17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

次にどの古い漫画がアニメ化するか怖いので、予想してダメージを防ぐ

 

カードキャプターさくら クリアカード編 視聴フル

今回は「次、なんの古い原作がアニメにされるかを予測する」を書くという、「またこれの映像化を見ることになるのかよ」ということをあえて予測してげんなりするマゾ企画です。

昨今の古い原作から、または再アニメ化ブームで一番まいったとおもうのは、ざっくりながめていると「質が高くおもしろい」というのがまいりますね。カードキャプターさくら新作が全然古く感じないように作っている業。逆に他の新作が新作に見えない業のほうが大きい気がします(刀使の巫女など。視聴5分)グルグルも面白いのが辛いと言いますか…

最近読んだブログで「マンガソムリエをやめることにした」理由というのが面白くて(ほんとうにすごくいい文なんですよ)、それは連載漫画が長期化し終わらない。実人生とフィクションの世界とズレが生じてきてしまう。しかし、ズレようが中身は面白いままだからまいってしまう、みたいな話なんです。古い原作の質の高いアニメ化で過去に引き戻される効果の苦しさというのはこれに似てるというか。

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いま「ゲド戦記」を見るということ

「ゲド戦記」の画像検索結果

 

金曜ロードショーで久しぶりに「ゲド戦記」をみました。多分10何年ぶりくらいに再見するんですが、いま見ると逆に目を離せない緊張感があることに驚きました。

もちろん、公開当時から言われた微妙さに対する皮肉ではないですよ。ひとえに「他人から依頼されて作る、ものすごく個人的作品」というほとんど例外的にいびつな構造をもっているからです。

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基本無料が当たり前だからこそアニメ批評が根付かない理由がわかる(さらにもう一回追記)

ぼくの考えでは、アニメ批評がいまなぜ低調かといえば、知識があるひとがいないとか情熱があるひとがいないとか以前に、そもそもアニメ批評は、読者の(読者の、です。書き手の、ではありません)質があまりに悪すぎて、いま批評を志す人間にとってコストが高いわりにリターンが少ないからです。具体的に言えば、一生懸命なにか考えて書いても、ちょっとした名前のミスとかなんとかで鬼の首でも取ったように非難する、そしてそれを「見識」だとカンチガイしている読者が多すぎるからです(これは、山本さんも同じことを「妄想ノオト」の出張版で書いていますね)。だから、ほかのジャンルについても批評が書けるひとは、もはやアニメについて批評を書かなくなっている。(中略)そうやって、アニメについてしか書けないひと、語らないひとばかりが、アニメ批評を占有していくことになる。

したがって、もし今後、みなさんがアニメについておもしろい「批評」を読みたいと思うのなら、言いかえれば、多角的なジャンルについて批評が書ける才能をアニメについての批評にひきずりこんでいきたいと思うのならば、まずはこの状況を変えたほうがよい(中略)アニメ批評の読者が育っていないことこそが、問題なのです。

東浩紀「渦状言論」2008年のweb.archiveより

 

フラクタルコンビの 山本寛さんや東浩紀さんに関しては僕も国内商業アニメ批評としてもどうだかなあ…と思うことは多いです。ですが、彼らが長らく危惧してるこのジャンルにおける淀川長治さんだとか町山智浩さんだとかを求めてたりする意見だとか、なんでこんなに批評を書いても客層のうまくいかないのかなあ…という憤りに関しては近いことをよく思います。今代表的なところだと氷川竜介氏や藤津亮太氏が挙げられると思うんですが、良い仕事が多いこともわかるんですが、どうも抜けが悪い印象はあります。

でもこれってもしかしたら単純で、基本無料だからではないかなあと思います。基本無料という見方は主にビデオゲームですけども、TVやネットだって基本無料。消費者が買い切りで作品と対峙する前提ではない。「アニメ批評の読者が育たない」のも単純に基本無料コンテンツの消費者層の民度の限界という気がしています。

(2018年1月8日、「アニメ批評がもし必要だとして、その理由」追加しました)

 

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オタの「創発性」ってどうやったら動くんでしょうね

このはな奇譚 視聴まあまあ

おえらい監督だったり思想地図つくったりする人文学者だったりがオタを差して「もはや作家性や作品性を第一にしない」「二次創作やらメディアミックスなやらしてどうたら」みたいなことを言ったりします。すべてのメディアにそれは適応できませんけども、基本無料のTVアニメの界隈に関してはそうかもなとも思います。実際ストーリー構成がほんと優れててもそんなに当たらなかったりするし、キャラクターの方ですごく当たったりしてるのもあるので若干納得したりするとこもあるんです。映像作品という単一メディアとしての完成度の高さはそんなに気にされてないっすよね。まあ、基本無料ですしね。

当のオタの間でもストーリー性を第一にせずにキャラを優先するというえーっと何?も…もえ?萌えるかどうかだって?(検索中)あっわかりました萌え豚?とかって侮蔑的に言いながらも、実際にはキャラ優先しててもじつはそんなにめちゃめちゃ当たるわけではない。作品を放映しても、ほんとに客が作品をネタにして二次創作やらで盛り上がるかというとなかなかそんなこともない。固い言葉をここで使っちゃうんですけど、いろんなオタの創発性を刺激するのってどこなんでしょうね。

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絶対オタクにウケないポプテピピックたる「aiseki MOGOL GIRL」

 

aiseki MOGOL GIRL 視聴フル

 

ポプテピピック、放送が延期になったことによって(わざと?)むしろアニメ版の価値はあがってるんですけども、ひっそりと気付かれないところに今季では今季のポプテがやってます。「aiseki MOGOL GIRL」これはねーポプテピピックですよ。実質ポプテピピック嘘です。

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全編が不気味の谷CG!ところがタツノコの昭和性にハマる謎の奇跡『Infini-T Force』

Infini-T Force 視聴フル

 

なんだこれは…あれだけ国内のCGアニメーションがリアル方面でもセルルックアニメ方面でも躍進してると思われたところにこれ。全編、不気味の谷。ところがこれが往年のタツノコヒーローと絡んだ瞬間、なぜなのか絶妙な化学反応が発生しています。

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