Dimension W 視聴フル
またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。
前々から思ってるんですがなにを持って作画アニメって括りが為されているんでしょうか?1コマ打ち*1や2コマ打ち*2の多用から?それともセル彩色や映像に処理入れる前の原画そのものを重視した視点から?それらをひっくるめて、アニメーターの技術をハードロックとかへヴィメタルのギタリストのギターソロを有難く聴くみたいな感じから?
「Dimension W」はたぶん、そんな括りで語られるんだろうなと思わされる作品です。一見した限りでは基本的なキャラクターデザインやコンセプト、統一感や洗練なんかはそんなに良くはないしバラバラです。ところが実際に映像を観てみると、すべての要素が作画的な魅力に集約するようにできているかのような面白さがあります。
一見、ウェルメイドで味わいの無いかに見える背景美術は、実は塗りの筆致をわざと残す描き方をされており、意外に手描き強調な痕跡あります。また要所に挿入される単色のバックにキャラのシルエットが出るカットなどもキャラの作画を生かす形に作用してます。
また、キャラにはあんまデザインを描きこみ過ぎず、映像にも被写体深度浅いとかグラデーションかけまくりみたいな処理をほとんどやらないようにしていることも、この作品の原画としての面白さが伝わりやすい構成になってる感じありますね。
映像にグラデーションかけまくったりぼやかしたりといじくりまくったり、キャラが静止画でも映えるくらいに描きこみやりすぎると画面の完成度は上がっても、原画そのものの面白味ってのはどうしても減じていくと思います。
静止画で観てるといろんなデザインがあんまりよくないのですが、こうして本編の作画を観ると生き生きとしています。たぶん作画アニメと評価されるだろう条件に叶った面白さがこの作品なんだろうと思います。ただまあ、今シーズンの他の作品もじつはこれくらいアニメートしてる作品は珍しくは無いし、ファントムワールドなんかもすげえ動かしてるんですが、あれが作画アニメみたいな括りで語られるような気はしません。なんででしょうね?優れたアニメーターのギターソロ感がないから?
「ストレンヂア」とかあの辺の作品のアニメートが好きなら非常に良いのではないでしょうか。なぜソムリエまがいのまとめ方をしているのでしょうか?観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。