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17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

今季のアニメーションの1話だけを観て今のモード(形態の流行)を全て決める最悪のアニメレビュー

今ごろ日本アニメ(-ター)見本市2015上半期 ふらっと見たら立て続けにワースト作品が…

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三本の証言者 監督 うつのみや理

 

 1秒たりとも観るべきところが無い。この時代に置いてアニメート、レイアウト、デザイン、コンセプト、その全てに何一つとして意味が無い。今年観たすべてのアニメの中でワースト。今年は多分これより下は無い。これが日本の商業アニメーションに関わるベテランのファインアートとしての作品なのだとしたらそのクリエイティビティに目を覆う。

 

 

 いきなりここまでのことを書いた以上何故そう思ったか書いておいた方がいいでしょう。うつのみや&西尾体制によるまずリアルな人物造形によるアニメートが基本なんだろうが、その登場人物たちのデザインがひどすぎる。制作した彼らは作画アニメだどうだといって持ち上げられていた「THE八犬伝」のころみたいなバブル終わったかくらいのの頃にひきずられているのでしょうか?だからといってこの作品が90年代作画アニメリバイバルをやれているとも思えません。全然再評価でもないし、むしろ今オールアナログでやるとかの気概もない。何もない。

 

 リアル造形によるアニメートはさんざん90年代からプロダクションIGから掘り下げられ、やがて神山健治のサイボーグ009あたりでセルルック3Dにまで到達。ある意味でリアルな作画一方でリアルな人物造形とアニメートが引き起こす、リアルならではの違和感という表現なら「悪の華」がやったロトスコープをやるなら意味あると思います。が、そういうもんでもないですよね。

 

 リアル目な造形とアニメートつったら「神撃のバハムート」がありましたがあれは本当に人物のデザインがよかったし、あれはまだセルルック3Dで回収されるギリギリの手描きアニメの魅力を追ってたと思います。一秒たりとも観るべきところが無いのはもうそこで、もうセルルック3Dにしたらいいじゃんと思う無機質な手描き作画の無駄な正確さ、リバイバルや再解釈の跡すらないバブルの残滓のようなデザイン、ロトスコープでやったらいいのにと思うリアルさの違和感の描写などなど、すべてが過ぎ去った価値観でやってるからです。あまりにもひどいので口直しにロトスコープによる違和感&手描きの面白さであるJoseph Pierceのアニメーション「the pub」置いて去ります。

The Pub from Joseph Pierce on Vimeo.

 

オチビサン

 

 完全にセリフを排したストップモーション風味2Dアニメーションの映像のみで見せるゆえに、下手にセリフの多い安野モヨコの原作よりも純度が高く見えるのがよいです。お弁当箱ネタからうちわのガラ、そして湯呑みといったモチーフを使い、この手のアイディアではわりと短編アニメーション全体からするとオーソドックスな切り口なんだけど…

 

偶像戦域 監督 山下いくと

 

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 絵的な純度が高いです。世界観にコンセプトや説得力が存在しないデザインの純度で生まれている感じです。庵野秀明抜きのエヴァンゲリオンってこんな感じでしょう。80年代と90年代はほんとに全盛期だったのだなあ…でももう世界観やコンセプトが存在しないデザインだけの勝負って、「マクロスF」以上にいいのはあるのかななんて思いながら眺めていましたよ。

 

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 それにしても、実際にクリンナップされて仕上げられたアニメよりもラフな描線や、色彩の統一の為されたイメージボード、メカニックの設定画のほうが遥かに魅力的に映ってしまうのはなぜでしょう。この企画での前田真宏監督の作品はいまんとこ全て美的なところを突いていて素晴らしいのはそういう即興の部分やコンセプチュアルな部分を生で出してるせいだったのだと思います。

 

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イブセキヨルニ 監督 平松禎史

 

 うわあ…ガッチャマンクラウズインサイトをクローズアップしてるのにこう言っては何ですが、現代を掴むのに政治(しかも、うすっぺらに)にアクセスするのは本当にひどいものばかりですね。しかもGKってお前…怖いよね、エヴァ作ってる人らしい確かな画力で、一見常人に見えるが内面は汚れた呪いにまみれた一番ヤバいやつです。

 

 あまりにもひどいので他の感想どうなんだと調べたりしたら、案の定というかクラウズのほうとダブらせてる意見があってビビりました。比較してクラウズのほうは本質的には特定の政治思想も政策や体制へのが一切ない寓話であることは確かです。またデザインにSNSベースのフラットデザインで組むというのがとにもかくにもデカい(これは本当にデカい。)ため、近いようでいてまったく別です。

 

 政治という題材を取り扱う際、無暗な評価をしがちかもしれません。実際には作ってる方の知性や感情というのが題材を通して喚起され、それが作品となっているというのは政治を扱おうがリンゴを扱おうが変わらないことです。ですので、わざわざこの時期にそれを取りあつかって導き出した設定や解釈が明らかにヘイトをまき散らすことを前提にして発想されてますもん。

 

 これを見てくださいよ。ミサイル落ちて米軍撤退!中国に飲まれる日本!独裁者!おいこれTwitterとかでよく見かける、国や世界情勢に無暗な憤りをぶちまけること前提で設定してるだろ!

 

 これあまり話題になってないけど「GATE」とか最近気味悪い切り口の作品が商業から出てきてるのはどうしたことでしょう?平松禎史エヴァンゲリオンの中核にあるアニメーターなのに、ひとかけらとして美も憂鬱も無い特定かつ偏見にまみれた政治描写による演出と脚本を前に、もはや太陽の法エル・カンターレのアニメをひとは嗤うことなんてできなくなっているのではないでしょうか。そしてクソみたいに偏った政治解釈のくせに、セックスが騎乗位から案の定スタートしているのも意味もなくムカつきます。これは今年観たアニメのワースト2位で。

 

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I can Friday by day! 監督 鶴巻和哉 


 

 遠目に見てると旧エヴァンゲリオン以降に自己言及的に実写映画へといってしまった庵野秀明監督がアニメートから離れていってしまう一方、ある意味1997年から現在までにエヴァがやったちょっと商業アニメーション全体を俯瞰するといいますか、アニメートの面で牽引していたのは鶴巻和哉ではないでしょうか。

 

  実際「フリクリ」から「トップをねらえ2」になどなどをちょっと俯瞰したところから商業アニメーションをデザインしなおした感があり、ジャンルアニメでありながらなにかジャンルに回収されないような、なんというかメインストリームの欲求と距離置いてる感ありますよ。 


  漫画版「フリクリ」を担当し、「化物語」の仕事も印象深いウエダハジメと組んだ本作のデザインは特筆して上手い。類型的なアニメ表現やキャラクターデザインをも一つのデザインとして解釈しなおしてるのがよいです。そういや、「フリクリ」のキャラデザ担当した貞本義行からウエダハジメもバックグラウンドでちゃんとアート・デザインでものを捉える訓練積んでる方ですね。

 

 ずっとローリングガールズは何か掴みかけてて優れてるよ、村上隆あたりが商業アニメをアート・デザインのマテリアルに解釈したやり口の完成系がいつか誰かやったらなと書き散らしているんですが、変化はある気はします。大きなヒットこそ繋がらないものの、水面下では今の商業アニメのデザイン取り扱いのレイヤーはだいぶ変動してきていると見ます。

 

 でもむずいですよね長編で。短編のアートアニメーションやMVなら5,6分の枠の中でアート・デザインの視座から商業アニメーションを切り取るとか出来るんですけど、シリアスな脚本や人物描写が求められる中で ぶっちゃけローリングガールズもブルーハーツのカバーをバックに5分くらいのMVでまとめたらおさまり良いのはわかるし、ガッチャマンクラウズインサイトにしてもあれは要点のみ抽出して短編アートアニメーションにしてしまった方が美的かもわからない。ぼくが推している方法や視座は物語やキャラクターというテキストを問われる部分ともの凄く相性がわるいのです。

 日本アニメ(-ター)見本市は「ME!ME!ME!」など優れたデザインの作品がいくつかある一方で気が抜けるくらいひどいものも混ざっているあたりがいいですね。そんなわけないですね。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。

 

 

日本アニメ(ーター)見本市サウンドトラック第一弾

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日本アニメ(ーター)見本市サウンドトラック第一弾

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