17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

Free to play&view 基本無料が取り巻く環境とネットフリックス

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バトルガールハイスクール 視聴15分

ネットフリックスが日本国内のアニメ事業に出資するニュースが話題になっています。さすがに制作現場に資金が流れてこない劣悪な商業アニメ業界の労働環境が何度も話題になり、著名なアニメ監督も「業界は長くはもたない」という発言をするくらい、ネガティブな事情が知れ渡っている中で今回のニュースは日本のアニメが変わると過大な解釈もあれば、いやいやあくまで配信事業というフォームで一定のコンテンツ追加であってだね…と冷静な解釈をとっている立場もあります。

 

ぼくはまだ判断はつかないのですが、少なくとも有料の映像配信サイトでは基本無料のものが原作となるアニメはおそらくはでてこないのではないか。無料のスマホゲーム、無料かつ無実績のなろう小説とか、「バトルガール・ハイスクール」はネットフリックスやhuluでは登場しないのではないかと思います。

 

文章の枕をあんまりやっていない商業アニメ業界ネタにしておいてなんですが、根本的な興味はアニメのデザインがどう変わっていくかどうかということのみです。正直な話、映像のクオリティに限っては有力なスタジオに限れば基本無料のテリトリーだろうが高いクオリティを保っている。原作スマホゲームがCygamesなどが運営しているタイプであれば、絵的にはトップレベルを誇っていると言っていい。ただ脚本や企画力が辛いことになっている…という印象は、ずっと続いています。

とはいえ、スマホゲームと小説家になろう(等、賞を得たり大手の出版経験が無実績でも投稿できるサイト全般)がアニメ化されるなど、基本無料作品がアニメの少なくないパーセンテージを担っている状態です。

高いクオリティのレストランのレビューで有名なミシュランガイドですが、あれは当初無料で提供していたそうです。しかしある時せっかくの丹精込めたレストランガイドが道端に投げ捨ててあったのを観て「人々は無料で手に入れたものを大切にしない」と悟り、有料化に踏み切ったといいます。無料とは、素行が悪い客を作り出すことでもあります。こういう感じの文章にありがちな突然微妙に境遇がにた別の業界の逸話を持ち出して格調を上げる作戦に出てみたのですが、今失敗した実感があります。

さてネットフリックス独占タイトルだからといって劇的に絵的なクオリティや脚本のクオリティが変化するかというとそんなことはないだろうとは思っています。あくまで企画と許容される題材の幅が広がるというくらいに捉えています。そろそろネットフリックス独占作品のねたも取り扱う予定です。観たアニメは忘れましょう。それから培った技術とモードも投げ捨てて、次回にお会いしましょう。バトルガール・ハイスクールは、粗悪なほうの基本無料な出来でした。