17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

ディズニー、欧米から離れた舞台だと弱体化する説『モアナと伝説の海』レビュー

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 『モアナと伝説の海』は2010年の『塔の上のラプンツェル』から続く、3Dアニメーションルネサンスを迎えていると言っていいディズニーの中では、脚本の質が低いのが気にかかります。それはキャラクターの造形やコンセプトといったレベルまで含めた意味の脚本なんですが。

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劇場版でもアートでもなく、深夜アニメでしかできないデザインは何か?を実現したアニメベスト5

 ここの書き散らしもなんと3年になりますとのメールがはてなより届きました。第一回は正直ほんと偏見だけのひどいもんだったんですけども、まあちゃんと(10分以内だけで評価するくそ仕様はかわってないですけど)各シーズンを見ていきますと気づきは多かったですね。

  これを機にクラシックからアートアニメーション、アメリカのリミテッドアニメなども併走しつつ、深夜アニメを見てました。アカデミズムからサブカルチャー、アートからコマーシャルまで、広い範囲でアニメーションの表現がありますが、それらと比較して国内の深夜アニメだけが特化してる部分はあると思います。

 今回はその意味で、ここ3年間でもっとも優れていると思ったアニメベスト5です。先に書いとくと、エロとかバイオレンスとかバカ要素はちょびっとで「競女」とかまったくはいってないですすいません。

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『龍の歯医者』が桁外れなセンスオブワンダーを爆発させる、その理由

 

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 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。あの日本アニメ(ーター)見本市から長編化したデザインでこうきたかとおもいましたよ。短編の時は『ヱヴァンゲリヲン』のときとほとんど同じデザインで作った習作という印象が強かったんです。方法がヱヴァと同じなので、本作ならではの意味って感じられなかったんです。

 ところが今回長編では全く違うアプローチを取ったことで、本作ならではのオリジナリティの感じられる印象に変わっています。いい言葉が見つからないんですが、なんといいますかセンス・オブ・ワンダーを感じさせる方向に転換していて、そこに感激しましたね。

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動物化するポストモダン「けものフレンズ」東浩紀は正しかった…

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けものフレンズ  視聴■■分

 

 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。

 

 最初は「なんだかチープめなセルルック3DCGアニメがあるなあ」とスルーしていました。ふと気が付けばいくつかのアニメブログがいじりはじめました。ぼくは遠目に見ながら、ああ彼ららしいなあと思いやはりスルーしました。しばらくするとTwitterなどでさまざまな人たちが話題にしはじめ、「たーのしー」「フレンズなんだね」というネットミームがばらまかれました。ぼくはまいったなと思いながら、スルーしていました。それから少しするとWebメディアが、それなりに名のあるクリエイターまでもが、企業公式アカウントまでが話題に上げました。ぼくはそのたびにまいったなと思いましたが、やはりスルーしていました。そのうちに誰かがこの盛り上がりに対してで一つの評価を下しました。「これはカルトアニメになる」カルト。深夜アニメにおける顧客が想定しているカルトって…そう思った時には遅すぎました。

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キャラクタービジュアル優先のアニメデザインの、最高品質の形『テイルズオブゼスティリア ザ クロス』

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テイルズオブゼスティリア ザ クロス 視聴ちょい

 

 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。去年のシーズンから「ufotableについてはいっかい書く」とか言いながらずーっと先延ばしにしてましたんで、ようやくです。

 

 難しいアニメのデザインを上手くまとめてると思います。藤島康介いのまたむつみキャラデザインという、画風のデザイン方針も異なる二人のイラストレーターの作風をまとめ上げるって、ほんとはしんどいはずなんですよ。この二人が長年にわたりテイルズのキャラデザインを担当してきたのもあり、そして今回ゼスティリアではある程度ふたりがデザインの方針をあわせているのもある、と考えても、やっぱ画風の異なるイラストレ―タ―をまとめあげるアニメでのデザインってけっこう難色な印象あるんですよ。

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スタジオ4℃のリミテッドアニメは、今現在のセンスが露になる「戦隊ヒーロー スキヤキフォース」

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戦隊ヒーロー スキヤキフォース 視聴フル

 

またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。スタジオ4℃の短編リミテッドアニメってものすごい期待しますよ。リミテッドって作業量すくないでしょ、って思われますが、少ないゆえに一番実力が出ますもん。でもこれがどうなのかというと…

 

 気鋭のアニメ制作スタジオたる、4℃。ってイメージはなんとなく森本晃司がいたとか、長編もそうですけどCFやTV番組のオープニングの範囲で作画の良さを伝える傾向であるとか、ともあれ作画に力のある、おしゃれな切り口の実力者、アニメージュニュータイプよりも、クイックジャパンやCUTとかに特集されたいようなムードのアニメスタジオです。しかし、その実態は…

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アニメで“自転車”を描くことがどうやら全盛期に。なぜなのか

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またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。何年も前に最初のシリーズが放映されてたのにまともにかいてなかった「弱虫ペダル」なんですけど、本作を枕にアニメーション最大の労力を要求する題材である自転車をテーマとした作品が、なんでこんなにも連続して見られることはちょっと取り上げてみてもいいでしょう。

 

 

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