17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

スタジオジブリ最新作がアートアニメーション作家っての逆切れのようで半端ねえ!

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www.cinematoday.jp

 

 宮崎駿の引退以降、「思い出のマーニー」を最後にスタジオジブリが制作部門を休止。大きなニュースになっていましたね。

  

 どうしても宮崎駿の作家性のみに括られて語られがちなスタジオジブリなんですが、実際は世界のアニメーション*1をライブラリーとして数多くリリースしています。

  名作の短編アニメーションである、セリフの無い父と娘の物語である「岸辺のふたり」 のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットの新作です。

 

 わずか8秒程度のトレーラーが上がっています。基本の主人公のアニメートはリアリズム型でありながら、俯瞰視点のカットという組み合わせは「岸辺のふたり」のデザイン構図をちょっと思い出します。

 「岸辺のふたり」で線画アニメーション&デジタルデザインでまとめ上げる基本に忠実でありながら、人物のアップカットは一切出さない俯瞰カットやロングショットによる構図を堅持することで、感情移入よりも観客側に行間を想像させるスタイルを取っています。短編だから全編にわたりそれができましたが、長編となる「レッド・タートル」ではどうなるのでしょうか?セリフは入るのか、世界観のディテールはどうなるのか。まだ速報程度であるためわかりませんが・・・

 

  日本のアニメっていうと、一番有名な所のみで見ちゃうとどうしても手塚鉄腕アトム発のTVアニメーション史に囚われがちです。だけどジブリ全体の試みを見ると、本当はフライシャー兄弟の名作をはじめ、世界的な商業の長編アニメーションの正史に忠実であろうとするし、多様性を意識していると思います。フライシャー兄弟の傑作「バッタくん町に行く」の日本での劇場公開なども行っていますしね。

 

 

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 ジブリの行う多様性と長編アニメーションの正史を意識した試みの点になると、なかなか大きくは語られ辛い印象あります。映画メディア側に寄ってる方が取り上げてるし受け手もスムーズにとらえてるような印象。ってあくまで印象ですけど…

 

 そんなことはどうてもいいですね。あまり言及されることのない、ジブリプロデュースによるアニメーションの正史ぶりと共に、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットがどんなデザインを試みるのでしょうか?なんでしょうかこのプレスリリースみたいなまとめ方は。次回にお会いしましょう。

 

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*1:とりあえず商業の長編は取り扱っているかんじ。短編アートアニメーションはそんな取り扱ってない。