NEW GAME! 視聴10分
またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。
今シーズンは90年代2000年代のエロゲくらいに後退したデザインを何度も目にするなかで、「アニメデザインのお約束の色使いを鮮やかにする」ことに特化したスタジオ動画工房と、セクシャルな欲望を極力排し、丸く柔らかなキャラデザインの4コマ系の原作が組み合わさることでの化学反応は相変わらずかなりのものです。
原作の単行本の白地にシンプルかつ、タイトルロゴには大胆に多数の色を配置するという装丁を反映するかのような画面作りはさすがにすばらしく、キャラクターに合わせてカラフルなオフィス内装というレイアウトが良いです、ここまで多数の色を使ってるとふつう印象がばらけるところをまとめてるあたりが動画工房っぽいです。
完全な余談ですが、近年はドラマ「重版出来」が高評価を得るなど業界ねたの作品がけっこう見当たるわけなんですけど、やっぱり難しくなっていく大手出版業界だとか大手ゲーム業界だとかが持っている往年の可能性やら喜びみたいなものをちょっとは思い出したいってことなんすかねえ…(「NEW GAME!」はそんなんじゃないですけど)アニメでもSHIROBAKOとかありましたね…
業界ねたを扱うとき、しょうがないことだけど結局大手の組織のなかでどうこうするってことに流れがちなのがいやですね。現実にはたとえばゲーム業界つってもインターネットによるダウンロード販売とそのプラットフォームの発達などにより、個人でも作品を発表していくことが可能になっている時代でもあるのです。
要は既存の業界から変わって、作家個人で切り開いていく(※まあ言い過ぎだけど)時代でもあるわけだから、業界の大手ではなく、その辺の躍動のほうを業界ネタのフィクションでみたいなとおもってます。大手のしがらみに囚われない、個人が切り開くって方がずっとヒロイックだって話で現実にそういう風に活動しているひとがいるわけです。(ご興味があればそのあたりを描いた傑作ドキュメンタリー「Indie game :The movie」を見てみてください)
しかし業界ねたっつうとハンドルネームで座組がどうたらみたいなことを延々とぼやいていることくらいしか存在意義の無いバカだとか、書いてる人間が無能であることしかわからない実録話をすることをクレバーだと思い込んでるのが現実にわんさかいるなか、業界で仕事をしていき、作品を世の中に送り出していくことで生まれる(それがたとえわずかであっても)喜びや成功を描くことに関してはフィクションくらいしかないもんなのかなあ…いやドキュメンタリーとか見りゃいいんじゃねえの、社長が訊くを読んだらいいんじゃねえのともいえるか…成功者バイアスがかかって喜びや成功と言うものがうさんくさく見えるとかなんとかもあるのか…どうでもよくなってきた…
「NEW GAME!」を「重版出来」などなど並べて語るつもりはないですけど、そんなことを思ったのでした。あれ?余談の方が本編になってしまった!観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。