17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

青春はうすら暗くそして不気味「orange」

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orange  視聴少々

 

またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。間が開きましたがよろしくお願いします。

 

さて「orange」ですが、これが薄ら暗い…高校生の少女が主人公でこんなにグレートーンの絵作りでいいのでしょうか?グレートーンに緑の制服って組み合わせ、これどこかの倉庫作業の光景のようなキツさ…ちょっと今季は女の子のさわやかな青春ものにみせかけて、実際の映像が薄らぐらく陰鬱なかんじというのがラブライブ新作とかあまんちゅとかやけに多いんですが…

 

 そんな中でも「orange」は実際にかの時代のしんどさをタイムリープでどうにかしたいという内容もあいまってか、比較的陰鬱なビジュアルにも意味があると思います。とはいえ登場人物たちがまるでホラー漫画かもわからない瞳の描き方なのが、少々気にかかります。

 

 よくよくみたら原作がばりばりの少女マンガ誌ではなく月間アクションに掲載されているというのもあるのでしょうか?あれは萌え系の連載陣の中にハードなゲイ漫画を描き続けてきた田亀源五郎などを含ませているというバランスの雑誌です。少女マンガで青春ものとは逸脱するような強迫的な瞳や表情でビックリしたんですが、掲載誌をみて腑に落ちました。

 

 しかし、実写映画化するほどの人気を得た原作ですが、今回アニメ版の陰鬱さは近い作品と比較しても際立ちます。細田守のアニメや(実写ですが)原田知世主演の「時をかける少女」や、最近ならビデオゲームでも「ライフイズストレンジ」などなど、青春SFねたは多いのですが、いずれもわずかな時間でしかないかの時期を、時をさかのぼるという意匠からある意味では永遠のなかにいるように

 

 作品は何度でも読み返したり、視聴したりすることで読者や視聴者もそんなタイムリープする青春時代になんども触れることができるともいえるんですが、「orange」の基礎ビジュアルであるグレートーンに緑というのははっきりいって地獄の青春時代のようでそれがタイムリープされるってのは…観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。

 

 

ライフ イズ ストレンジ

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時をかける少女

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