17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

東京喰種の前に、東京にゾンビ系統のものがあったことをどうか、どうか知ってほしい

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東京喰種  視聴15分 制作:studioぴえろ

 

 スタジオぴえろは大手少年・少女漫画からヤングジャンプ系の青年誌のアニメ化、しかもアニメの現モードを推進するホットスポットではないラノベやくそ4コマ日常ネタ萌えネタを原作とせず、きっちりホラーもアクションもサスペンスも扱った作品を映像化しています。

 

 東京喰種は現在のアニメの前線が行っている絵作りに乗っ取ったまま、現代の気配のままにゾンビ&吸血鬼ネタという上手くやっています。また主人公が人間と化け物のハーフであるってのもすげえいいです。「八月の光」のころからこうしたドラマの中心にあるのは異なる二つの種のハーフというのはありがちでありながら根源的なものです。まあこの部分は、石田スイさんの原作がいいと褒めるべきでしょうが・・・

 

 現行の京アニはじめ率先して使ってる手持ちカメラ・スマホカメラ越し的な日常風景描写の技術レベルに近いままに、グロテスクなホラーとアクションをやるのが良いです。冒頭の3Dの街並みカットもベタベタの3D過ぎて浮かないのもいいし、グール化した主人公が、事実を飲み込めずに手前から奥へ主観視点で走り出すカットもよいです。

 

 人物&背景バランスの合ったレイアウトや空間はややずれるのですが、きっちり精微に合わすよりずれていること・バランスくるっていることぐらいの方がホラーやグロテスク、エロやポルノは感情移入しやすいとは京アニが「FREE」でわざとバランスを極端にすることで証明してくれたばかりじゃありませんか。

 

 どうでもいいですが、東京喰種というタイトル、とりあえずゾンビや吸血鬼といったネタで問題ないと思いますが、東京という土地に合わせたゾンビもの漫画はじつは昔にけっこうあったということをどうか、知ってほしいです。

 

 その名も「東京ゾンビ」。主人公のアフロくんがゾンビ化の進んだ東京にて、一部の富裕層がゾンビと奴隷を闘わせることを娯楽にしている中をブラジリアン柔術を使って闘うという作品です。「どうか、知ってほしい」と書きながら本心は別です。そう、嫌がらせです。

 

 観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。

 

 

東京喰種トーキョーグール 12 (ヤングジャンプコミックス)

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