17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

「ブブキ・ブランキ」感想 急速にセルルックが発達していくことで明らかになる、手描きの価値

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ブブキ・ブランキ 視聴 曙vsボブ・サップⅡ試合時間くらい

 

 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。

 

 クラウドファンディングは御存じでしょうか。企画をネット上にて公開し、それを見た不特定多数の客からプロジェクトの制作資金を募るという方法です。現在ではビデオゲーム、アニメ、ファッション、アートなどなど様々なプロジェクトがそこで資金を調達しています。

 

 2014年にクラウドファンディングの中で最も利用されているKickstarterにて「Under the dog」というアニメ作品のプロジェクトが資金を募っていました、キャラクターデザイナーコザキユースケビデオゲームにて「428」や「タイムトラベラーズ」のデザインを行ったゲームクリエイターイシイジロウらが中心となっています。

 

 さて「ブブキ・ブランキ」なんですが、こちらも中心人物にコザキユースケイシイジロウらが関わっており、「under the dog」と何らかの関連があるのかなあと思いながらあんまよくわかってないんですが…とか書きながら「続きを読む」から全く別の話になります…

 

   普通に「よく出来た、リッチな今時の2D手描きアニメ」のように見えることが凄い。一昨年の「シドニア」はやはり違和感あったのだが逆にそれを弐瓶の原作の味わいにつなげてもいたし、「山賊のむすめローニャ」のときは宮崎駿のデザインとアニメートをまったく埋めきれていませんでした。いずれにせよ当時はまだセルルックアニメの稚拙な側面は目立っていたと思います。

 

teenssexandwarmode.hatenablog.com

 

 ところが日本アニメ(ーター)見本市の「世紀末いんぱくつ。」などなど、急速にセルルックにて現行の2D手描きの前線のデザインに近い作品が出てきてます。京アニの「ユーフォニアム」などのような極めて実写映画的な意識でリッチな画面作りをするタイプの作品に比肩します。

 

 コザキユースケのイラストのまま3DCGで立ち上げるってのはビデオゲームの方でいくつか前例があるのが関係あるのかはわかりません。しかし「ブブキ・ブランキ」はかなりのところリッチな2D手描きアニメを観てるときの気分と相違ないデザイン、そしてアニメートになっています。おそらく最終的なデジタルでの画面構成の仕上げに関しては、リッチな2Dの手描きのタイプとほとんど変わりないと思います。

 

 近年の写実的な背景描写、最終的な動画のクリンナップから色調調整やグラデーションによる仕上げの重なりによって、もともとの手描きの原画の良さは目減りしていくものだと思います。そこに過度なキャラクターデザインも加われば、画面がリッチになる一方で意外なくらい原画の魅力は落ちると見ます。

 

 セルルック3Dの台頭で「画面はリッチだけど手描き原画の魅力は半減」という完成系はどうなんでしょうか?サンジゲン&ポリゴンピクチュアズが推し進めてますが、今後さらに広まることがあれば多くのスタジオは今後方針変わったりするんでしょうか。京アニけいおん&日常あたりの手描きを生かしていた時期に戻ったりするとかあるのでしょうか?シャフトはそのままの気がします。トリガーは早い段階で「ユーフォニアム」や「ブブキ・ブランキ」みたいな現行のリッチな映像の完成系から距離を置いてると思います。

 

 個人的には現行のリッチな画面の完成系から手を引いた、あんまアレンジを掛けすぎない原画の魅力や手描きの痕跡をより生かす方向がもーちょい出ないかなとも思っています。まあでも最終的には2D手描き&セルルック3DCGミックスでリッチな画面を作る「ラクエンロジック」みたいな形で落ち着いていきそうな感じします。観たアニメは忘れましょう。でも培った2D手描きとアニメートはそのままに、次回にお会いしましょう。