17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

今季のアニメーションの1話だけを観て今のモード(形態の流行)を全て決める最悪のアニメレビュー

”鬱になると人はアイドルにハマる”説を映像化した「マクロスΔ(デルタ)」感想

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 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。

 

 マクロスFから8年、劇場版から4年と作中世界の時間経過もそれに合わせたという新作です。ケバくてダサめなサテライト作品ですが、本元のマクロスになればやはりデザインの切れは変わるのでした。が…世界観が変な感じになっております。

 これ「鬱になった時、人はアイドルにハマる」という俳優・ユースケ・サンタマリアや小説家・石田衣良とかタワレコの社長なんかが語っていた世界観じゃないでしょうか?

 

 

 8年後のアニメートはまんまあのヒット作の後追い

 

teenssexandwarmode.hatenablog.com

 

 

 マクロスFはやっぱ時間が経過するごとにもの凄い作品だったのだなという思いを新たにするのでした。だってあれ、もうUHFアニメの主要なジャンルのほとんどが固めてあるじゃないですか。

 

 「ラブライブ」と「うたのプリンスさま」と「アルドノアゼロ」あたりを全部ぶちこんだアニメなんてふつう狂気の沙汰です。いまならローリングガールズやSHOW BY ROCKみたいな日本独特の表現やコンテンツのカオス感を理解した上でデザインしなおすような方向になります。しかしマクロスFはそうではありませんでした。日本独特の~なんてコンテクストの再構成とかあんまない。マジのまま成立しています。

 

  

 さて時は流れ、マクロス△です。マクロスFから8年後の世界はこんな風に変わりました。彩度をおさえ、ギラついたハイライトを強調するようなケレンを抑えたデザイン。主人公の女の子の細やかな動きを基本にしながらも、突然らくがきっぽくラフに崩した表情や動きになるって面白さは…ん?観たことあるぞこれ…

 

 あっ!これ完全に京アニけいおん!」のデザインとアニメートじゃないですか。ほとんど唯ちゃんムーブです。それに乗っかると、かちかちしたアニメートの男の子のほうは「Free」っぽいかもです。

 

 マクロスFから一年後に、客層に向けたケレン味を抑えまくった京アニの大ヒット作は放映されたのでした。そこから7年後の今後追いかよ!と思いきや、現在の京アニのデザインが客層へのウケと作品性を両立させようとするあまり苦しくなってるのと比較すると、皮肉にも新鮮な感じかもしれません。

 

 

人は弱っていると、アイドルにハマるという 


 マクロスFから8年。ロボットネタ以上に日常ネタやアイドルネタの方面にて商業アニメーションのデザインは洗練されたと見ます。けいおんが流行り、 アイマスも本編もシンデレラの方もいずれも優れたデザインにまとめ、ラブライブは各種の流行を研究してデザインしてたと思います。そんな中でマクロス△の初見は、アイドルネタにしては地味な、安牌狙いのデザインであるかに見えます。

 

  しかし、一応架空戦記のロボットネタが主であり、純粋なアイドルネタではないがために、意外にも急所を突くようなノイズが含まれてしまっています。

 

 マクロスはアイドルの歌とドッグファイトが主で脚本はけっこうでたらめなんですが、さりげなく華やかな表現と対照的に無情な描写が割と挟まれます。アメリカ同時多発テロをモデルにしたと思われる爆撃の後の市民の描写や、ゴア描写で肉体の損傷を描き死体を見せつけるなどなど無情な描写も意外に数多く描かれます。

  

 マクロス△もマクロスFから裏の悲惨な描写を引き継ぐ形で、華やかな裏のエグめの描写の部分を継いでいます。ところがこれがどうみてもアイドルにハマることの暗黒部分に触れてるとしか思えないんですよね…

 

 それはなにかというと、けいおんラブライブアイマスでも徹底して省かれてきた、観客側の闇の部分。それはアイドルにハマる、ある精神状態のことです。ちょっとプロインタビュアーの吉田豪の発言を引っ張ってみましょう。

 

吉田豪(中略) これはよく言われるんですけど。人は弱ってくるとアイドルに走る傾向があるんですよ。アイドルに救いを求めるように。

赤江珠緒)そうですか。

吉田豪)そうなんですよ。アイドルブームでアイドルにハマっている人たちって結構そういう人たちが多くて。

たまむすびより吉田豪のユースケ・サンタマリアの話から

 マクロス△ではある奇病が蔓延しており、感染すれば正気を失い、自爆テロへといざなわれるようです。感染者はメインキャラと違い、極めてグロテスクに追いつめられた姿として描かれています。その奇病に侵された人間に対抗する存在がワルキューレと呼ばれるアイドルグループなのです。

 

 ところがそんなワルキューレが立ち向かうシークエンスはアイドル、またはアイドルアニメにハマる精神状態の裏の部分が描かれてるかに見えて仕方ありませんでした。

 

 アイドルの手によって、奇病に侵された人間が精神状態が正常化する姿、それはもしかしたらこうしたアイマスでもラブライブでも描かれない、鬱に陥った人がアイドルにハマっていくという陰の部分の映像化ではないでしょうか。

 

 それは鬱状態だったというユースケ・サンタマリアモーニング娘。を見た時の姿。それは一度倒れた時にふとモーニング娘。を観てはまったと言う作家・石田衣良の姿。それははてなブックマークでわざわざ穴のあるサイトを見て「これはひどい」「死ねばいいのに」というタグでいっぱいにしながら罵倒をし、花澤香菜を観るアカウントの姿。それはTwitterで終わりの無い批判に闘い、疲れ果てながら指原莉乃を推してた山本寛の姿。精神に影が差した時に鳴り響く音楽とはチルウェイブだとかドゥームメタルではなく「もぎゅっと“love”で接近中!」が爆音で流れているものかもしれません。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。