僕らのヒーローアカデミア 視聴18分 制作・ボンズ
またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。
ジャンプアニメはヤバいとかずっと書いてた気がするんですが、ここのところのアメリカンコミックスのイメージ経由の「ワンパンマン」(ちょっと違うか)と本作「僕らのヒーローアカデミア」のアニメ版の出来は、存外に良いです。前者にマッドハウス、後者にボンズといった制作が付いていることも大きいのでしょうか?
普通に堀越耕平のカラー原稿のスタイルをアニメに起こしていることがシンプルに良いのに加え、どこかグラフィック的なデザインを施した美術、そしてキレのいいアニメートとやけに質が高いです。
やっぱ原作との相性がアニメ化するときにとても良いのでしょうか?それとも近年うっすら(ぼくだけが)感じてるアメリカンコミックス的な部分にアプローチするときには、やはり近くにアメコミ原作の映画やゲームが話題作になっているのも相まって制作会社もマジになってると言うのもあるのでしょうか?
振り返ってみれば映画ではバットマンの「ダークナイト」が2000年代末から大きな注目を浴びていたし、その後も「アベンジャーズ」などなどがヒットを飛ばしたりしてました。どうあれアメリカンコミックスの2大巨頭であるマーベルとDCコミックスのトップ作品が揃って映画界からビデオゲーム界隈にも進出しているわけで、いまや日本人であっても流行りの映画でも「スーパーマンvsバットマン」などなど、当たり前のように触れています。
では肝心のアメリカンコミックスの原作は日本ではどうなのか?というのも、近年ではshopro booksによる邦訳が2009年以降に増加。近年ではshopro booksに限らず海外漫画作品の邦訳は増加しています。
昔からアメコミのインスピレーションを漫画に導入している作家は内藤泰弘とか和月伸宏、桂正和などなど少なくはないのですが、今ほど映画やゲーム、そして原作漫画が身近にある環境ではなかったと思います。
こうした背景も込みで、「僕らのヒーローアカデミア」は思った以上に往年のジャンプマンガみたいなパワーがあるのかもしれません。「北斗の拳」がマッドマックスやブルース・リーの映画を睨んで描かれていたように、すでに海外の大作映画の面白さを漫画に導入しようと躍起になっていたような感じで、現在スーパーヒーローものがエンタメの中枢にあることを睨んで原作もアニメも頑張っているのかもしれません。これがアメコミ映画も原作の邦訳も少なめで、注目度の低い10年、いや20年前だったらもう少しクオリティはゆるかったのでは。
余談・そういや少年ジャンプでスーパーヒーローネタって受けそんな良くはなかったよなあ…
どうでもいいんですが、ジャンプマンガの主人公でアメコミのスーパーヒーローネタは爆発的にはウケないもんで、なんでかな?とぼくなりに仮説を立てたんですが
① 主人公は素の状態であってほしいから。キャラクターが別のキャラクターを演じて成立する形は座りが悪いから。
② アメコミの作品やキャラクターの著作権は出版社が持つ形のため、他の作家がキャラクターを描き継いでいくという構図からスーパーマンやバットマンの作品性は積み上がってきているので、一長一短でスーパーヒーローの面白さは出ないから
とか思ったんですがどうでしょう。出久くんが「スーパーヒーロー的な因子が無い」というキャラクターなのは、主人公が素の状態であってほしいというのも相まって偶然ではないのかもしれません。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。
僕のヒーローアカデミア 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
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