17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

東京ESP 今度はパトレイバー2かよ!(1話は)そして超能力ネタと90年代初頭にタイムリープしてる!やっぱ今2014年じゃないんだな

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東京ESP 1話 視聴17分 制作:XEBEC

 

 今更ですがこんなブログ名にするんじゃなかったと思うときあります。アクセス解析した時にGoogleYahoo!のキーワード検索が出るんですが、「河合荘 SEX」「さばげぶSEX漫画」「アニメ、アカメが斬る セックス」とかこんな具合。欲望は陰鬱で深い…まあいい、このボケブログにひっかかって残念だったな!と思うことにしましょう。さて東京ESPです

 

 雪の降る街。待ち合わせ場所で出会う女の子。そのカメラが引いていくと、自衛隊と戦車が映る。その後に国会議事堂が占拠され、テロが勃発し…

 

 これは原作準拠のシーンだとは思うのですが、アニメの演出に関してはものすごく「パトレイバー2」を思い起こさせます。リアルでささやかな日常のなかで、さも最初からそこにいたかのように街を見回る自衛隊の姿というコントラスト。

 

 そして超能力戦争の開始。こういう背景で東京ESPというタイトルも合わせて思い出させるのはCLAMPの東京バビロン~Xという首都を舞台にした超能力ネタの流れです。これは先述のパトレイバー2も合わせると1990-1993年ごろの当時先鋭ぎりぎりのとこにあった作品で、エヴァンゲリオンの前くらいのイメージです。

 

 東京ESPというのはまるで90年代中期のエヴァンゲリオンも2000年代の京都アニメーションもシャフトも最初からなかったかのように、90年代初頭という開戦前夜や革命前夜の感じを延々と続けてるかのような感じあります。ここんところずっと繰り返してるけどやっぱ今2014年じゃないのかもしれませんね。

 

 だからといって東京ESPは懐かしくもない。90年代や2000年代の変貌を最初から無き者として扱うその手つきですが、どうせ永遠にある年代がずっと続き繰り返されるならもっと景気のいい時代がいいじゃないですか。基本的に何作っても永遠に80年代なアニメスタジオたるサテライトとかあんな感じがいいですよ。

 

 なんで世相が黄昏に差し掛かる、暗雲が立ち込めはじめる90年代の初頭が永遠に続く感じを選ぶんだよと思いますが、まあ単なる偶然で企画の流れゆえと言ってしまえば話は終わります。

 

 でも90年代中期以降の本当におっかない世紀末に向かって驀進していく破滅的な予感も省き、2000年代以降の技術が実現したドキュメンタリー的な生々しいイメージのカメラやコントラストの強い風景から喚起される永遠の日常情景も回避した90年代初頭イメージというのは、結局火の付けた導線の先に爆弾が無いようなものなので乗りにくいです。CLAMPの「X」なんて今調べたら90年代中期にあった大マジのカタストロフ(つまり阪神大震災地下鉄サリン事件)で連載の完結を見出せなくなったとかあってヒヤヒヤしましたよ。

 

 やっぱいま2014年じゃないんだな、春のモードはまだ2014年があったよ、なんで90年代の初頭や2000年代の初頭みたいな変貌前夜の作品が出てきてる感じあるんでしょうか?誰かがタイムリープさせてきてる!ぼくたちを永遠に90年代初頭とか2000年代初頭みたいなぬるさに閉じ込めようとしてる!観たアニメは忘れましょう。しかし培った技術と歴史が、過去を繰り返します。

 

 

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