17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

実はディズニーのハードボイルド「ズートピア」感想

 ディズニーが長い暗黒期を経て、1989年の「リトル・マーメイド」の成功から立て続けに「美女と野獣」「アラジン」などなどのクラシックをほぼ毎年のように生み出していた時代を「ディズニーのルネッサンス期だ」というそうです。

 

 ところがその後のディズニーはまたピクサージョン・ラセターがディズニーのクリエイティブ・ディレクターに就任して以来、ここのところの「アナと雪の女王」「シュガー・ラッシュ」「ベイマックス」などなど立て続けにまったくの別ジャンルの作品で、それぞれ意味深い傑作になっていることを持って「ディズニーの新たな黄金期ではないか」と言われています。

 

 いままさにそう呼ばれるにふさわしく、「ズートピア」は(たぶん)ディズニーでは珍しいだろうシナリオ構造で作られていると見ました。

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日本最先端のアニメスタジオが作る、マクドナルドのアニメ

 

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未来のワタシ。 視聴フル

 

 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。

 

 この書き散らしで注目し続けているスタジオは京アニ・シャフト・トリガー、それからWIT STUDIOです。これらのスタジオは、今ではけっこう当たり前の地位を気付いているように見えながらも、やっぱり極めて狭い客層と闘ってる日本のアニメーションにて商業的な成功を狙うのと同時に、現行のデザインを簡単に客層に使い潰されないようしています。まあ客層の想定している2手3手先を行ったデザインを行い続けているスタジオということですね。

 

 そこにひとつ加えるとするならば、スタジオコロリドです。宮崎駿の引退により、ついにスタジオジブリが長編の制作をストップしたのと同時に「じゃあ後継者は誰だ」というしょうもない議論が出てきたのですが、少なくともスタジオコロリドは技術的に最もジブリを継承しながら、現在の形の新しい何かを生み出していると思います。

 

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”面白い”とはなんでしょうか…「坂本ですが?」

 

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坂本ですが? 視聴12分

 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。

 

 面白いとはなんでしょうか。もはや今回はアニメのデザインの話だとか脚本の話だとかはなしです。

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最初からアニメになりたがるような漫画の絵柄「双星の陰陽師」

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双星の陰陽師 視聴5分

 

 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。

 

 もう今では、最初からアニメになりたがってるような絵柄の漫画は書店にある全ての漫画雑誌にまんべんなく一つや二つ揃っています。人気が出てメディアミックスする時にも最初から原作がこうアニメっぽいデザインになってることでやりやすくなってる面もあるのかもしれません。(ジョジョ進撃の巨人は悩んでる感はありますし)

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「ジョーカーゲーム」一般文芸のアニメ化は最初からビジュアルのコンセンサスが無いから味気ない

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ジョーカーゲーム 視聴12分

 

 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。

 

 通常のライトノベルレーベルのアニメ化から「なろう」作品のアニメ化などが猛威を振るっている中で、SFやミステリのジャンルに属している小説のアニメ化のデザインはなかなか抜けがよくないですね…

 

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異世界ファンタジーアニメのデザインは危ないものになってきてる

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ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? 視聴11分

 

 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。

 

 最近のMMORPGベースのファンタジー、もしくは異世界に行ってしまうファンタジーを描いたアニメは、現実世界パートのデザインとネットゲーム世界パートのデザインに落差をつけることがなにげに巧みになってる気がします。しかしそれはえげつない感想を持ってしまう意味で”巧み”です。

 

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「迷家」企画屋系の監督とどろどろ系脚本の組み合わせからはキッツいもんが出ました…

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迷家 視聴15分

 

 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。水島勉ねたです。

 

 アート・デザインが優れていることと言うのは本当はすぐに理解できないもので、そもそもの面白味を感じる瞬発力は弱めです。先日褒めた「ルル子」とか「アゲ太郎」とかって、あれもやっぱ「てーきゅう」とかとおなじ枠でざっくりまとめられがちな気がします。

 

 大ヒットした作品はアート・デザインともに何かあることが多々なんですが、大抵の場合はそこよりも速攻で面白さがわかる企画力と作品の観やすさやわかりやすさで判断されてる気がします。そんな中でアベレージヒッターたる水島勉作品はそこを徹底してると思います。

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