17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

女の子たちの背は縮む 夏のモード一発目セーラームーンCrystal

Ads

f:id:EAbase887:20140705204332j:plain 

 

 さあ夏のモードです!皆様も前期に愛したキャラクターたちをすぐさま忘れ当然のように新しいキャラクターに乗り換える準備はできているでしょうか?恋愛のスタンスにおいてデータを例えに男性は名前を付けて保存するが女性は上書き保存である、と言われますが、間違いなくアニメ視聴者は上書き保存!

 

 ですがこの夏、唐突に上書き保存され続けたはずの遥か昔のモードのリメイク作品が現れました。どれくらい昔か?2クール、4クールだなんて昔じゃない、16クールもすればトレンド基準が変わる。ところがところがそれよりももっともっと昔です。なんと80クール昔でトレンド基準なんてもう何回変わったかというくらい昔の作品です。そう「セーラームーン」のリメイクです。

 

 先端の新海誠京アニ&シャフト、「ラブライブ」チームのデザインに慣れた目でも、ラノベアニメちょいダサ路線のA-1ピクチャーズやJCスタッフのデザインに慣れた目でも、武内直子東映アニメーションが生み出したデザインの隔世を感じざるを得ません。特に僕がビビったのはごく単純、「女の子の背が高い」ということです。

 

 うわぁーとか言ってしまうくらい頭身が高い、モデル体型が主人公たちです。この辺のジャンルを追ってる「プリキュア」とかちらっと見ても大体5,6頭身のデザインですし、そして現在の京アニや「ラブライブ」なんて眺めてもそんなくらいです。

 

 20年前の全然腰のくびれだとか足の長さを特徴にした、ファッションモデルやスーパーモデルデザインが美的として少女マンガで主要なデザインとなっており、少女マンガ単体ではいまでもそういう傾向はあると思います。

 

 しかしアニメ全体で見ればその時より80クールが経過した中、少年漫画も少女漫画もゴールデンのアニメも深夜のアニメもR18のデザインも何もかも混合、そこにデジタル製作化といった変貌などなどのなかで、女の子のキャラクターデザインはギラついて特徴あるそれよりかはフラットで地味目、等身大な感じになっていき、女の子たちの背は縮んだ?と感じます。なんか文脈外れてたらすんません・・・確かラブライブデザイン指向も「素人体型を意識して」とそんな感じです。

 

 女の子たちの背が縮んだ理由、適当な仮説はいくつか思い浮かびます。一つは、1クールのアニメによりバンクによる使いまわしはあまり行わず、新海京アニ的な精微な街並みや校舎による背景レイアウトときっちり一致したキャラデザインを心掛け、そしてしっかり演技させようとした結果です。これはスタジオジブリなどがそうだと思いますが背景と人物を一致させてしっかりアクションさせる・演技させる場合、必然的にモデル体型でなく、切り詰めた頭身になるのでは?

 

 と思いましたが反論は可能で川尻義昭の「バンパイアハンターD」などはどうなのだ、長身痩躯の体系の人間でしっかりアクションさせレイアウトも合わせようとしているものはたくさんある、といえます。

 

 2番目は自分で書きながらなんですが、あまり乗りにくい方向です。すなわち現実の女の子の美的トレンドの流れの関係。モデル体型の子から今のアイドル的な素人的なものがいいって流れ。でもこんなのも即反論可能で今でも女の子はモデル体型を美の目的に据えるしモデル的から素人ってのも完全に90年代jpopから今までのアーティスト変換のみを元にした最悪の印象論です。忘れてください。


  かようにトレンド変貌も多様にして複雑な要因があるものだから一つの理由に単純化しようとする意見は疑ってかかるべきですが、往年のセーラームーンのデザインと比較して今の女の子たちのデザインはおとなしく背が小さくなってるように感じます。かわりに、男の子の身長や体型は飛躍的に伸びている気がうっすらしてますがどうでしょう。


  リメイクとはいえ、観ながら90年代のアニメのトレンドの記憶がうわっ!てくらい脳裏をかすめ続けました。考えてみればエヴァでもまだ綾波やアスカの頭身は高目で痩躯であるし、ラブライブにはデブがいるというのも過去からすれば空前なのかもわかりません。


 最後に余談ですが、これは24〜30歳前後なら似たような人は多いかもしれませんが、小学校のころ男子がセーラームーン観てたなんてことがあろうもんなら小馬鹿にし合うことは確実であり、近い時間帯に放映していたスラムダンクのモノマネする一方でなにか地雷を探り合うことがありました。


 同級生に他人から実はセーラームーン観てる奴というのを誘導尋問で釣り出し小馬鹿にしまくるたちの悪いのがおりましたが、ほんとうにたちが悪く不条理なのは小馬鹿にする先達だったその男が成長して現在プリキュアに必死になっていることです。一体どういうことでしょうか?僕は動揺しました。彼はなんなんでしょうか?いやそもそもアニメ嫌がらせやってる僕もなんなんでしょうか?


  観たアニメは忘れましよう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。