17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

今季のアニメーションの1話だけを観て今のモード(形態の流行)を全て決める最悪のアニメレビュー

『デカダンス』と『GREAT PRETENDER』テレビとNetflix、ふたつの領域で展開される「オリジナルの作画アニメ」とは

 

TVアニメ「デカダンス」ティザーPV - YouTube

UHFアニメ デカダンス 視聴フル

UHFアニメにおけるオリジナルアニメとは、いまどのような意味があるのでしょうか? 作画? 世界観? キャラクター展開? 監督の作家性?

いずれにせよ、ブシロードが絡むアニメーションみたいなビジネス上の戦略とは別の、商業アニメーションが持つ美的な価値を追いたいのだと思います。『幼女戦記』など高い品質のアニメーションを制作したNUTのオリジナル作品『デカダンス』は、まさしく作画と世界観を見せたいアニメなのでしょう。

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『BNA』と『彼女、お借りします』/やはり身近に感じることでしか強く訴えかけられない

Netflixオリジナル

TVアニメ『BNA ビー・エヌ・エー』第1弾PV - YouTube

BNA 視聴フル

トリガーと中嶋かずきさんがNetflixオリジナルとして公開した最新作『BNA』は、『プロメア』以降、過去の日本TVアニメやサブカルチャーのサンプリングで作る方向から一歩進んだところでできていると思います。

それよりも、アニメーションの方向が明らかに『ズートピア』以降にあわせたものを作ろうとしてますね。脚本のお話しちゃうとここの書き散らしのコンセプトとずれるんですが、中嶋かずきさんは『プロメア』からひき続き、いまのテーマである人種のマイノリティ・マジョリティのアナロジーとして物語を作っているのは明白でしょう。

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『宇崎ちゃんは遊びたい』が灰色のカラートーンである意味。それから『FはファミリーのF』【有料】

TVアニメ「宇崎ちゃんは遊びたい!」公式サイト

宇崎ちゃんは遊びたい 視聴10分

本作は、昨年インターネットで紛糾した献血のプロモーション問題というバイアスがかかっている状態で観ていたなかで、なんとも言えなくなったのは確かです。今回はその理由や背景をまとめております。(書いた内容を読み返した結果、ペイウォールを立てたほうがいい内容だと判断しました。ひさしぶりの夏のモード1発目からこれですがご了承ください…) 


Netflixオリジナル

FはFamilyのFの魅力を解説!Netflixオリジナルアニメの感想は? | 大人 ...

『FはFamilyのF』シーズン4

さて今回から国内UHFアニメと対置して書く予定のNetflixオリジナルなんですが、対置するタイトルは模索中です。まずは観続けているタイトルをひとついきましょう。

Netflixの構図を単純化しますと、とりわけアメリカでは「全年齢向けのシーンで、毒を薄めながらシニカルなアニメーションを作っていた」作家が「大人向けの視聴者を対象に、よりシリアスなテーマのドラマを書く」という構図はあると思います。

本作もそうです。『シンプソンズ』の脚本家による、完全に大人向けへと踏み切ったアメリカのファミリーアニメシリーズです。人生の進路に苦闘する父親・フランク・マーフィーを主人公に、毎回、家族や職場で放たれるすさまじい怒鳴りあいや罵りあいを、リズミカルに演出しています。不快なはずの内容なのに、面白さへドライブしていく体験なんですね。

でもフランクはどうして家族や職場で延々と怒りを発散する父親になってしまったのか?

シーズン4では、フランクの父親にフォーカスがあたるわけです。フランクの父が自分に屈辱を与えることを続けたおかげで、フランクは家庭を持ったいまでも子供の頃の屈辱が消えていない。それが彼の怒りに繋がっている。

そこである日、老いた父が家庭にやってくる。フランクは怒りをぶつけるも、すでに父は落ち着いてしまい、子供の頃みたいなひどい性格は見られなかった。フランクの子供たちがなついているのを見て、フランクは憤りを隠せなくなる…という物語です。

いわば祖父母~親~子の世代間で起こる虐待の連鎖について、フランクの内面を通して描いているシーズンなんです。Netflixアメリカアニメの最高傑作は『ボージャック・ホースマン』であることは疑いようはないのですが、『FはFamilyのF』のドライブ感は凄く魅力あるのでおすすめですねー。

 

2020年夏シーズン開幕 今シーズンからUHFアニメとNetflixオリジナルを同時にかいてゆきます

しばらく忙しくてこちらの書き散らしをほっぽりだしていましたが、今回からまたゆっくり再開してゆきます……

すでに商業アニメーションシーンが分散しているなか、毎シーズンまともに書いていてもあんまり面白いことは起きてないので、今回からUHFアニメと対置する位置でNetflixオリジナルの話を書いていく形でやってゆきます。

ラインナップを振り返っていても分散を感じますよね。今期は再放送なども目立っており、NetflixオリジナルでリリースされたタイトルがあとでUHF系で放映されるタイトルもいくつかあるわけです。

なにやらえらいこと状況がかわっており、商業アニメーションにおける先端の変化ってどうなんでしょうねということでひとつ、2020年夏のモードをよろしくお願いします……。

悲劇は20年かけて浮かび上がる・原田浩監督作品『都市投影劇画 ホライズンブルー』

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『都市投影劇画 ホライズンブルー』

『ホライズンブルー』は2020年に観たことで、むしろ何が描かれているかがよくわかった。もし作中と同じ90年代に完成し、観ていたとしたら、きっと残酷な感想を抱いただろう。あの時代は人間が限界にある状況を「そういうものだ」と見切ったふうに、現実を浅はかに見ていたころだから。

原田浩監督は商業でも、ましてや短編アートアニメにもカテゴライズしきれない。映画の制作・配給・上映、そのすべてをほぼ一人で行い、社会から切り離された人々の見世物小屋へと変えてしまう。詳しくは2014年に書いた特集を読んでほしい。その時「2019年に完成が予定」となっていたのが『ホライズンブルー』だ。

『ホライズンブルー』は近藤ようこの漫画を原作としている。1990年代から制作が始まり、20年を超える年月をかけて完成した。シナリオの大筋はこうだ。母親となったばかりの春子が、自分の赤ちゃんに手をあげてしまう。だけどその理由を言葉にできない。春子の心に浮かび上がるのは、家族から目を向けられてこなかった自らの子供時代だった。

こうまで特集していたのに、去年2019年は仕事に忙殺されており、公開に気づかなかった。年が明けた2020年の1月、上映会が行われると聞いて慌てて見に行った。それが阿佐ヶ谷のネオ書房で行われた上映である。

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ネットのオタクをあまりわかってない広告アニメの凄さ

アニメーションムービー「未来への旅立ち」 視聴フル

「多くのマーケティング関係者の想像以上に、日本の若年層にとって、アニメは身近な存在です。」

「若年層にとってアニメはもはやサブカルチャーではなく、メジャーカルチャー」

「近年、日本製アニメ映画がグローバル市場でヒットしていることもあり、日本製アニメの海外人気はかつてないほどに高まっています」

以上は電通による、広告におけるアニメーションの価値をまとめた記事から抜粋したものです。そのとおり、いま広告アニメではシャフトから3DCGアニメの雄・オレンジなどが関わっていたり、『京騒戯画』や『血界戦線』の松本理恵や「ラブライブ」シリーズや『宝石の国』の京極夏彦などが監督しており、クリエイティブとして見るべき部分も大きくなっています。ざっくりと言えば、ネットのオタクをわかっているか否かが、このジャンルにはとてもよく現れるのです。

しかしそれができるのも、クリエイター以上に企画者側が「アニメがメジャーカルチャーである」世代で理解できているから、というのは確かでしょう。では漠然と「まあアニメは受けるみたいだからこれで……」とやった場合どうなるか?すごく奇妙な味わいが生まれます「続きから」にてアート引っ越しセンターのアニメをご覧ください。

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まあまあ豪華スタッフで北海道テレビをやる謎『from North Field』

 

 from North Field_episode1 視聴フル

朝ドラ『なつぞら』出演俳優が初の声優に抜擢、『ルパン三世PART5』ではアニメーションプロデューサーを務めた人物が初の監督、そして『天空のエスカフローネ』から『坂道のアポロン』までの錚々たるキャラクターデザインに関わったと喧伝しながら、ここまで派手さがない、地方テレビのCMらしいテンションを保ったPRアニメになることが逆に興味深いです。

ホクレンアニメーション「from North Field_episode1」(公式サイト)は それより続くということでしょうか。タイトルの日本語訳はほとんど『北の国から』になるんですが、まったく田中邦衛の要素はありません。

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