ベイマックス 視聴フル 製作:ウォルト・ディズニー・アニメーションスタジオ
なんだか今回、"いつか書き散らすだろう"と思ってた要素がいくつか重なってる初めてだらけなので変な緊張ありますね。 それはフル3Dというフォームのアニメーション、商業アニメーションの巨人ディズニー製作、さらには日本のアニメとかの要素まで混ぜ込んでるってんですから。日本のアニメ的な部分、とも語られますが、実際は日本アニメとは徹底して入ってないものばかり、と思いました。
3Dアニメの面白味がかなり広い範囲に設定されていることがやはり脅威です。金属の質量、塗装の掠れ、ベイマックスの膨らむ素材、そして水の表現をはじめ3Dで限りなく現実のものをトレースしたリアルな描写という側面に加え、デフォルメされたキャラクターやアニメートの自由さという対照的な二つの面白味を備えているあたりがさすがのディズニー仕事なんだと感じ入りました。
ディズニーのアニメ。それは「白雪姫」の古典の頃から徹底した動きや物理現象のリアリズムを徹底したうえで、デフォルメを行うことでしょう。絵やアニメという人間が手で描き、作り上げる表現の快楽はやはり二通りあり、現実のリアリズムを徹底して平面やCGの中で再現することの快感と、物理現象を超えていく人間の想像力を実現する快楽の二つです。そしてディズニーは商業アニメーションにてそれを実現し続ける正道でしょう。
シュガー・ラッシュ DVD+ブルーレイセット [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
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「アナと雪の女王」では雪の物理現象を徹底してトレース、かと思えば「シュガー・ラッシュ」では昔の8bitゲームのとびとびの動きさえもアニメートとマニアックにして正道は毎度思うんですが、ベイマックスもともかくリアリズムとデフォルメのアニメートのうまいところ探して落とし込むからすげえですよ。
その心はなにか?というと、ロボット工学というモチーフです。それはすでにある種人間の想像力を実現しようとするものとも言えますし、人間のある感覚を映像で実現しようとすること・現実の物理現象を追うリアリズムというアニメーションが生きる二つの要素を同時に持ち合わせてます。
リアリズムだけでは柔らかさが無くダメでデフォルメの想像力だけだとアニメートの筋力が弱まる。ベイマックスのキャラクターは現実に柔らかいロボットを研究している大学にリサーチしてのものでらしいですし、現実の素材のリアルさと想像力の双方が合いまったバランスのところにジャストにボールを投げ込んでいます。
この世にはあらゆる範囲のクラスタといいますか、客層があると思いますがディズニーはその中でもあまりにも厳しく野蛮な目つきをしながらインターネット上で牙をむく、でも政治上にはあまり変化も影響も与えてくれないマニアやオタクの目も外しません。マーベルコミックの代表作家、スタン・リーも外さないその広さも相当です。
- 作者: Brittany Candau,Jeff Clark,Scott Tilley
- 出版社/メーカー: Disney Press
- 発売日: 2014/09/23
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この前の連休で観たんですが、それにしても久しぶりに子供たちやその親といった家族、その他兄ちゃん姉ちゃんといった数多くの年代と揃った多くのお客さんの中で観る映画はいいですね。普段気取り腐った映画を数名しかいない中で誰もが神妙な面持ちで眺め、そして上映が終われば静かに去っていく体験ばっかりだったので、ヒロとベイマックスの漫才がドッカンドッカン子どもたちにウケていてそういうのも込みで行って良かったなあと思います。
映画はやっぱ現場で観客ごと体験を共有するかのような場になってなんぼですが、渋谷ユーロスペースで「サウダーヂ」で、そして「エヴァQ」を観た後の客席がどよどよとし始める共有以来でした。でも「アナ雪」で観客席で「ありの~ままの~」を歌い出すなんてのは無しだがな!今観客の共有が強烈なのは結局アニメ関連か!?「楽園追放」とか観客席はワーオとかヘーイとかメルドーとか大騒ぎだったんでしょうか?どこの国の話でしょうか?観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。