蒼穹のファフナーEXODUS 視聴7分
また一つ現れました。瞬間的に熱しそして忘れられるために生まれ、次の瞬間に繋げるための礎です。
どうあれ現在までに繋がる多くの環境や視座、基準みたいなものはおおよそ80年代までに形作られておりそれがある意味では延々と続いているのではないかと錯覚することがしばしばあるのですが、ファフナーを観るとそういう思いに囚われます。
永遠に続く80年代。それは日本の長編アニメがひとつの頂点を極めた時代…映画で宮崎駿の「風の谷のナウシカ」、大友克洋の「AKIRA」、そして日米の商業アニメーションの技術が交錯するテレコムの「NIMO」、日本式アニメの脱構築を狙う押井守の「ビューティフルドリーマー」…さらにはOVAブームによって花開く川尻義昭の「妖獣都市」やら「メガゾーン」シリーズや「幻夢戦記レダ」などなどのエクスプロイテーションぶり…
永遠に続く80年代。それは未だ引き摺られる。ファフナーはまるで遠い時代のさびれた映画館で上映され続けるトラック野郎みたいな古い娯楽映画みたいだ。実態の無い戦争…そしてスーツのデザイン、核攻撃。映画を観たってもうどこにも80年代の気配が続いてるものはないはず、なんて思っていてもところどころ80年代は顔を出す。それは過去への郷愁か。恥か。アニメではしばしば顔をだす。「クロスアンジュ」はもっと評価すべきだったのかもしれない。
小洒落たデザインをよしとするトレンドに喧嘩売るかのようなダサさをぶち込み傷つける「クロスアンジュ」 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
もはやどこにもいないけれど今この時代だからこそデジタル製作でやることに完全に抵抗し、3DCGモデルによる戦闘機とかも完全拒否してアナログの手描き・手塗りセル画というものを無理にやってやろうとするアニメ制作があったらそれはそれで意味あることなんだけどな、タランティーノ&ロドリゲスの「グラインドハウス」みたいなイズムで80年代OVAエクスプロイテーションを再生しようとするやついないかな、だなんてふと思う。
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でもアニメファンの多くはどうなんだろうね。何もかもデジタルで統御可能な状態になっているのに対し、音楽におけるローファイ(わざと質の悪い器材で録音すること)とか映画に置ける徹底したフィルム撮影による、強い物理メディアとしての実感を取り戻そうとする試みというのはあるし、音楽をアナログ盤で収集みたいな一世代前の情報媒体を求めることによって得られる実感みたいなマニアックな部分はアニメファンも絶対あると思うんだけど、どうかな?「2014年に一切デジタルは使わない。徹底したアナログ。全て手描き作画。撮影。そしてVHSのみで作品を販売」みたいな奴が出てきたら全力で収集するファンはいるかな?
余談だけど純粋なアニメ表現に話を絞ればデジタルやアナログを巡る、作品の物理的な実感の差みたいなものはアートアニメーションの界隈ではどうなのかな…現在では山村浩二や水江未来なども基本的には手描きのアニメートを重要視しているが、最終的な撮影や編集、画面構成に関してはPCを使った処理は欠かせなくなっている。個人作家にとって作品の完成に至るまで立ちふさがる多くのコストをデジタル製作は抑えることは可能だ。いやいや、そんなこといっても作家によってはオールアナログに徹するのはいるな…何でもないです…
アニメにおける、作品の手触りのアニメートだけではなくディストリビューションまで含めた強烈に物理的なものの実感への回帰、なんていうのはやってるところはやってるかな?。
その意味では、やはりアンダーグラウンド作家の原田浩なんかは「少女椿」の上映の伝説も素晴らしいし、代表作の一つ「二度と目覚めぬ子守歌」も自分で焼いたDVDを中野のタコシェに販売していたなんてのも込みですべてにおいて物理的な実感だらけで最高だ。いや、アングラやカルトてそういうことでもあるけど…
日本アニメの常識を粉々に破壊した伝説のアンダーグラウンドアニメ作家・原田浩 - 17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード
話ブレまくりました。この辺でまた丁寧語に戻して締めますか。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。
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