17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

もうこのご時世、エクスプロイテーションアニメのほうが潔い気がする『ブレイブウィッチーズ』

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またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。

 

ちょっと前なら「ダサい」「女の子にミリタリー合成は拒否反応がある」とかオタクネタが引っ張られる欲求に対して皮肉のようなことを書き散らしてたんですが、もうそんなこといってらんなくなりました。

欲望というのは下に下に向かうものだというのをどこかで聞いた覚えがあります。今現在のトレンドを見ると悲惨ですよ。弱者がルサンチマンをどこかで発露する欲求のような作品が女の子がパンツのまんまで空戦やるとかいう性欲よりも目立ってますもん。

 

 女の子にミリタリーで、表向きは萌えとエロで内容はハードな戦闘をやる。 エクスプロイテーション映画には特定の観客を想定して女囚ネタとかカーアクションだけをみせるとかはたまた両者を組み合わせるという形で制作されるのですが、「ブレイブウィッチーズ」はその潔さが相変わらず凄まじいですね。現代最強のエクスプロイテーション作品が『ガールズアンドパンツァー劇場版4DX』なのは間違いなく、「ブレイブ~」も基本的なキャラデザインと色彩設計、画面レイアウトやアクションの方針はほとんどガルパンと変わりません。マックとロッテリアみたいなかんじです。

ガルパンストパン、競女を見たときの僕の心象風景

 

 京アニとかトリガーやシャフトなどが上のレイヤーからガチとプロレスを織り交ぜてる一方、徹底した特定観客向けのエンタメプロレス(アメリカにおける往年のECWや現在のCZWみたいなもの)をやってることに意味があると思います。今は。

 

 しかしオタクエクスプロイテーションの王道はましな気がするのにも、弱者のエゴ発露的な方向がどんどん進んでいる印象あるせいですね。なろう小説のすべてがすべてとは言いませんが、メディアミックスされるほど活況な作品なのに現実への失望感、『魔法少女計画』のこの世で一番面白いもの承認欲求を満たせる装置がソシャゲという地獄、『ガーリッシュナンバー』の単にラノベ作者が声優と上手くいってないことへの意趣返し、それからやや話は外れるんですが映画『聲の形』の評価を巡るそれぞれを含め、オタクネタに暗に蔓延している各種の貧困やルサンチマンにはしんどくさせられるんです。

 

 『ブレイブ』がんばれ、『競女!!!!!!!』がんばれ。そして中国からの使者、絵夢もがんばれとかエクスプロイテーション作品に思うようになっていく程度に、ある種のオタクネタの欲求はどんどん貧しく、怨念を晴らすかのような側面でメディアミックスが成立してるという現実…でも『ガルパン』『ストライクウィッチーズ』が流行ってるちょっと前だったらミリタリーねたの欲求が苦手だから『けいおん』がんばれとか書いてたんでしょうか…

 

 どうあれ欲望が下に向かうという事実そのものには、いつもうんざりさせられています。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。

 

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