17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

古典を現代版の再解釈にするというのは、一見安全に見えて本当はものすごくセンスを問われる。特にリミックスが当たり前の今だからこそ。『TRICKSTER』

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TRICKSTER 視聴 制作:トムス・エンタテインメントシンエイ動画

 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。連日20時投下中です。

 

 思った以上に冒頭のクオリティは高い。冒頭の廃墟の夜明け~回想の空気を感じさせる流れはガチで強い。それで表向きのプロレスの部分たるOPテーマで主人公二人が全裸でぐるぐるというあたりでズコーとなってしまうんですが…と思いながら本編に入ったところ…

 

 冒頭での期待は本編では無為になってしまいます。通常ドラマパートでは冒頭が持っていた空気感はなくなっており、登場人物の動作や表情のアニメートも全然大したことなかったです…

 

 大したことないだけにより明確になっていくのがこの21世紀も15年が経過したというご時世に「現代版の江戸川乱歩の少年探偵団をやる」という発想そのものです。おいおい、「名探偵コナン」という最強の再解釈があるのに、お客さんに漠然と腐女子を想定したプロレスリングでいけるのかよ!表情硬いじゃねえかよ!萌えられるかよ!ってな感じです。しょっぱいんだよ!

 

 しかし古典を現代版に再解釈するというのは昔からありがちなんですけども、今では意味が変わっています。というのも、すでに再解釈やリミックスというのがデザインの主流にあるからです。20XX年でロボット入れて現代風って、リミックスや再解釈から考えてもドベ。

 

 そうかコナンくんはほんとすごかったんだな…リミックスの時代というのは90年代から本格的に進んで、どんどん加速していて商業アニメはとくにその手腕が問われる領域でもあるし、難しいもんですね。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。