影鰐 視聴フル
また一つ現れ熱し消えた礎。
アート・インディペンデント系作家が商業展開する場合ってどういうケースが主なのでしょうか?アヌシーやザグレブ、オタワや広島などアートアニメーション映画祭に出展して作家の価値を知らせしめつつ、CFや挿絵仕事を請け負うとかかな?
別に個人製作やるやつがみんなアート指向というわけでもないし、低予算で高い効果を生み出すクリエイトを行うケースも多々だ。「鷹の爪」のフロッグマンのようなflashアニメの妙味を武器に映像作品を各地に売り込むとかAC部みたいなケースなど様々…
さて今回の「影鰐」は紙芝居アニメーションという手法を軸にした、Tomovies主催の高嶋友也による作品ということです。 TomoviesはTV番組の演出にアニメ提供したりというケースでぼくは初見なんですが、近年商業アニメに進出しているようです。今期の中でもとてもよいアプローチをとっている作品だとおもいますよ。
なかなかこうしたスタイルの場合ってギャグで行くケースが多々なので、ホラーとかってのは珍しい?いやいや画ニメとかかつては作りこんだ静止画を使ったアニメというアプローチもあったのでした。
とはいえ、「紙芝居アニメーション」というのが思ったより独自か?というとそうではありません。いま「ニンジャスレイヤー」が「意図的な静止画」「バンク使い回し」というリミテッドアニメのげんなりする点を面白味に変える演出やっているくらい、紙芝居演出というのは思ったよりも日本商業、リミテッドアニメの伝統でもあるからです。
flashなどを利用した低予算制作というのが日本のアニメのある潮流になってるのは確かなようですが、意外にクオリティが「紙芝居アニメーションならでは」というほどでもなくて「意外にリミテッドしまくったアニメの現実はすでに紙芝居。だから紙芝居を紙芝居のまま美しく面白くするには?」って感じでしょうか。
それにしても妖怪ハンターににてるというコメントを見かけましたが確かにそうです。諸星大二郎のあの作品はハンターと名乗りながら、ほぼなんもしてない!ケースによっては別の霊能力(だっけ?)持ってる女の子のほうにハント任せてるってのもあります。でもそんなつまらない突込みでお前は上に立ったつもりなのか?ふざけるなよ!諸星大二郎作品はそんな野暮な視点を根本から消し崩し切るくらいには面白いですよ。
観たアニメ技術モード会いま。