「
この美術部には問題がある! 視聴8分
またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。
いやあ…なかなか京アニフォームのデザインってフォロワーはそんなに出てきてないかもなともおもいました。要求される技術の水準けっこうなもんだからかもしれません。
意外に簡単なようでいてしんどい。原作が京アニフォロワーなのかなあとちょっと確認してみましたが、近いようでいてやっぱちょっと違いますね(「あの夏」や「心がッ叫びたがってるんだ」のキャラデザっぽい)。制作側のfeelがたぶん意識してると思います。
teenssexandwarmode.hatenablog.com
前も書いたんですが、「けいおん」から決まり始めたあの京アニ絵柄に辿り付くまでって考えてみたらいかに単純な欲望(こんな言葉使っちゃうと、大きくでた感じになりますね)から距離をとり、完成度を高めていくかの過程でもありますね。
今日のいわゆる「アニメ絵」と記号化されてる絵柄のもの凄いコアな欲望、なりふり構わない情欲や性欲まみれでなりふりかまわないくらいなのが結局エロゲー界隈の絵柄なんだと思ってます。マジでリミッターやルールがない。その次がラノベ絵柄。その次くらいが4コマ萌え漫画あたり。この辺になってくるとあけすけな情欲や性欲はあらわにしなくなっていきます。が、「まったりできる」とかいって結局情欲や性欲とはつながったままです。本番ありの風俗ではなくて耳かき専門店みたいなもんですね。
ルールもリミッターもない、情欲の果ての絵柄
京アニは今日までにエロゲ・ラノベ・4コマ萌え原作をアニメにしていくことで、ある意味では客の欲望の階層から一歩ずつ距離を取っていったと思えます。ほんとにエロゲ→ラノベ→4コマ*1→そこからさらに一歩離れて現在の絵柄に到達した形と思えます。絵柄の新しさとはいかにありきたりな欲望から距離を取れるかにかかってるとも思いますね。
さて「この美術部には問題がある!」もオタク絵を描いてるキャラが出てくるのですが、それが大抵やっぱエロゲ系のキツいイメージなんですよね。昔はラノベで柔らかい絵柄の「俺の妹が~」がキツい絵柄のそれを好む主人公、という階層があったんですが、それを思い出します。今回それをやってるの京アニ絵柄というのもよくよく考えると、そういうことかもしれません。最新鋭の絵柄のやつが、あけすけな欲望の絵柄のファンですという構図。アイドル好きだという女優が遥かにそのアイドルよりも有名であるがゆえに、TVで「その女優が愛するアイドルと共演!」みたいになった時の、知名度と華の残酷なコントラストに近いです。
当の京アニはというと、完全にデザインは2極化しています。深夜アニメ―ションの界隈と劇場版の2極です。「ユーフォニアム」はエロゲー・ラノベあたりまで意図してデザインをくどくして戻していると思います。
情欲と性欲のデザインから距離を完全に取ったフィールドが(奇妙なことですが)劇場版にあると思ってます。「聲の形」はもう一切の客層の情欲や性欲におもねることが無い、おそらく京アニの持ちうる100%のデザインで出来ているのではないでしょうか?
おっと、結局京アニやシャフト、トリガーといった情欲や性欲から距離をとるスタジオが今季はないから脱線しましたよ。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。
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