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葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

はりきった地方PRアニメのもたらす“奇妙さ”の沼「愛姫MEGOHIME 再会の滝桜」

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愛姫MEGOHIME 再会の滝桜 視聴フル

さて今回の広告アニメーションはなんでしょうか?福島県田村郡、三春町のPRアニメです。公式サイトを見ると本気が伝わってきますね。貞本義行がキャラクターデザイン監修、声優も東山奈央さん、下野紘さんをキャスティングするなど豪華なメンバーを揃えています。

しかしその世界観は奇妙。「あの……ソーシャルゲームみたいにスマホを取り出して闘っているのはどういうことなんでしょうか?」と謎になるばかり。このわけのわからなさにこそ地方PRアニメの面白さがある気がします。

 

前回の群馬・栃木のPRアニメや、秩父鉄道のアニメでは、まだ現実を舞台にした、温かみのある方向で作られていました。特別キャラクターを推すかたちでもなく、現実の生活を描くアニメーションなんて、いまの商業アニメーションではほとんど見られないので、PRアニメが落ち着いたアニメーションを見せるという意味はあるんですよ。

その一方で、やはり商業アニメーションならではの華やかさも欲しがってもいます地方創生アニメーションは地元の見所と、商業の華やかさに引き裂かれ、奇妙な世界観を見せることになるのでした。

 

特に、「アニメートとデザインを見せることを優先する」短編アニメーションのアプローチよりも、キャラクターとストーリーを重視している長編のアプローチでできている本作は、より混乱を招くのです。ちょっと以下のモデルと、アニメのあらすじを見比べてください。

愛姫とは
永禄11年(1568年)三春城(現在の城山公園)で女の子が誕生し、「愛」と名付けられました。「愛姫」の誕生です。愛姫は戦国大名である三春城主田村清顕公の娘で、天正7年(1579年)に数え年12歳で伊達家に嫁ぎ、伊達政宗正室となった人物です。愛姫は、米沢城の伊達政宗に嫁いだのち、時の政権と良好な関係を保つため、京都・大坂・江戸と遠方の地を転々とする人生を送ることとなります。
そのような折であっても、愛姫の気丈で繊細な振る舞いは、時の政権者からも一目置かれ、伊達家の正室として丁重な扱いを受け、独眼竜として戦国の世に名を馳せた政宗の生涯を支えたと言われています。まさに柔と剛を併せ持つ「武家の妻の鑑」と言える人物であったと考えられます。

 

愛姫MEGOHIMEの世界

舞台は、近未来20XX年の三春。現実と仮想が交差するGAME「IXA」。IXA では、戦国武将を模した学習型プログラムAI による国取合戦が行われていた。
戦国武将を模したAI たちは、Cyber Physical Social System-AI(サイバー フィジカル ソーシャルシステムAI)通称CPSS-AIと呼ばれ、閉じられたサイバー空間の戦国の世を生き続けていた…。

高校生の主人公「田村 愛(たむら あい)」は、独眼竜の名を駆る戦国武将「政宗MASAMUNE」を戦略パートナーに、CP-SSAIの「愛姫MEGOHIME」を操り、「IXA」東北エリア統一を目前としていた。
そのような中、「秀吉HIDEYOSHI」を戦略パートナーとする同級生のプレイヤー「ネネ」の策謀により、愛は「政宗MASAMUNE」の片眼を奪われ、トップランカーから脱落してしまう。はたして愛は、片目を奪い返し、東北エリア統一を図ることができるのか!?
「愛」と「愛姫MEGOHIME」の想いが交差し、桜の舞う三春の地に、新たな戦乱が巻き起こる!」

どうでしょうか?歴史ネタをでたらめに再解釈させる方向はある意味、30代以上の世代にとっては懐かしさすら感じませんか?ゲームの「天外魔境」とか、ヤマトタケル伝説を使ったロボットアニメ「ヤマトタケル」みたいなフレーバーに似ているではありませんか。

こんなあらすじなんですけど、本編はさっぱり歴史や神話を感じさせませんからね。むしろ「少女革命ウテナ」みたいなムードも感じます。歴史ネタSFが、蓋を開けばちょっぴりウテナ。どうでしょうか?わけがわかりませんよね。

もしあなたもそう思ったとしたら、おそらく落とし穴にはまっているのです。地方PRアニメが生み出す、独特の落とし穴に。「愛姫MEGOHIME 再会の滝桜」は、特に深い落とし穴になっています。「ちちぶでぶちち」よりも人を困惑させ、考え込ませる落とし穴に。観たアニメは忘れましょう。そして地方と都市部もそのままに、次回にお会いしましょう。

 

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