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17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

今季のアニメーションの1話だけを観て今のモード(形態の流行)を全て決める最悪のアニメレビュー

このラノベアニメは貴重な存在かもしれないね「デュラララ!×2 承」

2015年冬のモード
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デュラララ!×2承 視聴フル アニメーション制作: 朱夏

 

 

 2009年に最初のシーズンが放送されたのですか…例によってニコニコで視聴してたんですがコメントで「なぜいま?」というのが少なくなかったんですが、初見であるぼくにはむしろいまだデュラララ!のデザインは有効な時代と思います。

 

 ラノベアニメがびっくりするくらい変な時代のままでタイトルからして聖剣が禁呪を詠唱したりガッタガタのありがちな色調統一もくそもない一世代前のキャラデザインと「ほんとに2015年か?」というものだらけであるがゆえに、2015年になっていても「デュラララ!」はそんなに賞味期限を目減りさせていないんじゃないかと見ます。いやいや、所詮初見の意見なのでやっぱダメかもわかりません。

 意外に絶妙なバランスにあると思うんですよ。おしゃれバカアニメにもなりかねないし、FF野村哲也ばりの「かっこいい男性デザインの最高級は結局ホストかお兄系しか基準がない」みたいなとこもあるし、そうじて中学生全能感のトホホデザインの危うさもある。でも「デュラララ!」はそのどれもが陥る地獄をギリギリのところでかわしてる感じあります。いや個人差で地獄行きに判定してる人も多いでしょうが、今日のぼくは菩薩のような心になっているのかもしれません。

 

 おしゃれバカもトホホホストお兄系も中学生全能感のそのどれかに落ち込む可能性が数多く存在しているのに、そうはなっていないだろうのには脚本家の手腕であるとか監督の手腕も関係あると見ますが、ぼくはそれはキャラクターデザインのヤスダスズヒトのバランス感覚そのものではないかと思います。

 

 それにしても2009年から現在までのおよそ6年、京アニの「けいおん」とかあった年だしシャフトあたりのグラフィックデザインのような構成の進む時代、京アニやシャフトの行うデザインに追従してきたものは数多いのですが、いまだ「デュラララ!」の席は誰も座れてない感じします。

 

 

ヤスダスズヒト画集 シューティングスター・カルナバル Side:夜桜四重奏

ヤスダスズヒト画集 シューティングスター・カルナバル Side:夜桜四重奏

 

 

まさかのボアジュースのシーン その真意は?

 

 

 そしてこのブログのようなクラシックアニメ方面からつついていく嫌がらせのようなことをやっている向きには、ついおおきく身を乗り出してしまうような演出が一個ありました。それはほんの些細なことなのですが、車の中でTVを観ながら電撃レーベルのラノベの話をしているというシーン、そのTVのCMです。

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 そこにはなんと「ボアジュース」のCMが挿入されていたのです。トリスのハイボールのキャラクターデザインをモチーフにしただろう、ジョン・ハブリーあたりの米国リミテッドアニメーションのようなムードのわずかなアニメ。

 

 このCMが何を意味するのか?それはかつて日本の長編アニメーションの最大手であった、東映動画の1963年の作品「空飛ぶゆうれい船」に出てくる最重要なモチーフの一つです。「空飛ぶゆうれい船」では悪の組織が街を支配するのにみんなが愛飲するコカコーラのような炭酸飲料に何らかの有害物質を混ぜ込み、マスメディアを利用することで広め、街を支配しようとするのです。

 

 また、その頃の東映はディズニー式の古典名作童話や神話からフルアニメーションを作っていた時期から、人気漫画を原作とする日本式の省力リミテッドアニメの大量生産へと移行したころでもあり、石ノ森章太郎を原作とする「ゆうれい船」は題材から演出、構成に至るまで現在に連なる日本のTVアニメのモチーフから表現まで先行した作品であると思います。若き宮崎駿も参加しているんですが、「ああ高畑勲鈴木敏夫といった出会いが無ければもしかしたら戦車をドッカンドッカン描いて幸せに終わっていたのかもしれないなあ」などとさえ思ってしまいます。

 

 

 

空飛ぶゆうれい船 [DVD]

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 「ゆうれい船」はいつか戦後の東映動画アニメ連続書き散らしみたいなのやるときにでも詳しくやりたい気がしますが、そもそものラノベ談義のシーン自体もなにか琴線にかかるものがあったのですが、なにかこのシーンに所属してるライトノベルという歴史、日本長編アニメという歴史の二つの振り返りが凝縮されておりなぜか心揺らいだのでした。

 

 「デュラララ!」は思った以上にトータルデザインが絶妙な位置にあります。実際このラインを求めて「ハマトラ」とか「残響のテロル」とか死屍累々ですし、しかもオリジナルアニメとか戦略的なメディアミックスでこれかよ、という中、近年は地獄のようなアニメ量産場と化している感すらあるラノベアニメ発でこれは相当貴重な気がします。しかも過去を振り返りもしないのが常みたいなこのジャンルで、ゆうれい船からダブルブリッドまで引き込むというのは何か思った以上にただならないとこあります。

 

 えっ!?嘘だろ?まさかの絶賛になってる?!観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。

 

 

 

ダブルブリッド (電撃文庫)

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