17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

キャプテンアースの一瞬の新海誠っぽさを感じさせてからの過去のダサダサの突き落とし 2014年春アニメのモード

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何やら春にはロボットネタがやたら存在しているようです。ちょっと前にバディコンプレックスだったかで「ロボットネタは現在数シーズンは遅れてる感がある」と感じ入っていました。その中で何か今を突くような作りのものは、ひとつでも現れるのでしょうか?

 

 

 ボンズ製作による「キャプテンアース」は一見なに一つとしてキャラデザインにもメカニックにも世界観も刺激の無い要素に覆われています。 脚本もグチャグチャで登場人物の行動原理も即座には理解できない類でヤバイです。

 

この作品が今季の話題をかっさらうことは無いとはすぐにわかるのですが、にも関わらず今作のムードにここ10年くらいで変貌したアニメの基礎リアリティ感といいますか、それがどっかしらに反映しています。

 

 かなりベタな父親のメカニックを受け継ぐ主人公のガキ、のガンダム系統に見せかけて実はゲッターとかマジンガースーパーロボット系という捻れというか、製作のボンズの以前の作品である「スタードライバー」の方針などから感じられる、過去のスパロボジャンルを現代に合わせたのならば。という気配があります。

 

 とりあえずそう仮説立ててその現代の合わせ方を考えると、過去の熱血スパロボ路線とは真逆。やる気ない主人公のモノローグ、美しい背景に描かれたロケットが発射する情景を主にしたシークエンスなどなど、どっかしら新海誠的。その新海誠っぽさが現在のアニメのある種のリアリティ水準にある気がします。

 

 フルデジタル製作により、日常の風景を極端にコントラストを掛け、主人公の心象と風景の情感をシンクロさせる新海的光景は現在のアニメで各所に存在しており、主人公の非日常的光景(ロボットやら)もまたそうした情感の中に含まれていく。というこの入り方は妙に少なくないのですが、キャプテンアースの場合こうした日常シーンから突如スーパーロボット非日常エイリアン無差別殺戮格闘死闘シーンに突入するもんですから、まあ動揺するったらするわけです。

 

  ちなみに戦闘シーン入ったら敵サイドのキャラデザインからメカデザイン・制服デザインまで一気に2000年代から90年代初頭にタイムスリップして行きます。もうだめだ!最終話にたどり着くころにはいっそ50年代白黒アニメまでタイムスリップしてくれたなら、ということで観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。