「ヲタクに恋は難しい」にムカつくかどうかで自分がリアルかフェイクかわかる

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＜前回のあらすじ＞

昔はオタクのライフスタイルに直結する感覚のあった作品が「おれいも」とか「はがない」、振り返れば「らき☆すた」とか「ハルヒ」もそうだよな（書いてないけど今思った）と考えてるが、最近はそういうのはないよねという話を書き散らしていたらブックマークにて「ヲタクに恋は難しいってのもあるよ」と指摘が入る。真相を確かめるため調査に向かった。

主人公の部屋の中

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」を参考でnetflixで見直したら力の入りようは度を越していたんだなと思いました。ほぼ全話のOPを様々なオタク趣味でアレンジしなおし、EDは劇中キャラクターによる楽曲で毎回違うという。さらに作中でベタなエロゲーキャラやアニメを主人公が好んでいる、って設定なので、それとおなじアニメ絵の主人公たちと差別化するために本編のキャラはファッションはあまり同じコーデを着まわさないよう、毎回変えて生活感はなんとか感じられるようにしてるとか。

それからおよそ8年。さて「ヲタクに恋は難しい」はどうでしょうか？一応原作も確認しました。なんだかすごく座りが悪い感じがありますね。なんでしょうかこれ。ちょっと前のフジテレビのドラマなんですけど、栗山千明さんが主演になった『でも、結婚したいっ！～BL漫画家のこじらせ婚活記～』を観たときと似たような気持ちになりますね。

脚本に腐女子用語が飛び交うドラマである意味善戦してるんだが、なんか方向性的には社会的に詰められるオタクというムードもけっこうあった。Netflixでなぜか配信している。

まず単純に20代くらいで一人暮らしの社会人のオタクって話なのに、なんかそういうムードにかけてる感じがあるのはなぜなのか。ヒップホップでいうところのフェイク野郎の匂いというやつか。突如ヒップホップの話題を出してるのは新しく始めた日本映画ブログ（右カラム参照）とか格闘技の入場曲などでもはやポピュラー、さらにファッションでもストリートが圧倒して旧来のブランドも追従しかねないくらいの現状だからか。

ともかく匂いが薄い。ベタに朝起きるところからはじまることで部屋を確認することができるのだが、特に壁じゅうにキャラのイラストが溢れているというわけでもない。だが同人誌の在庫の箱はちらっとみえる。みたいなコアとカジュアルの湯加減が妙だなと言いますか。

ここ10年くらいでオタク趣味はカジュアルになったからか

いや、匂いがないというよりも、全体的に「あたしけっこうオタクでぇ～（ダブリューのキー連打）」みたいな感じのひとっぽいからか。ゲームオタとかいいながら遊んでるのモンハンだし。中高生でもやってるわ！OPのゲーム表現相変わらずドラクエだし。自分の知り合いは自作でパソコンを作り、何万もするからなんとか安く買うために海外で高性能なグラフィックを実現するパーツを購入しながら英語圏のオンラインゲームを1万時間遊びつつ家族との時間をわすれないみたいな人物かいて彼をアニメ化しろとか思ってしまいましたよ。

しかも「あたしけっこう（略）」系のその手のひとでも一通り深夜アニメを見る習慣というのもあってグッズも買うくらいのことをしてるひとも少なくない。要はオタクネタがカジュアルに触れられる時代であり、時代に対して座りを悪くしているだけなのか。

逆に考えれば8年前のあの頃、オタクのライフスタイルにあそこまで強く直結する内容をやることは時期的にオタク趣味がカジュアルになっていく折り返しになっていたのかもしれません。

ここであらためてノイタミナという放送枠に思いが行きます。ターゲットにしているのがそもそもの主人公のOLくらいのひとですから、いまのそれくらいの人ならカジュアルにアニメもゲームも触っているという現実をうまく描いているとも言えます。

ノイタミナが本物志向に見せたフェイクだという、昔からコアなオタクが思っていることを改めて感じさせるということかもしれません。でも10年近く経過し、おれいもとか、はがないがすごい頑張ってたあと、カジュアル化はすすみ、むしろノイタミナの想定したライフスタイルに現実がなったということでしょうか。

さんピンCAMPをリアルタイムで観たくらいのヘッズは、現在のフリースタイルダンジョンのカジュアルな消費のされ方に対してリアルかフェイクか判定しているのでしょうか。観たアニメはわすれましょう。でも培った客層リサーチと企画はそのままに、次回にお会いしましょう。