モブサイコ100 視聴いいとこだけ
またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。
今季は京アニもトリガーもシャフトもWITも不在の中、気を吐いているのがボンズではないでしょうか?前々から書いてる気がしますがアート・デザインにこだわるのと客層の解釈しやすさの配分が最も適切なのがボンズと思います。特に今回はアニメの面白さが凝縮されているのではないでしょうか?
冒頭の2分間から素晴らしい。 100パーセント溜まるまでの演出とロゴ、線画の痕跡が残ったままの作画によるアクション、グレートーンを基調にいきなりカラフルなエフェクトが飛び出すなどなど、湯浅政明作品でもない限り商業アニメーションの範囲でこういうアニメートをやることはなかなかありません。
つうかまるで油彩画が動いているような衝撃を与えるグラスペインティングの*1手法までつかってるのでやりすぎだって!「モブサイコ100」の夫婦だか恋人だかの後ろに出てきた幽霊のシーンに使われたこの手法はアートアニメーションの領域で主に使われているのです。(以下の作家が主に使っています。マジに素晴らしいのでおすすめですよ)
teenssexandwarmode.hatenablog.com
それにしてもですが、こうしたデザインをやる場合って既存の「最初からアニメ化にも適した絵柄」みたいなのではでてこないんですよね。
多彩なアニメートにこだわる場合って、既存のアニメ絵だとセーブされちゃうから、松本大洋作品など全然トレンドから離れた絵の原作ではないとこういうふうにはなかなかならない。ONEの原作でなければこうまでぶちかますことはなかったのではないでしょうか。原作にかかわらずぶちかますシャフトのようなスタジオもありますが、あれは客層から反発買ってることも多いですし。
「Show by Rock!」もひっそり凄かったんですけど、この原作のおかげでボンズの能力の地力はさらに見えたと思います。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。
*1:ガラスの上に画具で絵を描き、一枚づつ撮影して絵を変えていく手法