鉄血のオルフェンズ 視聴とびとび
なぜ「あの花」や「あの夏」の長井監督、ないしチームがガンダムを?
あの花のトータルデザインは無論、去年の「Gのレコンギスタ」の素晴らしい手描きの残る描線&シンプルな色彩設定などが魅力的だったのに対し、意図的なダサさの残るキャラクターデザインとコントラストの強い画面設計、そしてガンダムのデザインのやはり意図的なまでのダサさ。それはサンライズ特有のデザインです。
よくわかりません…縦書きでスタッフ欄表示してるってのは「あの花」からのデザインで、Aパート終わりに1話サブタイトルバックが現れるという小じゃれた演出に、あのサンライズならではのとりあえず少年あたりを客に想定しているだろう、熱血クリシェなキャラデザイン。ちょっと「からくりサーカス」を思い出す主人公のキャラクターデザインなんですが…
真逆です。話題作の「心が叫びたがってるんだ。」を公開した直後にこのデザインを観るに、中高生くらいの淡い心{作品によっては性欲も(うまく)からむ}を反映したデザインや美術を持ったそれが、少年たちの戦記ネタをやるというのは。しかも思ったよりテンポ良く進んでます。
しかしサンライズのデザインの膠着感といいますか…あの熱血やらなんやらのデザインが今は無くて、デジタル製作のクリンナップ時代の中で形骸化した結果といいますか…
いちおう少年漫画あたりを中心としたいま最大の成功作が「ラブライブ」なんですが、これも基本かなりきっついとこからスタートして、周辺のトレンドを消化した形で今があり、商業アニメ界のトップに立ちました。しかしこれがおそらく今のベストで、その他サンライズデザインだと熱血&ダサのはずの絵柄も、「クロスアンジュ」の俗悪を生かすためのそれに振り切ったりぐちゃぐちゃでございます。
ふと思います。いま7歳くらいから19歳くらいの少年たちを想定した少年漫画からアニメのデザインとはなんだろうな、ジャンプをみても膠着した中途半端なアニメ絵を少しダサくしたやつが腐るほど現れそして消えます。いやオレがおかしいのかもしれません。少年のためのデザインなど昔からなかったし、漫画もアニメも技術がないころはみんなダサいしろものだった。
やがて漫画もアニメも対象とする年代も、時を経て技術も文脈も重なっていくにつれ先鋭的なデザインやる奴は最初から少年くらいを対象とするものではなくなっていった。にもかかわらずジブリ以降にアカデミックなレベルにまで突き詰め、大衆的なアプローチをとるデザインは…ってところでやめときましょう。まあそれが日本商業アニメなんですが、それはおいておくとしてもサンライズが少年を対象としたデザインが持つ熱血・ダサさというものを独占していると思います。そしてそれをなぜ長井&岡田脚本という、もっとも苦手そうな人たちがやるのかが謎です。観たアニメは忘れましょう。でも培った熱血とダサみはそのままに、意味なく裸になるのはやめましょう。
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 Blu-ray BOX(完全生産限定版)
- 出版社/メーカー: アニプレックス
- 発売日: 2013/08/21
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (19件) を見る
あの夏で待ってる Blu-ray Complete Box (初回限定生産 新作OVA+イベント優先販売申込券付き)
- 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
- 発売日: 2014/08/29
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (5件) を見る