開国を迫る黒船……。</p> <p>その期待から数年、導き出されたのがこれか……。観たアニメは忘れましょう。そして培った技術やモードは投げ捨てて、次回にお会いしましょう。</p> <p> </p> <p><a data-ofuse-widget-button="" href="https://ofuse.me/o?uid=31974" data-ofuse-id="31974" data-ofuse-size="large" data-ofuse-color="yellow">OFUSEする</a> <script async="" src="https://ofuse.me/assets/platform/widget.js" charset="utf-8"></script>  </p> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00K1ZQWCE/eabase887-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51xt9S87gUL.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="天空侵犯(1) (マンガボックスコミックス)" title="天空侵犯(1) (マンガボックスコミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00K1ZQWCE/eabase887-22/">天空侵犯(1) (マンガボックスコミックス)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%B1%BA%C4%C9%D1%B5" class="keyword">三浦追儺</a>,<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%B1%A9%CE%B4%D7%A2" class="keyword">大羽隆廣</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2014/05/09</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 原恵一が萌えアニメの恐るべき才能を見せる『バースデー・ワンダーランド』 hatenablog://entry/26006613667511090 2020-12-20T06:34:45+09:00 2020-12-25T10:41:09+09:00 作家の失敗作を見る豊穣さ 『バースデー・ワンダーランド』はNetflixに来たのではじめて見たのですが、「原恵一であまり評されていない才能が炸裂している作品だ」とはっきり感じました。 すでに失敗作であることをわかったうえで観ることで、その才能が見やすかったといえます。これまでの原監督作品に期待していたものが、ここにはないことを知ったまま見ることで、むしろ別の可能性を発見できたといえます。 その才能とは、おそらく原監督自身が商業アニメで苦手だ、距離を撮りたいと思っていただろうものです。萌えアニメですよ。 本作は失敗作であるがゆえに、これまでの原監督作品で語られなかった可能性が見えます。「優れた作… <p><img src="https://i.ytimg.com/vi/NgXYEHQFGrc/maxresdefault.jpg" alt="映画『バースデー・ワンダーランド』90秒予告【HD】 - YouTube" /></p> <h3>作家の失敗作を見る豊穣さ</h3> <p>『バースデー・ワンダーランド』は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>に来たのではじめて見たのですが、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%B6%B7%C3%B0%EC">原恵一</a>であまり評されていない才能が炸裂している作品だ」とはっきり感じました。</p> <p>すでに失敗作であることをわかったうえで観ることで、その才能が見やすかったといえます。これまでの原監督作品に期待していたものが、ここにはないことを知ったまま見ることで、むしろ別の可能性を発見できたといえます。</p> <p>その才能とは、おそらく原監督自身が商業アニメで苦手だ、距離を撮りたいと思っていただろうものです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%A8%A4%A8%A5%A2%A5%CB%A5%E1">萌えアニメ</a>ですよ。</p> <p>本作は失敗作であるがゆえに、これまでの原監督作品で語られなかった可能性が見えます。「優れた作家が失敗作を作ってしまう」というのはよくあることで、そこから垣間見える裏の才能、可能性を観る喜びに満ちているといえるでしょう。「そうか、こんなに女性キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターを映すのが上手な人だったんだ」ということばかりをここでは思わせるのです。</p> <h3>作家の生理と企画の目的が反発した結果 “萌え”だけが残った</h3> <p>おそらく「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%B6%B7%C3%B0%EC">原恵一</a>」と聞いて、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B1%A4%A4%A4%AA%A4%F3">けいおん</a>」や「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B4%C3%ED%CA%B8%A4%CF%A4%A6%A4%B5%A4%AE%A4%C7%A4%B9%A4%AB">ご注文はうさぎですか</a>」を見るような期待で本作を見に行った、コアな観客はひとりもいないと思います。でも本当は、そういう客よりの可能性が存分に発揮されているのです。</p> <p>物語も、世界設定も、メタファーも失敗しているがゆえに、キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターの華やかさだけが際立ちます。しかしぼくは、そこで原監督のこれまでに描いた作品が「実は女性キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターを描くのがすごく上手だったな……」と振り返るのでした。</p> <p>本作は、原監督が「通常のアニメシーンに反発しているが、あえてエンターテインメントをやらねばならない」という、作家の生理と企画の目的が反発することがあいまってます。結果「内容がまったくないゆえに、萌えが際立つ」というまさかの出来事が生まれています。</p> <p>萌えの際立ちは主人公の造形に出ていますね。主人公アカネは小学生という設定なのに、それよりも上に見える。さらに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%B2%AC%E7%FD%CD%A5">松岡茉優</a>の軽いハスキーも入った声もあり、最初から大人みたいなキャラにも見える。やたら肌を見せた服装だったり、鳥にお尻を突っつかれたり猫になってしっぽを引っ張られたりみたいなセクシャルな目配せもあってびっくりしました。</p> <p>原監督がキャスティングも、キャラデザインに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%EA%A5%E4">イリヤ</a>・クブシノブを起用することを決めたそうですが、そこにも「作家の生理と企画目的の反発」はありますね。結果的に萌えの際立ちかたばかりが印象深いのです。ファンタ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A1%BC">ジー</a>世界に行くことが、これから成長していくための<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%CC%B2%E1%B5%B7%CE%E9">通過儀礼</a>みたいな意味もなさず、もともと成長しきっているキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターにしか見えないのもそうですね。</p> <p>相棒となるアカネの叔母、チィもなかなかな萌え造形ありますよね。叔母と姪の軽い百合冒険アニメみたいにも見えます。かつて商業アニメに「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%C1%A5%B3%A4%C8%A5%CF%A5%C3%A5%C1%A5%F3">ミチコとハッチン</a>」とか「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A5%EF%A1%BC%A5%EB">ノワール</a>」、「キャロル&チューズディ」みたいに女性同士が旅をする、とかありましたが、それらと比べてあまりにマイルドなかわいらしさがありました。無意味で、ただ萌えだけがある。しかし、そこには原監督のフィル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%B0%A5%E9">モグラ</a>フィが重なった結果にも見えるのです。</p> <h3>原監督作品の女性キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターについて</h3> <p>ぼくにはただただ、作家の生理と企画の目的が反発した結果の萌えについてこれまでの原監督作品を思い出していました。彼のフィル<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%B0%A5%E9">モグラ</a>フィで、実は重層的に女性キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターを描いてきたことです。</p> <p>「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」の春日廉は、しんちゃんのフォーマットを破った造形で、監督が好んでいる日本映画の黄金期みたいな女性キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターとして描いています。「カラフル」では売春をする同級生の女の子を、憂鬱でぞっとするようなきれいな人物として描いていました。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="女優・杏を美しく映しているアニメーション『百日紅』 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fteenssexandwarmode.hatenablog.com%2Fentry%2F2016%2F09%2F23%2F203000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C9%B4%C6%FC%B9%C8">百日紅</a>」では原監督の女性描写はぐっと進んでいます。あきらかに杏の存在を意識した造形で主人公を描いており、まるで「実写映画における俳優の存在で映画をもたせてしまう」ような効果がありました。</p> <p>以前、ここで書き散らしたときにもそこが特化していることを書いていますね。「バースデー・ワンダーランド」の前段階として、女性キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターが、女優がすごく際立つという意味で、いま読みなおしたら示唆に富みますね。</p> <p>原監督の実写映画・「はじまりのみち」でモデルとしたのは、日本映画の巨匠、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%DA%B2%BC%B7%C3%B2%F0">木下恵介</a>でした。彼も女性をすごくうまく撮影する作家で、原監督がそんな木下作品を敬愛し、影響を受け、たどり着いたひとつが実は萌えでもあった。ということが『バースデー・ワンダーランド」でもあります。そしてそれは皮肉ではなく、女性キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターを見せることをもっと豊穣に、真剣に考えさせるものでもある。</p> <h3>商業や企画力を度外視した萌えをひとは評価していることはあるのか?</h3> <p>萌えとはなんでしょうね。かわいい女性キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターだけ実はアニメはぜんぜんヒットしないということは、ここの書き散らしを6年もやって身に染みていることです。あくまで商業的なクオリティを成立させるフックでしかない。メディアミックスなどいろんな要素に拡張するための気持ちいいハブのようにも映るのですね。</p> <p>しかし企画や商業というノイズを取り払い、ただただ純粋な芸術評価としての萌えみたいな評価はできるのでしょうか? <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A5%DB">スマホ</a>ゲームにもならず、アカネとチィのキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%BD%A5%F3">ラソン</a>グがあるわけでもない「バースデー・ワンダーランド」は、ただただ萌えを純粋に評価できるかどうかを観客に試してきます。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%C5%C4%BE%B0%BB%D2">山田尚子</a>作品がTVアニメからかなりそれをやってきましたが、原監督作品が加わりました。女性キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターをこれまでにうまく描いてきた力がここにはあります。「なにかのテーマを描こうとしていても、実は何もなく、ただきれいに描かれた萌えがある」という伽藍を、僕たちはどれだけ評価できるのでしょうか。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061487248/eabase887-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/61aylVtWUTL.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="新装版 地下室からのふしぎな旅 (講談社青い鳥文庫)" title="新装版 地下室からのふしぎな旅 (講談社青い鳥文庫)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061487248/eabase887-22/">新装版 地下室からのふしぎな旅 (講談社青い鳥文庫)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%F0%CD%D5%20%B9%AC%BB%D2" class="keyword">柏葉 幸子</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2006/04/15</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 新書</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004GSP0TS/eabase887-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/61fQhiYSdGL.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="カラフル [DVD]" title="カラフル [DVD]" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004GSP0TS/eabase887-22/">カラフル [DVD]</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2011/04/20</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> DVD</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01LW1P2OV/eabase887-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/61EKquPxVCL.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="百日紅~Miss HOKUSAI~(HDクオリティ)" title="百日紅~Miss HOKUSAI~(HDクオリティ)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01LW1P2OV/eabase887-22/">百日紅~Miss HOKUSAI~(HDクオリティ)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2016/09/14</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> Prime Video</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 『デカダンス』と『GREAT PRETENDER』テレビとNetflix、ふたつの領域で展開される「オリジナルの作画アニメ」とは hatenablog://entry/26006613598650326 2020-07-15T04:35:01+09:00 2020-07-15T04:44:09+09:00 UHFアニメ デカダンス 視聴フル UHFアニメにおけるオリジナルアニメとは、いまどのような意味があるのでしょうか? 作画? 世界観? キャラクター展開? 監督の作家性? いずれにせよ、ブシロードが絡むアニメーションみたいなビジネス上の戦略とは別の、商業アニメーションが持つ美的な価値を追いたいのだと思います。『幼女戦記』など高い品質のアニメーションを制作したNUTのオリジナル作品『デカダンス』は、まさしく作画と世界観を見せたいアニメなのでしょう。 <p> </p> <p><img src="https://i.ytimg.com/vi/zSClK3Eblbg/maxresdefault.jpg" alt="TVアニメ「デカダンス」ティザーPV - YouTube" /></p> <p><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%AB%A5%C0%A5%F3%A5%B9">デカダンス</a> 視聴フル</strong></p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>におけるオリジナルアニメとは、いまどのような意味があるのでしょうか? 作画? 世界観? キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ター展開? 監督の作家性?</p> <p>いずれにせよ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%B7%A5%ED%A1%BC%A5%C9">ブシロード</a>が絡むアニメーションみたいなビジネス上の戦略とは別の、商業アニメーションが持つ美的な価値を追いたいのだと思います。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%C4%BD%F7%C0%EF%B5%AD">幼女戦記</a>』など高い品質のアニメーションを制作したNUTのオリジナル作品『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%AB%A5%C0%A5%F3%A5%B9">デカダンス</a>』は、まさしく作画と世界観を見せたいアニメなのでしょう。</p> <h3> 今の時代で作画を魅力とすることとは?</h3> <p>キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターデザインには作画させたい思いがかなりあるのではないでしょうか。アニメートさせやすくするために、極端に線を増やしたデザインにしていません(イラストレーションベースの情報量の多いデザインだと、作画が大変なのもありますし、作画それ自体の快感が削がれるのもあります)。3次元的に把握したとき、どの角度でもデッサンが崩れにくいデザインをしている。</p> <p>世界観を見せたい思いも、移動要塞にある社会で暮らす人々に現れているでしょう。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%A6%A5%EB%A4%CE%C6%B0%A4%AF%BE%EB">ハウルの動く城</a>』から古いSFの『逆転世界』など数多くの移動都市を描いた作品を踏襲しており、アクションシーンでは『マッドマックス・怒りのデスロード』を思い出させます。とはいえ統一感はあまりなく、これも作画そのものへの魅力を押したいのもあるでしょう。</p> <p>一方、いまオリジナルタイトルが作画に特化することにどんな意味があるんでしょうか? ここ10年の成功作ではトリガーの『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AD%A5%EB%A5%E9%A5%AD%A5%EB">キルラキル</a>』が思い浮かびます。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%AB%A5%C0%A5%F3%A5%B9">デカダンス</a>』でも独自のフォントで登場人物の名前を表示するなど、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AD%A5%EB%A5%E9%A5%AD%A5%EB">キルラキル</a>』以降の影響がみられるでしょう。</p> <h3>オリジナルで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%EE%B2%E8%A5%A2%A5%CB%A5%E1">作画アニメ</a>を追う意味の大きいデザインとは</h3> <p>しかしトリガーとNUTを比較しますと、作画に使っている意識がまったく違っているのがわかります。</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="日本最高のリミテッドアニメはトリガーが作ってる「宇宙パトロールルル子」 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fteenssexandwarmode.hatenablog.com%2Fentry%2F2016%2F04%2F14%2F203000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite> というのも、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%AB%A5%C0%A5%F3%A5%B9">デカダンス</a>』ではリアリスティックな印象を与えるという、とても<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%EE%B2%E8%A5%A2%A5%CB%A5%E1">作画アニメ</a>らしい醍醐味を出しています。手描きならではの嘘と、アクションや演技といった作画の手触りを本物らしく感じる中間の快感。</p> <p>これは今のクオリティが高いスタジオならどこでもやっていることで、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%AB%A5%C0%A5%F3%A5%B9">デカダンス</a>』ではとくに世界観やキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターデザインを作りこみすぎないことで、作画の良さに注力されるようになっていると思います。</p> <p>対してトリガー(≒今石監督作)は3コマ打ちはまったく違います。日本の商業アニメならではの省力させる方向を、再検証してカッコよくリズミカルに見せる方法へ発展させています。</p> <p>かつて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%A4%A5%CA%A5%C3%A5%AF%A5%B9">ガイナックス</a>時代の『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%EC%A5%F3%A5%E9%A5%AC%A5%F3">グレンラガン</a>』では、まだリアルさへの方向はあったと思いますが、ある時期から日本アニメが産業のなかで発展させた省力アニメの技法をブラッシュアップさせる方向へ特化しています。「省力アニメ」の興味は『ニンジャスレイヤー』に見られた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Flash">Flash</a>みたいなことまで進んでいますから。</p> <p>いま<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%EE%B2%E8%A5%A2%A5%CB%A5%E1">作画アニメ</a>のオリジナルをやる意味に戻りましょう。セルルック3DCGを含め、平均的に「基本は日本アニメならではの嘘だけど、リアルに感じさせる方向」でアニメを作ることは加速しています。そこでトリガーがひとつ抜けているのは、早い段階で日本アニメならではの「3コマ打ち基調の、省力のためデフォルメされた作画を再検証する」ことを追求していることで、いまでは追随するものがいない状況となっています。つまり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%EE%B2%E8%A5%A2%A5%CB%A5%E1">作画アニメ</a>がやりがちな「リアルさを感じる表現」をやめ、むしろ日本アニメならではの破綻の部分に目を向けることでもっとも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%EE%B2%E8%A5%A2%A5%CB%A5%E1">作画アニメ</a>に意味を与えているスタジオでしょう。</p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%AB%A5%C0%A5%F3%A5%B9">デカダンス</a>』はとりわけ新しくなく、オーソドックスすぎる作画の価値で出来ており、これをオリジナルとして、なんらかの監督やアニメーターの作家性の発露としているということに思うところがあるのでした。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488655033/eabase887-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51DjgTRV5HL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="逆転世界 (創元SF文庫)" title="逆転世界 (創元SF文庫)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488655033/eabase887-22/">逆転世界 (創元SF文庫)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EA%A5%B9%A5%C8%A5%D5%A5%A1%A1%BC%20%A5%D7%A5%EA%A1%BC%A5%B9%A5%C8" class="keyword">クリストファー プリースト</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 1996/05/18</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 文庫</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p><img src="https://www.greatpretender.jp/assets/images/pv-poster1.png" alt="GREAT PRETENDER」公式サイト" width="487" /></p> <p><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナル(テレビ放送もあり) GREAT PRETENDER 視聴フル</strong></p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WIT%20STUDIO">WIT STUDIO</a>が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルで展開するタイトルです。脚本には『リーガルハイ』や『コンフィデンスマン』の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C5%C2%F4%CE%C9%C2%C0">古沢良太</a>さんを迎え、地上波放映との同時展開も行うというフジテレビの企画力が見える一作です。</p> <p>もっとも作り手側のコンセプトや方法論が見えた『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A1%BC%A5%EA%A5%F3%A5%B0%A5%AC%A1%BC%A5%EB%A5%BA">ローリングガールズ</a>』以来、WITの絵作りに感銘を受けるものになってますね。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%E7%CB%DC%B5%C1%B9%D4">貞本義行</a>キャラデザインは、まさしくアニメ絵ならではの嘘に振った作画でもいいし、リアルさを感じる作画のどっちに振ってもうまくいくものであり、今回は異様な背景美術と相まって独自の魅力ある絵作りになってます。</p> <p>というのも、背景美術すべてに鋭角的な これが本作のきびきびしたキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ター描線とマッチしており、ポップさとスタイリッシュさのある作画を実現してるんですね。これは「非リアルな方向を追い、2Ⅾ手描きアニメならではの抽象的な表現を追う」ひとつの解答でしょう。</p> <h3>脚本を中核に持つということはアニメートの飛躍を抑えることである</h3> <p>ここまではとても褒めているように読めるでしょうが、では面白いか、馴染めるかと言うとそうでもないんですね。たぶんぼくが本作における古沢さんのテンションが苦手なのがあるのかもしれません(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%D6%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E3%A1%BC">サブカルチャー</a>の中でだけ知っているクライムサスペンスという感じがするんですね)。もしくは、古沢さんがドラマで大きく振り回せるコメディの性質が、このチームではあまり生かされないというのもあるのか。</p> <p>ここで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%E7%CB%DC%B5%C1%B9%D4">貞本義行</a>氏キャラデザで、コメディ的な切り口と言えばやっぱり名作『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%EA%A5%AF%A5%EA">フリクリ</a>』が思い当たります。あれは脚本も世界観も、可能な限り作画に集約される構成であったからよかったのです。</p> <p>『GREAT PRETENDER』においては中心にあるのがやはり作画ではなく、古沢さんのツイストを利かせた脚本にあるのはあきらかなので、展開も作画に注力したものではない。このあたりは『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%AB%A5%C0%A5%F3%A5%B9">デカダンス</a>』とまた違うわけで、作画を見せたい場合はそれ相応の世界観づくりやキャラデザインがあるわけですね。</p> <p>アニメーションならではの現象といいますか、優れた監督やアニメーターは映像やアニメートだけで完結させちゃうから、長編で観ると苦しくなることは多いんですが、かわりにアニメートでしかできないやり方ですごく魅力的にする。脚本はその魅力を最大限に伝える補助になるのが(すくなくともぼくは)理想ですが、脚本主体になると絶対にアニメートの飛躍はない。</p> <p>『GREAT PRETENDER』は十分に作画だけですべてを見せることができるスタッフを持ちながら、古沢脚本が中核をなし、アニメートだからこそできる飛躍を抑え込んでしまうため、優れた作画の魅力があまり生かされず「意外にすごいスタッフだがあまりおもしろくない」という印象を残しています。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%A3%C0%D0%CD%CE%C7%B7">今石洋之</a>というアニメーターと脚本の中嶋かずきが出会うような、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C5%C2%F4%CE%C9%C2%C0">古沢良太</a>さんと相互のセンスが生かしあう出会いがあればいいですよね。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N2AY5YP/eabase887-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/61ZLrrayuZL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="ネコの手は借りません。" title="ネコの手は借りません。" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N2AY5YP/eabase887-22/">ネコの手は借りません。</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C5%C2%F4%CE%C9%C2%C0" class="keyword">古沢良太</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2017/02/13</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> <span style="font-size: 80%;">↑古沢さんが描いた漫画。<a href="https://booklive.jp/product/finish-reading/title_id/424746/vol_no/001/sample_flg/1/from_bib/1/rurl/https%3A%2F%2Fbooklive.jp%2Ffocus%2Fauthor%2Fa_id%2F4352">試し読みをするに</a>かなり高い画力が伺える。</span></p> <p>ちなみに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C5%C2%F4%CE%C9%C2%C0">古沢良太</a>さんは、自身も驚異的な画力で漫画も描ける人物であり、『GREAT PRETENDER』は制作スタジオからキャラデザインどころか、脚本家まで驚異的な作画能力を持つクリエイターが揃った稀有なタイトルでもあるのです。あまりおもしろくないという欠点を除けば、興味深い一作でしょう。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。</p> EAbase887 『BNA』と『彼女、お借りします』/やはり身近に感じることでしか強く訴えかけられない hatenablog://entry/26006613597132435 2020-07-12T05:06:53+09:00 2020-07-12T05:07:54+09:00 Netflixオリジナル BNA 視聴フル トリガーと中嶋かずきさんがNetflixオリジナルとして公開した最新作『BNA』は、『プロメア』以降、過去の日本TVアニメやサブカルチャーのサンプリングで作る方向から一歩進んだところでできていると思います。 それよりも、アニメーションの方向が明らかに『ズートピア』以降にあわせたものを作ろうとしてますね。脚本のお話しちゃうとここの書き散らしのコンセプトとずれるんですが、中嶋かずきさんは『プロメア』からひき続き、いまのテーマである人種のマイノリティ・マジョリティのアナロジーとして物語を作っているのは明白でしょう。 <h3><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナル</h3> <p><img src="https://i.ytimg.com/vi/rpBYkmRvpQc/maxresdefault.jpg" alt="TVアニメ『BNA ビー・エヌ・エー』第1弾PV - YouTube" /></p> <p><strong>BNA 視聴フル</strong></p> <p>トリガーと中嶋かずきさんが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルとして公開した最新作『BNA』は、『プロメア』以降、過去の日本TVアニメや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%D6%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E3%A1%BC">サブカルチャー</a>のサンプリングで作る方向から一歩進んだところでできていると思います。</p> <p>それよりも、アニメーションの方向が明らかに『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BA%A1%BC%A5%C8%A5%D4%A5%A2">ズートピア</a>』以降にあわせたものを作ろうとしてますね。脚本のお話しちゃうとここの書き散らしのコンセプトとずれるんですが、中嶋かずきさんは『プロメア』からひき続き、いまのテーマである人種のマイノリティ・マジョリティのアナロ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A1%BC">ジー</a>として物語を作っているのは明白でしょう。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="TRIGGER映画『プロメア』レビュー 今石洋之&中島かずきの現代的リミックスの在り方" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fkai-you.net%2Farticle%2F65955" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p>ほかの脚本家を見ても、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%D1%B8%EC%B7%F7">英語圏</a>から進んでいるいろんな人種や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AF%A5%B7%A5%E5%A5%A2%A5%EA%A5%C6%A5%A3">セクシュアリティ</a>を描いていくこと方向が見られます。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%B2%CF%C6%E2%B0%EC%CF%B0">大河内一楼</a>さんは『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Devilman%20Crybaby">Devilman Crybaby</a>』や『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%DC%A4%AF%A4%E9%A4%CE%BC%B7%C6%FC%B4%D6%C0%EF%C1%E8">ぼくらの七日間戦争</a>』にて、現代のガジェットも描きつつ、いろんな人種や性を持つ人を描いてるのが見えますね。昨年IGN JAPANにて<a href="https://jp.ign.com/bokurano-nanokakan-sensou/40217/interview/7">お話を伺える機会があり</a>、シンプルに現代に合わせることを意識したスタンスが心に残っています。</p> <p>ただ「うまくいっているのだろうか?」とも思ってしまうのですね。中嶋さんが現代のテーマに合わせて今作に挑んでいるのは確か。でも『プロメア』のような感激が薄い。</p> <p>たぶん描こうとしている人種間の問題が、当事者ではない人の想像でしかないからかもしれません。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BA%A1%BC%A5%C8%A5%D4%A5%A2">ズートピア</a>』が極端にファンタジックな世界であってもそこに人種間の危うさが見えるのは、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カではそれが現実にあるから。</p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BA%A1%BC%A5%C8%A5%D4%A5%A2">ズートピア</a>』がパワーを持っているのはそこなんですけど、『BNA』では日本がさまざまな国籍や人種とともに暮らしている現実の薄さが、そのままシナリオの地力の弱さに直結しています。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/videoseries?list=PLtdSPZNWT1AtCknSRGg8aA-evUdxGs4Sf" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p>監督の吉成さんのアニメートも難しい位置にありますね。トリガーのクリエイティブが日米のリミテッドアニメを極めた方向に進んでいるのと比較すると(この解説については<a href="http://teenssexandwarmode.hatenablog.com/entry/2016/04/14/203000">過去記事のこちらをお読みください</a>)、吉成さんの「日本式の3コマ打ちの作画ベースで、リアリスティックな手触りのアニメートをする」方向とちょっとずれが生じていて、今石さんの監督作よりもアニメートのリズムがはっきりしないのもあります。</p> <h3><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>と反体制の神話</h3> <p>ここで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルだからこそ、『BNA』もさまざまな人種や性のグラデーションを書く方向であった、という視点もあります。</p> <p>最近興味深いテキストを読みました。DavitRice氏が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CF%A4%C6%A4%CA%A5%D6%A5%ED%A5%B0">はてなブログ</a>にて執筆している「<a href="https://theeigadiary.hatenablog.com/entry/2020/07/10/211152">THE★映画日記</a>」にて、「<a href="https://theeigadiary.hatenablog.com/entry/2020/03/04/191805">Netflix(US)的価値観が良いことなのか?</a>」という記事では近年の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>(US)の方向についての違和感をまとめています。</p> <p>テキストの論旨はこうです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>は人種や性の多様さを受け入れた作品を数多くリリースしているが、その評価において<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>の価値を先進的というのはあきらかに商業的な都合も見られるメディアである違和感。バーバラ・エレンライクの「ポジティブ病の国、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カ」を例に、同意できなさについて述べているわけです。</p> <p>ぼくはこれを読んで、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルがどういうものか言葉にできるかもしれないなと思いました。つまり、あれは「カウンター・カルチャーが結局商業的な消費文化になる」という危うさです。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757143206/eabase887-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41tV7msRsuL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか" title="反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757143206/eabase887-22/">反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A5%E7%A5%BB%A5%D5%A1%A6%A5%D2%A1%BC%A5%B9" class="keyword">ジョセフ・ヒース</a>,<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%F3%A5%C9%A5%EB%A1%BC%A1%A6%A5%DD%A5%BF%A1%BC" class="keyword">アンドルー・ポター</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2014/09/24</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本(ソフトカバー)</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> 哲学者のジョセフ・ヒースは『反逆の神話』にて、反社会的なムーブメントだったはずの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%BF%A1%BC%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E3%A1%BC">カウンターカルチャー</a>がいかに商業的な方向へ収斂されたかを考察しています。日本版が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A3%A5%C7%A5%EB%A1%A6%A5%AB%A5%B9%A5%C8%A5%ED">フィデル・カストロ</a>のTシャツを表紙にしていることからも、革命や反体制であることがいちアイコンとして消費されてしまうことを見せています。</p> <p>『反逆の神話』を思い出すと、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルはまったくの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%BF%A1%BC%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E3%A1%BC">カウンターカルチャー</a>を商業化した端的な例だったことに気づきます。</p> <p>今の社会に対して反体制や革命的であることが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カでは人種や性のグラデーションの問題だった。これは実際にマイノリティに属する俳優の出演機会の問題を考えても、とりわけシリアスだからこそ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>(US)における数々の作品は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カ社会に対する<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%BF%A1%BC%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E3%A1%BC">カウンターカルチャー</a>としてすごい力を見せているということになる。</p> <p>一方、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルのUSがシリアスに人種や性の問題を扱っているのに、日本ではどうして『全裸監督』みたいに前時代的な価値でAV監督をヒーローとして描くんだろう?」と昨年言われていましたが、結局は日本における<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%BF%A1%BC%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E3%A1%BC">カウンターカルチャー</a>にあたる対象がAVだった、ということなのだと思います。</p> <p>つまり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>的であることとは、いろんな人種や性のことを描くことではなく、各国の社会においていま、なにが反体制的で、革命的な対象であるか、そしてそれを商業的なエンターテインメントにしているかという構図が真相ではないでしょうか。</p> <p>『BNA』は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>(US)を見て作っているのだと思いますが、むしろこの抜けの悪い出来のなかに、日米での<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%A6%A5%F3%A5%BF%A1%BC%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E3%A1%BC">カウンターカルチャー</a>としている対象の違いがあります。</p> <p>あと去年まったく書きそびれてましたけど、アニメ版『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BEASTARS">BEASTARS</a>』が『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BA%A1%BC%A5%C8%A5%D4%A5%A2">ズートピア</a>』に対する日本側の完璧な解答だった、と思います。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CF%B2%E7">刃牙</a>』の作者でありマチズモ的な父親・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%C4%B3%C0%B7%C3%B2%F0">板垣恵介</a>さんの娘である作者、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%C4%B3%C0%C7%C3%CE%B1">板垣巴留</a>さんという構図で肉食獣、草食獣間の学園物語をやること、スタジオオレンジが3Ⅾ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/CG%A5%A2%A5%CB%A5%E1%A1%BC%A5%B7%A5%E7%A5%F3">CGアニメーション</a>にすることすべてに意味があった、ということでまとめておきます。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B088RGBBPW/eabase887-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51X4MEJFxIL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="【Amazon.co.jp限定】BNA ビー・エヌ・エー Vol.1-3セット 初回生産限定版 Blu-ray (セット購入特典:「描き下ろし全巻収納BOX」付)" title="【Amazon.co.jp限定】BNA ビー・エヌ・エー Vol.1-3セット 初回生産限定版 Blu-ray (セット購入特典:「描き下ろし全巻収納BOX」付)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B088RGBBPW/eabase887-22/">【Amazon.co.jp限定】BNA ビー・エヌ・エー Vol.1-3セット 初回生産限定版 Blu-ray (セット購入特典:「描き下ろし全巻収納BOX」付)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> セット買い</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <h3><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a></h3> <p><img src="https://kanokari-official.com/wp/wp-content/themes/kanokari_main/_assets/images/ogp.jpg" alt="TVアニメ『彼女、お借りします』公式サイト" /></p> <p><strong>『彼女、お借りします』 視聴15分</strong></p> <p>一方でこちらは本当に嫌な意味で身近なテーマです。女の子の時間をレンタルして彼女になってもらうサービスを元にしたラ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%B3%A5%E1">ブコメ</a>ディを、柔らかなカラーパレットと背景美術で描いているわけです。</p> <p>国内の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>が広義の性産業をテーマにした作品を平然と放映しており、屈辱にまみれた主人公が「どうせサービスで自分に優しくしているんだろう」という。こちらは男性の屈辱を周到にきれいな画風で描いており、危なっかしいことをポップにやっていて前回の『宇崎ちゃん』と真逆でした。</p> <h3>終わりに</h3> <p>ちなみに今回のエントリは意図的に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%EA%A5%C6%A5%A3%A5%AB%A5%EB%A1%A6%A5%B3%A5%EC%A5%AF%A5%C8">ポリティカル・コレクト</a>ネスという言葉を避けながら書いています。</p> <p>日本語において<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%EA%A5%C6%A5%A3%A5%AB%A5%EB%A1%A6%A5%B3%A5%EC%A5%AF%A5%C8">ポリティカル・コレクト</a>ネスという言葉は、とりわけ非政治的にならざるを得ない環境ゆえに、もともとの意味を(とても理解のある人でも)解釈できる状況でないため、極めて抑圧的な意味で捉えてしまいがちだからです。読み手それぞれが混線する可能性が高い言葉ほど、まずは意味を開いて書いたほうがいいかな、と考えています。</p> <p>こんなとほほ書き散らしのブログですが、いちライティング業者としてひとこと書きますと、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%EA%A5%C6%A5%A3%A5%AB%A5%EB%A1%A6%A5%B3%A5%EC%A5%AF%A5%C8">ポリティカル・コレクト</a>ネスを4文字言葉に省略したテキストにはお気を付けください。それは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%E9%A5%F3%A5%B0">スラング</a>だから。</p> <p>ただでさえ解釈しきれていない重要なイシューを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%E9%A5%F3%A5%B0">スラング</a>にしてしまうことが、どれだけ現実を矮小にする行為であるか。どれだけ細やかに状況を記述したり、この言葉に理解があっても、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%E9%A5%F3%A5%B0">スラング</a>にした瞬間から現実を浅はかな視点から見つめることへ変わります。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。</p> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B089NCK4VV/eabase887-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51T4KHaZeYL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="彼女、お借りします(15) (週刊少年マガジンコミックス)" title="彼女、お借りします(15) (週刊少年マガジンコミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B089NCK4VV/eabase887-22/">彼女、お借りします(15) (週刊少年マガジンコミックス)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/06/17</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 『宇崎ちゃんは遊びたい』が灰色のカラートーンである意味。それから『FはファミリーのF』【有料】 hatenablog://entry/26006613596599679 2020-07-11T02:04:15+09:00 2020-07-11T05:09:25+09:00 宇崎ちゃんは遊びたい 視聴10分 本作は、昨年インターネットで紛糾した献血のプロモーション問題というバイアスがかかっている状態で観ていたなかで、なんとも言えなくなったのは確かです。今回はその理由や背景をまとめております。(書いた内容を読み返した結果、ペイウォールを立てたほうがいい内容だと判断しました。ひさしぶりの夏のモード1発目からこれですがご了承ください…) Netflixオリジナル 『FはFamilyのF』シーズン4 さて今回から国内UHFアニメと対置して書く予定のNetflixオリジナルなんですが、対置するタイトルは模索中です。まずは観続けているタイトルをひとついきましょう。 Netfl… <p><img src="https://uzakichan.com/_img/sns_img.jpg" alt="TVアニメ「宇崎ちゃんは遊びたい!」公式サイト" /></p> <p><strong>宇崎ちゃんは遊びたい 視聴10分</strong></p> <p>本作は、昨年インターネットで紛糾した<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%A5%B7%EC">献血</a>のプロモーション問題というバイアスがかかっている状態で観ていたなかで、なんとも言えなくなったのは確かです。今回はその理由や背景をまとめております。(書いた内容を読み返した結果、ペイウォールを立てたほうがいい内容だと判断しました。ひさしぶりの夏のモード1発目からこれですがご了承ください…) </p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="『宇崎ちゃんは遊びたい』が灰色のカラートーンである意味|“EAB’s Pay Wall” ジャンル複合ライティング・葛西祝のnote|note" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fnote.com%2Feabase887%2Fn%2Fn024f65ce4172" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><br /></cite></p> <h3><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナル</h3> <p><img src="https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/cdn.bibi-star.jp/production/imgs/images/000/425/078/lqip.jpg?1573047922" alt="FはFamilyのFの魅力を解説!Netflixオリジナルアニメの感想は? | 大人 ..." /></p> <p><strong>『FはFamilyのF』シーズン4</strong></p> <p>さて今回から国内<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>と対置して書く予定の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルなんですが、対置するタイトルは模索中です。まずは観続けているタイトルをひとついきましょう。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>の構図を単<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%E3%B2%BD">純化</a>しますと、とりわけ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カでは「全年齢向けのシーンで、毒を薄めながらシニカルなアニメーションを作っていた」作家が「大人向けの視聴者を対象に、よりシリアスなテーマのドラマを書く」という構図はあると思います。</p> <p>本作もそうです。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%F3%A5%D7%A5%BD%A5%F3%A5%BA">シンプソンズ</a>』の脚本家による、完全に大人向けへと踏み切った<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カのファミリーアニメシリーズです。人生の進路に苦闘する父親・フランク・マーフィーを主人公に、毎回、家族や職場で放たれるすさまじい怒鳴りあいや罵りあいを、リズミカルに演出しています。不快なはずの内容なのに、面白さへドライブしていく体験なんですね。</p> <p>でもフランクはどうして家族や職場で延々と怒りを発散する父親になってしまったのか?</p> <p>シーズン4では、フランクの父親にフォーカスがあたるわけです。フランクの父が自分に屈辱を与えることを続けたおかげで、フランクは家庭を持ったいまでも子供の頃の屈辱が消えていない。それが彼の怒りに繋がっている。</p> <p>そこである日、老いた父が家庭にやってくる。フランクは怒りをぶつけるも、すでに父は落ち着いてしまい、子供の頃みたいなひどい性格は見られなかった。フランクの子供たちがなついているのを見て、フランクは憤りを隠せなくなる…という物語です。</p> <p>いわば祖父母~親~子の世代間で起こる虐待の連鎖について、フランクの内面を通して描いているシーズンなんです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カアニメの最高傑作は『ボージャック・ホースマン』であることは疑いようはないのですが、『FはFamilyのF』のドライブ感は凄く魅力あるのでおすすめですねー。</p> <p> </p> EAbase887 2020年夏シーズン開幕 今シーズンからUHFアニメとNetflixオリジナルを同時にかいてゆきます hatenablog://entry/26006613596569666 2020-07-10T22:52:54+09:00 2020-07-12T19:00:23+09:00 しばらく忙しくてこちらの書き散らしをほっぽりだしていましたが、今回からまたゆっくり再開してゆきます…… すでに商業アニメーションシーンが分散しているなか、毎シーズンまともに書いていてもあんまり面白いことは起きてないので、今回からUHFアニメと対置する位置でNetflixオリジナルの話を書いていく形でやってゆきます。 ラインナップを振り返っていても分散を感じますよね。今期は再放送なども目立っており、NetflixオリジナルでリリースされたタイトルがあとでUHF系で放映されるタイトルもいくつかあるわけです。 なにやらえらいこと状況がかわっており、商業アニメーションにおける先端の変化ってどうなんでし… <p>しばらく忙しくてこちらの書き散らしをほっぽりだしていましたが、今回からまたゆっくり再開してゆきます……</p> <p>すでに商業アニメーションシーンが分散しているなか、毎シーズンまともに書いていてもあんまり面白いことは起きてないので、今回から<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>と対置する位置で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルの話を書いていく形でやってゆきます。</p> <p>ラインナップを振り返っていても分散を感じますよね。<a href="https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=5806#6">今期は再放送なども目立っており、</a><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルでリリースされたタイトルがあとでUHF系で放映されるタイトルもいくつかあるわけです。</p> <p>なにやらえらいこと状況がかわっており、商業アニメーションにおける先端の変化ってどうなんでしょうねということでひとつ、2020年夏のモードをよろしくお願いします……。</p> EAbase887 悲劇は20年かけて浮かび上がる・原田浩監督作品『都市投影劇画 ホライズンブルー』 hatenablog://entry/26006613505853852 2020-04-24T15:16:23+09:00 2020-04-26T16:09:22+09:00 『都市投影劇画 ホライズンブルー』 『ホライズンブルー』は2020年に観たことで、むしろ何が描かれているかがよくわかった。もし作中と同じ90年代に完成し、観ていたとしたら、きっと残酷な感想を抱いただろう。あの時代は人間が限界にある状況を「そういうものだ」と見切ったふうに、現実を浅はかに見ていたころだから。 原田浩監督は商業でも、ましてや短編アートアニメにもカテゴライズしきれない。映画の制作・配給・上映、そのすべてをほぼ一人で行い、社会から切り離された人々の見世物小屋へと変えてしまう。詳しくは2014年に書いた特集を読んでほしい。その時「2019年に完成が予定」となっていたのが『ホライズンブルー… <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20200227/20200227004035.jpg" alt="f:id:EAbase887:20200227004035j:plain" title="f:id:EAbase887:20200227004035j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <p><strong>『都市投影劇画 ホライズンブルー』</strong></p> <p>『ホライズンブルー』は2020年に観たことで、むしろ何が描かれているかがよくわかった。もし作中と同じ90年代に完成し、観ていたとしたら、きっと残酷な感想を抱いただろう。あの時代は人間が限界にある状況を「そういうものだ」と見切ったふうに、現実を浅はかに見ていたころだから。</p> <p>原田浩監督は商業でも、ましてや短編アートアニメにもカテゴライズしきれない。映画の制作・配給・上映、そのすべてをほぼ一人で行い、社会から切り離された人々の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%AB%C0%A4%CA%AA%BE%AE%B2%B0">見世物小屋</a>へと変えてしまう。詳しくは<a href="http://teenssexandwarmode.hatenablog.com/entry/2014/07/28/235121">2014年に書いた特集</a>を読んでほしい。その時「2019年に完成が予定」となっていたのが『ホライズンブルー』だ。</p> <p>『ホライズンブルー』は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%E1%C6%A3%A4%E8%A4%A6%A4%B3">近藤ようこ</a>の漫画を<a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9B%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC-%E8%BF%91%E8%97%A4-%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%93/dp/4883790428">原作としている</a>。1990年代から制作が始まり、20年を超える年月をかけて完成した。シナリオの大筋はこうだ。母親となったばかりの春子が、自分の赤ちゃんに手をあげてしまう。だけどその理由を言葉にできない。春子の心に浮かび上がるのは、家族から目を向けられてこなかった自らの子供時代だった。</p> <p>こうまで特集していたのに、去年2019年は仕事に忙殺されており、公開に気づかなかった。年が明けた2020年の1月、上映会が行われると聞いて慌てて見に行った。それが阿佐ヶ谷のネオ書房で行われた上映である。</p> <h3> 小さな書店の中で</h3> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20200119/20200119133847.jpg" alt="f:id:EAbase887:20200119133847j:plain" title="f:id:EAbase887:20200119133847j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <p>ネオ書房は、評論家の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%DA%C4%CC%CD%FD%BA%EE">切通理作</a>氏が店主を務める書店で、1Kほどの小さなお店だ。昭和の漫画や特撮、中には<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%DA%C4%CC">切通</a>氏が監督した映画のポストカードも見当たる。『ホライズンブルー』が上映される今回、小さな店内に10数人ほどの観客が詰めかけ、ゆっくりと映画を観る形になった。</p> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20200119/20200119143226.jpg" alt="f:id:EAbase887:20200119143226j:plain" title="f:id:EAbase887:20200119143226j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <p>原田監督も上映に立ち会い、監督自身が銅鑼を鳴らすパフォーマンスで映画は始まった。普通の映画上映に留まらせない監督のコンセプトは、小さな書店での上映と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%CA%A5%B8%A1%BC">シナジー</a>があったといえるだろう。</p> <h3>家庭崩壊から垣間見える歴史</h3> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/x-7NAD2VlhU?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p>『ホライズンブルー』は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%E1%C6%A3%A4%E8%A4%A6%A4%B3">近藤ようこ</a>の原作では、主人公の春子ひとりの問題として描かれている。全体を通して子供を傷つけてしまう春子の心理描写と家族関係に注力していた。しかし作者自身は、物語の展開に納得がいったといい難かったという。あとがきにて「『虐待した母親と、虐待した子供は、どうしたら両方救われるか』という答えを出したかった」と望みながら、「私は明確な答えを出せなかった」と語っている。</p> <p>原作が描かれた1989年。まだ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%F9%C6%B8%B5%D4%C2%D4">児童虐待</a>も認知されていない時代で、なによりも家族が社会的な立場から判断された頃だ。母親個人の問題は放置された。作中でも夫の牧田は、春子が子供を虐待する理由がわからず、「女の人ってみんな子供が好きでしょ。かわいいはずでしょ。」「どうしてこんなことになったんですか。ぼくには理解できないですよ」と感じている。典型的な社会的な意味でしか見られない人間だった。</p> <p>原作では春子の母親が自分を追い詰め、そして子供に暴力をふるってしまう心理描写に終始したが、原田浩の映画では大きく意味が変わっている。もっとも大きな違いは、人間の心を追い詰める社会背景が描かれることだ。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%E1%C6%A3%A4%E8%A4%A6%A4%B3">近藤ようこ</a>の漫画では、春子が親や妹についての憂鬱なモ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A5%ED">ノロ</a>ーグの合間に花が描かれたのに対し、原田浩の映画では、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%C4%C3%CF%A4%CE">団地の</a>一室で春子が子供の頬を叩く窓の向こうでビルが屹立するのが見える。自分が苦しむ環境の、ずっと奥に社会が立ちふさがることを示している。</p> <p>それは短編『二度と目覚めぬ子守唄』を押し広げたものだ。あの作品は “出っ歯”の少年が延々と同級生に暴力を受けるというだけではなく、昔からの社会が書き替えられていく情景が描かれていた。</p> <p>技法も引き継がれている。手描きのアニメーションの他に実写映像を織り交ぜる演出がそうだ。実写は決して質のいい映像ではないものの、観客に作品世界が現実世界と地続きである感覚を意識させる。春子の苦しむアニメーションと並行して、どこかの街で起こった諍いの声、住宅街で起きたことなどの実写映像が挿入される。</p> <p>ここでの実写は社会背景を暗示させる効果が高い。実写を現実世界そのものとして、アニメと対置させるのは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%C3%CC%EE%BD%A8%CC%C0">庵野秀明</a>や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%A1%B0%E6%BC%E9">押井守</a>らがやるようなそれに近いものがあるが、『ホライズンブルー』においては主人公の社会背景として直結している差がある。</p> <p>つまり春子の苦しみの向こう側に、彼女の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CD%B4%D6%C0%AD">人間性</a>をないがしろにする社会が徐々に浮かび上がってくると言っていい。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%E1%C6%A3%A4%E8%A4%A6%A4%B3">近藤ようこ</a>がおそらく「明確な答えを出せなかった」原作の先を描いている。春子がカウンセリングに通うシークエンスがそうだ。医者が第<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%BC%D4">三者</a>として「そうした親とは離れてもいいんだ」と指摘することや、同じような境遇にいる人たちとの対話が描かれており、どのように自分を回復させていくかが具体的になっている。</p> <h3>虐待の背景から浮かび上がる日本の現代史</h3> <p>シンプルな見立てになるが、原田監督作品は追い詰められた人を描く過程から日本の現代史をも浮かび上がらせるかのようだ。『二度と目覚めぬ子守唄』では昭和の高度経済成長の風景が終わり、80年代に入っていく情景が垣間見える。『ホライズンブルー』はさらにその続きを描いているように見えた。90年代からいままでに壊れてきたものが映っている。</p> <p>終盤カウンセリングを通じて回復した春子は、冷たくされてきた母に直接問いただす。なぜ自分を虐げてきたのか。なにがそうさせたのか。母親から語れるのは、同じく自分も両親から虐げてきたことだった。</p> <p>圧巻なのはここからだ。春子の母は戦時下で子供のころを過ごしたこともあり、思い出のシーンに戦中の実写映像が挿入される。戦時下は、より自分自身の意志なんて見られていなかったころだ。その当時の社会が誰かを苦しめる環境だったことが、時を経た現代、春子が苦しむところまで直結していることを示唆している。『ホライズンブルー』の映画後半、春子の苦しみは個人的なものだったはずが、歴史的なところにまでつながっていたことが発覚するダイナミズムがある。</p> <p>自分が「2020年に観たことで、むしろ何が描かれているかがよくわかった」のは、日本の現代史上でいかに社会的なものがほとんどの価値を覆い、自分自身の感情や問題というのがないものとして扱われてきたことであった。本作の制作が開始された90年代では「そういうものだ」と露悪的に扱われたし、その後も社会と、感情や問題は加味されなかった。</p> <p>だが現在こそ(新型コロナウィルス下もあり)社会で起きていることが戦時下のアナロ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A1%BC">ジー</a>で評価されることが少なくなく、それを批判する言葉も、考え方も目立つようになった。いまならその感情や問題がよく見えるから、この映画で描かれていることが良く見えるのだ。</p> <h3>原田監督はいかにして『ホライズンブルー』を作り続けたか</h3> <p>上映後、少しだけ原田監督へお話をうかがう機会を得た。</p> <p>「原作を読んだ時、これは自分のことだと思った。自分が書かれている、他人事だとは思えなくなり、頭から離れなくなった」それがアニメ化しようという、もっともな理由だと原田監督は答えた。</p> <p>24年の歳月もの制作期間がかけられた理由には、商業アニメーションでの仕事をしながらだったこともそうだが、加齢による自身の体力の低下が関係したという。さらに経済的な問題として、2008年に起きた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EA%A1%BC%A5%DE%A5%F3%A5%B7%A5%E7%A5%C3%A5%AF">リーマンショック</a>により仕事が大きく減少したことも影響したそうだ。</p> <p>長いあいだ作ることで、初期の構想から変わってしまったことはなかったか?とうかがうと、「なかったです」とはっきりと答えてくれた。音声の録音は制作段階の最初に終わっていて、主に原画の製作に時間が割かれていた。1995年から、毎年少しずつ撮影していたという。</p> <p>なにか日本の現代史みたいな側面もあった、ということを伝えると、いくつかのエピソードには原田監督自身のエピソードが描かれているという。たとえば春子の母親が戦中で子供時代を送っていたことは、原田氏の母の話をそのまま使ったそうだ。「母親が戦争体験者なんですけど、時代は違っても暴力を受けたり。その取材をそのまま入れたんです」</p> <p>「ほかの取材もかなりそのまま使っています」と原田氏は答える。春子がカウンセリングを受けるシークエンスも、「私自身が(カウンセリングの)当事者だったんです」という。作中、同じようにカウンセリングを受ける人々も本当に原田氏自身が見てきたものを描いているそうだ。</p> <p>破滅的な終わり方の多い原田作品の中でも、『ホライズンブルー』は春子自身が回復してゆく後半も含め、どこかで救いがある終わり方に見える。「ラストは原作通りですね。でも結局原作でも、どうなるかわからないとということで一応終わっていて。一瞬ハッピーエンド的になっているかもしれないですけど、そうじゃないかもしれないと残しています」という。</p> <p>原田監督は現在、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%C2%C9%DF%CF%B4">座敷牢</a>』(こちらも90年代から制作が続いている)の制作に注力するため、今後『ホライズンブルー』の上映は未定という。なので、このテキストをはじめ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/YouTube">YouTube</a>にアップロードされている公式映像の断片でしか本編を伝えられない。</p> <p>本作は上映会場自体も作品として重要であり、単体で評価しきれるものではないからだ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%F3%A5%C0%A1%BC%A5%B0%A5%E9%A5%A6%A5%F3%A5%C9">アンダーグラウンド</a>演劇の意匠ももちろんだが、自省的でありながら社会に開かれた描き方だからこそ、現場で観ることに意味があると思う。</p> <p>だけどもしも今後、上映する機会があれば自分も手伝えないだろうかと考えている。カルトでも、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%D6%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E3%A1%BC">サブカルチャー</a>でもなく、いま誰にでも関わる問題を描いた映画だから。</p> EAbase887 ネットのオタクをあまりわかってない広告アニメの凄さ hatenablog://entry/26006613512916954 2020-02-15T13:20:30+09:00 2020-02-15T13:20:30+09:00 アニメーションムービー「未来への旅立ち」 視聴フル 「多くのマーケティング関係者の想像以上に、日本の若年層にとって、アニメは身近な存在です。」 「若年層にとってアニメはもはやサブカルチャーではなく、メジャーカルチャー」 「近年、日本製アニメ映画がグローバル市場でヒットしていることもあり、日本製アニメの海外人気はかつてないほどに高まっています」 以上は電通による、広告におけるアニメーションの価値をまとめた記事から抜粋したものです。そのとおり、いま広告アニメではシャフトから3DCGアニメの雄・オレンジなどが関わっていたり、『京騒戯画』や『血界戦線』の松本理恵や「ラブライブ」シリーズや『宝石の国』の… <p><strong>アニメーションムービー「未来への旅立ち」 視聴フル</strong></p> <p>「多くの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A1%BC%A5%B1%A5%C6%A5%A3%A5%F3%A5%B0">マーケティング</a>関係者の想像以上に、日本の若年層にとって、アニメは身近な存在です。」</p> <p>「若年層にとってアニメはもはや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%D6%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E3%A1%BC">サブカルチャー</a>ではなく、メジャーカルチャー」</p> <p>「近年、日本製アニメ映画がグローバル市場でヒットしていることもあり、日本製アニメの海外人気はかつてないほどに高まっています」</p> <p>以上は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C5%C4%CC">電通</a>による、広告におけるアニメーションの価値をまとめた<a href="https://dentsu-ho.com/articles/6417">記事から抜粋したものです</a>。そのとおり、いま広告アニメではシャフトから3DCGアニメの雄・オレンジなどが関わっていたり、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%FE%C1%FB%B5%BA%B2%E8">京騒戯画</a>』や『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%EC%B3%A6%C0%EF%C0%FE">血界戦線</a>』の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%CB%DC%CD%FD%B7%C3">松本理恵</a>や「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%D6%A5%E9%A5%A4%A5%D6">ラブライブ</a>」シリーズや『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%F5%C0%D0%A4%CE%B9%F1">宝石の国</a>』の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%FE%B6%CB%B2%C6%C9%A7">京極夏彦</a>などが監督しており、クリエイティブとして見るべき部分も大きくなっています。ざっくりと言えば、ネットのオタクをわかっているか否かが、このジャンルにはとてもよく現れるのです。</p> <p>しかしそれができるのも、クリエイター以上に企画者側が「アニメがメジャーカルチャーである」世代で理解できているから、というのは確かでしょう。では漠然と「まあアニメは受けるみたいだからこれで……」とやった場合どうなるか?すごく奇妙な味わいが生まれます「続きから」にてアート引っ越しセンターのアニメをご覧ください。</p> <h3> 新生活に向けて荷造りしてた少女が、未来に連れていかれ疑問も抱かず勤務する謎のストーリー</h3> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/NAjCR7SZ75U?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p>明日の引越の準備を進めている女の子・いずみのもとに、突然引っ越しセンターの職員が来訪します。なんとそこに現れたのはロボ。</p> <p>えっ?今日荷物を引き取りに来たの?と思いきや、なぜかロボはいきなりいずみちゃんをトラックに載せ、なんと未来へ――今後の引っ越し業界の展望を見せるだけかと思いきや、なぜかいずみちゃんはそこで働き始めていました。どういうことでしょうか? あの、現代で新生活のために荷造りしていたのはなんだったのでしょうか?いずみちゃんは「未来に連れてきた理由は何?」と問いかけ、第1話は終わります。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%D6%DF%B7%B9%E1%BA%DA">花澤香菜</a>・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%D0%C5%C4%BE%B4">石田彰</a>をセレクトしながら、いくらなんでもストーリーがめちゃくちゃすぎるんです。全体を通して企画側に「ネットのオタクがまったくわかっていない」ひとが製作を決定してしまったとうかがえる、言葉にならないずれ。アニメなんだからロボがいいだろう。未来世界がいいだろう。残念。もうロボアニメも未来アニメも下火です。ざーさんがヒロインがいいだろう。それは正解です。</p> <p>「もしかしたら狙ってずれたことをやっているのかもしれない」かもしれませんが、経験上、こう言えます。大体ずれていると。</p> <h3>他PRアニメとの企画段階での差</h3> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="“日清PRアニメ”のモード:たぶん語られてない、広告アニメの最前線 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fteenssexandwarmode.hatenablog.com%2Fentry%2F2019%2F05%2F24%2F193000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe> 日清のPRアニメと比較すると、あからさまにネットのオタク層の理解度が企画レベルで現れてますね。やや最前線のスタジオとは格が落ちる絵作りとも相まって、すごく奇妙なPRアニメに見えます。</p> <p>ネットのオタクのわかってなさ加減(それはバズで広がりやすいことから、作品としてクリエイティブな作り方をしているかどうかも含めた)それがほとんど見えないという。かといって北海道の農業PRアニメのように地味なものにもしたくない。結果、よくわからん未来とロボ展開という。</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="今のアニメ最前線は広告アニメにあるのかも『あの日の心をとらえて』 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fteenssexandwarmode.hatenablog.com%2Fentry%2F2019%2F10%2F27%2F193000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite> 同じくPRしたいサービスを未来世界に描いた『あの日の心をとらえて』が違和感なく、単品としてアートスタイルもストーリーも高い完成度を見せたのに対し、意味不明な未来像でそのまま勤務しているというのもすごい内容ですよ。</p> <p>しかし……このいまいち客層のわかってなさに変なパワーがあるのは確かですよ。何でしょう……「太陽の法」のアニメーションのような……「広告代理店がアニメに注目し始めた」ことで起きる謎の作品でしょう。</p> <p>7月に第2話が公開を予定しているとのことで、ほんとこのストーリーのオチはどうするのだろうと注目しておきましょう。観たアニメは忘れましょう。でも培った企画力と説明なしで未来に連れていくのはそのままに、次回にお会いしましょう。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01M59VQYB/eabase887-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41l8Tc-zRiL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="もっとなかよしRobi Jr." title="もっとなかよしRobi Jr." /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01M59VQYB/eabase887-22/">もっとなかよしRobi Jr.</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2017/01/28</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> おもちゃ&ホビー</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07JYKC2PL/eabase887-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51UgCNWjmnL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="【PS4】Detroit: Become Human Value Selection" title="【PS4】Detroit: Become Human Value Selection" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07JYKC2PL/eabase887-22/">【PS4】Detroit: Become Human Value Selection</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/" class="keyword"> </a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BD%A5%CB%A1%BC%A1%A6%A5%A4%A5%F3%A5%BF%A5%E9%A5%AF%A5%C6%A5%A3%A5%D6%A5%A8%A5%F3%A5%BF%A5%C6%A5%A4%A5%F3%A5%E1%A5%F3%A5%C8">ソニー・インタラクティブエンタテインメント</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2018/11/21</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> Video Game</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 まあまあ豪華スタッフで北海道テレビをやる謎『from North Field』 hatenablog://entry/26006613503085600 2020-01-27T05:06:48+09:00 2020-02-15T13:26:03+09:00 from North Field_episode1 視聴フル 朝ドラ『なつぞら』出演俳優が初の声優に抜擢、『ルパン三世PART5』ではアニメーションプロデューサーを務めた人物が初の監督、そして『天空のエスカフローネ』から『坂道のアポロン』までの錚々たるキャラクターデザインに関わったと喧伝しながら、ここまで派手さがない、地方テレビのCMらしいテンションを保ったPRアニメになることが逆に興味深いです。 ホクレンアニメーション「from North Field_episode1」(公式サイト)は それより続くということでしょうか。タイトルの日本語訳はほとんど『北の国から』になるんですが、まったく田中… <p> </p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/WRdLYWIDwN4?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p> <strong>from North Field_episode1 視聴フル</strong></p> <p>朝ドラ『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CA%A4%C4%A4%BE%A4%E9">なつぞら</a>』出演俳優が初の声優に抜擢、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%D1%A5%F3%BB%B0%C0%A4PART5">ルパン三世PART5</a>』ではアニメーションプロデューサーを務めた人物が初の監督、そして『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B7%B6%F5%A4%CE%A5%A8%A5%B9%A5%AB%A5%D5%A5%ED%A1%BC%A5%CD">天空のエスカフローネ</a>』から『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%E4%C6%BB%A4%CE%A5%A2%A5%DD%A5%ED%A5%F3">坂道のアポロン</a>』までの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%EF%A3%A1%B9%A4%BF%A4%EB">錚々たる</a>キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターデザインに関わったと喧伝しながら、ここまで派手さがない、地方テレビのCMらしいテンションを保ったPRアニメになることが逆に興味深いです。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A5%AF%A5%EC%A5%F3">ホクレン</a>アニメーション「from North Field_episode1」(<a href="https://www.from-north-field.jp/">公式サイト</a>)は それより続くということでしょうか。タイトルの日本語訳はほとんど『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%CC%A4%CE%B9%F1%A4%AB%A4%E9">北の国から</a>』になるんですが、まったく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C4%C3%E6%CB%AE%B1%D2">田中邦衛</a>の要素はありません。</p> <p> </p> <p>このブログの別ライン・広告アニメーションの世界ですが、クリエイティブの差が極端すぎやしないかと思うこともあります。日清やマルイ、ロッテといった大手は商業アニメのトップクラスと言えるデザインで制作していますが、地方振興となると真逆。ここまで地味な、地方テレビのCMのようなアニメーションを、そこそこ著名なスタッフを起用して作ることに思うところがありますね。</p> <p>それにしても、地方PRアニメーションでも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%E7%CB%DC%B5%C1%B9%D4">貞本義行</a>さんなど著名クリエイターを起用していますよとプロモーションすることが増えてる気がします。ここまできたらいっそ、トップクラスのクリエイターらが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C6%A5%EC%A5%D3%BA%EB%B6%CC">テレビ埼玉</a>みたいなものを作るのを見てみたい気がします。</p> <p>ところで、このブログではしつこく取り上げていますが、地方PRアニメーションという鉱脈から<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%CB%DC%B4%B2">山本寛</a>さんがかかわるということはないんですかね。商業アニメのいわゆる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BB%C3%CF%BD%E4%CE%E9">聖地巡礼</a>みたいな楽しみ方に、少なくなく関わった方ではありますから。</p> <p>地方PRアニメがどこでも作られることに、アニメ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BB%C3%CF%BD%E4%CE%E9">聖地巡礼</a>ブームがどれだけ影響していたかはわかりませんが、「なぜ、こうしたアニメが作られているのだろう」と感じさせる流れがあるのは確実なのです。</p> <p>いや……しかし北海道のテレビになるなら、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%E5%CD%CB%A4%C9%A4%A6%A4%C7%A4%B7%A4%E7%A4%A6">水曜どうでしょう</a>』みたいな方向で作ったらな……どうなんだろうな……観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009VV5E8M/eabase887-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51aV9aJv8-L._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="北の国から 全12巻 (マーケットプレイス DVDセット商品)" title="北の国から 全12巻 (マーケットプレイス DVDセット商品)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009VV5E8M/eabase887-22/">北の国から 全12巻 (マーケットプレイス DVDセット商品)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> DVD</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4909343008/eabase887-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Nqpu4WZ%2BL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="薄暮(はくぼ)" title="薄暮(はくぼ)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4909343008/eabase887-22/">薄暮(はくぼ)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%CB%DC%20%B4%B2" class="keyword">山本 寛</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> アイズクライム文庫</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2017/09/01</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 文庫</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 意味のわからないテクニックで擬人化『うちタマ?! うちのタマ知りませんか? 』 hatenablog://entry/26006613499096149 2020-01-22T02:58:50+09:00 2020-01-22T02:58:50+09:00 『うちタマ?! うちのタマ知りませんか? 』視聴10分 90年代に有名だった「うちのタマ知りませんか?」シリーズ。2016年に復活してから、順調に放映を重ねてきたところでもうひとつ展開を広げたい、というのはわかりますよ。しかしそれが『うちタマ?!』になるのは困惑しますね。 擬人化だから困惑しているわけではありません。擬人化でなにかおかしいテクニックを利かせているから困惑しています。ノイタミナ枠、制作スタジオはMAPPA。さて、アニメ表現に定評もある枠で、いまトップクラスの品質を持つスタジオが、どういうおかしい技術を使っているんでしょうか? <p><img src="https://secure-dcdn.cdn.nimg.jp/nicochannel/material/design/4290714/main.png" /></p> <p><strong>『うちタマ?! <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A6%A4%C1%A4%CE%A5%BF%A5%DE%C3%CE%A4%EA%A4%DE%A4%BB%A4%F3%A4%AB">うちのタマ知りませんか</a>? 』視聴10分</strong></p> <p>90年代に有名だった「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A6%A4%C1%A4%CE%A5%BF%A5%DE%C3%CE%A4%EA%A4%DE%A4%BB%A4%F3%A4%AB">うちのタマ知りませんか</a>?」シリーズ。2016年に復活してから、順調に放映を重ねてきたところでもうひとつ展開を広げたい、というのはわかりますよ。しかしそれが『うちタマ?!』になるのは困惑しますね。</p> <p>擬人化だから困惑しているわけではありません。擬人化でなにかおかしいテクニックを利かせているから困惑しています。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A5%A4%A5%BF%A5%DF%A5%CA">ノイタミナ</a>枠、制作スタジオは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/MAPPA">MAPPA</a>。さて、アニメ表現に定評もある枠で、いまトップクラスの品質を持つスタジオが、どういうおかしい技術を使っているんでしょうか?</p> <h3> 擬人化とはどこからが擬人化でリアリティラインはどうなっているでしょう</h3> <p>『うちタマ?!』の “おかしな技術”とは カットが変わる際にいつものキャラから擬人化になる、を何のアナウンスもなしにカットごとに切り替えるのが、ほかの擬人化アニメとは違う見ごたえなんです。</p> <p>なんだか映画におけるジャンプカットみたいにやってるのが変な効果を出してるんですよね。時間や空間をすっ飛ばすテクニックが発見されてから、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%FE%A5%A2%A5%CB">京アニ</a>作品が「インディペンデントの映画みたいに、身近に見せる」ために主に使っていた手法です。その後もいろんなアニメが身近さの演出の為に使っております。</p> <h3>ジャンプカットと擬人化</h3> <p>しかし『うちタマ?』のジャンプカット効果は、擬人化によってそれとなく隠していたことが出てるかのようですね。このテクニックが発展し、たとえば『艦これ』(あるいは『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%BA%A1%BC%A5%EB%A5%EC%A1%BC%A5%F3">アズールレーン</a>』)に及んだとしたら、ホラーらしさはより高まると思います。</p> <p>『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を作り、そして『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C9%A5%ED%A5%D8%A5%C9%A5%ED">ドロヘドロ</a>』など、いまもっとも進んだ仕事を見せる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/MAPPA">MAPPA</a>なんですが、こんなところで不思議な技術を使ってどうするんでしょうか?擬人化になによりも萌えを見出す人たちに一石を投じているような気すらしてきました。</p> <p>いまや別のキャリアに進んだ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%FE%A5%A2%A5%CB">京アニ</a>やシャフトですが、優れたスタジオほど<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>のトレンドに対して技術を持って皮肉めいたものを描く、という効果はあると思います。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BE%A5%F3%A5%D3%A5%E9%A5%F3%A5%C9">ゾンビランド</a>サガ』もそうだと思いますしね。</p> <p>それにしても、擬人化アニメは今シーズンは他にもあって『ネコぱら』(視聴7分)やサンリオキャラと擬人化を行き来する「SHOW BY ROCK!」シリーズを見ると、複雑な気分になることは確かです。あれは擬人化した幻影を見ていて、萌えたり欲情している本当の姿は……みたいな。抱いていたのは霞だった、抱き枕には何も印刷されていなかった、夢を消していく力です。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。</p> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07Y26BTZQ/eabase887-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51GXLJG6raL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="3丁目のタマ うちのタマ知りませんか? 【想い出のアニメライブラリー 第103集】 [Blu-ray]" title="3丁目のタマ うちのタマ知りませんか? 【想い出のアニメライブラリー 第103集】 [Blu-ray]" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07Y26BTZQ/eabase887-22/">3丁目のタマ うちのタマ知りませんか? 【想い出のアニメライブラリー 第103集】 [Blu-ray]</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> TCエンタテインメント</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2019/12/20</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Blu-ray">Blu-ray</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0833WVGBY/eabase887-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51FMV5LMZkL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="【Amazon.co.jp限定】うちタマ?! ~うちのタマ知りませんか?~1(全巻購入特典:「スペシャルDJCD」「描き下ろしA4クリアファイル」「描き下ろし色紙&amp;アクリルキーホルダー3個セット」引換シリアルコード付)(完全生産限定版) [DVD]" title="【Amazon.co.jp限定】うちタマ?! ~うちのタマ知りませんか?~1(全巻購入特典:「スペシャルDJCD」「描き下ろしA4クリアファイル」「描き下ろし色紙&amp;アクリルキーホルダー3個セット」引換シリアルコード付)(完全生産限定版) [DVD]" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0833WVGBY/eabase887-22/">【Amazon.co.jp限定】うちタマ?! ~うちのタマ知りませんか?~1(全巻購入特典:「スペシャルDJCD」「描き下ろしA4クリアファイル」「描き下ろし色紙&amp;アクリルキーホルダー3個セット」引換シリアルコード付)(完全生産限定版) [DVD]</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%CB%A5%D7%A5%EC%A5%C3%A5%AF%A5%B9">アニプレックス</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/03/18</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> DVD</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 『推しが武道館に行ってくれたら死ぬ』とファンダムの良さ hatenablog://entry/26006613497379466 2020-01-14T19:00:00+09:00 2020-01-14T19:00:09+09:00 『推しが武道館に行ってくれたら死ぬ』と、最近のファンダムを取り扱った作品について。 <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:EAbase887:20200114050012j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20200114/20200114050012.jpg" alt="f:id:EAbase887:20200114050012j:plain" width="477" /></p> <p><strong>推しが武道館に行ってくれたら死ぬ(以下『推し武道』)視聴19分</strong></p> <p>実はガキのモードをスタートして「現在連載中の漫画で、新刊が出たら必ず買っている作品がアニメ化した。それを書き散らす」というのは今回が初めてなんです。『推し武道』、全巻買ってるんですよ……</p> <h3> “高い画力で、飄々とした”原作をアニメ化するのは難しすぎる</h3> <p>昔からあんまり切れのよくないアニメ化には「原作を映像で説明する以上のものがない」と書いており、『推し武道』も例外なかった。そういってしまうとそのまま終わりなのですが、原作を全部持っていますし、もう少し書きます。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%BF%C8%F8%A5%A2%A5%A6%A5%EA">平尾アウリ</a>さんの漫画って、ある側面では<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%B4%A1%B9%CC%DA%CE%D1%BB%D2">佐々木倫子</a>にも近い、端正な絵柄かつ、現場の空気や知識を体感したうえで、ローテンションのギャグをやる、というスタイルなんですよね。</p> <p>緻密なリサーチ、高い画力を元にした飄々としたギャグを持つ漫画って、考えてみればうまくアニメ化されたケースが思い当たりません。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%B4%A1%B9%CC%DA%CE%D1%BB%D2">佐々木倫子</a>の『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B0%CA%AA%A4%CE%A4%AA%B0%E5%BC%D4%A4%B5%A4%F3">動物のお医者さん</a>』も『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AA%A4%BF%A4%F3%A4%B3%A5%CA%A1%BC%A5%B9">おたんこナース</a>』もアニメ化はされておらず、実写ドラマ化することで “飄々とした”原作に対応しているのだと思います。</p> <p>いや、ひとつアニメ化に成功していた作品がありました。画力は高くはないんですけど、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%C8%A4%F3%A4%AB%A4%C4DJ%A5%A2%A5%B2%C2%C0%CF%BA">とんかつDJアゲ太郎</a>』ってそういうラインだったのではないか、といま思いました。</p> <p>アニメ化って、絵も演技も情報量が過多になりやすく、飄々としたデザインを作るのは本当に難しいです。味気ないものになってしまうので。淡々としながらギャグに熱を入れるなんてかなりのスタジオじゃないとできません。本当は『推し武道』も実写化がよかったのではないか、と思わなくもないです。</p> <h3>ファンダム漫画のよさ</h3> <p>おまけで漫画版を元にした短い批評です。最近はファンダムの漫画っていくつか出ていますよね。あるジャンルのファンを主人公として描いた作品です。たとえば特撮にハマる女性たちを描いた『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A5%AF%A5%B5%A5%C4%A5%AC%A5%AC%A5%AC">トクサツガガガ</a>』など、ドラマ化もして話題になりました。</p> <p>『推し武道』もそのひとつで、アイドルというよりファンダムを描いているほうが重要なタイトルではないでしょうか。あるジャンルを好きと言う一点で、年齢も性別も関係なくコミュニケーションをとれるファンダムのすごくいい点を描いているな、と思います。</p> <p>かつて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%CB%DC%B1%D1%C9%D7">山本英夫</a>さんの漫画『新・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%CE%A4%BE%A4%AD%B2%B0">のぞき屋</a>』にて、清楚なアイドルは日常で態度も素行も悪く、ファンがストーカー化したりするみたいな露悪にまみれた視座の漫画が世界の真実を突いているのだよといった表情で、表を歩いていたのも昔の話になりました。</p> <p>ん?そういえば『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%C7%B6%E2%A5%A6%A5%B7%A5%B8%A5%DE%A4%AF%A4%F3">闇金ウシジマくん</a>』の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%BF%C6%E9%BE%BB%CA%BF">真鍋昌平</a>さんもアイドルのファンダム漫画を<a href="https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784098603503">書いてましたね</a>。あっ、これ暗黒面そのままだ……。なんだこれは!アイドルに裏があるとかそんなもんだろと思うけどファンダムの人たちがこんな汚い精神のわけがない!ぼくは『推し武道』のくまささん(典型的なオタク像の30代男性)や基さん(アイドルに本当に恋する20代学生)を信じるぞ!観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01C5J9WNY/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="推しが武道館いってくれたら死ぬ(1) (RYU COMICS)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/612g5JutzKL._SL160_.jpg" alt="推しが武道館いってくれたら死ぬ(1) (RYU COMICS)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01C5J9WNY/eabase887-22/">推しが武道館いってくれたら死ぬ(1) (RYU COMICS)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%BF%C8%F8%A5%A2%A5%A6%A5%EA" class="keyword">平尾アウリ</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%C1%B4%D6%BD%F1%C5%B9">徳間書店</a>(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EA%A5%E5%A5%A6">リュウ</a>・コミックス)</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2016/02/29</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00PKLBBZC/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="♡桃色片想い♡" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51-C3H%2BKUPL._SL160_.jpg" alt="♡桃色片想い♡" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00PKLBBZC/eabase887-22/">♡桃色片想い♡</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">アーティスト:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%B1%BA%B0%A1%CC%EF" class="keyword">松浦亜弥</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/zetima">zetima</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2014/11/14</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> MP3 ダウンロード</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B082VM33H3/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="♡桃色片想い♡/Clover wish" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41tUrN7eCFL._SL160_.jpg" alt="♡桃色片想い♡/Clover wish" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B082VM33H3/eabase887-22/">♡桃色片想い♡/Clover wish</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/01/22</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> MP3 ダウンロード</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01LYYLDBL/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="新のぞき屋11巻" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/513XUMHTfKL._SL160_.jpg" alt="新のぞき屋11巻" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01LYYLDBL/eabase887-22/">新のぞき屋11巻</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%CB%DC%B1%D1%C9%D7" class="keyword">山本英夫</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> 電書バト</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2016/10/01</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 海外出身スタッフによる圧倒的な背景美術『ソマリと森の神様』 hatenablog://entry/26006613497199044 2020-01-13T21:49:51+09:00 2020-01-14T05:46:51+09:00 ソマリと森の神様 視聴11分 本編のキャラクターや大筋以上にすごく考え抜かれた色彩設計と美術設計に目を奪われます。原作と比較して、イラストレーションや絵本みたい画風を意識しており、観やすさを優先した設計ではないことは確かなんですよ。 <p><strong><img src="https://secure-dcdn.cdn.nimg.jp/nicochannel/material/design/4316892/main.png" /></strong></p> <p><strong>ソマリと森の神様 視聴11分</strong></p> <p>本編のキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターや大筋以上にすごく考え抜かれた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%A7%BA%CC%C0%DF%B7%D7">色彩設計</a>と美術設計に目を奪われます。原作と比較して、イラストレーションや絵本みたい画風を意識しており、観やすさを優先した設計ではないことは確かなんですよ。</p> <h3>背景美術が物語の印象も変える</h3> <p>原作漫画のよくできた絵で、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%A7%BA%CC%C0%DF%B7%D7">色彩設計</a>的にはふつうであるものとアニメ版はかなり印象が変わっていて、まじめなレビューみたいに言えば「化け物が社会を成している中で、唯一の人間の子供が入りこんだ」という物語に呼応した、若干の違和感を感じさせる背景美術をつくり上げているんですね。</p> <p>特に、絵本的な絵肌で柔らかく描きながら、どの色もわかりやすい使い方じゃないのが特殊。紫~エメラルドグリーンあたりのカラーパレットで、うっすらとした違和感が生まれています。</p> <p>色彩の配慮<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>の背景美術って「青空はほんとに青」くらい色彩の繊細な配分はないから、「いまこういうシーンなんだな」って説明する書割りで終わっちゃう中で、意外に観やすいアニメだけど、やや不思議な感じが残ります。監督の経歴をみるかぎりそこまで配慮があったと考えにくいから、これは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%FE%BD%D1%B4%C6%C6%C4">美術監督</a>の裁量が生かされているんじゃないかな、と見ました。</p> <h3>裏の2010年代日本アニメの変化とは、非日本語圏スタッフによるクリエイティブの変化</h3> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%FE%BD%D1%B4%C6%C6%C4">美術監督</a>はニエム・ヴィンセントさん。ちょっと日本語表記だけではなく、英語表記でも調べて観たところ、最近は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%DE%A5%F3%A1%A6%A5%C8%A5%DE">ロマン・トマ</a>さんなど、非日本語圏からのスタッフを背景美術などに採用することで、アニメの体験をうっすらと変えようとしているところが多いのかもな、などと思うわけです。</p> <p>メインのキャラやメカ、シナリオはわかりやすく日本人スタッフ仕事だけど色彩や背景美術、音楽周りは別の文脈を持っている非日本語圏スタッフの仕事である、というのが最近は気になりますね。</p> <p>あんまり言及したことはなかったですが、「裏の2010年代、日本アニメの変化」を指摘するならば、(動画の外注といった下請けとはまったく別の意味で)非日本語圏スタッフの起用は無関係ではない気もします。『キャロル&チューズデイ』は特にその面が現れた一作だったと思われ、渡辺作品のなかでも違う印象になったのは無関係ではないのではないでしょうか。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%F2%C0%F5%C0%AF%CC%C0">湯浅政明</a>さんのサイエンスSARUのアニメーターでありながら、取締役も務める韓国の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C1%A5%A7%A1%A6%A5%A6%A5%CB">チェ・ウニ</a>ョンさんなど、そうしたスタッフが水面下でアニメの印象を変えていっているのではないかと思います。</p> <p>サテライトはそこまで深堀りしたアニメートやデザインができていたところとは思ってなかったんですけど、以前から背景美術に非日本語圏スタッフを導入していたんですね。</p> <p>ちなみにニエム・ヴィセントさんが日本人スタッフの変名だったらこの書き散らしは爆発四散します。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01ARS8664/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="ソマリと森の神様 1巻 (ゼノンコミックス)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61pjp8M56rL._SL160_.jpg" alt="ソマリと森の神様 1巻 (ゼノンコミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01ARS8664/eabase887-22/">ソマリと森の神様 1巻 (ゼノンコミックス)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%EB%C0%D0%A5%E4%A5%B3" class="keyword">暮石ヤコ</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A1%BC%A5%B9%A1%A6%A5%B9%A5%BF%A1%BC%A5%BA%A1%A6%A5%D4%A5%AF%A5%C1%A5%E3%A1%BC%A5%BA">ノース・スターズ・ピクチャーズ</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2016/01/20</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 “Netflixのアニメはつまらない ”という感想がなぜ生まれるか hatenablog://entry/26006613495937884 2020-01-12T19:13:47+09:00 2020-01-13T21:51:57+09:00 異種族レビュアーズ 視聴15分Netflixオリジナルが話題になって2年。漏れ聞くのは、当初の黒船や救世主みたいな期待ではなく、シンプルに “Netflixのアニメはつまらない”という感想です。 これはもちろん日本のオリジナルアニメに対してのものがほとんどだと思いますし、わからなくもありません。しかしそれ以上に、日本のUHFアニメを観る慣習と深い溝を感じさせもするんですね。 それがなんなのかを、UHFアニメですごいテーマを扱う『異種族レビュアーズ』を絡めた書き散らしです。 <p><img src="https://secure-dcdn.cdn.nimg.jp/nicochannel/material/design/4291409/main.jpg" /></p> <p><strong>異種族レビュアーズ 視聴15分</strong><br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルが話題になって2年。漏れ聞くのは、当初の黒船や救世主みたいな期待ではなく、シンプルに “<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>のアニメはつまらない”という感想です。</p> <p>これはもちろん日本のオリジナルアニメに対してのものがほとんどだと思いますし、わからなくもありません。しかしそれ以上に、日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>を観る慣習と深い溝を感じさせもするんですね。</p> <p>それがなんなのかを、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>ですごいテーマを扱う『異種族レビュアーズ』を絡めた書き散らしです。</p> <h3>①そもそもの日本アニメ界を救うみたいな期待が大きいから</h3> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>による日本アニメ全体を救う、構造を変えるみたいな言説は、ここ数年何度も出ていますよね。みんなアニメが好きなので、制作会社にお金が入らなかったり、アニメーターがひどい待遇であることを危惧しています。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>に注目が当たったのは、特に現場の問題が解消されるのではないか?という期待からでしたよね。作品ありき、と言いたいところなのですが、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Devilman%20Crybaby">Devilman Crybaby</a>』から数々のオリジナルタイトルを見る慣習やルールみたいなものが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>と違ってますからね。 </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="Netflix時代にあらためて意味を持つ「オリジナルビデオアニメ(OVA)80's テープがヘッドに絡む前に」書評 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fteenssexandwarmode.hatenablog.com%2Fentry%2F2018%2F04%2F06%2F183000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://teenssexandwarmode.hatenablog.com/entry/2018/04/06/183000"> </a></cite>前に書いたように初期の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/OVA">OVA</a>に似ているという評価で、エロや暴力を取り扱っていても<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>がやっているそれと文脈が違うんです。その精神は大昔のB級なんですよ。</p> <p>また<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>には作品主義みたいなイメージ強いですよね。UHFならワンシーズンに4,5本も見れるアニメが出れば御の字なんですけど、これだけ注目されてるしオリジナルアニメが全部『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%DE%A4%C9%A5%DE%A5%AE">まどマギ</a>』クラスくらいの期待はあったのではないでしょうか。</p> <h3>②文脈が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>ともましてや劇場版とも違うから</h3> <p>でも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>の現実はB級で、かなり価値観が違います。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%A8%A4%A8%CD%D7%C1%C7">萌え要素</a>とかバイオレンス要素とかわかりやすいフックはありますけど、その奥にある価値が違いますよね。</p> <p>ぼくのいう<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルアニメ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/OVA">OVA</a>説って、早い段階で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%D1%B8%EC%B7%F7">英語圏</a>に受けたアニメが日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>文脈というよりも、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/OVA">OVA</a>によるB級さがベースにあると思うわけです。(前に仕事がらみで関係者に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>のオリジナルアニメの方向性はどう?とうかがったところ、あれは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/OVA">OVA</a>では、とほとんど同じ回答をいただきました)</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="Netflixアニメはクリエイターの自由! というよりまず血しぶきを楽しみましょう『バキ』 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fteenssexandwarmode.hatenablog.com%2Fentry%2F2018%2F07%2F07%2F074329" frameborder="0" scrolling="no"></iframe> かくして『バキ』、『ケンガンアシュラ』とか過剰なバイオレンスあたりを売りにすることも少なくないし、往年のB級<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/OVA">OVA</a>みたいな価値とすると妙なフックで、しかも完成度やコンセプトに何ありな日本側のオリジナルアニメが生産される、みたいな気がします。 </p> <h3>③<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>にありがちな露悪的で反社会的なアニメも普通に放映しているしそっちのほうが馴染みがあって面白いから</h3> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>も露悪、反社会的なテーマを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%D1%B8%EC%B7%F7">英語圏</a>も含めたオリジナルアニメでしばしば取り扱うし、売りにしますけれど、通常の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>オーディエンスが望むものとはかけ離れているのもわかるんですよ。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="日本のNetflixオリジナルアニメの立場がなくなる『ゴブリンスレイヤー』 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fteenssexandwarmode.hatenablog.com%2Fentry%2F2018%2F10%2F10%2F042129" frameborder="0" scrolling="no"></iframe>前に書いた『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B4%A5%D6%A5%EA%A5%F3%A5%B9%A5%EC%A5%A4%A5%E4%A1%BC">ゴブリンスレイヤー</a>』のときと重なるんですけど、『異種族レビュアーズ』を見るとそれを思い出すんですよね。露悪的で反社会的なアニメを観たいとしても別に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>に入る必要もないし、普通にテレビやネットでやっている。</p> <p>そもそもの露悪も反社会性を求めずに見るとしても、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>では全然違うラインで作られているのが見えます。</p> <p>へんな例えですが『全裸監督』<a href="#f-8fc7c7f9" name="fn-8fc7c7f9" title="『全裸監督』はすでに多くの批判も集まっており、その多くに旧来の価値みたいな問題を指摘しているため、現在の価値を推すNetflix全体としてはやや踏み込みが浅い、というのも否定はしない">*1</a>みたいなことをアニメでもやろうとするのが(海外のアニメも含めた意味の)<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>のアニメですけど、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>好きの人にとってすこしチェックはしても、じっくり観る意味ではあんまり求めてないと思うんですよ。</p> <p>『異種族レビュアーズ』は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%AD%C9%F7%C2%AF">性風俗</a>をパロディにして刺激をだしてますが、実態は旧来これだけセックスを物みたいに扱うなよと言われるような時代に、おっさんたちが風俗を通して仲良くするみたいな<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A5%E2%A5%BD%A1%BC%A5%B7%A5%E3%A5%EB">ホモソーシャル</a>とか、タイトル通り値踏みするみたいなことを何の批判もなくやっている世界なわけです。</p> <p>原作の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%B7%B8%B6">天原</a>さんも『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%E7%C1%E0">貞操</a>逆転世界』とか書いてますけど、現実はとっくに女の子だってここで描かれてる姿や意識はあるけど表立って言わないだけですって。つまりは旧型の視点ベースをまったく崩せず、いま変わりつつある視点のことなんて全然わかんない踏み込みでしか書けない人です。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>には<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%D1%B8%EC%B7%F7">英語圏</a>のものまで含めて観れば、エロと暴力の露悪的なB級のアニメとかやるわけですけど、旧型の社会の視点は無くなってるんですよ。同じようなことしてても。そしてそれは、宇崎ちゃん問題を提起した弁護士をなんとか論破しようとする人たちがなにより嫌いな視点ではないでしょうか。</p> <p>かくして、日本における<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>オリジナルアニメは当の日本からすれば古いB級の露悪さエロの感覚で作られた、ぬるい作品になりがちであり、サンリオの『アグレッシブ烈子』が最も<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>のコンセプトに適応した日本のアニメである、という状況ではないかと思います。</p> <p>まだまだ目に見えた日本アニメの救済は難しいな、という話ですね。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4105071211/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51f6Lp2AsHL._SL160_.jpg" alt="NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4105071211/eabase887-22/">NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A1%BC%A5%CA%A1%A6%A5%AD%A1%BC%A5%C6%A5%A3%A5%F3%A5%B0" class="keyword">ジーナ・キーティング</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> 新潮社</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2019/06/26</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本(ソフトカバー)</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334962211/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/512WdBM%2BYhL._SL160_.jpg" alt="NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334962211/eabase887-22/">NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%C6%A5%A3%A1%A6%A5%DE%A5%C3%A5%B3%A1%BC%A5%C9" class="keyword">パティ・マッコード</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> 光文社</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2018/08/17</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本(ソフトカバー)</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p><div class="footnote"> <p class="footnote"><a href="#fn-8fc7c7f9" name="f-8fc7c7f9" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">『全裸監督』はすでに多くの批判も集まっており、その多くに旧来の価値みたいな問題を指摘しているため、現在の価値を推す<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>全体としてはやや踏み込みが浅い、というのも否定はしない</span></p> </div> EAbase887 『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』名作の続編、その弛緩した悪さと良さ hatenablog://entry/26006613461147728 2020-01-09T19:30:00+09:00 2020-01-13T21:51:29+09:00 『マギアレコード』、あの『まどマギ』の外伝としてついにアニメ化。しかしオリジナルの緊張感は無くなり、一方で観やすいデザインとなった。その功罪は。 <p><img src="https://secure-dcdn.cdn.nimg.jp/nicochannel/material/design/4291092/main.png" /></p> <p><strong>マギアレコード <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%E2%CB%A1%BE%AF%BD%F7%A4%DE%A4%C9%A4%AB%A1%F9%A5%DE%A5%AE%A5%AB">魔法少女まどか☆マギカ</a>外伝 視聴15分</strong></p> <p>商業アニメでキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターやシナリオよりも、演出に特化したり、凝ったアニメートを見せたりすると、一部で観ているひとは嫌がったりしますよね。「作っている人のオナニーだ」なんて言ったりして。</p> <p>こうした批判って、いくつか思うところがあります。観る人側からすれば、キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターやシナリオに凝った演出やアニメートが生かされておらず、観づらく感じたことをそう言ったりするわけですし、作る側からは観やすさとは違う方向から、脚本以上に絵作りによって伝えたいからというのがあるわけです。</p> <p>たいていはクリエイティブと受け手はすれ違うのですが、ごくまれにマッチングすることがあります。それが『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%DE%A4%C9%A5%DE%A5%AE">まどマギ</a>』だったのではないでしょうか。</p> <p>さて『マギアレコード <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%E2%CB%A1%BE%AF%BD%F7%A4%DE%A4%C9%A4%AB%A1%F9%A5%DE%A5%AE%A5%AB">魔法少女まどか☆マギカ</a>外伝』は、すごく観やすく作られています。それが凝った演出やアニメートが特徴だった前作と比べ、ゆるくなったように見えるんですよね。 </p> <p>傑作となった続編が弛緩した印象で始まり、ファンが「だんだんと面白くなってくれるはずだ」と願いながら観続ける、名作に関係する作品を観るときの、あの感覚にあふれています。</p> <h3> 観やすさとゆるさ</h3> <p>『マギレコ』は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%E0%C3%C4%A5%A4%A5%CC%A5%AB%A5%EC%A1%BC">劇団イヌカレー</a>が総監督を担当しているのに、この観やすさ重視の設計なんだと思いました。凝ったオープニングアニメなどの構成や演出を持つ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%D0%C9%CD%BF%BF%BB%CB">石浜真史</a>が『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%E9%A5%B9%A4%CE%B2%D6%A4%C8%B2%F5%A4%B9%C0%A4%B3%A6">ガラスの花と壊す世界</a>』では観やすさ寄りになって、短編での良さが出せていないのを思い出したりしました。</p> <p>観やすさとはどういうことでしょうか?まずキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターやシナリオの邪魔をする演出がない。前作はシンメトリーのような構図を何度も使ったり、一切の生活感を感じさせない奇妙なまどかの家の美術を使ったりが目立ちます。</p> <p>いまは評価も固まってなんてことないと思いますが、放映当時を考えると「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%F3%BC%F9%A4%A6%A4%E1">蒼樹うめ</a>さんのキャラのよさが、シャフト演出で観づらい」とも見えるわけですよ。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="魔法少女まどか☆マギカに通ずるアートアニメーション5選 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fteenssexandwarmode.hatenablog.com%2Fentry%2F2014%2F12%2F10%2F134835" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://teenssexandwarmode.hatenablog.com/entry/2014/12/10/134835"> </a></cite></p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%DE%A4%C9%A5%DE%A5%AE">まどマギ</a>』での<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%E0%C3%C4%A5%A4%A5%CC%A5%AB%A5%EC%A1%BC">劇団イヌカレー</a>の演出もすごく気合が入っていました。戦闘シーンが急にヨーロッパのコラージュアニメのようになる。そして平面的なコラージュアニメが生きるように(いわば<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A1%BC%A5%D1%A1%BC%A5%DE%A5%EA%A5%AA">スーパーマリオ</a>や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%C3%A5%AF%A5%DE%A5%F3">ロックマン</a>みたいな)真横から遠景のレイアウトで、画面いっぱいに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%F3%BC%F9%A4%A6%A4%E1">蒼樹うめ</a>キャラとまったく違う絵で埋め尽くし、落差を生んでいました。</p> <p>そこから10年近く経ち、当時のイヌカレーがやりたいようにやった(と思う)結果も、後の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%B9%CA%D4%B1%C7%B2%E8">長編映画</a>化から<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C7%A5%AA%A5%B2%A1%BC%A5%E0">ビデオゲーム</a>化、そして今回『マギレコ』で先行していた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A5%DB">スマホ</a>版に至るまでコラージュは定期的に作られ続けていました。そのうちに、「『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%DE%A4%C9%A5%DE%A5%AE">まどマギ</a>』シリーズでのコラージュはこういうもの」と決まっていったと思います。</p> <p>実際、『マギレコ』での魔女シークエンスに出てくるコラージュは、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%DE%A4%C9%A5%DE%A5%AE">まどマギ</a>』シリーズ用の決め打ちや量産で作られた形になっているのは確かで、すでに決まったフォーマットに沿って作ったデザインになっていますし、画面を遠景にしてコラージュで埋めるという設計もないんです。</p> <p>基本的にメインキャラが画面の中央に位置するミドルショットで、キャラがはっきりとわかるカットであり、観やすさが優先されています。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%DE%A4%C9%A5%DE%A5%AE">まどマギ</a>』でやっていたように意図して平面的に見せ、すべてを記号みたいにするやり方は無くなっていました。</p> <p>とても見やすくなったのですが、結果、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%DE%A4%C9%A5%DE%A5%AE">まどマギ</a>』フォロワーのようなアニメみたいな印象が残ります。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%E2%CB%A1%BE%AF%BD%F7%B0%E9%C0%AE%B7%D7%B2%E8">魔法少女育成計画</a>』みたいに、クリエイティブの優先がほとんどない作品に近いのでした。</p> <h3>ゆるさの良さを探す</h3> <p>さてここまでの書き方だと『マギレコ』はだめなのでは?とも読めるのですが、そうではなく豊かさを観ることはできないか、とも思っているんですよ。</p> <p>名作の続編、関連作品、リメイクはおおむね緩くならざるを得ないです。豊かさ、という意味でわかりやすく考えるのは『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F4%A5%A1">エヴァ</a>新劇場版』なんですよ。あれも自分にとっては緩さがあります。</p> <p>意図してオリジナルの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%D6%A5%B9%A5%C8">アブスト</a><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>トな演出を避け、キャラやシナリオを観やすくしようとしているから(『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F4%A5%A1">エヴァ</a>Q』も基本的なデザインはそうです)。だけどその結果、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F4%A5%A1">エヴァ</a>をもっとも観やすくした豊穣な結果として『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F4%A5%A1">エヴァ</a>:破』があります。こうした豊穣さも、もちろんまれなことなのですが……</p> <p>『マギレコ』が『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%DE%A4%C9%A5%DE%A5%AE">まどマギ</a>』で特徴としていた演出を捨てた先に、もしかしたら豊穣な可能性もないのではないでしょうか。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F4%A5%A1">エヴァ</a>は「オリジナルの暗い話を、望んでいた大団円にしてくれる」みたいな<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%BF%A5%EB%A5%B7%A5%B9">カタルシス</a>で、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%DE%A4%C9%A5%DE%A5%AE">まどマギ</a>』もオリジナルでほぼ大団円になったものの、全体の不穏さ、奇怪な演出ということで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%F4%A5%A1">エヴァ</a>と並べて語られたりしますよね。</p> <p>もう少し突き詰めて、観やすさと、実験的なクリエイティブの関係を考えるに「明るく大団円になるシナリオと、暗く抽象的なシナリオ」の関係とも符合すると言え、ではわかりやすい演出に踏み切ることが、オリジナルからの価値をひっくりかえす面白さ、というのがあったらいいなあ、とも見ております。</p> <p>観たアニメは忘れましょう。そして培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。ちなみに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A5%DB">スマホ</a>版のストーリーは観ないで書いております。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4832271474/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 2 (まんがタイムKR フォワードコミックス)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51RehxMMoFL._SL160_.jpg" alt="マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 2 (まんがタイムKR フォワードコミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4832271474/eabase887-22/">マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 2 (まんがタイムKR フォワードコミックス)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%B6%BA%EE%2FMagica%20Quartet%20%BA%EE%B2%E8%2F%C9%D9%BB%CE%A5%D5%A5%B8%A5%CE" class="keyword">原作/Magica Quartet 作画/富士フジノ</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%A7%CA%B8%BC%D2">芳文社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/01/04</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> コミック</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4832270788/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="マギア☆レポート (1) (まんがタイムKRコミックス)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51oIXZ8cX3L._SL160_.jpg" alt="マギア☆レポート (1) (まんがタイムKRコミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4832270788/eabase887-22/">マギア☆レポート (1) (まんがタイムKRコミックス)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%B6%B0%C6%3AMagica%20Quartet" class="keyword">原案:Magica Quartet</a>,<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%A1%B2%E8%3APAPA" class="keyword">漫画:PAPA</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%A7%CA%B8%BC%D2">芳文社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2019/03/22</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> コミック</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 今のアニメ最前線は広告アニメにあるのかも『あの日の心をとらえて』 hatenablog://entry/26006613456110154 2019-10-27T19:30:00+09:00 2022-08-21T00:23:48+09:00 www.youtube.com 『あの日の心をとらえて』 視聴フル ひさしぶりに1シーズンを書き散らそうと、2019年秋アニメ一覧を見て思うところがあります。もはや4,5年前に推していた京アニ、シャフト、そしてトリガーも劇場版寄りになり、UHFのシーンからはやや距離を置き、作風が方向を変えるかしており、WITやBONESといった野心的なスタジオも手堅い原作を取り扱っているな、と感じています。 加えてUHFアニメゆえの、ほとんど偶発的なミックスだけでできてる作品を観ることが少なくなりましたね。『ローリング☆ガールズ』みたいな作品がなかなか出てこないよな、と。 UHFがクリエイティブなシーンではそ… <p><iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/gxOBrKt-mEs?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen="" title="【アニメCM】日野自動車「あの日の心をとらえて」サンライズ"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=gxOBrKt-mEs">www.youtube.com</a></cite></p> <p><strong>『あの日の心をとらえて』 視聴フル</strong></p> <p>ひさしぶりに1シーズンを書き散らそうと、2019年秋アニメ一覧を見て思うところがあります。もはや4,5年前に推していた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%FE%A5%A2%A5%CB">京アニ</a>、シャフト、そしてトリガーも劇場版寄りになり、UHFのシーンからはやや距離を置き、作風が方向を変えるかしており、WITや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BONES">BONES</a>といった野心的なスタジオも手堅い原作を取り扱っているな、と感じています。</p> <p>加えて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>ゆえの、ほとんど偶発的なミックスだけでできてる作品を観ることが少なくなりましたね。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A1%BC%A5%EA%A5%F3%A5%B0%A1%F9%A5%AC%A1%BC%A5%EB%A5%BA">ローリング☆ガールズ</a>』みたいな作品がなかなか出てこないよな、と。</p> <p>UHFがクリエイティブなシーンではそんなになくなってきてるのかも、と感じる中、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%F3%A5%E9%A5%A4%A5%BA">サンライズ</a>製作の『あの日の心をとらえて』を観ていると、いよいよこっち側にウェイトは移行しているんじゃないか、と思えます。</p> <h3 id="退屈な日常にある未来">退屈な日常にある未来 </h3> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%F3%A5%B3%A5%ED%A1%BC%A5%EB">センコロール</a> コネクト』の宇木敦哉さんがキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ター原案、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%D6%A5%E9%A5%A4%A5%D6%A1%AA">ラブライブ!</a>』や『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%F5%C0%D0%A4%CE%B9%F1">宝石の国</a>』の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%FE%B6%CB%BE%B0%C9%A7">京極尚彦</a>さんが監督というのはなかなか思うところありますよ。宇木さんの作風もあり、関わる作品は少し距離を作っていることが多いです。</p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%F5%C0%D0%A4%CE%B9%F1">宝石の国</a>』の作者である、漫画家の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%D4%C0%EE%BD%D5%BB%D2">市川春子</a>さんとおなじ研究室にいたという経歴も見逃せないですね。キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B1%A5%EC%A5%F3%CC%A3">ケレン味</a>を信じていなくて、そしてがちがちなリアル描写の持つリミットもわかっているからあえてシンプルに描いてきたあたり、ふたりは近い気がします。個人作品から『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%B8%A5%E2%A5%F3%A5%A2%A5%C9%A5%D9%A5%F3%A5%C1%A5%E3%A1%BC">デジモンアドベンチャー</a>』のキャラデザなど、彼の関わるアニメはもうひとつ引いた位置から世界観を構築する傾向があると思います。</p> <p>その引いた位置がどんな効果をもたらすか?それは非日常をさも当たり前の、退屈な日常に描いて見せることではないかと。ここに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CC%EE%BC%AB%C6%B0%BC%D6">日野自動車</a>のFlatFormerという自動車が日常に浸透した世界を、ささやかなボーイミーツガールに載せて描いています。</p> <p>近未来の車を大それたものとして描くこともないし、未来技術を退屈な日常の一部として描くことがぼくには良かった。観た人も、あまりにさらりと自動車が登場するため、どこをPRしているかすぐにはわからないのではないでしょうか。これを京極監督がまとめているのも凄い話で、なんだかんだで彼が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%D6%A5%E9%A5%A4%A5%D6">ラブライブ</a>をやってた功績は大きかったんだなあとしみじみしました。</p> <h3 id="広告アニメからさらなる展開はあるのか">広告アニメからさらなる展開はあるのか</h3> <p>さらには<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%E2%C5%C4%BF%BF%CE%E9">内田真礼</a>と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%E2%C5%C4%CD%BA%C7%CF">内田雄馬</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%D0%C4%EF">姉弟</a>が主人公たちを演じているみたいなフックも含めて、相当におもしろさが含まれた作品になっていることは確かですよ。</p> <p>思えば広告アニメでは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B7%B3%A4%C0%BF">新海誠</a>さんからスタジオコロリドまで、野心的な作家が牙を研いでいる過程がじっくりと見れるもので、ここのところは特にその傾向が強まっているフィールドなのではないかと思います。</p> <p>日清CMから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CC%EE%BC%AB%C6%B0%BC%D6">日野自動車</a>、渋谷の街頭広告に至るまで、今年はぴりぴりとクリエイティブを研いでいる感じがあるのは広告方面ですね。劇場版の多くが映画を目指すゆえの、ある種のつまらなさ(絶対的に具体的にせねばならず、抽象やコンセプチュアルが入る隙がないような)があるのに対し、広告は比較的そうでもないアプローチが可能なのでは、と思います。『あの日の心をとらえて』みたいな作品が出ているわけで、確かだといっていいかもしれません。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07VN6G1WN/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="【Amazon.co.jp限定】センコロール コネクト(メーカー特典:「描き下ろしセンコ絵柄オリジナル缶マグネット+ポスター」付)(オリジナル特典:「手乗りセンコぬいぐるみ」付)(完全生産限定版) [Blu-ray]" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51eMT3%2BO3SL._SL160_.jpg" alt="【Amazon.co.jp限定】センコロール コネクト(メーカー特典:「描き下ろしセンコ絵柄オリジナル缶マグネット+ポスター」付)(オリジナル特典:「手乗りセンコぬいぐるみ」付)(完全生産限定版) [Blu-ray]" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07VN6G1WN/eabase887-22/">【Amazon.co.jp限定】センコロール コネクト(メーカー特典:「描き下ろしセンコ絵柄オリジナル缶マグネット+ポスター」付)(オリジナル特典:「手乗りセンコぬいぐるみ」付)(完全生産限定版) [Blu-ray]</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%CB%A5%D7%A5%EC%A5%C3%A5%AF%A5%B9">アニプレックス</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2019/10/23</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Blu-ray">Blu-ray</a></li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B07VN6G1WN/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4065167388/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="宝石の国(10) (アフタヌーンKC)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41ESMPoS5dL._SL160_.jpg" alt="宝石の国(10) (アフタヌーンKC)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4065167388/eabase887-22/">宝石の国(10) (アフタヌーンKC)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%D4%C0%EE%BD%D5%BB%D2">市川春子</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%D6%C3%CC%BC%D2">講談社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2019/08/23</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> コミック</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4065167388/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4895225577/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="日野自動車の100年―世界初の技術に挑戦しつづけるメーカー" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/517jWhsT7aL._SL160_.jpg" alt="日野自動車の100年―世界初の技術に挑戦しつづけるメーカー" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4895225577/eabase887-22/">日野自動車の100年―世界初の技術に挑戦しつづけるメーカー</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 鈴木孝</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%BC%F9%BD%F1%CB%BC">三樹書房</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2010/09/01</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 大型本</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">クリック</span>: 16回</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4895225577/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログ (1件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 中国企業が製作する奇妙な『真・中華一番!』 hatenablog://entry/26006613456065086 2019-10-27T08:25:25+09:00 2019-10-27T08:25:25+09:00 真・中華一番! 視聴10分 しばらく沈黙していましたが、ゆっくり復活します…… リメイクブームと少しばかり様相が違っているのが『真・中華一番』です。いま30代から20代終わりごろの人なら懐かしい作品ですよね。過剰が売りだったな……みんな学校でネタにしていたな……いまやみんなも人生の岐路にいるのか……ぼくも岐路にいる中で5分とかそんなんでアニメを書くとかなにやってんですかね……アニメは人生の岐路をわすれさせるオピオイド……否定はしません…… <p><img src="https://secure-dcdn.cdn.nimg.jp/nicochannel/material/design/4079168/main.png" /></p> <p><strong>真・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%E6%B2%DA%B0%EC%C8%D6%A1%AA">中華一番!</a> 視聴10分</strong></p> <p>しばらく沈黙していましたが、ゆっくり復活します……</p> <p>リメイクブームと少しばかり様相が違っているのが『真・中華一番』です。いま30代から20代終わりごろの人なら懐かしい作品ですよね。過剰が売りだったな……みんな学校でネタにしていたな……いまやみんなも人生の岐路にいるのか……ぼくも岐路にいる中で5分とかそんなんでアニメを書くとかなにやってんですかね……アニメは人生の岐路をわすれさせる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%D4%A5%AA%A5%A4%A5%C9">オピオイド</a>……否定はしません……</p> <h3><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%E6%B9%F1%B4%EB%B6%C8">中国企業</a>によるリメイク</h3> <p>この書き散らしでしばしば取り上げてきたのが、中国の企業が製作に入った<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>です。いまだに日本で放映された作品から爆発するみたいなヒットは出ていないものの、ゆっくりと関わりは続いています。</p> <p>いまさら知ったのですが『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%E6%B2%DA%B0%EC%C8%D6%A1%AA">中華一番!</a>』は中国で『中華小當家』というタイトルでドラマ化していたんですね。そうした関係もあって、今回の企画に進んだのかなと思います。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D7%A5%ED%A5%C0%A5%AF%A5%B7%A5%E7%A5%F3IG">プロダクションIG</a>のような強力なスタジオも関わっているのもすごいですよね。かなりまじめにやってるというか。</p> <h3>このデザインで行ったのがすごいよ</h3> <p>往年の過剰さが抑えられたデザインの一方、代案としておもしろいデザインなのはベースとなるキャラデザインですよ。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%A7%C3%E8%A4%E8%A4%EA%A4%E2%B1%F3%A4%A4%BE%EC%BD%EA">宇宙よりも遠い場所</a>』や『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AD%A4%DF%A4%CE%C0%BC%A4%F2%A4%C8%A4%C9%A4%B1%A4%BF%A4%A4">きみの声をとどけたい</a>』、そして『この世界の片隅で』みたいに、キャラの輪郭に光を入れてまとめていく、平面的で、アニメートに生かしやすいデザインを採用してるんですよね。</p> <p>しかしそれは往年の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B1%A5%EC%A5%F3%CC%A3">ケレン味</a>から遠ざかるわけでもあって、なんといいますか『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%E9%A5%C3%A5%D7%A5%E9%A1%BC%BF%CF%B2%E7">グラップラー刃牙</a>』を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%C4%B3%C0%C7%C3%CE%B1">板垣巴留</a>がリメイクしているみたいな落差ですよ(そうそう『BEASTERS』もたぶん書きますよ)。なぜに?やっぱり先述の作品たちも凄く中国で評価されたからかな?</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="女性専用車両あちこち増えたので男性専用YouTuber科新設へ 2020年4月度から『フルーツバスケット 1st season』 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fteenssexandwarmode.hatenablog.com%2Fentry%2F2019%2F04%2F07%2F185039" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p>正直<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>は安手ゆえのケレンさでどうにかすればよかったんですが、最近のリメイクって素直にそれができなくなっちゃったんですよね。稚拙に見えるから。お利口な、ほどほどのリアリティラインのデザインにならざるを得ないといいますか。</p> <p>トリガーみたいなレベルのスタジオじゃないと、往年の日本アニメならではのケレン表現を再解釈してサルベージすることはできなくて、リメイクアニメって『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%AC%A5%ED%A5%DC%A5%AF%A5%B9">メガロボクス</a>』も含めて現代化にあっぷあっぷしているように感じてしまうんですよね。</p> <h3>結局中国が関わることでなにが変わるのかな</h3> <p>ともあれ、比較的野心的な中国製作のアニメなのは確かで、今後も参入あるのかなあとか思いました。もっと作り手側に関わってくるとどうなんのかな、とは思います。メインじゃないけど<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D7%A5%ED%A5%C0%A5%AF%A5%B7%A5%E7%A5%F3IG">プロダクションIG</a>が関わっているように、今後トップスタジオが抱きこまれていったら面白いことになるんでしょうか?商業アニメの岐路なんでしょうか?</p> <p>それにしても人生の岐路にあると昔のことも思い出します。中国の料理を題材とした漫画が中国本土でも評価されることがあるならば、自分が子供のころ遊んでいたあれも、中国が製作に入ったりしませんかね……<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C7%A5%AA%A5%B2%A1%BC%A5%E0">ビデオゲーム</a>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A1%BC%A5%D1%A1%BC%A5%C1%A5%E3%A5%A4%A5%CB%A1%BC%A5%BA">スーパーチャイニーズ</a>』シリーズですよ。これがテンセントとかネット<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A1%BC%A5%B9">イース</a><a href="#f-05ba4102" name="fn-05ba4102" title="いずれも中国を代表する、世界的にも最高クラスのビデオゲーム企業">*1</a>の偉い人が子供の頃にゆめのすけ氏に救われたとかいって出資し、リメイクすることなどありませんかね……観たアニメは忘れましょう。そして岐路ではゆっくり、落ち着いて動き、次回にお会いしましょう。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07BQX9MX5/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="真・中華一番 超合本版(1) (週刊少年マガジンコミックス)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61WH41CJpGL._SL160_.jpg" alt="真・中華一番 超合本版(1) (週刊少年マガジンコミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07BQX9MX5/eabase887-22/">真・中華一番 超合本版(1) (週刊少年マガジンコミックス)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AE%C0%EE%B1%D9%BB%CA">小川悦司</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%D6%C3%CC%BC%D2">講談社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2018/04/09</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B07BQX9MX5/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p>  </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000068HJK/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="スーパーチャイニーズワールド2" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51z74E86ylL._SL160_.jpg" alt="スーパーチャイニーズワールド2" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000068HJK/eabase887-22/">スーパーチャイニーズワールド2</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E3%A1%BC%A5%D6%A5%EC%A1%BC%A5%F3">カルチャーブレーン</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 1992/10/29</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> Video Game</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B000068HJK/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p><div class="footnote"> <p class="footnote"><a href="#fn-05ba4102" name="f-05ba4102" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">いずれも中国を代表する、世界的にも最高クラスの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C7%A5%AA%A5%B2%A1%BC%A5%E0">ビデオゲーム</a>企業</span></p> </div> EAbase887 アニメ炎上と鎮火のシンクロニシティ hatenablog://entry/26006613398555822 2019-08-27T03:18:28+09:00 2019-08-27T03:18:28+09:00 シンクロニシティの話をしましょう。単なる偶然に何か意味があるのではないか?という考え方のことです。 今年は消防士が主人公、ないしはメインキャラクターである商業アニメが集中しました。『プロメア』、『炎炎ノ消防隊』そして『きみと、波にのれたら』ですね。 最初、アニメで消防士をやけに見かけることを気にしていなかったし、モチーフの連鎖についても、『炎炎ノ消防隊』の作者である大久保氏が、『プロメア』で題材や切り口が似通いすぎており、近い人物に構想を話してしまったことに後悔するコメントが話題になったくらいでした。 アニメに次々と消防士たちが現れ、それぞれの出火と鎮火に挑む姿に思うところはなかったのです。7… <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%F3%A5%AF%A5%ED%A5%CB%A5%B7%A5%C6%A5%A3">シンクロニシティ</a>の話をしましょう。単なる偶然に何か意味があるのではないか?という考え方のことです。</p> <p>今年は消防士が主人公、ないしはメインキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターである商業アニメが集中しました。『プロメア』、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%EA%B1%EA%A5%CE%BE%C3%CB%C9%C2%E2">炎炎ノ消防隊</a>』そして『きみと、波にのれたら』ですね。</p> <p>最初、アニメで消防士をやけに見かけることを気にしていなかったし、モチーフの連鎖についても、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%EA%B1%EA%A5%CE%BE%C3%CB%C9%C2%E2">炎炎ノ消防隊</a>』の作者である大久保氏が、『プロメア』で題材や切り口が似通いすぎており、近い人物に構想を話してしまったことに後悔するコメントが話題になったくらいでした。</p> <p>アニメに次々と消防士たちが現れ、それぞれの出火と鎮火に挑む姿に思うところはなかったのです。7月18日までは。</p> <p>本物の放火事件が、まさかのスタジオで起きたことには驚きました。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%FE%C5%D4%A5%A2%A5%CB%A5%E1%A1%BC%A5%B7%A5%E7%A5%F3">京都アニメーション</a>が放火された事件と、その後のネット上に溢れた言説によって、炎上と鎮火を取り扱うアニメの捉え方が変わってしまいました。</p> <p>いずれもハイクオリティなアニメーションかつ、複合的な構成を持ったアニメであることも、意味のある偶然と言えるでしょう。7月18日になる前のレビューと、そのあとの変化について少し書きましょう。</p> <p><img src="https://s.yimg.jp/images/gyao/special/fireforce/img/title.jpg" alt="ãççãæ¶é²éãå¬å¼ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ" /></p> <p>アニメ『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%EA%B1%EA%A5%CE%BE%C3%CB%C9%C2%E2">炎炎ノ消防隊</a>』は『プロメア』と放映がぶつかったほか、事件の余波を受け、3話の内容を変更しての放映など、実際にいくつかの影響をうけています。ただ実際の内容は、炎上と戦うだけではなく、祈りのようなものも描写されており、今この段階では優れた作画やアクションでできたもの、とも言い切れないのではないでしょうか。</p> <p>たとえばKAI-YOU様に寄稿した『プロメア』では、トリガーのリミックスの現在を音楽シーンとなぞらえて評価しています。記事公開は事件後の7月22日ですが、執筆は6月末~7月上旬です。</p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="TRIGGER『プロメア』レビュー 今石洋之&中島かずきの現代的リミックスの在り方" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fkai-you.net%2Farticle%2F65955" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p>トリガーが過去の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A1%BC%A5%AB%A5%A4%A5%D6">アーカイブ</a>をサンプリングしたりリミックスすることから、一歩押しすすめて現代ならではのテーマを描いているのもあり、『プロメア』の炎上と鎮火にはいくつかの読みが出来たと思います。それはネット炎上からマイノリティが自らの声を上げることみたいな。</p> <p>「炎上と鎮火をテーマに、敵味方に分かれた陣営が戦い、さらに黒幕とも激闘を繰り広げる。だけど誰も死ぬことはないし、最後に全員が引き分ける」ということは、非常にしっくりとくるのです。</p> <p>IGN JAPAN様に寄稿させていただいた『きみと、波にのれたら』では、海や水のアニメートをテーマにまとめています。ですが、これも炎上と鎮火が本編に描かれており、そのトラウマを払拭していく内容なんですね。</p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="『きみと、波にのれたら』レビュー" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fjp.ign.com%2Fkimito-namini%2F36547%2Freview%2F" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p>『きみと、波にのれたら』は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%F3%A5%AF%A5%ED%A5%CB%A5%B7%A5%C6%A5%A3">シンクロニシティ</a>がとても大きい作品です。とくにアニメートを中核にしているからかもしれません。このアニメは波や水だけではなく、花火や炎上みたいに、火が禍々しく描かれているんです。</p> <p>そしてストーリーも、失われたアニメートとその回復についてをそのまま描いているといえるでしょう。火が原因ではないものの、消防士の恋人が亡くなり、トラウマを追った主人公が、歌によって水の中に恋人の影を見出そうとしたり、ほんとうは生きているんじゃないかと、必死に面影を探すんです。最後、初めて恋人と出会うことになったみたいな火事の場に出くわし、主人公がトラウマを回復させるようなアニメートは圧巻です。</p> <p>…</p> <p>いずれも炎上と鎮火によって、悲劇を乗り越えていくという内容です。</p> <p>もちろん揃ったことは偶然です。しかし現実の炎上から、いまだに続くネット上の炎上まで含めて、鎮火するというアニメートからは、何か意味を見て取れるでしょう。優れたアニメートを持つスタジオが焼かれてしまったことに対して、優れたアニメートを表現できるスタジオが、あらゆる炎上を鎮火させる物語を用意したことに、ささやかな意味を読み取れるでしょう。</p> <p>すいません、『指先から本気の熱情-幼なじみは消防士-』を忘れていました。観たアニメは忘れましょう。培った技術はまとめ直し、モードが過ぎ去るのを横目に、次回にお会いしましょう。</p> EAbase887 深夜アニメ性描写の到達点『荒ぶる季節の乙女どもよ。』 hatenablog://entry/17680117127218159402 2019-07-15T01:07:18+09:00 2019-07-15T13:21:26+09:00 荒ぶる季節の乙女どもよ。 視聴フル 記事のタイトルは「オナニーを描いたから」ではありませんよ。到達点とは過激な性描写ではなく、性について、まったくもってどうしたものか悩むアプローチを指しています。深夜アニメでありそうに見えて、多くはないテーマですからね。 長年アニメ業界で仕事しており、セクシュアルなものが、どれだけ商業で機能しているか知り尽くしているだろう岡田磨里さんが、原作と脚本なのも興味深いですね。昨年は劇場版アニメの監督を務め、独自のポジションを固めつつあるなか、本作がアニメ化された意味は大きいでしょう。 もともと原作を別冊少年マガジンで連載していたり、実質的に彼女のプロジェクトですよね… <p><img src="http://araoto-anime.com/wp/wp-content/themes/araoto/assets/img/top/pc_mv02.jpg?190711" alt="ãããªãããã«ã¯ããããªãã®ã§ããèã¶ãå­£ç¯ã®ä¹å¥³ã©ããã2019å¹´7æMBS/TBS/BS-TBSâã¢ãã¡ã¤ãºã âæ ã»ãã«ã¦æ¾é中" width="474" /></p> <p><strong>荒ぶる季節の乙女どもよ。 視聴フル</strong></p> <p>記事のタイトルは「オナニーを描いたから」ではありませんよ。到達点とは過激な性描写ではなく、性について、まったくもってどうしたものか悩むアプローチを指しています。深夜アニメでありそうに見えて、多くはないテーマですからね。</p> <p>長年アニメ業界で仕事しており、セクシュアルなものが、どれだけ商業で機能しているか知り尽くしているだろう岡田磨里さんが、原作と脚本なのも興味深いですね。昨年は劇場版アニメの監督を務め、独自のポジションを固めつつあるなか、本作がアニメ化された意味は大きいでしょう。</p> <p>もともと原作を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%CC%BA%FD%BE%AF%C7%AF%A5%DE%A5%AC%A5%B8%A5%F3">別冊少年マガジン</a>で連載していたり、実質的に彼女のプロジェクトですよね。『荒ぶる季節の乙女どもよ。』はそんな岡田さんが中核となった、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AF%A5%B7%A5%E5%A5%A2%A5%EA%A5%C6%A5%A3">セクシュアリティ</a>がテーマとなったしたアニメとしてあるのでした。</p> <h3>エロとバカのふりをしている</h3> <p>「やらないわけには、いかないのです」このコピーは、女子高生のセックスを推す内容に見えます。ですが、実際は真逆ですね。文学からエンターテインメントまで、セックスの情報が溢れているんだけど、本人の感覚とそんな情報との折り合わせができてなくて戸惑うアニメなのです。</p> <p>社会に溢れた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AF%A5%B7%A5%E5%A5%A2%A5%EA%A5%C6%A5%A3">セクシュアリティ</a>の価値と、自分の感覚がハレーションを起こす。これは女性向けの漫画雑誌では、古くから少なくなく見られるテーマです。しかし本作は、原作が男性向け漫画雑誌で連載されているんですよね。そこに意味があります。</p> <p>いちおう高校生の女の子が小説の性描写を口にするみたいな、エロとギャグが主旋律の漫画だって見せかけている。でも本流にあるのは、昔からずっと存在している、女の子のセクシュアルな問題ですよね。</p> <p>ここにエロとバカのふりをした企画で商業のラインをクリアしつつ、作家が本当に描きたい部分を推す岡田さんの(または別マガ編集部の)企画力と作家性の手腕が垣間見えもします。</p> <h3><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%B9%A5%C6">パステ</a>ルで描かれる性のこと</h3> <p>深夜アニメのフィールドでセクシュアルな表現をやるときって、ほとんどの場合は身体を強調しちゃうデザインになりますよね。前シーズン(とほほエロしか取り上げていない時期です)では『なんでここに先生が?』とか、ああいうかんじ。</p> <p>ポルノがテーマじゃないにしろ、デザインの方針は多くのキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターで共通しています。ではセクシュアルに対して、疑念を持っているアニメのデザインはどうなるのか?</p> <p>キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターの肉体を強調させるデザインをとらないのです。彩度は抑えられ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%B9%A5%C6">パステ</a>ルカラーが基調になる。前に『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%BA%A4%CE%CB%DC%B2%FB">クズの本懐</a>』が放映されていましたが、そのときも彩度は控えめになることを思い出しました。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/hPxhg8b4Fc4?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=hPxhg8b4Fc4">www.youtube.com</a></cite></p> <p>ふと思い出すのは短編アニメーション作家の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%E5%BF%AC">水尻</a>自子さんの作品です。あれはピンク基調の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%B9%A5%C6">パステ</a>ルなカラーリングで、寿司や猿を描きながら、ぞっとするようなセクシャルな手触りを描いているのですね。</p> <p>それにしても、国ごとに商品として消費するセックスに溢れている度合いで、消費される<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%AF%A5%B7%A5%E5%A5%A2%A5%EA%A5%C6%A5%A3">セクシュアリティ</a>をもつ当事者にとって、性をどう表現するかどれくらい変動はあるんでしょうか?ちょっと興味ありますね。セクシャルの取り扱いって社会ごとにすごく違ってくるので。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%A6%A5%A7%A1%BC%A5%C7%A5%F3">スウェーデン</a>やベルギーのように、男女問わず、がちがちに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%AD%B6%B5%B0%E9">性教育</a>ならびに相手の人格を尊重する傾向を持つ国の作家がセクシャルについて描くとき、日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%E5%BF%AC">水尻</a>自子さんから今回の岡田さんのアニメみたいに、危ういものを撫でるかのような作風になるのでしょうか?違う気がするんですよね。</p> <p>『荒ぶる季節の乙女どもよ。』は地味に見えながら、時代だとも思います。この10年、かなり男性向けのフィールドだった深夜アニメでも、女性監督や作家が台頭してきました。</p> <p>そこで岡田さんは、いろんな意味で当事者としての作風が強い脚本家として活動し、今回のようなセクシュアルなテーマを通すまでに至りました。そこに、ちょっとした時代の変化を感じなくもないのです。</p> <p>正直なところ、同じテーマを持つ女性作家も、作品もたくさんいる。でも、ほぼ男性向けのフィールドでこれを通してきたこと自体に意味があるでしょう。岡田磨里さん自体のポジションの意味を感じさせるでしょう。それが、到達点なのです。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/uKiU9otpIO0?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p>ところで今回はセクシュアル描写について、岡田真理さんニアイコール<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%E5%BF%AC">水尻</a>自子さんの仮説で捉えましたが、冠木佐和子さんの長編バージョンみたいな女性作家も台頭したらすごい未来になるのになあと思いましたよ。観たアニメは忘れましょう。そして培った技術とモードも投げ捨てて、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B4%A5%AD%A5%D6%A5%EA%C2%CE%C1%E0">ゴキブリ体操</a>でお会いしましょう。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06XX9JCK9/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="荒ぶる季節の乙女どもよ。(1) (週刊少年マガジンコミックス)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51SnatavsrL._SL160_.jpg" alt="荒ぶる季節の乙女どもよ。(1) (週刊少年マガジンコミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06XX9JCK9/eabase887-22/">荒ぶる季節の乙女どもよ。(1) (週刊少年マガジンコミックス)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%AC%C5%C4%CB%FB%CE%A4">岡田麿里</a>,絵本奈央</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%D6%C3%CC%BC%D2">講談社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2017/04/07</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B06XX9JCK9/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログ (1件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <h3> <題材的に関連するだろう書き散らし></h3> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="『ゆらぎ荘の幽奈さん』とシリアスに現実と虚構が混同される分野のお話 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fteenssexandwarmode.hatenablog.com%2Fentry%2F2018%2F08%2F11%2F190000" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://teenssexandwarmode.hatenablog.com/entry/2018/08/11/190000"> </a></cite></p> EAbase887 アニメ・ゲームファンに優しく突きつけられた体臭問題 hatenablog://entry/17680117127201577585 2019-06-18T19:00:00+09:00 2019-06-18T19:00:07+09:00 最近ビデオゲーム業界で、マイクロソフトがXboxブランドでボディケア製品を発表しました。リンク先に「eスポーツの猛者達が互いの体臭を感じる近さにひしめき合う大会に臨むに当たっては、まずシャワーを浴びたりボディケアに配慮しようというメッセージが込められているのかもしれません。」とあるように、大手プラットフォーマーがユーザーに対し、匂いについて公に言及したことに触れています。 いくつかのメディアは「Xboxブランドの匂いをまとったまま、PS4のゲームをできるのか?」と失笑しましたが、どうあれユーザー全体に、これまであまり見ないようにしていた体臭問題を突きつけています。 インドアな趣味であったビデオ… <p>最近<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C7%A5%AA%A5%B2%A1%BC%A5%E0">ビデオゲーム</a>業界で、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%A4%A5%AF%A5%ED%A5%BD%A5%D5%A5%C8">マイクロソフト</a>が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Xbox">Xbox</a>ブランドでボディケア製品を<a href="https://japanese.engadget.com/2019/06/05/xbox-lynx/">発表しました</a>。リンク先に「eスポーツの猛者達が互いの体臭を感じる近さにひしめき合う大会に臨むに当たっては、まずシャワーを浴びたりボディケアに配慮しようというメッセージが込められているのかもしれません。」とあるように、大手<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D7%A5%E9%A5%C3%A5%C8%A5%D5%A5%A9%A1%BC%A5%DE%A1%BC">プラットフォーマー</a>がユーザーに対し、匂いについて公に言及したことに触れています。</p> <p>いくつかのメディアは「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Xbox">Xbox</a>ブランドの匂いをまとったまま、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PS4">PS4</a>のゲームをできるのか?」と<a href="https://www.esquire.com/lifestyle/a27786435/xbox-axe-body-spray-video-game-deodorant/">失笑しました</a>が、どうあれユーザー全体に、これまであまり見ないようにしていた体臭問題を突きつけています。</p> <p>インドアな趣味であった<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C7%A5%AA%A5%B2%A1%BC%A5%E0">ビデオゲーム</a>や商業アニメも、ユーザーが表に出てくることが増えました。ストリーマーが顔を出してゲームを実況して何億も稼ぎ出したり、esportsの選手として有名になったり、世間に顔を出すということが当たり前になりました。アニメファンだって著名人はもう珍しくなく、ライフスタイル雑誌で特集されることも少なくなくなりました。</p> <p>つまりオタク趣味が市民権を得た一方で、ユーザーも公に出る時代でもあることを意味しており、もはや世間を無視していいわけではないようです。そこで広告アニメが優しく、体臭問題に関して触れていると思います。今回はそんな広告アニメを2本紹介しましょう。</p> <h3><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%D6%B2%A6">花王</a> ビオレさらさらパウダーシート 「がんばれ!隠れ汗 プロジェクト」</h3> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/G2qCBZ_f0hM?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe></p> <p>とびきりかわいらしい絵柄の青春アニメなんですが、要所でさらさらパウダーシートを使うシーンにウッとくる感じがあります。</p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BD%A1%BC%A5%C9%A5%A2%A1%BC%A5%C8%A1%A6%A5%AA%A5%F3%A5%E9%A5%A4%A5%F3">ソードアート・オンライン</a> アリシゼーション』のアクション<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%EE%B2%E8%B4%C6%C6%C4">作画監督</a>を務めた<span style="color: #222222; font-family: 'Hiragino Kaku Gothic Pro', Meiryo, sans-serif; font-size: 16.996px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">菅野芳弘氏が務めています。革新的ではないものの、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>の女の子の描き方よりも控えめな、同世代の女の子を対象にしているであろうデザインも広告アニメならではですね。あんまり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>で、こういう日常女の子アニメのデザインないんですよ。</span></p> <p>それだけにフェ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C6%A5%A3%A5%C3%A5%B7%A5%E5">ティッシュ</a>も性欲にも繋がらない、純粋にTPOにそぐわない「匂い」「汗」を想像させるつらさは突出しています。彼女たちの世界には体臭が他人に不快感を与えるという概念があって、気にしているということですから。</p> <p>さらさらパウダーシートが存在する世界ということはさらさらパウダーシートを使わない人間が存在することを意味でしており、アニメ世界のどこかに自分の体臭を気にせず、他人や世間への不快感を考慮しない登場人物が存在しているわけですよ。</p> <p>余談ですけど広告アニメにちゃんとクレジットを入れているのは「いち作品として見せたいんだなあ」という本気さがあります。それぐらい本気で匂いや汗について伝えたいということでもあるんですね。</p> <h3> ギャツビー広告アニメ「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EF%A5%C3%A5%AD%A1%BC">ワッキー</a>セブン」</h3> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/a_M57I2WRfA?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p>脇の匂いを擬人化したこちらも相当ですよ。 ギャツビーのCMとして企画されたこちらは、7種類の匂いを擬人化。ありとあらゆるものを萌えや擬人化して、現実の持つ臭みを脱臭していくのが得意なジャンルとはいえ、これも見ていてえづく感じがありますね。</p> <p>さらさらパウダーシート広告アニメがあくまで女性に向けて作っているためまだわかるのですが、男性向けのデオドラント商品だとガチな感じあるんですよね。というか、擬人化が男性アイドル的なデザインのほうでやってるので、まだジョークで済んでいるということなのでしょうか?</p> <h3>業界側が体臭問題に言及することで最後に侵略されるテリトリー</h3> <p>体臭問題に関わる業界側の試みはどれも苦笑させられる一方、アニメやゲーム趣味のインドアで、世間から遠ざかる姿勢の、最後のテリトリーさえも侵略されてるなとも思います。趣味に没頭してる人<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AB%A4%E9%A4%B7">からし</a>たら大きなお世話とも言えるじゃないですか。</p> <p>ひどいオチになりますが「世間に受け入れられるオタク趣味なぞしゃらくさい!なぜ世間様なんぞに気を使ってオタクが身なりや体臭やら気にせにゃならん!匂いどうこうの広告アニメはクソだろ!市民権を得たなんて欺瞞にヘドが出る!大体ファッション誌やライフスタイル雑誌がアニメを取り上げるのはいま確実にペイできる固定客と見られているからだろ!むしろオタクこそそういう扱いに断固抵抗していけよ!」という方はいないかなとふと思いましたよ。</p> <p>すいません。亡くなられた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%BC%BA%EA%C9%B4%CF%BA">村崎百郎</a>さんの本を最近読んで、こんなことを思ってしまいました。いま読むと「鬼畜」、「ゴミ漁り」をアングルに世間の欺瞞を告発していくスタイルのプロレスのようだと感じていいんですね。インドアで、暗い感情が渦巻く自分のテリトリーと、世間との境界線を引く活動を続けていたように思えます。 </p> <p>オタク趣味が世間的に台頭していることで、ではユーザーもそんな世間のTPOに合わせろよって感じも、うすうすと感じなくもないんですよね。アニメ・ゲーム(あとアイドルなどなど)のファンが集まるイベントで、運営側が匂い問題を言うようになるのが常態になったら、本当の意味で市民権を得た時代と思います。</p> <p>しかし意地でも世間に迎合せず、アニメファンを公言する著名人も広告アニメもすべて憎み、体臭を無視して、孤独に自分の趣味を追求するオタクはいるのでしょうか。いや、なんとなく当のオタクもその手の人はちょっと……と感じているような気もします。観たアニメは忘れましょう。そして培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757218494/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="村崎百郎の本" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41XoG3iDZSL._SL160_.jpg" alt="村崎百郎の本" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757218494/eabase887-22/">村崎百郎の本</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B9%A5%DA%A5%AF%A5%C8">アスペクト</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B9%A5%DA%A5%AF%A5%C8">アスペクト</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2010/11/25</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">購入</span>: 8人 <span class="hatena-asin-detail-label">クリック</span>: 241回</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4757218494/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログ (32件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 これアニメ化しないんだ?#1『初恋ゾンビ』 hatenablog://entry/17680117127189073010 2019-06-12T20:00:00+09:00 2019-06-18T23:05:48+09:00 新カテゴリー「これアニメ化しないんだ?」です。コンセプトはそのまんま。ライティング業の気晴らしで読んだマンガや本で「原作が枯渇していると噂されているのに、この作品が企画に上ることはないんだな」と思ったタイトルを取り上げる書き散らしです。 一発目は週刊少年サンデーで連載され、最近完結した峰浪りょうさんの『初恋ゾンビ』です。 <p><img src="https://ic4-a.wowma.net/mi/gr/114/img.boox.jp/image/BK/LL/4091271685.jpg" alt="ãåæã¾ã³ããã®ç»åæ¤ç´¢çµæ" /></p> <p>新カテゴリー「これアニメ化しないんだ?」です。コンセプトはそのまんま。ライティング業の気晴らしで読んだマンガや本で「原作が枯渇していると噂されているのに、この作品が企画に上ることはないんだな」と思ったタイトルを取り上げる書き散らしです。</p> <p>一発目は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%B5%B4%A9%BE%AF%C7%AF%A5%B5%A5%F3%A5%C7%A1%BC">週刊少年サンデー</a>で連載され、最近完結した<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%F6%CF%B2%A4%EA%A4%E7%A4%A6">峰浪りょう</a>さんの『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%E9%CE%F8%A5%BE%A5%F3%A5%D3">初恋ゾンビ</a>』です。</p> <h3>おもしろいアニメートに向いたラ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%B3%A5%E1">ブコメ</a>ディ</h3> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%E9%CE%F8%A5%BE%A5%F3%A5%D3">初恋ゾンビ</a>』は萌えもデザインも良いことに加えて、なによりもアニメートさせるのにすごくいい設定や絵柄だと思うんですよ。</p> <p>中学生の主人公があるときから、自分が幼い時、初めて恋した女の子の幻覚が見えるようになる、それだけではなく、同じ男性が初恋した女の子の幻覚まで見えるようになります。</p> <p>その幻覚は男性の欲望に合わせた姿をしており、さらに女の子本人の人格とは別の、幻覚自身の人格を持っています。主人公は、幻覚を「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%E9%CE%F8%A5%BE%A5%F3%A5%D3">初恋ゾンビ</a>」と名付けました。自分の初恋の人は一体どうなったのか?現実の初恋の人は、なんと男性であることがわかるのでした。いったい主人公の恋はどうなる? そしてこの幻覚はどうなる?</p> <p>この「初恋の幻覚が男性の欲望で出来ていて、しかも可変する」設定自体が、ある意味ではアニメートで物語を進めるのに合ってると思われます。ゾンビの設定も、すべてが可愛い女の子じゃないのも なので、アニメートに自信のあるスタジオであれば、生き生きと動かせると考えております。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/-vQ5SwncXrY?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe></p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/h_26_gR7Vs8?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=h_26_gR7Vs8">www.youtube.com</a></cite></p> <p>ぼくが想像したのは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WIT%20STUDIO">WIT STUDIO</a>や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BONES">BONES</a>のように、商業ラインの中でアニメートを追えるところであったり、現Pie in the sky所属のアニメーター、植草航さんのアニメ―ションです。キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターのフォーマットを描きながらも、アニメートの可能性を追うことができるスタジオやクリエイターが関わったものが、本作には合うのではないでしょうか。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BE%A5%F3%A5%D3%A5%E9%A5%F3%A5%C9">ゾンビランド</a>サガ』の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/MAPPA">MAPPA</a>みたいなのがよいのかもしれません。</p> <h3>作者・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%F6%CF%B2%A4%EA%A4%E7%A4%A6">峰浪りょう</a>さんの冷めた目線</h3> <p>さらにさかのぼって、作者の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%F6%CF%B2%A4%EA%A4%E7%A4%A6">峰浪りょう</a>さんの作風が「萌えやエロの見た目を良いと思いながら、本質的にはその欲望に対して冷たく見つめている」間合いがあるとおもいます。</p> <p>かつてウェブ上の青年マンガで連載していた『ヒメゴト。』では、その欲望について冷たい目線に満ちています。男性のふりをした女性、19歳を過ぎた女子がわざと制服を着て、中学生のふりをして売春をするなど、描いているモチーフ自体はどこか共通している。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%E9%CE%F8%A5%BE%A5%F3%A5%D3">初恋ゾンビ</a>』も萌えやエロで溢れながら、要所で欲望に冷めたシーンがありますからね。というより、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%E9%CE%F8%A5%BE%A5%F3%A5%D3">初恋ゾンビ</a>』というタイトル自体がそうかもしれません。</p> <p>こうした青年マンガと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AF%C7%AF%A5%DE%A5%F3%A5%AC">少年マンガ</a>でもあまり境目なく描き、ポップでありながらどこかで間合いを置くことや、さらに男性や女性の境界とか踏み越えたコメディとか、ある種、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%E2%B6%B6%CE%B1%C8%FE%BB%D2">高橋留美子</a>に近しい才覚があるのではないでしょうか。</p> <p>ぼくがなんとなく、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%E9%CE%F8%A5%BE%A5%F3%A5%D3">初恋ゾンビ</a>』がアニメートに向いたと考えるのは、設定だけではなくて、原作のキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターや萌えやエロに耽溺しすぎない距離感もあります。日本の商業アニメって、本当はアニメートはそこまで期待されておらず、アニメートを作りたいところって、商業アニメの欲望と少し距離があったりするんですよね。 </p> <p>また忘れるためにアニメが用意されます。培った技術とモードから見定めて、次回にお会いしましょう。</p> <p><a href="https://media.comicspace.jp/archives/12151"> 参考:峰浪りょうさんインタビュー</a></p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01D1Q4DMA/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="初恋ゾンビ(1) (少年サンデーコミックス)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51oaVrETZ3L._SL160_.jpg" alt="初恋ゾンビ(1) (少年サンデーコミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01D1Q4DMA/eabase887-22/">初恋ゾンビ(1) (少年サンデーコミックス)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%F6%CF%B2%A4%EA%A4%E7%A4%A6">峰浪りょう</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AE%B3%D8%B4%DB">小学館</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2016/04/15</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B01D1Q4DMA/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログ (2件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00C7Q5PDC/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="ヒメゴト?十九歳の制服?(1) (モバMAN)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Ye-xgSmbL._SL160_.jpg" alt="ヒメゴト?十九歳の制服?(1) (モバMAN)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00C7Q5PDC/eabase887-22/">ヒメゴト?十九歳の制服?(1) (モバMAN)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%F6%CF%B2%A4%EA%A4%E7%A4%A6">峰浪りょう</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AE%B3%D8%B4%DB">小学館</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2013/03/29</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B00C7Q5PDC/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログ (1件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 “日清PRアニメ”のモード:たぶん語られてない、広告アニメの最前線 hatenablog://entry/17680117127161953917 2019-05-24T19:30:00+09:00 2019-05-24T19:30:05+09:00 アオハルかよ ワンピース編 ロロノア・ゾロ編 視聴フル 賛否両論あった「アオハルかよ。」続編はなんとワンピース。誰もが知る原作を、青春2次創作する次の手になるほどな、と思わされました。 正直アニメートやデザインのクオリティは高い。原作の要素を隙なく詰め、考察させる手腕もぬかりない。楽しもうと思えばとても楽しめる。でもなにか引っかかる。いわば「原作を完璧にフォローし、批判を黙らせる力」を発揮しているといえます。 以前、電通が本格的にアニメーションで広告展開することを取り上げました。ここで語られているアニメの広告効果を、いまもっとも活用できているのが日清食品でしょう。つまりPRアニメ、日本最前線と… <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/QZFvnrrgeHc?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p><strong>アオハルかよ ワンピース編 <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%ED%A5%CE%A5%A2%A1%A6%A5%BE%A5%ED">ロロノア・ゾロ</a>編 視聴フル</strong></p> <p>賛否両論あった「アオハルかよ。」続編はなんとワンピース。誰もが知る原作を、青春2次創作する次の手になるほどな、と思わされました。</p> <p>正直アニメートやデザインのクオリティは高い。原作の要素を隙なく詰め、考察させる手腕もぬかりない。楽しもうと思えばとても楽しめる。でもなにか引っかかる。いわば「原作を完璧にフォローし、批判を黙らせる力」を発揮しているといえます。</p> <p>以前、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C5%C4%CC">電通</a>が本格的にアニメーションで広告展開することを取り上げました。ここで語られているアニメの広告効果を、いまもっとも活用できているのが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%C0%B6%BF%A9%C9%CA">日清食品</a>でしょう。つまりPRアニメ、日本最前線といっていい。今回はそんな<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%C0%B6%BF%A9%C9%CA">日清食品</a>PRアニメのまとめ書き散らしです。</p> <h3> ここのところの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%C0%B6%BF%A9%C9%CA">日清食品</a>PRアニメ</h3> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/DOacGGRLi64?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe></p> <p>おそらく日清アニメを企画する人たちは、すごくインターネットを見てますよね。アニメも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Vtuber">Vtuber</a>シーンもわりと追いかけていると思います。遠心力を生む、コアの客層として<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SNS">SNS</a>を使っているオタクを動員しようとするパワーが強いですから。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%B1%CC%EB">輝夜</a>月のCMなんて特にわかりやすいですよ。インターネットネタ寄せ集めってたまにありますけど、集めたころには賞味期限も過ぎていて寒いんですよね。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%B1%CC%EB">輝夜</a>月のキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターをよく見ているから出来た、闇鍋のPRアニメになっていると思います。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/cZIPTKyrL2U?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>がアニメの黒船、そして救いの手となるかも」と騒がれ、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Devilman%20Crybaby">Devilman Crybaby</a>』が第一弾として評価されたころには<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C1%A5%AD%A5%F3%A5%E9%A1%BC%A5%E1%A5%F3">チキンラーメン</a>でこれを作っているわけですからね。企画が想定している、客層の理解がそのレベルから始まっているわけですよ。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/q1IY4azJF1U?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p>カレーメシではもっと露骨な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UHF%A5%A2%A5%CB%A5%E1">UHFアニメ</a>のデザインを持ってきています。こちらは「アオハルかよ。」と真逆。リゼロのキャラデザさんを持ってきて、意図的に世界観を感じさせないようにめちゃくちゃにする路線です。ぼくが評価してしまいそうになる路線ですね。過去に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/AC%C9%F4">AC部</a>を起用していたこともありますし、カオスにしていく方針でやっております。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%F3%A5%C7%A5%EC%A5%E9%A5%AC%A1%BC%A5%EB%A5%BA">シンデレラガールズ</a>ともコラボもしていましたよね。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/HHySQSN9xIA?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p>ちょっと違うかもしれませんが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%BF%A4%C4%A4%AD">たつき</a>監督とコラボするのも、場外乱闘も含めてシーンを追っている証拠ですよね。過去に「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B1%A4%E2%A4%CE%A5%D5%A5%EC%A5%F3%A5%BA">けものフレンズ</a>」でコラボしたけど、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B1%A4%E2%A4%CE%A5%D5%A5%EC%A5%F3%A5%BA">けものフレンズ</a>2」ではやらない。「ケムリクサ」とコラボする。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%BF%A4%C4%A4%AD">たつき</a>監督サイドを選んだわけですから、降板に至る一連の流れを見てのことです。このあたり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%C0%B6%BF%A9%C9%CA">日清食品</a>の企画サイドは外さないようにしてるなと思いますよ。</p> <h3>企画、客層、そしてクオリティがどれも強すぎる</h3> <p>一連のアニメーションは企画力、想定している客層、そしてなによりクオリティの全てがマッチしてるんですよ。こうして並べると、すごくいいシーズンのアニメのラインナップみたいな強度があります。</p> <p>優れたタイトルから、クリエイターのバリューが上がることがありますよね。なんだかんだで「アオハルかよ。」で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%A6%C7%B7%C6%E2%B1%D1%BA%F6">窪之内英策</a>さん(窪ノ内氏も<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SNS">SNS</a>のイラストアップから、次のキャリアをつくっていった方ですね)の価値が上がり、『キャロル&チューズデイ』のキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターデザインにまでつながっていますし。</p> <p>企画内部に、死ぬこと以外はかすり傷と<span style="color: #222222; font-family: sans-serif; font-size: 15.104px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: left; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">悪意とこだわりの演出術を足して割ったような、20代から30代くらいの名もしれない人がいるわけです。たぶん。どこかのメディアでインタビュー取れないかなとも思いますよ。</span></p> <h3>広告代理店がアニメを作るとき</h3> <p>日清のケースを観ていると、インターネットもアニメも消化していった若い層が企画に入ってきていると思われます。バズの狙い方、高いクオリティの追求、さらに作品世界を掘り下げる、考察も含んだ観方もできるようにしています。</p> <p>深夜アニメを観て、考察と感想をシェアして消費する構図をPRアニメに導入できているのは、おそらく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%C0%B6%BF%A9%C9%CA">日清食品</a>のみ。おそらく広告とアニメの完成形といえるでしょう。マルイのPRアニメから、地方PRアニメまで、客層を絞り切れておらず、深夜アニメ主流のデザインとは離れているんですよね。</p> <p>今後、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C5%C4%CC">電通</a>をはじめとする大手広告代理店が、深夜アニメオタクシーンを理解し、本格的に広告アニメーションに導入ときに何を思うでしょうか?「なにか引っかかるが黙らされる力」と思うか、なにか意味があると思うか、どちらでしょうか。</p> <p>ちなみにぼくは自炊派です。観たアニメは忘れましょう。でも培った企画力とコア客層へ目標定めるのはそのままに、次回にお会いしましょう。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07PVP6VRV/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="日清 カップヌードル 味噌 83g×20個" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51x7F5xtF0L._SL160_.jpg" alt="日清 カップヌードル 味噌 83g×20個" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07PVP6VRV/eabase887-22/">日清 カップヌードル 味噌 83g×20個</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%C0%B6%BF%A9%C9%CA">日清食品</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2019/04/01</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 食品&amp;飲料</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B07PVP6VRV/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01JO8B6QK/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="日清食品 日清カレーメシ ビーフ 107g×6個" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51C-Wi2MWGL._SL160_.jpg" alt="日清食品 日清カレーメシ ビーフ 107g×6個" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01JO8B6QK/eabase887-22/">日清食品 日清カレーメシ ビーフ 107g×6個</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%C0%B6%BF%A9%C9%CA">日清食品</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2016/08/29</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 食品&amp;飲料</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B01JO8B6QK/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログ (1件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003CC1TEO/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="日清 焼そばU.F.O. 128g×12個" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51AcmymAJ5L._SL160_.jpg" alt="日清 焼そばU.F.O. 128g×12個" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003CC1TEO/eabase887-22/">日清 焼そばU.F.O. 128g×12個</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%C0%B6%BF%A9%C9%CA">日清食品</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 食品&amp;飲料</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">クリック</span>: 17回</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B003CC1TEO/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログ (3件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 『あしたのジョー2』その後…… hatenablog://entry/17680117127128143042 2019-05-10T23:34:13+09:00 2019-06-14T23:04:18+09:00 あしたのジョー2 全話フル エロネタのあとにこれはないだろうという文です <p><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A2%A4%B7%A4%BF%A4%CE%A5%B8%A5%E7%A1%BC">あしたのジョー</a>2 全話フル</strong></p> <p>エロネタのあとにこれはないだろうという文です</p> <h3>70年代の終わりから</h3> <p>仕事の合間に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>で『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A2%A4%B7%A4%BF%A4%CE%A5%B8%A5%E7%A1%BC">あしたのジョー</a>2』を観ながら、このアニメが原作とは違った価値を持ちえたことに気づく。監督を務めた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%D0%BA%EA%C5%FD">出崎統</a>の演出はもちろんながら、1973年の原作終了から、1980年の『ジョー2』アニメ化までの長い時間経過により、「あのムーブメントはなんだったのだろうか」と再考している姿勢も一因にあるだろう。 </p> <p>原作が、かつての時代と呼応したものだったとよく言われる。たとえば<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%FB%BB%B3%BD%A4%BB%CA">寺山修司</a>は「誰が力石を殺したか」という評でこう<a href="http://www.osk.3web.ne.jp/~nanten/syowa/text/rikiishi.html">語っている</a>。力石を「<strong>スー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A1%BC%A5%DE%A5%F3">パーマン</a>でも同時代の英雄でもなく、要するにスラムのゲリラだった<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%F0%BF%E1%BE%E6">矢吹丈</a>の描いた仮想敵、幻想の体制権力だったのである</strong>」と見て、「<strong>力石は死んだのではなく、見失われたのであり、それは七〇年の時代感情の憎々しいまでの的確な反映であるというほかはないだろう</strong>。」と</p> <p>では『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A2%A4%B7%A4%BF%A4%CE%A5%B8%A5%E7%A1%BC">あしたのジョー</a>2』はどうか? そこには終わりゆく70年代から、80年代に足を踏み入れた直後の時代感情があるように思う。出崎監督たちも、終わりゆく時代を意識していたのではないか。</p> <p>1980年代に放映された当時、すでに原作が終了してから7年も経過していた。すでに原作が象徴的なラストを知った状態からアニメにした、というだけではなく、時代的にも、70年代を象徴する出来事も次々と幕を閉じていったし、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A2%A4%B7%A4%BF%A4%CE%A5%B8%A5%E7%A1%BC">あしたのジョー</a>』も、先の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%FB%BB%B3%BD%A4%BB%CA">寺山修司</a>をはじめ、ひとつの時代として捉えた読みをされていたことも多い。</p> <p>読みを感じさせるのが、ジョーの存在を他のキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターに見つめさせるシークエンスからだ。たとえばオリジナルキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターのひとり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EB%A5%DD%A5%E9%A5%A4%A5%BF%A1%BC">ルポライター</a>の<span style="color: #222222; font-family: sans-serif; font-size: 15.104px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">須賀清はその立場通り、ジョーというキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターを客観的に追いかけようとする立場だ。後半の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A5%BB%A1%A6%A5%E1%A5%F3%A5%C9%A1%BC%A5%B5">ホセ・メンドーサ</a>戦の前に、少年院時代の仲間たちが集まるシーンで「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%F0%BF%E1%BE%E6">矢吹丈</a>はずっとあのころのままで、僕らの青春がそのままでいるようなんです。」というセリフは、そのまま当時の制作者にとってのジョーの解釈だ。</span></p> <p>あの結末を踏まえているからか、ジョーをはじめ、登場人物も全体的に大人びて描かれている。とくに林紀子や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%F2%CC%DA%CD%D5%BB%D2">白木葉子</a>だ。両ヒロインはシビアな現実を象徴する側と、日常のなかで恋愛に繋がる存在だと対照的に描かれているけれど、結末へ向かうにつれてその立場が逆転することが印象深い。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A2%A4%B7%A4%BF%A4%CE%A5%B8%A5%E7%A1%BC">あしたのジョー</a>2』ではよりビターだ。</p> <p>ジョーと闘った人間が次々と廃人になったり、オリジナルキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターであるレオン・スマイリーが敗戦後に事故死したり、全体を通して不吉な影が差し込まれる。これも結末を知っているからこその解釈なのだろう。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A5%BB%A1%A6%A5%E1%A5%F3%A5%C9%A1%BC%A5%B5">ホセ・メンドーサ</a>戦に入ると、出崎監督たちの解釈はよりドライブしてゆく。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%F0%BF%E1%BE%E6">矢吹丈</a>が孤児院出身で、そこから逃げだし、ずっと荒野へ向かう人間であるというオリジナルストーリーは、やがてホセとの試合のなかで、都市を背景にした荒野のなかでジョーがどこかへ向かう心象風景に繋がってゆく。「ジョーとは何者だったのだろうか」それは須賀や少年院の仲間たちを通して、出崎監督たちが導いた答えのようだ。</p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A2%A4%B7%A4%BF%A4%CE%A5%B8%A5%E7%A1%BC">あしたのジョー</a>2』では、ジョーが生命を燃焼させるように闘うことで、時代から去り行く姿を描いている。1980年から1年間の放送で、終わりゆく70年代を、アニメではジョーの焦燥感に重ね合わせていたと思う。</p> <h3>80年代を遠く過ぎて</h3> <p>80年代は間違いなく何かが区切られた時代だった。そこでも『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A2%A4%B7%A4%BF%A4%CE%A5%B8%A5%E7%A1%BC">あしたのジョー</a>』は終わらない。しかし、そこにあったのは物語の新しい解釈ではなかった。強力な登場人物の存在や、ネームバリューを利用した、広告やエクストリームなリメイクだった。</p> <p>キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターとは一次創作からメディアミックス、二次創作に至るまでコマーシャルに転用しやすい強力なものだ。だが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%F3%BC%A1%CD%F8%CD%D1">二次利用</a>されるとき、一次が孕んでいた時代性や物語を平然と剥ぎ取っていく。80年代を過ぎてから、物語剥ぎともいえる流れは今もって続いている。(最近びっくりしたのが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%F3%A5%D1%A5%F3%A5%DE%A5%F3">アンパンマン</a>の蒸しパンを買ったら、パンのひとつに、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%D0%A4%A4%A4%AD%A4%F3%A4%DE%A4%F3">ばいきんまん</a>が平然とプリントされていた。キャラを使う側は、キャッチーで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A2%A4%EA%A4%B5">ありさ</a>えすれば、キャラが元々どういう存在かはどうでもいいのだと思った)</p> <p>強力なキャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターが生命保険や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%C3%A5%C4%A5%B3%A1%BC%A5%E9">メッツコーラ</a>のCMに利用されたり、時代は周到に、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%E1%B8%B6%B0%EC%B5%B3">梶原一騎</a>が描いた文学性と、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%C1%A4%D0%A4%C6%A4%C4%A4%E4">ちばてつや</a>の生み出した登場人物の体温を奪っていった。80年代を過ぎてからのジョーとは、周到に物語と登場人物としての体温が奪われていった過程そのものである。</p> <p>物語をがらんどうにしたことがよく現れたのは、むしろ現代での映画化やリメイクだった。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%BE%CD%F8%CA%B8%C9%A7">曽利文彦</a>監督の『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A2%A4%B7%A4%BF%A4%CE%A5%B8%A5%E7%A1%BC">あしたのジョー</a>』は、なんとドヤ街を丸々CGにしてしまった。CGによる演出を主にする監督とはいえ、ここまで空虚にしてしまえる力が発揮された映画もない。(<a href="http://oushuandbeikoku.blog134.fc2.com/blog-entry-188.html">昔、書いたレビューがあった。</a>)</p> <p>日本では縮小したとはいえ、いまだってドヤ街はあるし、ジョーの出自となる、厳しい環境だっていくらでもある。だがその現実をまるまる覆い隠した。</p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%AC%A5%ED%A5%DC%A5%AF%A5%B9">メガロボクス</a>』の現実から遠ざかる姿勢も強い。いまドヤ街のような貧困地帯とは、ポストアポカリプスやSFを借りなければならない事情が悲惨だ。ボクシングのアニメート自体はパンチがヒットした瞬間などかなり頑張っているものの、原作本体の物語を周到に回避していく態度のなかに、80年代から何十年もかけて物語を剥いできた現実がある。</p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A2%A4%B7%A4%BF%A4%CE%A5%B8%A5%E7%A1%BC">あしたのジョー</a>2』 は80年代に折り返す間際を美しく捉えた作品だが、自分が現実に目にしてきたのはその後だった。40年近くに渡って、ある現実を回避していく態度で無化していくことのほうに、ずっと考えるべきものがある。</p> <p>保険やラーメンのCM、CGで描かれたドヤ街、未来世界の下層地帯として描かれた世界を目にした後で、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A2%A4%B7%A4%BF%A4%CE%A5%B8%A5%E7%A1%BC">あしたのジョー</a>2』の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A5%BB%A1%A6%A5%E1%A5%F3%A5%C9%A1%BC%A5%B5">ホセ・メンドーサ</a>戦で、屹立するビル街を遠くに見据え、廃墟のようになった街から去っていこうとするジョー、というシークエンスを観ると、なにが過ぎ去っていったのかをより強く感じるのだ。</p> <p>ぼくが「観たアニメは忘れましょう」と言うまでもなく、現実は過去の作品で何が物語られていたかを忘れていくし、技術は培われても、物語が培われないことを思い知らされる。よくできた物語に次回などなく、二度と出会うこともできない。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309408036/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="新・書を捨てよ、町へ出よう (河出文庫)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Lrhz49abL._SL160_.jpg" alt="新・書を捨てよ、町へ出よう (河出文庫)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309408036/eabase887-22/">新・書を捨てよ、町へ出よう (河出文庫)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%FB%BB%B3%BD%A4%BB%CA">寺山修司</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%CF%BD%D0%BD%F1%CB%BC%BF%B7%BC%D2">河出書房新社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2006/07/05</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 文庫</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4309408036/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログ (4件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 アニメファン7兆1億人が選んだ“平成のアニメ”第一位『洗い屋さん』 hatenablog://entry/17680117127054605121 2019-04-22T22:01:57+09:00 2019-04-22T22:01:57+09:00 洗い屋さん 視聴してしまった エロ系を3連続で書いていると、心から自分があほになった気がしてきます。風呂が舞台……洗い……そこから導き出される答えとは何でしょうか……コミックフェスタ系アニメはもはや隠すことさえしなくなりました。あっ、主人公の男子が洗うほうだからいいのでしょうか。何がでしょうか? <p><img src="https://secure-dcdn.cdn.nimg.jp/nicochannel/material/design/3975081/main.png" /></p> <p><strong>洗い屋さん 視聴してしまった</strong></p> <p>エロ系を3連続で書いていると、心から自分があほになった気がしてきます。風呂が舞台……洗い……そこから導き出される答えとは何でしょうか……コミックフェスタ系アニメはもはや隠すことさえしなくなりました。あっ、主人公の男子が洗うほうだからいいのでしょうか。何がでしょうか?</p> <h3>歓楽街の客引き</h3> <p>ウェブサイトを巡るなかで、コミックフェスタ的なエロ広告にぶつかるということは、歓楽街で客引きに捕まることに似ています。『洗い屋さん』では絡み(といっていいのか)のシーンはカットされ、続きはソフト版で、とアナウンスします。閲覧までは無料。またとほほすぎる例えを思いつきましたが黙っておきます。</p> <p>それにしてもエロ系のアニメをよく見てほしいんですけど、作画枚数が異様なほど少ないんですよ。鷹の爪アニメの次くらいに。女の子の絵があれば持ってしまうから、ほぼ一枚絵をベースに成立させてしまう。優秀なアニメーターが結集してエロを作るということは無いんですよね。女の子(あるいは男の子)の一枚絵を数十枚ほど集めれば、アニメ―ションが成立してしまうのではないか、なんて思ってしまいます。</p> <h3>ある意味での可能性</h3> <p>笑いとエロのアニメを抽象化していくと、どこまで削りきってアニメーションは成立するのだろうという<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C1%A5%AD%A5%F3%A5%EC%A1%BC%A5%B9">チキンレース</a>をやっているようにも思えます。ある意味では日本の、(正規の意味の)リミテッドアニメーションならではの、アーティスティックな表現の可能性がある。しかし、現実には鷹の爪アニメや紙兎ロペ、そして洗い屋さんという世界です。このあたりの可能性を追うのはPie in the skyですが、他には<a href="https://kai-you.net/article/50791">アーティストの相磯桃花さんあたりがやってもらえればなと思います</a>。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/yy6aZAxdbVA?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=yy6aZAxdbVA">www.youtube.com</a></cite></p> <p>ちなみに、とほほエロ系3連続のあとに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%F6%B8%B6%CB%AE%C9%A7">幾原邦彦</a>&<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/MAPPA">MAPPA</a>の『さらざんまい』を観たら、あまりの傑作でどうかしそうになりました。幾原作品に漫然と漂う、俗な部分が浅草を舞台にすることで全開になり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/MAPPA">MAPPA</a>の作画と演出力が相まって極端なレベルに昇華されているのに驚きました。こちらは大まじめにやる予定なのでよろしくお願いしますね。</p> <p>ただ、次回もまたとほほエロ系です。哀しみを共にしていただければと思います。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01HI6I4I8/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/619Pg9LB8LL._SL160_.jpg" alt="さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01HI6I4I8/eabase887-22/">さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 永田カビ</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A1%BC%A5%B9%A5%C8%A1%A6%A5%D7%A5%EC%A5%B9">イースト・プレス</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2016/06/30</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B01HI6I4I8/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログ (4件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 女性が描いたエロは圧倒的に間合いが違う。男性が描いたのってまじで距離近い『なんでここに先生が!?』 hatenablog://entry/17680117127048223040 2019-04-18T18:53:41+09:00 2019-04-20T07:10:28+09:00 つらい気持ちになってきました。萌えとかエロって「おっちゃんが作っているものをおっちゃんが楽しんでいる」ってスラングがあるじゃないですか。ところがそうでもなくて、思っているよりも女性が作っていることが多いですよね。 統計を調べたわけでもなく、印象ですけど商業アニメ全体はなんといいますか、萌えでもエロでも女性的な、抑えられたデザインになっていると思います。しかし、当のエロから、もうもうとあふれ出てくることがあるのです。忘れていたはずの、おっちゃん臭さが…… <p><img src="https://secure-dcdn.cdn.nimg.jp/nicochannel/material/design/3976215/main.png" /></p> <p>つらい気持ちになってきました。萌えとかエロって「おっちゃんが作っているものをおっちゃんが楽しんでいる」って<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%E9%A5%F3%A5%B0">スラング</a>があるじゃないですか。ところがそうでもなくて、思っているよりも女性が作っていることが多いですよね。</p> <p>統計を調べたわけでもなく、印象ですけど商業アニメ全体はなんといいますか、萌えでもエロでも女性的な、抑えられたデザインになっていると思います。しかし、当のエロから、もうもうとあふれ出てくることがあるのです。忘れていたはずの、おっちゃん臭さが……</p> <h3>とほほ隠し処理、とほほ直喩</h3> <p>思いましたよ、『なんでここに先生が!?』でなんでこんなにおっちゃん臭を感じるんだろうと。原作は比較的ライトなエロなのに、どうしてアニメ版ではそう感じるのか?</p> <p>ひとつは局部隠しのトホホ加減かもしれません。「こら」って……これを言葉にするのは難しく、ニュアンスをわかってくれればありがたいのですが……妙に演出を汚く感じたうえ、(おそらく)ソフト版では解禁されますよって仕掛けも込みで、脳裏をよぎったのは「<a href="https://www.google.com/search?biw=1280&amp;bih=616&amp;tbm=isch&amp;sa=1&amp;ei=wAG4XJfPNq6zmAWk4LywAQ&amp;q=DVD%E9%91%91%E8%B3%9E%E3%80%80%E9%87%91%E5%A4%AA%E9%83%8E&amp;oq=DVD%E9%91%91%E8%B3%9E%E3%80%80%E9%87%91%E5%A4%AA%E9%83%8E&amp;gs_l=img.3...3427.5674..6314...0.0..0.85.972.13......1....1..gws-wiz-img.......35i39j0j0i24j0i5i30j0i4j0i4i24.QbsQU02ao4w">DVD鑑賞 サラリーマンの味方 金太郎</a>」でした。</p> <p>漫画原作ではとくになにも思わなかったホースの水まきの直喩も、アニメ版ではとてもひどく感じたのもなぜなのか?二又にわかれた水を、駅前のトイレに生えた黴のように感じさせたことは、逆説的に映像の力を感じさせます。</p> <h3>エロという境界からおっちゃんの世界観があふれ出す</h3> <p>『なんでここに先生が!?』はエロという境界から、ソフィスティケートされていると思い込んでいた商業アニメがおっちゃんの世界であるということをありありと思いださせます。そう、エロは稚拙で、おっちゃんの一方通行なところが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A2%A4%EA%A4%B5">ありさ</a>えすればいいのです。</p> <p>エロといったらAVですけども、あのパッケージのデザインのうわって来る感じ、基本的におっちゃんの世界観だからですよね。いまAV女優さんも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SNS">SNS</a>を複数やっているわけで、ちらっと見るとすごくおしゃれだったりする人が多いんですよ。それがあの手のパッケージとあまりにも世界観が遠すぎるなとしばしば思うのです。</p> <p>『なんでここに先生が!?』はしばらく女性作家さんが活躍し、おしゃれな方向性でもあった商業アニメで、まだまだおっちゃんの世界観が健在であることを思い知らされるのです。アニメフェスタでも<a href="https://netallica.yahoo.co.jp/news/20190328-99432524-naigai">そんな世界観を発揮していましたよね</a>。</p> <h3>平成も終わろうというのに</h3> <p>萌えまでは許容量で、いまではアートやデザインのレベルでも若手が消化しております。なのでアニメ全体はデザインのネタとしてもライフスタイルとしてもなじみ深いものになって、おっちゃんの世界観というのはなくなっていたように思いこんでいました。</p> <p>しかし『なんでここに先生が!?』の演出には、見えていなかったはずのおっちゃんの世界観が詰め込まれています。平成も終わろうというのに、今期エロ系が溢れかえっているのはまだまだおっちゃんの世界観が有効だからということなのかもしれません。エロまできっちりアートやデザインのレベルで(露悪的でなく)まとめられる未来は来るんでしょうか?</p> <p>余談ですが、インターネット上で「おっさん」といういい方は溢れすぎ、しかも軽蔑や切り捨ての気分があって非常に嫌なものがあるなあ、ということで、今回は関西方面でなじみ深い。おっちゃんという言い方で書いております。</p> <p>どうしょうもないけど、時代は変わるんだし話は聞いてくれよなって距離感で使えるマイルドな言葉なんですね。観たアニメは忘れましょう。でも培ったエロは本当に難しいと振り返りつつ、次回にお会いしましょう。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01MY0FRTE/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="なんでここに先生が!?(1) (ヤングマガジンコミックス)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/515aUMnia2L._SL160_.jpg" alt="なんでここに先生が!?(1) (ヤングマガジンコミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01MY0FRTE/eabase887-22/">なんでここに先生が!?(1) (ヤングマガジンコミックス)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 蘇募ロウ</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%D6%C3%CC%BC%D2">講談社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2017/01/06</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B01MY0FRTE/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログ (1件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 エロゲが衰退したのはラノベのせいではなく『女子かう生』のせい hatenablog://entry/17680117127031646414 2019-04-16T00:13:41+09:00 2019-04-16T00:13:41+09:00 女子かう生 視聴フル いまほとんどのアニメのクオリティは高く、リアリティレベルも高い作品ばかりです。広告アニメーションだってすごく質が高いですから。 20数年前を振り返ると、アニメはいまよりも放映のクールも多く、バンクを多用したり、作画枚数を少なくして対応していました。そんな省力だからこそ生まれる表現や演出のリズムってあって、今石洋之さんや大地丙太郎さんのアニメって意識的にやっていると考えているんですね。 いま「劇場版クオリティのアニメがふつうにTVでやっている」のがいいのか、「省力演出を再評価し、今のデザインとあわせる」ほうがいいのかと思う中、「女子かう生」はなんの悩みもない省力アニメで潔い… <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:EAbase887:20190415233937p:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/E/EAbase887/20190415/20190415233937.png" alt="f:id:EAbase887:20190415233937p:plain" /></p> <p><br /><br /></p> <p><strong>女子かう生 視聴フル</strong></p> <p> </p> <p>いまほとんどのアニメのクオリティは高く、リアリティレベルも高い作品ばかりです。広告アニメーションだってすごく質が高いですから。</p> <p>20数年前を振り返ると、アニメはいまよりも放映のクールも多く、バンクを多用したり、作画枚数を少なくして対応していました。そんな省力だからこそ生まれる表現や演出のリズムってあって、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%A3%C0%D0%CD%CE%C7%B7">今石洋之</a>さんや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%C3%CF%CA%BA%C2%C0%CF%BA">大地丙太郎</a>さんのアニメって意識的にやっていると考えているんですね。</p> <p>いま「劇場版クオリティのアニメがふつうにTVでやっている」のがいいのか、「省力演出を再評価し、今のデザインとあわせる」ほうがいいのかと思う中、「女子かう生」はなんの悩みもない省力アニメで潔いなあと思ったのでした。</p> <h3>凄く可能性のある原作</h3> <p>原作はすごいんですよ。「一切のセリフのない高校生の女の子の漫画」という、実験しどころも演出しどころも莫大にある素材なんです。ですが、地味な省力でほどほどのエロで押さえてたパッケージで終わっているあたり、物悲しいですよ。</p> <p>ここに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%C3%CF%CA%BA%C2%C0%CF%BA">大地丙太郎</a>が、あるいはシャフトが演出したとしたら、あるいは実質<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%D7%A5%C6%A5%D4%A5%D4%A5%C3%A5%AF">ポプテピピック</a>のアニメ化ばかり作る<a href="https://pieinthesky.jp/">Pie in the sky</a>(「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%E2%CB%A1%BE%AF%BD%F7">魔法少女</a>くるみ」や「あはれ!名作くん」の制作会社)が関わったとしたら、なんて思いました。</p> <h3>2019年春のエロラインナップ</h3> <p>一方でみんな大好きと思われながら、本心では引いているエロ枠のひとつっぽいですね。「なんでここに先生が」とか。</p> <p>いろいろ疑問あるんですが、「エロはクオリティがほどほどに低いほうがよい」というのはあるのでしょうか?あまりセンスもなく、省力してるほうが反応しやすいとかなんとか。ふと考えたのですが、おおまじめにセックスとか描写するのに、高レベルなアニメーター、演出家を結集したエロアニメってあるんでしょうか。知らないだけ?</p> <p>次回<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AB%A4%E9%A4%B7">からし</a>ばらく春のモードのエロ枠編です……みんなあきれながらよろしくお願いしますね!観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。</p> <p>  </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575843881/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="女子かう生(1) (アクションコミックス)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Bqsb3q-4L._SL160_.jpg" alt="女子かう生(1) (アクションコミックス)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575843881/eabase887-22/">女子かう生(1) (アクションコミックス)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 若井ケン</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%D0%CD%D5%BC%D2">双葉社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2014/04/10</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> コミック</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4575843881/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログ (20件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887 『キャロル&チューズデイ』ってどんなアニメ?“信じられる世界問題”ってなに?調べてみました! hatenablog://entry/17680117127021548800 2019-04-12T06:32:56+09:00 2019-04-12T06:34:08+09:00 キャロル&チューズデイ 視聴フル 本作を観ると商業アニメは水準が高いことが当たり前で、そこから外れるアニメが目立つ現象に加担してるとすら思ってしまいますね。どのアニメも、絵のクオリティが高いから「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない」みたいなのがやたら目立ってしまうし、逆にアニメ版「ポプテピピック」が作中でAC部を使うことが目立つみたいな。 優れたスタジオは京アニシャフト、トリガー、WITに続いてP.Aや動画工房とうるさい当書き散らしですが、ボンズも最前線のひとつだと言えるでしょう。むしろ商業のバランスと、試したいアニメート、デザインのバランスを考えればA-1やJ.Cの保守性と京アニシャフトの先進… <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/CBak9m0bcB0?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p><strong>キャロル&チューズデイ 視聴フル</strong></p> <p>本作を観ると商業アニメは水準が高いことが当たり前で、そこから外れるアニメが目立つ現象に加担してるとすら思ってしまいますね。どのアニメも、絵のクオリティが高いから「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない」みたいなのがやたら目立ってしまうし、逆にアニメ版「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%D7%A5%C6%A5%D4%A5%D4%A5%C3%A5%AF">ポプテピピック</a>」が作中で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/AC%C9%F4">AC部</a>を使うことが目立つみたいな。</p> <p>優れたスタジオは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%FE%A5%A2%A5%CB">京アニ</a>シャフト、トリガー、WITに続いてP.Aや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B0%B2%E8%B9%A9%CB%BC">動画工房</a>とうるさい当書き散らしですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DC%A5%F3%A5%BA">ボンズ</a>も最前線のひとつだと言えるでしょう。むしろ商業のバランスと、試したいアニメート、デザインのバランスを考えればA-1やJ.Cの保守性と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%FE%A5%A2%A5%CB">京アニ</a>シャフトの先進性の中間にある、唯一のスタジオといっていいです。しかしですね……</p> <h3>火星の世界を体感させる美術</h3> <p>まず『キャロル&チューズデイ』は<a href="https://twitter.com/thomasintokyo?lang=ja">ロマン・トマ</a>さんとブリュネ・スタニスラスさんの作り上げた世界観をすんなりと感じられるレイアウトがすごい。人物のバストショットや顔のアップで画面を埋め、セリフで進めるということをせず、どのカットにも彼らの描く都市や環境が背後に見えるようにレイアウトされております。</p> <p>いっそ、細かい世界設定で構成された<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%EC%A1%BC%A5%C9%A5%E9%A5%F3%A5%CA%A1%BC">ブレードランナー</a>みたいなシリーズを作ったらな、とさえ思えるくらいです。って、監督の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%CF%CA%D5%BF%AE%B0%EC%CF%BA">渡辺信一郎</a>さんは『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%EC%A1%BC%A5%C9%A5%E9%A5%F3%A5%CA%A1%BC">ブレードランナー</a>』のアニメも作っていましたね……</p> <h3>信じられる世界か問題</h3> <p>一方でアニメのクオリティが上がりながら、それが“信じられる世界かどうか問題”をけっこうな人が感じているのではないでしょうか?こんなに絵的にすごいけど……みたいな。</p> <p>信じられる世界か問題ってなにか?キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターやストーリーの流れ、世界観のロジックを含めて、観客が感情移入出来て、 観客はキャラ、ストーリー、世界観のいずれかに破綻をきたしていると、その作品の世界を信じられる世界とは思わなくなるんですよ。</p> <p>これも観客ごとに違っているわけです。キャラになんの魅力もなくても世界観に筋が通っていれば、信じられる世界として観れる人もいます。逆に世界観がおかしくても、キャラの性格や行動原理が通っており、そしてもちろん見た目が良ければ信じられる世界として受け入れられる観客もいる。</p> <h3>精微な絵と信じられる世界について</h3> <p>オタク向け商業コンテンツはキャラを優先させた市場です。圧倒的だから、作家的な監督ほどそれ以外で信じられる世界を作ろうとしたがる。しかし、いばらの道なんですよ。</p> <p>近年の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%CF%CA%D5%BF%AE%B0%EC%CF%BA">渡辺信一郎</a>さんの作品で、たとえば『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%C4%B6%C1%A4%CE%A5%C6%A5%ED%A5%EB">残響のテロル</a>』を思い出すと、回を重ねるにつれてどうしようもないストーリーが展開されたうえ、世界観を信じるとかどうでもいいじゃないかと言えるくらいのリズムのよさで進めることもなかったのでした。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/ijzTHrcbjLc?feature=oembed" width="480" height="270" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p><span style="font-size: 80%;"><strong>渡辺監督によるMocky氏の起用は、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%EC%A5%AF%A5%C8%A5%ED%A5%CB%A5%AB">エレクトロニカ</a>とアコースティックを組み合わせた作風が</strong></span><span style="font-size: 80%;"><strong>SFらしい背景にシンガーソングライターたちが活躍するという、本作の世界観に近いためもあると思われる。</strong></span></p> <p>ぼくは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%DE%A5%F3%A1%A6%A5%C8%A5%DE">ロマン・トマ</a>さんらの世界観を重視した絵と、<a href="https://www-shibuya.jp/schedule/009847.php">Mockyさんの音楽</a>によって、まずは『キャロル&チューズデイ』を信じられる世界として観ることができます。だけど回を重ねるにつれ、ストーリーや、キャ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%AF">ラク</a>ターに破綻をきたしたとすれば、ぼくでも信じられる世界として見続けることが難しくなるのかもしれません。</p> <p>いかがでしょうか?絵のクオリティがここまで増しながら、なかなか信じられる世界を構築することは難しいかも、ということを思わせます。観たアニメは忘れましょう。そして培った技術もモードも投げ捨てて、次回にお会いしましょう。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/489610949X/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="LOST IN ANIME ロマン・トマ DESIGN WORKS" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61r3mG-il2L._SL160_.jpg" alt="LOST IN ANIME ロマン・トマ DESIGN WORKS" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/489610949X/eabase887-22/">LOST IN ANIME ロマン・トマ DESIGN WORKS</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> メディアパル</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2015/07/31</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 大型本</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/489610949X/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00XXM1LZU/eabase887-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="KEY CHANGE ( Deluxe edition )" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61Io0yUZP5L._SL160_.jpg" alt="KEY CHANGE ( Deluxe edition )" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00XXM1LZU/eabase887-22/">KEY CHANGE ( Deluxe edition )</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">アーティスト:</span> MOCKY</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> wind bell</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2015/06/22</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> CD</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B00XXM1LZU/eabase887-22" target="_blank">この商品を含むブログ (1件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> EAbase887