ローリング☆ガールズ 視聴フル 製作 WIT STUDIO
もう去年一年書き散らしてわかりきっていたはずですが、ゴチゴチのラノベアニメゲーム的な固い絵柄、固いアニメート、類型的な進行、固いテンポで10年から30年前くらいからクリエイティビティ止まってんじゃと感じるのが意外にも多くて前回のファフナーの書き散らしなんておかしくなっていたんですが、この「ローリング☆ガールズ」でちょっと持ち直した感じです。これはパッと見冬のなかではトップランクのデザインではないでしょうか?
柔らかなカオスです。膨大な色彩を使用しながらパステル調を使うことでまとめあげ、しかも世界観もデザインも出鱈目、もはや思いつきでしょう。そこに唐突に挿入されるブルー・ハーツ、バイクにはBOOWYのステッカーも見えましたし謎の80年代バンドブームの代表の引用の意味わかんなさ。しかし、なにかまとまってる感じがある。
にもかかわらず意外に堅持されてる登場人物たちの服飾のデザインや、本作飛び切りのとくしょくとさえ映る手描きの描線の柔らかさを感じるキャラクターたちの描かれ方、アニメートやアクションの柔らかさが非常に印象深いです。搭載されてる膨大な地方、美少女、バイク、80年代バンドブーム、決闘みたいな何のつながりもない闇鍋を、どこかしら統一感を持たせていることで本作はかなり高いデザインを持っていると見ます。
もうこの手の作品になにか正当な脚本術であるとか、各キャラクターの行動原理のロジックとかでかたっちゃうのはどうかなあという気がします。それにしても画面構成がバステル調のなかで多彩な色彩を投入しまくるというのに重なるように、闇鍋のようにいろんな要素、デザインをぶち込んで構成するタイプのアニメ、これも意外にけっこう見かける気がします。
なんでしょうね?これなんでしょうね?スーパーフラットてやつ?「あらゆる時代や団体という情報を詰め込みながら、それぞれに意味や内容は無くなり、等価に無意味なのだ。もはや過去も未来も、80年代も90年代という時間区分もトレンドも、この時代のデザインの視座の中ではその時代というアウラを持たず、等価な情報として並べられるのがこの時代のデザインなのだ」とか言いだしまくったら、ぼくも黄信号でしょうか?
ちなみに今季ではなくここ数年スパンだったら似通ってるのは「キルラキル」とか「魔法少女大戦」、そしてデジタルのなかでの手描き描線が生き生きとするアニメートは細田守作品とかなんですが…まあ観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。
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