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葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

男の子と女の子、どちらが中心のアニメのデザインが優れているのか?「K RETURN OF KINGS」 

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K RETURN OF KINGS 視聴とびとび7分 制作・GoHands

 

 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。

 

 劇場版まで展開した「K」の新作です。ざっとキャラクターデザイン、アニメートやレイアウトなど基本部分を観たところ、いずれも突出した部分はありません。特徴的なのは、豊富なエフェクトや極端なコントラストの効いたグラデーションをかけた画面構成です。それは「K」というタイトルに掛けられた耽美やら躍動やらをより強く見せるためにそうしているんだと思います。

 

 

 女の子のデザイン主体の萌えのハーレムや日常ネタ。男の子のデザイン主体のアイドルやら水泳ネタ。男女両立で日常ネタなどなど、作品によって中核に置いてるキャラは違います。前からふと思ってるんですが、女の子と男の子、または男女両立と果たしてどれが中心にある作品のデザインがいまのところ優れているのでしょうか?

 

 何を持って優れているか?というのは、客層が見込めるジャンルの構造に基本的なキャラデザからアニメートの質が保たれてる上で、いかにその構造から距離を置いてデザインしているかってことです。

 客層を意識すると基本、デザインは足し算になる傾向あります。バカみたいな例えですが、女の子中心の作品があるとするとより巨乳を強調させるとかパンチラあざとくさせるとかやるじゃないですか。…書いててバカ臭くなったのでここまでにしますけど、まあ欲求に忠実になって足し算しすぎたら、いずれ飽和しますよね。

 

 そして優れたデザインはそういう欲求分かったうえでその要素をギリギリまで消さないようにしつつ、引き算で作っていくことです。引き算の手法は多彩にあります。わかりやすい面では引き算で構成されている先行ジャンルの方法を導入することです。

 

 

 

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  グラフィックデザインやWEBデザインの手法の導入、キャラデザでは実際のファッションの引用、アニメートや関しては現在では使える表現も、デザインとしてまとめる水準も上がっているので、やっているとこはやっていると見てます。

 ざーっとみたところ、やっぱ製作数の多い女の子主体の作品、ついで男女両立くらいの作品あたりで、たびたび観客の要求に応えつつ、距離を置いたデザインの作品が出てると見ます。なんだかんだでシャフトの「まどマギ」と「化物語」はもの凄いことですね。

 

 男の子主体のアニメのデザインは、やっぱ想定しているお客さんがすぐに反応できる、キャラのバキバキの耽美さをいかに伸ばすか?ってのに注力していて、まだ足し算で作ってる印象です。「日本のアニメマンガの独特さをアートやデザイン視点で再構成しちゃう」というちょっと上のレイヤーから引き算でデザインをやるには、腐女子の歴史は浅すぎるということでしょうか?

 

 トップどころの京アニのFree!でさえも客層が一秒でわかるケレン(筋肉描写カットの数々)に引っ張られてます。手塚治虫の原作も、かの70年代終わりの生々しさではなく、非業の境遇を持つ耽美さへと「ヤングブラックジャック」によって変えられていました。今後男の子メインで「ローリングガールズ」くらいまで突き抜けたデザインや距離感の作品は出てくるのでしょうか。いや、もう出ているのです。「おそ松さん」がそうなのです。なわけねー。どうでもよいですね。

 

 「K」はそんな客層がすぐさまにわかる耽美さをより強く見せるためにハイコントラストの画面作りをしています。が、それ最近どっかでみたような・・・「影鰐」でした。

 少数人数での制作で日本の商業アニメのリミテッドアニメぶりを皮肉るかのように「芝居アニメーションと自称するこの作品、作画枚数が圧倒的に少なく実写の写真を使った背景、ノイジーなエフェクトなどなど明らかに低予算ながら、FROGMAN作品のように低予算ならではのギャグという認識にならず普通のUHFアニメのように認識して観ることができます。出口は耽美と恐怖で違うのですが、一部結果が近くて可笑しなものがあります。

 

 

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 観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。