ソマリと森の神様 視聴11分
本編のキャラクターや大筋以上にすごく考え抜かれた色彩設計と美術設計に目を奪われます。原作と比較して、イラストレーションや絵本みたい画風を意識しており、観やすさを優先した設計ではないことは確かなんですよ。
続きを読むマギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 視聴15分
商業アニメでキャラクターやシナリオよりも、演出に特化したり、凝ったアニメートを見せたりすると、一部で観ているひとは嫌がったりしますよね。「作っている人のオナニーだ」なんて言ったりして。
こうした批判って、いくつか思うところがあります。観る人側からすれば、キャラクターやシナリオに凝った演出やアニメートが生かされておらず、観づらく感じたことをそう言ったりするわけですし、作る側からは観やすさとは違う方向から、脚本以上に絵作りによって伝えたいからというのがあるわけです。
たいていはクリエイティブと受け手はすれ違うのですが、ごくまれにマッチングすることがあります。それが『まどマギ』だったのではないでしょうか。
さて『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』は、すごく観やすく作られています。それが凝った演出やアニメートが特徴だった前作と比べ、ゆるくなったように見えるんですよね。
傑作となった続編が弛緩した印象で始まり、ファンが「だんだんと面白くなってくれるはずだ」と願いながら観続ける、名作に関係する作品を観るときの、あの感覚にあふれています。
続きを読む『あの日の心をとらえて』 視聴フル
ひさしぶりに1シーズンを書き散らそうと、2019年秋アニメ一覧を見て思うところがあります。もはや4,5年前に推していた京アニ、シャフト、そしてトリガーも劇場版寄りになり、UHFのシーンからはやや距離を置き、作風が方向を変えるかしており、WITやBONESといった野心的なスタジオも手堅い原作を取り扱っているな、と感じています。
加えてUHFアニメゆえの、ほとんど偶発的なミックスだけでできてる作品を観ることが少なくなりましたね。『ローリング☆ガールズ』みたいな作品がなかなか出てこないよな、と。
UHFがクリエイティブなシーンではそんなになくなってきてるのかも、と感じる中、サンライズ製作の『あの日の心をとらえて』を観ていると、いよいよこっち側にウェイトは移行しているんじゃないか、と思えます。
続きを読むシンクロニシティの話をしましょう。単なる偶然に何か意味があるのではないか?という考え方のことです。
今年は消防士が主人公、ないしはメインキャラクターである商業アニメが集中しました。『プロメア』、『炎炎ノ消防隊』そして『きみと、波にのれたら』ですね。
最初、アニメで消防士をやけに見かけることを気にしていなかったし、モチーフの連鎖についても、『炎炎ノ消防隊』の作者である大久保氏が、『プロメア』で題材や切り口が似通いすぎており、近い人物に構想を話してしまったことに後悔するコメントが話題になったくらいでした。
アニメに次々と消防士たちが現れ、それぞれの出火と鎮火に挑む姿に思うところはなかったのです。7月18日までは。
続きを読む荒ぶる季節の乙女どもよ。 視聴フル
記事のタイトルは「オナニーを描いたから」ではありませんよ。到達点とは過激な性描写ではなく、性について、まったくもってどうしたものか悩むアプローチを指しています。深夜アニメでありそうに見えて、多くはないテーマですからね。
長年アニメ業界で仕事しており、セクシュアルなものが、どれだけ商業で機能しているか知り尽くしているだろう岡田磨里さんが、原作と脚本なのも興味深いですね。昨年は劇場版アニメの監督を務め、独自のポジションを固めつつあるなか、本作がアニメ化された意味は大きいでしょう。
もともと原作を別冊少年マガジンで連載していたり、実質的に彼女のプロジェクトですよね。『荒ぶる季節の乙女どもよ。』はそんな岡田さんが中核となった、セクシュアリティがテーマとなったしたアニメとしてあるのでした。
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