中高生のガキやらを中核に髪の毛を原色わけ・シルエットを極端に分けるみたいなUHFアニメの基本ライン、それはキッチュなものです。
商業アニメーションの美みたいなもんを書き散らすにこのキッチュの取扱いをどうするか?みたいなとこを観ていて、京アニシャフトトリガーと上のレイヤーのアート・デザイン能力からキッチュ取扱いしてるものを取り上げてましたが、今はどうか?みたいな。まあアクションとかホラーみたいなジャンル映画の構造のままに、その基本構造をいかに真新しい何かに見せるかってことなんですが…
最近は「ローリングガールズ」とか脚本はまったくおもしろくないけど何か新たな段階に入っているのではないかなあと思っています。ということで気分はキッチュという感じの春のモード完結編です。
キッチュにキッチュの自覚なくそのまんまのデザイン
→「放課後のプレアデス」とかほとんどの作品
髪の毛原色分けで極端シルエットの構造のものにまじでまったく悩んでないのはあの辺の作品と思います。上のレイヤーから既存のキッチュさをどういじくり演出やデザインしなおすか?ってのを優れたスタジオが大なり小なり仕掛けてる一方で、既存のものをそつなく仕上げるってのではだるいものがあります。
ガイナックスはあれだけ過去の引用とかリバイバルとかリミックスが優れた作品作ってたのに、確かに主要な作家がいなくなってからまったく上のレイヤーからデザイン出来る才能が少なくなったのか?と思います。庵野・今石・鶴巻在籍時は本当にすごかったのだなあと思います。
キッチュがもっとも金銭の動く客層の太いところだから調節したり期待通りにする
→JCスタッフの紐のやつ、A-1の「なのは」とか
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一方でUHFアニメでもっとも金の動くだろう客層に合わせたデザインを行ってるのがこちらのコンサバティブのデザインを行ってるスタジオではないか?と思われます。
JCやA-1を観ると今現在の市場や客層がダイレクトに解釈できるデザインの限界、守りたい顧客が見える気がします。キッチュさで今客がまじで反応出来たり、客の年齢層あたりも暗に想像できなくない感じです。
キッチュの構造のままに美的にデザイン
→動画工房「プラスティックメモリーズ」またはシャフトなど
一方で髪色原色分け・極端なシルエット系統はそのままに、全体のレイアウトや演出を美的にしようとするなんて流れもあります。
動画工房「プラスティックメモリーズ」は基本、キッチュな構造なんですが全体のレイアウトやキャラクターへの明暗のグラデーションのデザインを綺麗に仕上げており、京アニが”まるでスマホカメラ越しで切り取った日常みたいな美しさをリアリスティックに”の路線と別の、キッチュのままに美的に印象付ける方向を取ってます。
そしてシャフトがこの辺のデザインの帝王のように振る舞っています。”キッチュのままに美的にする”という凝ったカット、グラフィックデザインを量産体制に仕上げたことが凄まじいと見ます。
キッチュの構造から離れるようにリアリスティックにデザイン しかし…
→京アニ「ユーフォニアム」
そういうUHFアニメの 構図に乗っ取りながらキッチュな部分をともかく潰そうとデザインしているのが近年の京アニではないでしょうか?けいおんあたりのころから登場キャラの色数も少なめてハイライトも抑えめにしたりと当時からキッチュな範囲から距離を置いた感じあり、実際商業アニメーションでもっともアカデミックなレベルで過去から現在に繋げるアニメートの技術蓄積があると見ますが、最近はシフトがうまくいってないかんじします。
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6年くらい前のけいおんからたまこあたりまで、「髪の毛原色分け、原色ばら撒き」みたいなキッチュさの取り扱いが優れたところだったんですが、ユーフォニアムは”客層も意識したキッチュなところも抑えていこう、でもキッチュを忘れるような日常情景や吹奏楽部にまつわるドラマも強化しよう”みたいな歪なことになっていてデザインがハマってない気がします。
キッチュに自覚的。それこそが日本の特殊さそのものてことで再デザイン
京アニあたりがUHFアニメの中核にあるキッチュさから離れるようなデザインをしながら、客層に合わせたキッチュの味付けしてることでなんだかだんだんダサくなっていってる一方でそろそろ当たりが来そうで来ないのが「海外に輸出いやいや間違った解釈込みで捉えられる日本文化」「ハイコンテクストで捉えられるアニメ漫画ゲームのデザイン」です。
「京騒戯画」「ガッチャマンクラウズ」「ローリングガールズ」、そして「ME!ME!ME!」「月影のトキオ」など日本アニメ(-ター)見本市などで観られるそれです。全部過度の情報量で成立しておりセルアニメと3DCGのデザインを意図して分離させて見せたり、
ということで春のキッチュ取扱いデザインベストは「キッチュに自覚的でそれこそが日本の特殊さいびつさ」を再デザインしてるベストはこの2つで!
SHOW BY ROCK!
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英語圏でも”kawaii"の日本語の概念がそのまま英語になっている昨今、海外展開も行うサンリオがソーシャルゲームアプリからUHFアニメまで日本の特異なそこに突っ込んできました。バンドネタ・アイドルネタ・デフォルメCGアニメ・ラーメン二郎、ベクターグラフィックスのフラッシュアニメに至るまでネオンサインがギラつく風景の中に多種多様にぶちこんだある意味日本のキッチュさの総合です。
ニンジャスレイヤーフロムアニメイション
サイバーパンク時代の間違った日本観を意図的に利用した原作にトリガーが行った奇策は、4:3サイズ&モノラル音声という80年代TVのリバイバルと言うだけではなく、日本商業アニメのキッチュ部分たる極端なリミテッドアニメのキッチュさを利用することでした。
一枚絵で動かしただけ、一枚絵の拡大だけの荒いアップカットなどなどが、間違った日本語の渦巻くネオンサインがきらめく街並みの中で蠢きます。また、全体的に4:3サイズによる奥行きを意図して感じさせないようなレイアウトなどなど、商業アニメーションの範囲でのローファイ根性も見ものです。
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春はでたらめニンジャとkawaii全部詰めの、日本のキッチュ再デザインのみ見所でした
日本の特色たるアニメマンガゲームのキッチュさをキッチュと認めたままに高いアート・デザインの視座から仕立て直す、が個人的にはいま一番可能性ある気します。「キッチュじゃないようにしたいんだ」で日常情景やる京アニはもうダサいことになっていってるのかもわかりません。
で、決着ついてない日本のアニメデザインはたまた日本カルチャー全部のキッチュをキッチュのままに美しく面白くデザインしなおして見せるみたいな、俗語クールジャパンのデザインをUHFアニメ側が静かに答え出そうとしてる感じがここのところ見受けられるように思いまして、こういうベストです。
ぶっちゃけSHOW BYもニンジャスレイヤーもデザインが中途半端なところがあるんですが、もう突込み過ぎると商業アニメの限界になっちまうのかなあとも思いました。ニンジャスレイヤーとかもっと俗悪に過去の海外アニメとか間違った日本語とかデザインできたのになあ女の子可愛くデザインして保険打ってんのかなあと。
観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、来季にお会いしましょう。お別れは日本のクリエイティビティのキッチュ部分を村上隆のアート・デザイン手法に影響受けまくって仕上げてるきゃりーぱみゅぱみゅチームのPV最新作「もんだいガール」で!シーユー!
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