魔法少女育成計画 制作:Lerche 視聴12分
またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。シーズン中は毎日20時くらいに書き散らしがブログに現れるのでよろしくお願いします。
…大体の人がおもったことでしょうが、彩度が薄目のパステル系の色遣いで頭身の低いキャラクターデザインという、萌えのイメージを押し出しながら残虐に振るやりくちは『魔法少女まどか☆マギカ』の成功を追っています。というか制作のLerche自体が前作『がっこうぐらし』で近いやりくちで一定の話題を呼んだのに味をしめたという印象が強いです。
これも少女が残酷な目にあいます。がしかし、その残酷さというのが、各種の意味からくる貧困から来てるものにしか見えないんですよね…
この作品には『まどマギ』にあったシンメトリー的なレイアウトやデザインとして切り取った美術、そして何より大事な劇団イヌカレーが見せたコラージュ系のアートアニメーションの引用という、蒼樹うめのキャラデザの先入観をやすやすと覆すアートスタイルをまったくとれていません。
では凡庸なレイアウトや美術から浮かびあがる残酷さってなにかというと、書いててげんなりすることですが中高生のもちうる情報の狭さや、おもしろいと思えるものの狭さそのものをネタにしてることですよ、バスの中で友達が話題にしているのはまとめサイトのもの。主人公の女の子がはまっているのはソーシャルゲーム。基本無料(作中で明言されていないが、おそらくは)のソーシャルゲームをこの世でもっとも面白いものではまりこんでいくというねた。それが主流。まいりましたよ。情報の取捨選択の貧困さというのがメインに据えられているかのようで。
teenssexandwarmode.hatenablog.com
ちょっと前に高校生の女の子が貧困かどうかねたが話題になってましたけども、なんとやなしにライトノベルの界隈で異世界で一発当てるという父さんHIPHOPで食っていこうと思うんだ的なむちゃくちゃな無敵さを発揮するというのは、現実世界で自分の立場ややれることに限界が来てしまいどうしようもなくなりそこにしか承認欲求やらなにやらを満たすことができないという、金銭や精神、情報の取捨選択といった意味の多数の意味がある貧困を裏で意味してるといえます。
つまり異世界ネタや今回の『魔法少女育成計画』を集めてみていれば、ある意味で現代日本の貧困のリアルなドキュメンタリーとして眺めることも可能かもしれません。いま、貧困とは簡単には可視化されないもの。なにかの裏打ちとしてしか見えてこない。
あっ!一個思いついた!こんなんどうでしょう「セカイ系が死んで、異世界に逃げる貧困のドラッグが生まれた」とかいって異世界ラノベとかこの作品とか書き散らすんです。どうだ?若手評論家?一部のとほほ言論系ぼっちゃんの承認欲求を満たすドラッグを作るんです。自分でかきながら自分でくそだとおもうがな!観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。
貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち (講談社現代新書)
- 作者: 藤田孝典
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/03/16
- メディア: 新書
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