なんかちらほら観るものがないとか見かけますがそうなんですか?!夏はあまりにもひどくもういいやと投げたんですが、秋はこれかなりいいのあるじゃないですか。ぼくだけがよろこび経済にはそこまで貢献しないデザインのすぐれているだろう作品が。秋は歪んだ書き散らしをまたやります…ということで書き散らすだろうタイトルをいくつか。
ルパン3世
京アニの「ユーフォニアム」のような2D手描きの、ラフさをかき消すクリンナップされたリッチな絵作りというのも、セルルック3Dの進歩によって実は2Dの特権的なものでもないかもしれないな、というなかルパンのアニメートはシンプルに手描きそのものの描線やラフさを殺さぬままデザインしているのが良い。「うしおととら」もこういうバランスだったならな…
くそのようなクリンナップされた味わいの無い作画とデザインの近年の金曜TVスペシャル版に対し、初期のような猥雑さや線の伸びの良さを取り戻そうとする「峰不二子と呼ばれた女」「次元大介の墓標」のデザインを経て、ルパン第二シリーズから関わる友永和秀を監督に迎え今回のデザインにたどり着いたのだと見ます。
今年褒めてる作品はえーっと「ローリングガールズ」とか「I can Friday by day!」とか「ガッチャマンクラウズインサイト」とかことごとくジャンルだとか日常情景のリアリズムを描き、丁寧な脚本で感情移入を促すようなタイプではなく、商業アニメを構成する要素や手法をアートデザインの手法を使って遠目に見つめてる奴ですね
商業アニメの記号的なとこをデジタルのエフェクトやデザインによって再デザインするって類です。絶対に「Gのレコンギスタ」を観るように感動しない。おそらくこれも「京騒戯画」とか「ローリングガールズ」を観るときのような感じに近い。便宜的になにか超人とかなんなり打ってあるが、実質何のジャンルにも所属してない感じ。ん?これもボンズか…
おそ松さん
結構マジに秋の中で期待あるやつです。マンガアニメの記号的なとこを再デザインするってやつ。コンクリート・レボルティオがガッチガチのロボットネタを再デザインやってるとしたら、こっちのほうが構図わかりやすいかもしれません。
いまどき60年代フォームのやつを例えば京アニみたいなリアリズムばりばりで再生してもまったくしょうがないわけで、たとえばTVCMで赤塚キャラをフィーチャーするときってのはアート・デザインの方法に乗せてネタとして切り取るじゃないですか。
近年のアニメのフォーム自体もありきたりな構図からデザインで切り取りなおす、ちょい俯瞰して作る、文脈を書き換えるみたいなのが少なくないんですがこれはそういうスタンスの最右翼ではないでしょうか。
ここのところ90年代のヒットや往年のヒット作の再アニメ化ばかりで、新規に作るよりも名の知れた原作の新解釈で手堅く、というのが目立ちます。とはいえ、アニメートとデザインに関しては新規で切り込んでいる部分は多分にあるため、まあ「過去の原作に頼り切ってる」とか言っちゃうのもどうかなとは思います。おそ松さんすごいよ。
おそ松さんに2015年が終わるすべてを託している人は一体どれくらいいるでしょうか?観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。