神撃のバハムート GENESIS 視聴フル 制作:MAPPA 監督さとうけいいち
「残響のテロル」に続いて絵作りやアニメートの基本レベルを実写映画に置いているようなクオリティを誇るMAPPA製作の本作。
監督も渡辺信一郎に続いて「タイガー&バニー」のさとうけいいち。こちらも時間芸術的なテンポやカットの気持ちよさや脚本・コンセプトのロジックは弱いタイプなんだと思いますが、その代わりキャラクターの造形と舞台の絵作りそのもののがぶっちぎりで良いです。
タイバニあたりもそうなんですが、なんつってもキャラクターの造形がいい。主人公のアフロとリーゼントってのもシルエットで一発で分かるそれで、服飾も情報量多めです。そんな中をけっこうなアクションさせてるってのが映像になってるだけでそれでいいって感じです。
けっこうラノベ発の人気アニメとかのキャラとかってフィギュア化とかするじゃないですか?で、わりと立体化した際って「平面特有のうそ」ってのが無くなるので、その分を立体化した際にどうフォローしていくかなんですが、大抵はそのまま形にするものなんで味わいがなくなりファンアイテム以上のポイントってないものになるんだけど、本作なんかははじめから立体やフォルムを意識した造形になってます。で、そこが面白い。
しかし面白いもんで、モブなんかもきっちり造形されているし、脚本上で世界観をひととおり一見作品内の世界観をきっちり描写してるように見える。にもかかわらず「Gのレコンギスタ」のような広がりや息づきを意外に感じにくかったりしますし、意外に感情移入が乗りづらい内容でもあります。
この辺には意外に作画にウェイトがかかるタイプ特有のワンカットの作画の実感に力を入れるゆえにカットの移り変わりのタイミングの鈍さ・音楽のタイミングや内容・サウンドエフェクトなんかの弱さなんかを犠牲にほとんどを造形に注力してるゆえなんじゃないでしょうか?
さとうけいいち監督自身がキャラクターデザイナーで特撮関連も手掛けるという手前、世界の広がりは無くてももの凄く造形のいいキャラクターが面白く動いてるってだけでも映像の面白さは成立します。スポーツで言ったら全選手で躍動してるチームつうか個人競技的なものを観てる面白さです。90年代くらいの実写指向型のアニメートによる作画アニメの面白いものってことどうでしょうか?
それにしてもモバゲーやGREEといった、ガラケーがまだ主流だった時代の隙間時間を狙ったビジネスたる簡易の旧型ソーシャルゲームの時代ってスマートフォンが主流になるにつれネイティブアプリで情報量が増加したゲームに変貌、旧型の簡易な奴は黄昏になってきている時代に「神撃-」のアニメ化なんですが、そういう事情もあるのかどうか不明ながらやりたい放題なんですが果たしてプラスになるのか?観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。
Holy Future (「神撃のバハムート」シリアルコード付)
- アーティスト: ルシウス,子安武人
- 出版社/メーカー: 響ミュージック
- 発売日: 2014/08/20
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (3件) を見る