17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

『アイドル事変』思ったより萌えもアイドルも当たらなくなってきた時代に突入してるのか否か

Ads

f:id:EAbase887:20170109223124p:plain

アイドル事変 視聴10分

 MAPPAが『この世界の片隅に』を作ったあとでTVアニメーションではこういう感じ。このふり幅こそ村上隆&ポンコタン『6HP』はやってほしかったかもしれませんけど、もしそういう皮肉な無気力感のクリエイティブだった場合は現代美術側では会田誠あたりでストップ、商業映像制作でもAC部的な位置でストップになっちゃうと思うので、やっぱ『6HP』はああなるしかなかったかもしれませんね。国内のポピュラーカルチャーとアートの間の愛憎みたいなもんを全部ひっくるめてるとおもいましたよ。

 

 いきなり脱線しましたが、本作をざっくり見ながら感じるのはいよいよ猛威を振るったアイドルブームというのが現実でもアニメ界隈でも下火になり始めてるのか否かということです。

 

 前々から思ってるんですがアイドルネタは音楽とダンスの作画が合わさることにより、ある意味ディズニーから繋がる商業アニメーションの最も優れた部分を表現しているジャンルとも言えると思います。ゆえに、いまいちスタジオがこの企画にそんなに乗ってないなというのを感じます。

 それはMAPPAが精確なデッサンやリアル寄りのアニメートを中心にした意味での作画技術が国内スタジオでも上位に位置することがわかっているゆえに際立ちますね。オープニングの質を視ててもかなりうまい人が7,8割に落としてる感じ、やっぱダンスと音楽(なんとつんく♂が起用されてるし)のシークエンスはアイドルネタの華ですから、もの凄くパワーを投入するところなので企画に乗ってるか乗ってないかって出る気します。

 原作がソーシャルゲームとかいうのもあるかもしれませんが、しかしもともとの企画もアイドルが国会議員にってネタかあ……だんだん煮詰まってくるとネタに走った企画でも前面に回ってきて、ジャンルが暮れてく感じもあるんですよね…セルルック3Dと手描きミックスのラブライブ、手描きで伝えるアイマスシリーズ、すでにアイドルネタのアニメートもやりつくされており、かといって『競女』みたいにネタ枠のように切り取るようにもなってない。

 

 またまた秋元康がアニメにアイドルで進出してくるとか、なんとなく企画の安牌としてアイドルが使われ過ぎてるのも暮れを感じさせるのかもしれません。ここ3年間の商業アニメーションで正直アイドルネタは質も商業的にも上位を誇っていましたが、これからは…観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。