17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

何重にもマウンティングする17歳のキキ

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参照:アオハルかよ


ついにひとつ現れました。実質ジブリマウンティングです。しかも複数の意味にまたがったやつですよ。

 

『君の名は』が過去のジブリ作品を上回る興行収入を得る大ヒットしたこと、これまでも企業が往年の名作をネタに作品世界を破壊するようなCMを製作すること(ハイジをこすりつづける家庭教師のトライとか。すべて最悪なのだが、特にトライ先生がハイジ世界に乱入させる時のCMでは一切として原作をリスペクトしてない広告屋のマウンティングが露骨に現れている。セル画デジタルのセル着彩まるわかりのデザインのうえに、原作が影無し単色なのに多段の影つけてで出してくるとかぜんぜん原作のアナログでのデザインに合わせる気がないのですごすぎるよ。)という複数の要因が重なってます。

魔女の宅急便の舞台、都内にするとかすごいですね。あれだけ地方の自然や街並みみたのを意識したジブリ版に対し、田舎は鬱屈としている場所で人工的な場所の方が美しくしっくりくるという新海誠の作風つかってくるとかいろいろ思うとこありますよ。このハイコントラストな画風、途中ぐらぐら揺れる手持ちカメラ風視点とかふくめると京アニまで含んでるのかよみたいな。

 

まじめにキキ17歳を作る、ジブリへの敬意あるスタンスだったらこうはならないですよ、日本の都市部が舞台になるとかないですよ。広告制作サイド、おそらく宮崎駿の後継者は誰かみたいなのが近年言われた中、一躍大ヒットを飛ばしたことでその席に考えられてる新海誠の作風をわざと使って過去のジブリ作品をマウントしてみるというずいぶんタチのわるいことしてますね。しかしイタズラの度が過ぎていると言いますか、新海誠の作風と宮崎駿の作風は何から何まで真逆。新海誠の作風で、しかも広告制作としてネタとして消費しようとして、ジブリ魔女の宅急便にマウントする破壊力の度ははずれているのです。細田守が異常なヒットを飛ばし、細田風味のCMがつくられるとしたらこうはならなかったでしょう。

近年は何故か清水崇による実写映画の公開とか、来月公開される『メアリと魔女の花』が明らかに意識したコピーがついているなど、なぞの魔女の宅急便包囲網が敷かれております。そんななか、宮崎駿は戻ってきます。観たアニメは忘れましょう。また来季にお会いしましょう。

 

 ↑魔女の宅急便の原作最新作。