17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

下宿ラブコメ「僕らはみんな河合荘」は新海誠のようなモードゆえに何処かしら影を差す

Ads

僕らはみんな河合荘 第2話 視聴フル

 

 こちらも漫画原作ですが、まだしもこちらには近年アニメのモードに乗っかっています。

 日常とその情景の青春の光と影。それは新海誠系統の絵作りから京アニの鉄壁の絵作りなどに乗っ取っているように思えますが、原作に準拠しているゆえでもあるのでしょう。

 

 

 深いグラデーションに伴う情感あふれる風景と重なるように描かれる少年少女の恋愛模様。画面の全面にわたって差し込む陽の光。そうして作り上げられた空気感は、すでに「めぞん一刻」だとか「ラブひな」だとか好きな女の子と一つ同じ屋根の下で暮らすラブコメのジャンルという先入観を超えて行ってしまっています。

 

 新海誠モード感をキャプテンアースでも感じていたのですが、そっちはどんどんキツいのを感じていましたが、日常の青春と光の影を描くならば非常に良くはまりますね。実際の新海誠フィルモグラフィーを重ねるごとにどんどんロボットネタ・SFネタを捨て去っていき、日常の情景の中にある人生の光と影の情感に集約されていっているように、他のこうした日常風景が舞台のアニメもまた新海誠のモードに影響を強く受けている気がします。

 

 しかし新海誠フォロワーとはいえ、その画面構成、キャラへの色彩配置、デフォルメギャグシーンでも手をぬかないデザイン的なグラフィック&カラーリングとかなりのものがあります。なにかここまでの完成度を鼻から見えているあたりに日常モードがロボットネタやら各ジャンルアニメやらを超えて未だ前線にあるのだと思わされてしまいます。

 

しかし日常で部活やるなり恋愛模様なりの光と影の気配を描くのが今んところ主ですが、いつの日にか崩壊して行く日常、徐々に変貌する日常みたいな感じの切り口のものとか出ないでしょうか?ま、観たアニメは忘れましょう。でも培ったモードと技術はそのままに、次回にお会いしましょう。