17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

”おしゃれバカアニメ問題”を定義する

Ads

デス・パレード 視聴12分 製作・マッドハウス

 

 また一つ現れました。瞬間的に熱しすぐさま忘れられるために生まれ、次なる瞬間に繋がる礎です。

 

 UHF系アニメで時に使われる「オサレな~」という形容、これどう考えてもみんななんかあの手の方向性に引っかかってるゆえですよね。ぼくは去年「残響のテロル」に見事にひっかかり、いま「デス・パレード」を見てこの形容詞に当てはまる類の作品が持っている”おしゃれバカアニメ問題”を書き散らしてみたいと思います。

 

 こんなひどいブログタイトルはアニメ漫画ラノベゲームでの「中高の学生くらいの少年少女の殺し合いや萌え」みたいなオタクネタトレンドを皮肉ってることからスタートしてるとこはあるんですが、しかし最大のポイントであるゆえにロボットネタだろうとアイドルネタだろうと部活で女の子がだらだらだろうと、実際観てみるとそこでアニメの表現水準やデザイン水準というのはかなり洗練されていっていると思います。

 

 しかし、「中高生の少年少女の萌えから殺戮トレンドはいかがなものか?TVアニメでももっと大人に見てもらいたい、もっと深いテーマで表現できる、オタクのオナニーや二次創作の生贄というだけじゃないアニメもあるはずだ」みたいな意志かなにかで作ったであろうタイプの作品、あれはその志と逆にいかんともしがたいすわりの悪さがあります。

 

本当に”おしゃれな”アニメとは?

 

 「おしゃれなー」という形容が付く場合、それは既存の表現にアートやデザインの方向性を強めた表現の際によく使われます。そしてぼくが判断するに「おしゃれな~」という形容がなされるべきアートやデザイン的な方針を少しでも持った作品、そこではあまり「おしゃれな~」という風に語られているのを見たことがありません。

 具体的に作品名を挙げましょう。京アニの「けいおん」から「氷菓」「FREE!」あたり、シャフトの「化物語」「まどマギ」、湯浅政明作品「マインドゲーム」、「ピンポン」中村健治モノノ怪」「つり球」「ガッチャマンクラウズ」、今石洋之「キルラキル」あたり。

 あれはモチーフが萌え部活だろうと魔法少女だろうと変身時に9割肌色だろうと”おしゃれな”とされるちょっと上のレイヤーから日本アニメをデザインする、コンセプトを完遂する意思があると見ます。

 

 

 

 

GATCHAMAN CROWDS   Blu-ray BOX

GATCHAMAN CROWDS Blu-ray BOX

 

 

そして”おしゃれバカ”問題

 

 

 ではアニメに対して”オサレな~”だなんて揶揄される、おしゃれバカアニメとはなんでしょう。まず既存のキャラクターデザインのトレンドからちょっと大人びたような方向にする、モチーフは少年少女の萌えやらロボやら殺し合いやらと別のものにする。社会的なテロやジャーナリズムなどを持ち出したりする。

 

 要はオタクネタトレンドから離れてアニメをかっこよくデザインしたがる方向性のことですね。でも実は監督や演出家にアートやデザインの能力や、そもそものアニメートの地力がなかったりするせいで1が2になりたいのにどう頑張っても1.999999までにしかならないし、それどころかむしろ0に近くなってるくらいに見えます。

 

 それに、おしゃれなアート&デザインのジャンルたるファッション関連のコラボとも一番遠くなったりするし。”オサレなー”って言われるものが一番BEAMSとかとコラボしたりしてない!パッと見ダサいと解釈されているだろうキルラキルとかのほうがずっとファッションに近いじゃねーか!という。

 

 その意味でおしゃれバカアニメ番長に君臨しているのは渡辺信一郎監督です。ほんとに毎度TVアニメのネタにあがりにくいハードボイルド、ヒップホップ、テロリズムなどを持っていきながら、それらがすべて根本的なアートやデザイン、アニメートの能力が難なことで「実はすごくテンポの悪い人ではないか」と思います。

 

「デス・パレード」これぞおしゃれバカ

 

 しかし渡辺監督以上にまたおしゃれバカの極限と思ったのが本作「デス・パレード」。本当にこれこそおしゃれバカアニメの塊。今後もブログで使っていくだろう「おしゃれバカアニメて何ですか?」って知りたければこの作品を見ろ!

 

 ”大人の”と形容されるモチーフがもうとほほじゃないですか。バーテンダー、ダーツ、男女の関係の諍い…全部類型的で21世紀になる前に終わってるじゃないですか。じゃあバーテンダーの異空間から男女の諍いや、投げられるダーツから過去や関係、不信をアニメートするかといえば、全部脚本まかせ。脚本をコンテに立ち上げてるだけ。OPのテンションも「暗いテンポの内容だからここだけでもハジけないと(笑)」みたいなのが見えてキッついです。

 

 おしゃれバカアニメ問題、それはパッと見作品性に殉ずるように見えながら、グダグダの出来。 実は、アニメでしか成立しない表現やテンポなどに無頓着で疎い。にもかかわらずロボとか萌えを使わないでかっこよくおしゃれな方向を目指す、社会的に重いテーマにしたがる。なにより、3話4話と続くにつれてみんな話題にもしなくなるので、この問題は誰も見えてないしDVD・BDも手を取らなかったりするわけです。

 

 アニメ漫画ゲームラノベシーンは萌えやらなにやらが目立つので小ばかにしがちだけど、よくよく考えると萌えに反発してるこのおしゃれバカアニメ問題のほうが根深い気もします。アニメ表現を進めようとするアートやデザインの方向性に近いふりをしながら、もっとも遠ざかっているから。

 

 ほかのおしゃれバカアニメと思われるものはどのように落ち着いていったんでしょうか?「スピードグラファー」「ミチコとハッチン」とか…観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。

おしゃれ番長 feat.ソイソース

おしゃれ番長 feat.ソイソース

 

 

 

 

> id:miruna ちゃん

ごっめーん うちは無線LAN使ってて有線部分はハムスターも絞め殺せねー長さなんだわ

なんだったら有線LANとか送ってきてよ あっ、メモリ増設したいから8GBのとか送ってくれるついででいいから あとカルシウム取れカルシウム あとお前もけっこうバカにする発言多くない?ブーメランってやつじゃない?