17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

作画の動きやデッサンという評価ではなく、カットのテンポの面白さ美しさという評価

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神様はじめました◎ 視聴フル

 本気でやるならばアニメは実写映画以上に膨大な資金や作業量というリソースが関わるジャンルです。それに、1秒間に搭載できる情報量というものにも敏感な映像芸術としては映画以上になにか本質にかかわるポイントがあるとみます。

 

 しかし時間や作画枚数といった低リソースによる大量生産の現実があり、日本式のアニメの発展はそこにあるのは疑いようありません。

 とはいえ、大量生産される日本型のリミテッドが意外にうまく発展させてきた側面があります。それは「膨大で緻密な動きやデッサンの作画アニメ」ではなく、むしろ「膨大なカットを切り替えて進行させるテンポの気持ちよさ」があるのではないでしょうか。

 

 ワンカットでの作画量はほとんどセリフを喋る口しか動いていないなかったり、かっとによってはほとんど一枚絵のようですらある。それはアニメの魅力としては低いとされそうな部分でしょう。

 

 ざっと見渡してもアニメーターによる作画やレイアウトを語るブログというのは80年代のメディアあたりが構築したアニメレビュー方法を引っ張る形で数多く見かけますが、実際に目にし、耳で聴き、体感しているはずのアニメの時間やテンポに関してはなかなか見かけない気がします。

 

 そう「神様はじめました◎」はカットとセリフ終わりから次のカットへと飛んでいくそのテンポと時間がとても爽快にデザインされています。作業量が問われる作画枚数が少ない分、コンテのカットやセリフの詰めによる演出のテンポによる気持ちよさ、これは古くから演出にかかわってきた大地丙太郎監督ゆえの特色でしょうか?漫才でいうところのタカトシ的なというか。

   

 ちなみにいまんところ日本式リミテッドのカットの移り変わりのテンポの美しさ面白さを現代のアート&デザインでアップデートしたトップ中のトップは今石監督の「キルラキル」ではないでしょうか?カット・セリフ・音楽の出し入れ全てを合わせてかなり整理されている。あれは「グレンラガン」よりもその意味で上ではないでしょうか。

 

 それにしても何だかやくしまるえつこ系統のあの声でアニメOPテーマを任されるというのは何でしょうか?オタクはサブカルにあこがれサブカルもオタクの恩恵をほしがる時代でしょうか?というかもうオタクもサブカルもどこにもいないのでしょうか?OPなんだかんだでよかったよねと思った僕は軟化してるのでしょうか?観たアニメは忘れましょう、でもテンポいいカットやセリフもそのままに、次回にお会いしましょう。

 

 

神様はじめました/神様お願い(通常盤)

神様はじめました/神様お願い(通常盤)