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17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

今季のアニメーションの1話だけを観て今のモード(形態の流行)を全て決める最悪のアニメレビュー

邦画的演出は他のスタジオであまりにも強力な作品が多いせいか味気ない『舟を編む』

2016年秋のモード(郷愁編)
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 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。えーっとなにを言及してないんだっけ…?もうここまで来ると今期も一年を代表するような作品は生まれずじまいですね。今年公開された劇場版長編は国内外含めてほぼすべて今後のクラシックになりえる一方、莫大な可能性を持ちながら沈没していく船のような感じです。

 

 今期の京アニとシャフトが良くも悪くもぐんぐん大家みたいになっている一方、なんだかコンセプトの段階で貧困や弱者が目立つ作品群が心を萎えさせる今期でしたが、なにげに志が高く『僕だけがいない街』や脚本はトホホだったとはいえクオリティは見せつけた『甲鉄城のカバネリ』などを連発したノイタミナ。今回はなにかというと実写映画化もされた『舟を編む』のアニメ化です。今回はあらためましてアニメの邦画的なデザインのはなしです。

 

 原恵一の劇場版作品あたりを想定しているのかなあ…でもいちいちヌルいよなあ…とか思いながら見ておりました。邦画的デザインという適当な形容は、ここでは間やロケーションの空気感、モノローグをあまり使わず絵で物語っていくという、まあ作家的な邦画をさしているのですけども、完全にそれをやると美的になる一方で見辛くなる。感情移入できなくなるという商業の足かせになるリスクになるので、各スタジオはガチを心に忍ばせて観客を引っ張るプロレスを仕込んでいくわけです。

 

 で、『舟を編む』のばあい、正直ガチの能力がさほどでもない感じ。ガチのふりをしたプロレスというのが昔ほんとうに存在していたんですが、そんな感じ。『甘々と稲妻』を観たときのような緊張感や割り切り方がまるでない。また、『ユーフォニアム』でやっているようなガチのドライな部分もなく、『3月のライオン』のようにセリフをなるたけカットして、一歩引いた演出の中で見せていくという感じでもない。

 

 ようは作家的な邦画の演出をアニメーションに落とし込む技術があまりに高いスタジオや監督が周辺に揃っているせいで、明らかにこいつはガチができないというのがわかってしまうせいかもしれません。

 

 そんな”実はガチができない”はノイタミナ全体に常に漂っている雰囲気と道義な気もします。ノイタミナってあんまりラノベ原作とかから遠ざかり、一般文芸を原作にしたアニメーションをやるじゃないですか。そうすると萌えと異世界から遠ざかったプロレスやらないんだな、ガチをやってくれるんだなと期待するじゃないですか。でもそうではなかった。マジでガチも強いのは湯浅政明だけで、その次が中村健治。それ以外はほぼすべてガチのふりをしたまがい物という感じします。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。

 

 

舟を編む

舟を編む

 
舟を編む (光文社文庫)

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