17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

Netflix時代にあらためて意味を持つ「オリジナルビデオアニメ(OVA)80's テープがヘッドに絡む前に」書評

f:id:EAbase887:20180406144046j:plain

80年代再評価って2000年代に入ってから各所で行われ続け、現在に至るも続いています。そのなかでもOVAがあれだけ一時代を築いていながらも、なかなか体系的にまとめられたものを読む機会は少なかったりします。

「オリジナルビデオアニメ(OVA)80's テープがヘッドに絡む前に」はこうした書籍がまとめられるには80年代再評価の中でも意外に時間がかかったのではと思う一方、ちょうど今読むほうが凄く興味深い点が多いですね。というのも、これが意外に現在のNetflixオリジナルアニメ、またはとある音楽ジャンルに繋がる部分が多数見られるからです。

続きを読む

そもそもストーリーを不要とするのはものすごく技術いるよ

ãã¦ãå¨ ã¢ãã¡ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

ウマ娘 プリティーダービー』視聴8分

 

ストーリー不要」や「ストーリーは死んだ」話がやけに注目をあつめてますが、ストーリーを完全に不要として成立させることは意外にどこもやりきれていないのではないでしょうか。なに?キャラクター消費?そんな簡単にみんな消費してくれねえよ!流行にならねえよ!膨大な死屍累々があるって!「けいおん」「ラブライブ」みたいのって、あれはものすごく技術も戦略も総動員して当時のデザインと差別化図って今日のヒットになってるんですから。

続きを読む

新ブログ「スタジオシステムが灰に消えたあとの路上映画録」を立ち上げついでの、現在のアニメと現実がらみの余談

日本映画のインディペンデント系を中心としたブログ「スタジオシステムが灰に消えたあとの路上映画録」を立ち上げました。いい感じにガキのモードと兄弟的な感じになれればと思ってやっていきます。

 

SNSなどの評判を見るとアニメファンは日本映画との相性はけっこう悪い気がすると思っている一方、長らくTV放映でも劇場版を作家的な作品を見ていると、印象が逆転することは多いんですよね。すごく実写の日本映画的ではないかとおもうことは少なくはないです。2016年のヒットアニメ『君の名は。』や『この世界の片隅に』『聲の形』の作家たちのアニメみてると、少なくはなくそうしたエッセンスを感じます。そういうのもあって一回80年代以降の日本映画まとめてみたいな、ということで以下蛇足です。

続きを読む

【有料】『宇宙よりも遠い場所』が『この世界の片隅に』『きみの声をとどけたい』と連鎖する、静かな新しいスタイル

 

f:id:EAbase887:20180226044637p:plain

宇宙よりも遠い場所 8話までフル

 

「高校生の女の子が南極を目指す」あらすじだけみればとても地味な内容だし、プロモーション画像を見たってけっして派手なイメージではない。ところが実際には今シーズンで飛びぬけて完成度が高い。基本のデザインからレイアウト、アニメート、脚本のいずれも隙がない。(8話まで)

しかも今作が突然出来上がったデザインというわけではないでしょう。「ノーゲーム・ノーライフ」チームの作品ですが、どちらかというと同マッドハウスの昨年の劇場用映画「きみの声をとどけたい」そしてこちらはMAPPAですが「この世界の片隅に」とどこか繋がっているデザインではないでしょうか。そう、近年のマッドハウス系列から生み出されているこれは、静かに新しいスタイルとして確立されているのではないでしょうか。話は広がり、スタジオジブリの現代化の話にまで飛躍します。

今回はこの3作の持つスタイルがいかなる効果を発揮しているのか、源流はどこにあるのかのお話です。300円でよろしくお願いいたします。

 

オタクのライフスタイル系アニメの現在

f:id:EAbase887:20180217183830p:plain

僕は友達が少ない 1話~3話視聴&実写映画版フル

そういえばオタクのライフスタイルを綺麗に書いてる系アニメって最近はどうだっけ?Netflixでふと「僕は友達が少ない」のアニメ版&実写映画版をみながら思ったのでした。

続きを読む

男女ロボット搭乗をセックスに捉える先にあるもの『ダーリン・イン・フランキス』【有料】

f:id:EAbase887:20180203194541j:plain

これまでにロボットもの・特撮もので男女が共に乗り込むものや、男女が揃うことで巨人に変身するものが数多く放映されてきました。で、それらはもう一つ掘り下げるとやっぱりセクシャルな印象がありますよね。それらと比較すると『ダーリン・イン・フランキス』はうすうす感じられたそれを最も真剣に掘り下げてようとしていると思います。

 男女がいっしょになって搭乗、変身するっていうのはうすうすセクシャルな印象を受けなくもなかった。ところが『ダリフラ』ではまったく隠すことなくセックスそのものを題材にしていますよね。しかし、本作がロボットものである以上、いまのところ露骨すぎるし、どこか不快感あるのも否定できないながらも掘り下げればとさらに大きなテーマがあるのではないか。

 

今回はもう映像のモードとかそんな話はなく、これまでに日本で作られた男女搭乗ロボットものが掘り下げられただろう可能性を振り返りつつダリフラを見通すという、けっこうド直球のオタク話300円でよろしくお願いします。(購入後は定期的な追加、最終話鑑賞後のレビューを追加していく予定です。)

【主な内容】

・過去の特撮からアニメにおける男女同乗ネタとの比較 ・その中で『ダリフラ』がもっとも革新的なテーマ ・「男女同乗」として再評価する旧エヴァンゲリオン ・旧エヴァから継承したもの ・しかし革新性なテーマのせいで根本のテンポが悪くなることとは…