17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

少年漫画的な熱血デザインは変態の方向に向かう 鉄血のオルフェンズ2話 

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鉄血のオルフェンズ 2話 視聴フル

 

teenssexandwarmode.hatenablog.com

 

 なんか前回ので収めるのは違う気がしてきたんでもう一個です。

 

 少年漫画風デザインの意図的なダサさ、という話で収めるには不気味な余韻があるわけで、その辺のデザインの話です。

 

 サンライズ系で初見は露悪的なまでにダサいデザイン、終わってると思いきやその中身を観るにデザインのダサさは反転し、汚れや臭みみたいなのをぶち込んだ禍々しい見世物にしていたのは去年の「クロスアンジュ」でした。

 

 

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  あれはまさに俗悪。あのサンライズ的ダサさが残虐やレズやら失禁や何やらを何倍にも増幅するのでした。あれっきりなんだろうと思われました。ところが「鉄血のオルフェンズ」で少年漫画的熱血ダサデザインが俗悪や変態に繋がるということで生きると言うことが、点から線になった感じあります。


 なにやら火星と地球がどうたらとか、前に大戦があったとかそんな世界観はどうだっていいです。全ては主人公ミカたちの隆起する脊椎・不遇な境遇を振り払うかのように繰り返される鍛錬と肉体、そしてその肉体の拡張としてのMSオルフェンズの、かつてない泥臭い肉弾戦が全てでそのほかはどうでもいい感じします。

 

 この変態性は少年チャンピオンを主戦場にしてる山口貴由のようです。「覚悟のススメ」から「シグルイ」で中核にあるのは少年漫画の熱血ダサの極致なデザインもそうですが、そうした脆弱な感じとその裏打ちとしての肉体です。

覚悟のススメ 1 (チャンピオンREDコミックス)

覚悟のススメ 1 (チャンピオンREDコミックス)

 

 

 

 

  シグルイなんて不遇な生まれの少年が武家社会の暗黒部分の中で身体を鍛錬し…なんて作品でしたよね。

 

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 もっと振りかえれば少年漫画デザインと不遇な境遇、そこで鍛錬される肉体みたいな変態性つったら「巨人の星」とかあれもそれっぽいですね。意外に振り返ると「オルフェンズ」のダサさは何周か回って、よく知ってる少年漫画の熱血の裏側にある変態性を思い出させるデザインとなっています。その意味で主人公の薄ら暗い境遇で鍛えられる肉体そのもの暗喩たるオルフェンズは「Gレコ」のGセルフよりも深い暗喩を含んでいるのではないでしょうか。

 

  あんまりにも荒野でメイス?っぽい鈍器で殴りつけるって絵が良くて、ずっと泥臭い地上戦で肉弾戦続けてたら面白いんですが、オープニング見たら宇宙に出てビーム撃ってたんでその展開になったら意味あるダサが単なるダサに成り下がるので避けてほしいですが…「序盤で地上戦をやっていたころが一番面白かった」なんてことになったりしないでしょうか?

 

 しかしせっかく土曜の17時くらいに放映してんだ、「不遇な少年が肉体を苛め抜き鍛えられ、その反映としてオルフェンズがある」みたいな変態性、うっかり観た子供に意味不明な後味やトラウマ植え付けてやれ!ちょっと食いやすい「シグルイ」という期待ということで観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。