ブレイクブレイド 3話 視聴18分
漫画原作発のロボットネタには最初から合議制で作られることのない自由さに注目してしまいます。なのですが、ブレイクブレイドの内容でも今では漫画原作発じゃないとありえないのかなんて思ってしまいました。
ロボットネタは大雑把に見て
①玩具展開を見越した子供向けによるライン
②14-21歳のガキの世界観のメタファーとしてのライン
③現実の世界大戦などをモデルとした架空戦記のライン
に別れると思います。
①は昔の勇者王からレベルファイブのダンボール戦機などがそれに当たり、②がエヴァなどなどからキャプテン・アースで、③の比重が高いのがこのブレイクブレイドでしょうか。ちなみに初代ガンダムが①〜③をフォローしてる気がします。
いま玩具展開も大きくやることはなく、架空戦記というものの魅力は薄れてて、傍目には②のライン、14〜21歳あたりの世界観に集約されてる傾向あります。どうにもならない日常と非日常としてのメタファー。一転キャラの魅力のみに注力したポルノ。でもそれだったら新海京アニの日常モードの方がクリエイティビティ上でしょう。
ブレイクブレイドは今時ガキの世界観でもメタファーにもポルノにも転んでいない、③の架空戦記というのを頑張っています。ですが、新しくは思えないのが辛いところです。硬派な架空戦記というのも今やこうした経緯じゃないとロボネタアニメでは出辛くなっている現状もやや辛い所です。今ではオリジナルでのロボネタも一応架空戦記の体裁は取るのですが、基本②の観点でキャラクターの魅力(欲情)のためのAVにおける高校生のシチュエーションやOLのシチュエーションのような背景程度に収まります。
ロボットネタでは特に熱心でマニアックなファンは架空戦記寄りではないかと僕は勝手に思ってるんですが、そういうファンならば本作の特別優れている点は見えているのでしょうか?メカデザイン的にも、キャラデザイン的にも、世界観的にも僕にはウェルメイド(既製品)の印象ばかりを抱いてしまいます。兵器としてのロボに乗り、超常的な機能ではない戦争。この辺もボトムズだとかで通り過ぎた道のような気がします。80年代90年代の繰り返しとつくづく思わされますが、逆を言えば80年代90年代あたりがもっともロボットネタは豊穣だったのだなと思わされました。
評価鈍いのは僕があらゆる戦記ドラマに魅力を感じていないせいもあります。毎年大河ドラマが作られ、三国志の武将に感情移入する人が少なくないのを見るにいつの時代でも戦記という題材には魅力があるのはわかりますし、現実の歴史の戦記をモデルに架空戦記を書きたがるのもわからなくありません。いつの時代でも「三国志」も信長も反復され続けますし、この世界の歴史のなかのどこかで行われた戦記を反復するというのにも意味はあるのでしょう。
やっぱアニメの表現に注力して空気感や異質感にシフトしてる「シドニア」の方がまだ今に近いように感じ入っています。架空戦記化の元ネタもそろそろイラク戦争あたりキャサリンピグローの「ゼロ・ダーク・サーティ」などなど近現代戦争をモデルにするなりしてくんねーかなと思いつつ、観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。
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