覆面系ノイズ 視聴20分
体育館で行われた軽音部のライブの最中、突然マスクの少女が絶叫するように歌い出した。周りが驚く中、なんと体育館から走り出ていく。うわあ、ヤバい奴なのでは。この学校にまさかISISがとざわめく中、バンドメンバーのひとりが突如追いかけだす。
二人はじつは幼なじみだった(知るか!)とのことなのだが、会話の最中マスクの少女の様子がおかしくなる。大丈夫か!?何がおきた?と思った瞬間…また意味もなく歌い始めたのだった…泣きながら…
…なんなんだこれは。ぼくが思い出したのは「髪に、芋けんぴついてたぜ」とかしょっちゅうネタにされる少女マンガで一部だけ切り取った画像だったんですが、当時あれは「うわあインターネットらしい一部だけ切り取ってネタにする悪い癖だ」とか引いていました。ですが、この狂気性がこの作品、全体に放出しているのです。アニメ放映時間内すべてが髪に芋けんぴついてたぜ状態。ぼくが加齢を重ねる中で忘れていました。10代の、若い力からあふれ出す狂気を。
smells like teen spirit—カート・コバーンは「燻っているより燃え尽きてしまいたい」と言い、大衆からの注目を集めるなか、ショットガンで自殺。わずか27歳でした。90年代のロックの歴史に記憶されました。しかし狂気は、だれにもそなわっています。とりわけ燃え尽きるほどにセクシャルな方面での狂気を持ち得るのは、まさに10代であるその時です。
10代の男子がもつ狂気性はぼく個人にとっても比較的なじみ深いものなのですが、やはり向こう側の性別のほうは自分はなにもわかってはいないわけです。雨の中で歌い出す、突然ライブ中に歌い出して泣きだすという、なんとも言語化し辛いのですがそこには10代の少女が持つ独特の、制御できない狂気がそこにあるような気がします。芋けんぴ髪についてたぜも、制御しきれない、なにかセクシャルな狂気を意味していたのかもしれません。僕には僕の、あなたにはあなたの狂気がある、ただそれだけのことです。とりわけ、10代のように若ければ。観たアニメは忘れましょう。それから培った技術とモードも投げ捨てて、次回にお会いしましょう。
- アーティスト: Nirvana
- 出版社/メーカー: Geffen Records
- 発売日: 2011/09/27
- メディア: CD
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