アオハルかよ ワンピース編 ロロノア・ゾロ編 視聴フル
賛否両論あった「アオハルかよ。」続編はなんとワンピース。誰もが知る原作を、青春2次創作する次の手になるほどな、と思わされました。
正直アニメートやデザインのクオリティは高い。原作の要素を隙なく詰め、考察させる手腕もぬかりない。楽しもうと思えばとても楽しめる。でもなにか引っかかる。いわば「原作を完璧にフォローし、批判を黙らせる力」を発揮しているといえます。
以前、電通が本格的にアニメーションで広告展開することを取り上げました。ここで語られているアニメの広告効果を、いまもっとも活用できているのが日清食品でしょう。つまりPRアニメ、日本最前線といっていい。今回はそんな日清食品PRアニメのまとめ書き散らしです。
ここのところの日清食品PRアニメ
おそらく日清アニメを企画する人たちは、すごくインターネットを見てますよね。アニメもVtuberシーンもわりと追いかけていると思います。遠心力を生む、コアの客層としてSNSを使っているオタクを動員しようとするパワーが強いですから。
輝夜月のCMなんて特にわかりやすいですよ。インターネットネタ寄せ集めってたまにありますけど、集めたころには賞味期限も過ぎていて寒いんですよね。輝夜月のキャラクターをよく見ているから出来た、闇鍋のPRアニメになっていると思います。
「Netflixがアニメの黒船、そして救いの手となるかも」と騒がれ、『Devilman Crybaby』が第一弾として評価されたころにはチキンラーメンでこれを作っているわけですからね。企画が想定している、客層の理解がそのレベルから始まっているわけですよ。
カレーメシではもっと露骨なUHFアニメのデザインを持ってきています。こちらは「アオハルかよ。」と真逆。リゼロのキャラデザさんを持ってきて、意図的に世界観を感じさせないようにめちゃくちゃにする路線です。ぼくが評価してしまいそうになる路線ですね。過去にAC部を起用していたこともありますし、カオスにしていく方針でやっております。シンデレラガールズともコラボもしていましたよね。
ちょっと違うかもしれませんが、たつき監督とコラボするのも、場外乱闘も含めてシーンを追っている証拠ですよね。過去に「けものフレンズ」でコラボしたけど、「けものフレンズ２」ではやらない。「ケムリクサ」とコラボする。たつき監督サイドを選んだわけですから、降板に至る一連の流れを見てのことです。このあたり、日清食品の企画サイドは外さないようにしてるなと思いますよ。
企画、客層、そしてクオリティがどれも強すぎる
一連のアニメーションは企画力、想定している客層、そしてなによりクオリティの全てがマッチしてるんですよ。こうして並べると、すごくいいシーズンのアニメのラインナップみたいな強度があります。
優れたタイトルから、クリエイターのバリューが上がることがありますよね。なんだかんだで「アオハルかよ。」で窪之内英策さん（窪ノ内氏もSNSのイラストアップから、次のキャリアをつくっていった方ですね）の価値が上がり、『キャロル＆チューズデイ』のキャラクターデザインにまでつながっていますし。
企画内部に、死ぬこと以外はかすり傷と悪意とこだわりの演出術を足して割ったような、20代から30代くらいの名もしれない人がいるわけです。たぶん。どこかのメディアでインタビュー取れないかなとも思いますよ。
広告代理店がアニメを作るとき
日清のケースを観ていると、インターネットもアニメも消化していった若い層が企画に入ってきていると思われます。バズの狙い方、高いクオリティの追求、さらに作品世界を掘り下げる、考察も含んだ観方もできるようにしています。
深夜アニメを観て、考察と感想をシェアして消費する構図をPRアニメに導入できているのは、おそらく日清食品のみ。おそらく広告とアニメの完成形といえるでしょう。マルイのPRアニメから、地方PRアニメまで、客層を絞り切れておらず、深夜アニメ主流のデザインとは離れているんですよね。
今後、電通をはじめとする大手広告代理店が、深夜アニメオタクシーンを理解し、本格的に広告アニメーションに導入ときに何を思うでしょうか？「なにか引っかかるが黙らされる力」と思うか、なにか意味があると思うか、どちらでしょうか。
ちなみにぼくは自炊派です。観たアニメは忘れましょう。でも培った企画力とコア客層へ目標定めるのはそのままに、次回にお会いしましょう。
