ガッチャマンクラウズ インサイト #02 視聴フル
ガッチャマンクラウズで最大の面白さがあるのは、UHFアニメ特有のキッチュさの中に現在大変流行しているフラットデザインのロジックが混ざりこんでいる点だ。
スマートフォン&PCというインターフェースから今日様々な分野にまで影響を与えるフラットデザインの視座を、おそらくは真逆の立場であるUHFアニメに導入。ミニマリスティックに機能性を提示し、現行のデザイン視座を一新したフラットデザインの要素が混入された映像のドライとも何ともつかない結果が、本作の特徴に思ってる。
クラウズのヴィジョンは決してSNSという題材であるとか、ましてや1期で取り扱った暗に震災後を描いているなんて社会的なテーマで回収できるもんでもない。WEBやSNSがこうまで広まることに伴い、フラットデザインが目的とするものが前の時代のようなリッチデザインのゴテゴテさを解き放ち、基本的な視座を書き換えたことは大きい。
往年のアニメのリッチなデザイン 原色バリバリであればあるほど良い シルエットが極端であればあるほどよい
そしておそらくUHFアニメの中で「まるで実写みたいに」という画面作りや脚本の手触りなど総合してもっともリッチデザインぽい京アニ「ユーフォニアム」。そこがあんまよくなかった
「中村健治監督は政治を意識しているよね…」という点で評価するのはとてもつまらないことだ。ましてや論壇とかい言い出すと本当にダサくてしょうがなくなってしまう。SNSとか時事ネタを扱っているから本作が面白いともあんまり思えない(むしろ、そういうテキストの意味ではあまり良くない水準ですらある 実際デザインに魅力ないが経済ネタ元にした「C」は駄作だった)。
トータルデザインはぶっちゃけると中村健治作品のアヴァンギャルドな「モノノ怪」や「空中ブランコ」のような構成にはかなわないところがある。決して完成度が極に達したアニメートやレイアウトだとも言い難い。しかし完全に相容れないだろうUHFアニメの傾向とフラットデザインのそれがぶつかり合っているところから本作ならではの映像が生まれてるのはたしかだ。その結果独特のドライで狂気的なムードはそこからある気もする。#02のイベント会場でのはじめたちのシークエンスの何ともいえない気配はそこから出来てるように思うのだった。
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